新生銀行、地銀の総スカンを喰らい信用金庫に急接近!

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投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 9 月 13 日 17:56:16:

▼地銀に嫌われた新生銀、信金に猛接近(夕刊フジ)

「あの新生銀行が、ここへ来て水面下で、しかし積極的に、全国の有力信用金庫の囲い込みを図っているというのです」
都内に本店を置く信金理事長がこう言う。
新生銀行に関して言えば、“そごう倒産”の一件以降、日本の金融業界においては間違いなく“鼻つまみ者”的存在と化してしまった、と言ってもまず異論は出てこないはずだ。
「少なくとも地銀業界では、銀行業界の慣例を無視する形で第一ホテル、ライフ、そごうなどの有力企業を次々と経営破綻へ追い込んでいった新生銀行に対して露骨な形で不快感を示しているのが実情です。ある大手地銀の頭取などは、『地銀業界を挙げて、新生銀行が発行する金融債の不買運動を起こそう−』と公然と言っているくらいなのです。現在、地銀業界と新生銀行の関係は最悪の状態に陥っています」(大手地銀役員)
新生銀行が発行する金融債の販売先という意味では、地銀業界と同様に優良顧客である第二地銀業界については、まだ表立った動きには発展してはいないが、その内心では、新生銀行に対して苦々しい思いを強く持っており、徐々にではあるが確実に新生銀行離れを起している、と見て間違いないだろう。
「そして、そうした状況に相当な危機感を持っているのが、旧長銀の行員たちなのです。いくら外貨預金による資金調達を強化すると言っても、スムーズな金融債の発行ができなければ、新生銀行の資金繰りはたちまちにして破綻してしまう、ということを彼らは十分に認識しているのです。新生銀行と地銀や第二地銀との関係が順調にいっていない以上、新生銀行が有力信金に接近するのも、当然といえば当然の話です」(大手都銀役員)
つまり新生銀行としては、信金業界に接近を図ることで、金融債の販路を拡大しようとしている、とみていいだろう。
しかし、それほど簡単に、新生銀行の思惑通りに物事は運ぶのだろうか。
「新生銀行は信金業界との間に親密な関係を結ぶべく、信金業界に様々な金融サービスを提供しようとしているのです。具体的には、現状では一部の信金でしか取り扱えない信用保証協会の“私募債保証制度”について、新生銀行が全面的なバックアップ体制を敷くことで、すべての信金に取り扱いの道を拓こうという動きなどが挙げられるでしょう」(前述の都内信金理事長)
この“私募債保証制度”とは、信用保証協会が保証を付与することで、大企業に比べて信用力に劣る中小企業にも社債(私募債)の発行を可能にさせることで、中小企業の資金調達を支援しよう、という制度だ。
そして、中小企業などがこの制度を利用するためには、金融機関による仲介を必要とする。
「ところが、大多数の中小企業が信金をメーンバンクとしてはいるものの、大部分の信金では、この制度の取り扱い窓口を務めることが不可能なのです。それというのも、仲介金融機関は、社債等登録機関の資格を有する必要があるからです。ところが、大部分の信金がこの資格を持っていないからです。このため、“私募債保証制度”の利用を希望する中小企業は、大手銀行に仲介を依頼することになります。信金にとっては相当な痛手といえるでしょう」(都内信金理事長)
そこで、社債等登録機関の資格を有する新生銀行が、信金に対する機能補完を図っていくことで、信金業界もこの制度を積極的に利用することが可能となったのである。
「信金業界にとっては、そのメリットは極めて大きい」(前述同)
そして新生銀行としては、このような形で信金業界と関係強化を図っていくことを通じて、信金業界にも積極的に金融債を引き受けてもらいたい、というのが本音だろう。
「それだけ、新生銀行が追いつめられている、ということに他ならない」(大手都銀役員)
鳴り物入りでスタートした新生銀行だが、何やら哀れをさそう、と言ったら言い過ぎだろうか。



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