アルバート・パイク2&メイソ

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投稿者 明星 日時 2000 年 9 月 30 日 15:34:07:

 『光』,『ルシファー』,『サタン』,『儀式』,それら『キーワード』は,メイソを
悪の権化,秘密結社メイソとして連想させる単語です。
 真実は不明ですが,この文章は,そういったメイソン批判に反論する立場で,メイソ自
身が作った文章です。
 メイソン批判の格好の材料となっている,アルバート・パイクの『Morals and Dogma』,
それを,弁解する,これまたメイソ,ジョン・ロビンソンの『A Pilgrim's Path【巡礼者
の道】』からの引用を用いて,メイソがその誤解を解くべく,論理を展開しています。
 ここで,注意して貰いたいのは,メイソは何でも,吸収し取り込むという恐るべき特質
を持っていると言うことです。抜け目のない狡猾な論理が,そこには存在します。
彼らが,どのように,そのような『キーワード』を捉えているのか,その視点から考える
ことが大事です。確かに真実らしいと思わされるし,極めて論理的な推理があります。
しかし,それは彼らが,初めから持っていたものでしょうか?
 結論は,ご自分が出すものであります。また,結論を出す必要がないとも言えます。
個人的には,かなり重く,深い課題であって,個人でそうそう簡単に結論なんて出せない
と思っている次第です。
 少なくとも,彼らがその『キーワード』をどのように捉えているかのヒントになれば有
り難いです。が,くれぐれもメイソの毒毒しさに,はまらないように気をつけて下さい。


旧約聖書イザヤ;14:12,新約聖書ペテロ2;1:5-7,ヨハネ黙示録;22:16
からの引用部は,稚拙ながら,私が原文から日本語に訳しました。各日本語訳聖書と異な
って見苦しいと思いますが,ご了承下さい。なお,例によって誤訳,誤字あろうと思いま
すがこちらもご了承下さい。

それでは,長文ですけれど,覚悟ができている方のみ進んでください。(^^)
なお,私の名に似たものがありますが,関係ございません。(^_^;)


元記事
http://masonicinfo.com/lucifer.htm 

「フリーメイソンは,宗教ではない。フリーメイソンを宗教の信条とするものは,メイソ
ンリーを偽らせ,本質を変える。」
 Morals and Dogma (p.161)

アルバート・パイク著『Morals & Dogma』から引用される,次の文は,注目の的となっ
た。

 『ルシファー,(明けの【神の】子)! 光を運び,その輝きに耐え忍ぶ,あなたは,
ふしだらで自分勝手な霊魂なのか? それは違う!』

 3つの文(うち2つは実際に感嘆符!である)は,861頁からなる『Morals & Dogma』
の261頁に見つけられる。
開始早々,少し不適正な話だろうか?話をそれ以上進む前に,少し振り返ってみよう。

 一部のアンチメイソンは,おそらくロビンソン(John J. Robinson)の『Born in
Blood 』を読み,13世紀のテンプル騎士団員の極悪な行為と今日のフリーメイソンを結
びつけているのだろう。それは,ロビンソンの作品についての著しい誤解である。ロビン
ソンの別の作品,『A Pilgrim's Path【巡礼者の道】』に目を向けた方が良いだろう。そこ
には,ルシファーに関してパイクの文章からの非常に上手に書かれた解釈が見られ
る。


   ロビンソン作,アルバート・パイクと明けの明星。
      Albert Pike and the Morning Star

「アルバート・パイク(1809-91)は,弁護士,詩人,多作な作家,南部連邦の将軍,フ
リーメーソンリーであった。パイクは貪欲な読書家でもあった,特に古代文化の宗教と哲
学体系に興味があった。そして,世界中の人々の道徳を体系化して考えた。将軍としては,
アメリカ・インディアン以外は,白人,黒人どちらの軍隊も指揮しなかった。パイクは,
アメリカ・インディアンの宗教の信条を研究し尊重した。しかし,パイクはどんなに深く
他宗教を探っても,信心深い三位一体キリスト教徒として自分自身の信仰をぐらつかせせ
ることはなかった。パイクは政治の強力な中央管理化を支持しなかった。奴隷制度の問題
についてではなく,政治的な州権論の概念についてパイクは自分の人生と運命を戦争の危
険にさらした。現在,パイクは政治的に間違っていたと判断される。しかし少なくとも,
彼は信念のために死ぬ覚悟があった。」


