投稿者 倉田佳典 日時 2000 年 10 月 03 日 16:37:14:
「噂の真相」が森首相の指紋鑑定を要求!
海外メディアも裁判の行方に注目
森喜朗首相=写真=の最大のアキレス腱といえる買春疑惑。警視庁は東京地裁が命じた犯歴調査を拒否する回答をしたが、3日午前に開かれた第4回口頭弁論で、被告の月刊誌「噂の真相」は真実を明らかにするため、首相の指紋採取と鑑定を申し入れた。東京地裁はこれを留保したが、海外の報道機関もこの裁判に大きな関心を寄せて傍聴し始めているだけに、今後の展開が注目されそうだ。
森首相が、買春疑惑を報じた「噂の真相」を名誉毀損で訴えた民事訴訟。この日の口頭弁論で、被告側は「警視庁が犯歴調査に回答できないのは記事が事実のため。行政機関の長である首相が『回答せよ』を命じないのも、事実を自白することに他ならない」と主張した。
そのうえで、「首相の指紋を採取して、これを然るべき機関(=警視庁科学捜査研究所など)に送って指紋番号を特定するための鑑定を申し立てる。報道した前歴カードにある指紋番号とこれが一致すれば事実は明白。首相も異論はないはずだ」という検証・鑑定申立書を提出したのだ。
「過去に例はないだろうが、(首相の疑惑に関わるだけに)裁判所が命令するにふさわしいと考える」とは被告側弁護士。
これに対し、信濃孝一裁判長は「留保する」と即答を避け、「他に立証方法はないのか」と被告側弁護士に質した。ただ、こうした最中もいちいち「それは証拠能力がない」などと異議を唱える原告側弁護士に業を煮やした裁判長が、「お宅(=首相側)が訴えを起こしたのだから、積極的に提出する証拠があるなら出して裁判を進行させてはどうか?」と厳しく苦言を呈する場面も見られた。
国会でも何度も取り上げられている買春疑惑。口頭弁論には司法記者だけでなく、週刊誌や海外報道機関の記者など数十人が駆けつける注目ぶり。首相もいつまでも「弁護士に任せている」ではすまないのでは?