投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 06 日 09:22:52:
国の資産と負債の状況を明らかにするために大蔵省が初めて作成した九九年三月末の貸借対照表(バランスシート)の全容が五日、明らかになった。国が保有する土地、建物などの固定資産や有価証券、貸付金などを合計した資産額は六百五十八兆円だったの対し、国債や郵便貯金の残高など、国が支払いの義務を負う負債は、公的年金の将来の支払額をすべて計上した場合で千四百三十五兆円に達し、負債が資産を上回る債務超過額は、七百七十六兆円にのぼっている。
年金加入者がすでに拠出した積立金(資産)に見合った額だけを「公的年金預かり金」として負債に計上した場合は、債務超過額は百三十二兆円、将来の年金支払額のうち、国庫で負担する分だけを負債に計上したケースでは二百六十九兆円となる。
国のバランスシートは、九八年度決算をベースに、一般会計と特別会計のすべての資産、負債を企業会計に準じて整理したもので、特殊法人や地方自治体は集計の対象にしていない。
国は、公的なサービスを行うため、資産の形成につながらない支出が多く、資産に比べて債務が過大となりやすい。大蔵省も、「利潤を追求して資本強化を目指す民間企業と違い、債務超過でも民間企業のように破たんを意味するわけではない」と説明している。
しかし、財政の厳しい現状が改めて裏付けられたことで、財政再建をめぐる論議に影響を与えそうだ。
大蔵省は、九九年九月から学者などの意見を基に作成を進めてきたが、国が将来に支払いを約束している公的年金をどこまで負債に計上するかをめぐって、見解が統一できず、今回は三ケースを併記した。