「原理主義キリスト教徒(Fundamentalist)のアンチメイソンは,アルバート・パイク
の執筆と哲学に基づき,すべてのフリーメーソンリーを非難するのが好きである。彼らは
パイクの作品が,南部管轄のスコティシュライトメイソンのためだけに書かれたことを決
して言わない。メイソン内での作品なのに。パイクは1859年から1891年に亡くなるま
で,メソニック団体のサヴレン・グランド・コマンダー(Sovereign Grand Commander
【偉大な至高の指導者】)であった。」


「米国南部管轄のスコティシュライトは南部と西部の州で35カ所をカバーする。それは
合衆国の総メイソン会員の約20パーセント,約50万人のメンバーを有す。そのことか
ら,アメリカのおよそ80パーセントのメイソンはパイク将軍の業績について,ほとんど
知識がなかったと思われる。私は,大部分のメイソンは,パイクについて聞いたこともな
かったと伺い知った。これらの人々に,パイクの作品からの引用を使ってメイソンを非難
したとしても,何について話しているのかわからないので煙に巻かれるだろう。」


「パイクの情熱(あるいは取りつかれた観念)は,すべての人間は知識または『光』を追
求すべきであると言うことだった(見聞と見解は『光』から到来した)。一部の原理主義
キリスト教徒は,世間の人々が『我々が,この光をもたらした』,『誰がこの光を発するこ
とができるのか?』などの表現を使い続けたとしても,すべての『光』はイエスから来て,
他から来る光はアンチキリストであると主張する。Scripps-Howard ニュースペーパー
チェーンは灯台を商標に採用して,『人々に光を与えなさい,そうすれば自分の道を見い
だすだろう』というスローガンを持つのであるが。」


「パイクが使う『光』は教育を意味する。教育は,一般的に良いことと思われている。し
かしアンチメイソンは,メイソンについて,『あまりにも多くの非宗教的教育は良いキリ
スト教徒に損害を与える』という立場を強調する。しばしば彼らは,教育について『旧約
聖書,新約聖書 以外,書面での勉強は必要ない』と信じた前世代の原理主義キリスト教徒
の信念に寄りすがる。」


「・・にもかかわらず,聖書は,キリスト教徒に知識を追求するよう諭す,これは完全に
メイソンの慈善への献身を肯定している。キリスト教徒メイソンは,ペテロの第二の手紙,
第1章5-7節から,安堵を得ることができる。
 『このほかに,あらゆる勤勉(diligence)を行うことは,あなたの信仰の美徳を,美
徳の知識を,知識の節制を,節制の忍耐を,忍耐強い信心を,信心深い兄弟の思いやりを,
兄弟の思いやりの慈善を,,,増やす。』
   ・・・メイソンの信条の上手な要旨だ。」


「典型的なメイソンロッジにおける第2階級レクチャーでは,教育を続け,自由な方法で
知識を増やすことを奨励される。このことは,あまり知られていない。古い用語で言うと,
文法,修辞学,論理学,算術,音楽,天文学,幾何学などである。メイソンは,教育を続
ける長所を力説する。多くのメソニックチャリティは,宗教を問わず,学生のために価値
ある奨学金を提供しさえする。パイクは,完全な調和という点では少し異なった取り組み
方をした。パイク自身が魅了された,歴史,宗教の方面に重みを置いた(ほとんどのテー
マは彼の執筆のためであった)。」


「パイクは,生涯におよぶ,他宗教と,哲学の研究から偉大な恩恵を受けたことを確信し
ていた。なぜなら,学ぶことによりすべての人類についての幅広い見解を得たからである。
彼が研究した,古代の宗教の多くは,すでに地球上から消失していた。しかしパイクは,
それらが後の思想と道徳体系に貢献をしたことを確信した。パイクは見事な指摘をした。
マホメットが布教中に出会ったユダヤ教徒とキリスト教徒から何かしらを学んだことを,
また,モーセがエジプトの宮廷から出る時,何かしらを学んだことを。否定する人々はい
るが,論拠は正反対を示す。」


