投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 9 月 30 日 22:25:58:
【ニューヨーク30日=坂本裕寿】
主要企業が業績見通しの下方修正を発表するたびに、ニューヨーク株式市場が急落を繰り返す展開が続いている。原油高、ユーロ安、景気減速が企業収益に打撃を与えると見る投資家心理の冷え込みが反映した格好だが、過熱したを迎えたとの見方も浮上している。
二十八日の取引終了後に業績修正を発表したアップルの株価は翌二十九日に暴落、前日より52%も安い二五ドル七五セントで引けた。時価総額で見ると、わずか一日で約百億ドル>(約一兆千億円)が消えたアップル以外のハイテク有力株の急落ぶりも深刻で、七〜九月期の下落率で見ると、デル・コンピュータが32%、インテルが31%、マイクロソフトが23%と、それぞれ大きく落ち込んでいる。
上昇相場を主導してきたハイテク株の失速が全体に波及し、ナスダック店頭市場の総合指数は七〜九月期を通して7・4%下落、今年に入ってからは9・7%も落ち込んだ。ダウ平均株価(工業株)は七〜九月期は1・9%上昇したものの、年初からの下落率は7・4%に達している。
相次ぐ業績予想の見直しは、十年ぶりの高値水準に跳ね上がった原油価格が企業のコストを引き上げ、過去最安値圏まで下落したユーロ安が輸出企業の収益を圧迫するといった経営環境の悪化が要因となっている。十月以降に本格化する七〜九月期の決算発表の内容次第では、一段の株価下落を招くと警戒する見方もある。
ただ一方では、原油高やユーロ安が鎮静化に向かいつつあることから「十月に入れば、業績修正に反応した相場も落ち着くだろう」(JPモルガンの株式アナリスト、ダグラス・クリゴット氏)とする意見もある。