「一般に他宗教と文化への精通は有益であると思われていない。外国の思想と習慣にさら
されることは,学生の宗教と政治的な信念を汚染すると考えるのだろう。これは,カトリ
ック教会が,カトリック教徒が読むべきでない本の牽引を作った理由でもある。そして,
原理主義キリスト教徒が,教室や図書館に置いてある無宗教的立場の道徳本の除外を求め
た理由でもある。さらに,科学的な知識でさえ聖書と争っているように思える。」


「パイクの言う智恵は,『智恵とは他の人々が信じたことを学び,彼らがしたようにふる
まうことにより得られる』と言うことだ。パイクは,知識が共有できるように,彼の莫大
な知識を執筆の仕事に注いだ。今日,大学は世界の宗教の比較研究,宗教の歴史について
修士号,博士号を提供する。パイクは,賛成するだろう。彼の計画は,スコティシュライ
トトレーニングを重んじ,適正な知識を伝え,すべての南部管轄のスコティシュライトメ
イソンを教育をすることだった。知識は,教師のレクチャーで教えられるより,むしろ,
主に儀式的なドラマで伝えられる。それは通常,生徒が学習したものを保持するのにより
効果的である。パイク・インスパイアード・コースと,神学校で使われている授業の主な
違いは,スコティッシュライトは,いかなる信仰も唯一の本当の信仰だと区別しないこと
である。教師の信仰を除く,いかなる信仰の誤りも立証すのものではないと教える。いく
つかの課題は,そのような結論に到着する!
 宗教的な面,非宗教的な面からの,厳格さへの非難,そして,知識の光を探求する義務
への非難,それは,無知が無知な支配を許すことである。そう,パイクの最初の授業は,
あらゆる職場で見かけられた古いIBMのスローガンを思い出す。単純なアドバイス
『THINK!【よく考えろ】』。その明白な概念は,門弟のすべての思想を上手に扱わなけ
ればならない,多くの原理主義キリスト教徒の福音伝道者にとってしゃくにさわるものだ
った。」


「メイソン批評家の一部は,メイソンの階級行為を引き合いに出すが,パイクの執筆,特
に重々しい『Morals and Dogma』内にメイソン非難の多くの好材料を見いだす。861頁
のボリューム,多くのメイソンは所有するが,読むものは少ない。そこには,退屈な読書
のみでなく,パイク自身ののメーソンリーについての認識が全部そろっている。パイクは,
古代信仰と哲学体系の知識をまとめ上げた。パイクは,メーソンリーの背景をこれまでに
解釈されたいたものより,ずっと複雑,難解にする傾向があった。いくつかの章では,『メ
イソン』と『メーソンリー』の単語を削除するならば,それを読んでいる多くのメイソン
達は自分達に関する話だとは思わないだろう。」


「パイクは,並はずれた広い知識を持っていた。当然,すべて共有させたかった。残念な
ことに,パイクが,あてにできたのは,たった一つのはけ口であった。彼が知る南部管轄
のスコティッシュライトに,その場所を見いだした。メイソンの教義は単純明快である。
パイクは,それらを神秘的な解釈と難解で秘密めいた意味で飾るのを好んだ。」


「間違えてはならない,パイクは,管轄区域において強いメンバーシップを創るための大
きな影響力を持っていた。階級を創立することへのパイクの影響力は,その後100年間
続いた。パイクは,アメリカのメーソンリーの歴史の中に高くそびえ立つ偉大な人物であ
った。また,彼は,単なるグランドロッジのグランドマスターではなく,メイソンの実践
と法体系における究極の第一人者であった。また,ただのフリーメーソンリーのスポーク
スマンではなく,個人の意見を主張することをひるまない強い人間でもあった。メーソン
リーに関する,彼の声明を思い出すことが大切である。」


「・・・従って,Morals and Dogmaの非常に重要な部分は,序文である。その序文は
パイクが書いたものではなく,彼の作品を発表したスコティッシュライトメイソン理事会
の最高評議会の公式の文である。それは今日に至るまで続くあらゆる最高評議会において
批准され続けている。一部はこう述べている。」
 『この作品を書くに当たり,グランド・コマンダー・パイクは,著者と編集者であった。
内容の半分は,最高の作家と最高の哲学,そして雄弁な思想家の作品からの引用である。』

おそらくパイクは,自分の考えを述べるより,もっと多くの引用を使用していたのならば,
さらにうまくいったのだろう。


「この作品は,あらゆる思想を取り払うべく,スコティッシュライトメイソンの宗教的な
教義を含む。序文はこう述べ る」
 『この本の教義は,道徳の領域が,思想と真実の範囲を越えると言えるほど,たいそう
神聖なものではない。 古くから認可されたスコティッシュライトでは,「教義
【Dogma】」を,教訓,教育という本当の意味で使用する。それは「独断」の意味ではな
い。』


「ところで,序文には,非常に重要な文がある。」
 『全くの偽り,信用できないと思う部分は,拒否し,意義を唱えても結構である。』


「それらがMorals and Dogmaの冒頭にあるため,私はとても安心した。『拒否し,意義
を唱えて・・』と思う部分はたくさんあった。1つの例として,819ページから以下の文
があげられる。」
 『ブルー階級(Blue Degrees) 【第一,第二,第三階級】は,方庭(court)の外,
もしくは神殿(Temple)の柱廊玄関(portico)以外である。シンボルの一部は,もし彼
が間違った解釈によって故意に誤らなければ,そこに見られる。彼がそれらを理解するか
どうかは,目的としない。しかし,彼がそれらを想像し理解するだろうことを意図される。
本当の解釈は,エデプト【Adept:達人】(メーソンリーの王子:the Princes of Masonry
【第28階級以降】)達のために存在する』
「私は,その文を認めるメイソンは一人もいないであろうと,自分自身を納得させるため
に,多くのメイソンに質問をした。」


「彼の史実は一般的に正しいが,必ずしも彼の意見通りではない。歴史家として十字軍に
加わったテンプル騎士団の歴史を調査することに数年を費やした。私はパイクの文を読み
とても驚いた。」
 『テンプル騎士団員は,知性に欠けた,出来の悪いイエズス会士であった。彼らの合言
葉は,「世界を買うために,裕福になろう」であった』


「一方,大部分のキリスト教徒は,アルバート・パイクがキリスト教に関するパイク自身
の信仰について述べた部分に賛成するだろう。洗礼についての論理は,キリスト教の儀式
と同様である。
 『免罪のための懺悔の洗礼:すなわち改心によって示す懺悔の必要性』
 懺悔し洗礼されたキリスト教徒の『改心』(reformation)は,今の『再生』(born again)
にあてはまる。
 それは,パイクの『サクラメント』の定義であり,怒りに満ちて非難する批判家達の信
仰とまったく一致する。もちろん,批判家はその点を決して引用しない。彼らの狙いは,
『Morals & Dogma』に記述される多くの宗教,宗派,カルトについての解説を抜粋する
ことであり,本来の内容に関係なく,メイソンが古代のカルトの教義として信じているに
違いないだろう『証拠文書』として引き合いに出すのだった。彼らは,それが誤りである
ことは承知しているが,脈絡のない引用は落としこめるためのすばらしい道具である。」


「パイクのルシファーについての記述ほど,アンチメイソンをぞくぞくさせるものはない。
これを読んでいる大部分のキリスト教徒は,直ちにルシファーをサタン(地獄の支配者),
堕落天使だと思うだろう。パイクの言葉のどこに,そんな驚くべきものが隠されているの
か。
 『ルシファー(光の運搬人)! 暗闇の霊魂を思いおこす謎めいた神秘的な名前! ル
シファー,(明けの【神の】子)! 光を運び,その輝きに耐え忍ぶ,あなたは,ふしだ
らで自分勝手な霊魂なのか?』
 パイクは『間違ったルシファー伝説』を引き合いに出され,叩かれる。間違った伝説と
は何なのか?」


「私は,自分のために学び始めた。私が学んだものは,多くのキリスト教徒を当惑させる
ことができる。彼らが神の文字通りの正確な正しい作品として尊敬するキング・ジェーム
ズ版聖書は,必ずしも正確でないと話されなければならない。いくらかの誤りは,全くの
故意であった。堕落天使の物語に加え,『ルシファー』は,サタンとしての意味を含んで
いた。ひどい間違いがジェームズ版王の中にあると信者に話すのに,良い反応を期待する
ことは難しい。どうか,あなたまで嫌気をおこし,この本を投げないもう少し読んでくだ
さい。」

 
「ルシファーは,旧約聖書イザヤ書,第14章第12節に登場する,それ以外にはどこに
も見られない。」
 『どうしてあなたは天から落とされたのか,おぅ,ルシファー,朝の子よ! どうして
あなたは地上に打ち落とされたのか,そのことで人類は衰えた!』
 「How art thou fallen from heaven, O Lucifer, son of the morning! How art thou
cut down to the ground, which didst weaken the nations!」


「第一の問題は,ルシファーはラテン語名であると言うことだ。ローマ語で書かれる以前
のヘブライ語の原典のどこにその名があるのだろう?私は,その答えを見つけるために,
シンシナティのヘブライ・ユニオン・カレッジの図書館で古典学者に意見を求めた。
 私は,イザヤ書のこの章で,落ちて地獄の支配者になる天使と記述されるサタンに与え
られたヘブライ語名を尋ねた。その答えは驚くべきものだった。本来のヘブライ語テキス
トにおいて,イザヤ書の第14章は,堕落天使(a fallen angel)についてでなく,倒れた
バビロニアの王(a fallen Babylonian king)についてであった。バビロニアの王は,存
続期間中イスラエルの子孫を迫害した。
 本来のヘブライ語テキストには,サタンの名前,また,それにあてはまるもの,どちら
の記載も含まれない。ヘブライ語学者は,何人かの初期のキリスト教の筆記人が,教会に
よって使われるラテン語の言葉づかいを書面にする時,堕落天使(fallen angel)であっ
て欲しいと彼ら自身で決めてしまったと推測する。空想の産物は,オリジナルのヘブライ
語の出典には言及されさえしなかった。誰かがルシファーと名付けたのだ。」


「どうして,ルシファーなのか?ローマの天文学において,ルシファーは明けの明星(も
う一つのローマ名,ビーナスと知られる星)につけられた名前であった。明けの明星は,
ちょうど夜明けの前に天に現れる。そして昇る太陽を先導する。
 その名前は,ラテン語の『ルーセェム・フェルレー:lucem ferre』(光をもたらすもの
ものまたは,光の運搬人)に由来する。
 ヘブライ語の出典では,バビロニアの王の死の局面を描写する,『ヘラル(Helal)』,『シ
ャハール の子(son of Shahar)』という表現がある。それは,最も上手に翻訳すると『日
星,夜明けの子:Day star, son of the Dawn』と訳することができる。
 その名前からは,誇り高き王の装いと宮廷の金色のきらめきを呼び起こす(その輝きは,
『太陽の王:The Sun King』と呼ばれたフランスのルイ14世に値する)」


「粗暴なカトリック教徒,キング・ジェームズ1世(King James I)により権限を与えら
れた学者達は,ヘブライ語の原典を使わずに,4世紀に聖ヒエロニムス(St. Jerome)に
よって大規模に生産されたカトリックのウルガタ聖書(Vulgate Bible)の翻訳版を使っ
て通用できる英語に聖書を翻訳した。
 ヒエロニムスは,ヘブライ語の比喩的表現,『日星,夜明けの子:Day star, son of the
Dawn 』を『ルシファー』と誤訳した。そして世紀にわたる大変貌がおきた。明けの明
星(morning star),ルシファーは,天国から追放され,永遠に地獄を支配する反抗的な
天使になった。
 神学者,作家,詩人達は,神話と堕落の教えを融合した。そして,キリスト教の伝説ル
シファーは,いまや,サタン,デビル,(皮肉たっぷりに,魔王:Prince of Darkness)
と同じである。」


「そう,『ルシファー』は,明けの明星(光の運搬人)の古代ラテン語名以外の何者でも
ない。
 キリスト自身が,明けの明星(morning star)と身元を明らかにするので,キリスト教
徒は,混乱させられる。その言葉は,多くのキリスト教の説教の中心的な主題として使わ
れる。
 イエスは,ヨハネの黙示録,第22章16節で,イエス自身,明けの明星だと言及して
いる。」
 『私,イエスは,教会でそれらのことを,あなたに告げるために,私の天使を送った。
私は,ダビデの子であり子孫である。かつ,輝く光であり,明けの明星である。』
 (I Jesus have sent mine angel to testify unto you these things in the churches. I
am the root and the offspring of David, and the bright and morning star.)


「そして,キング・ジェームズ版の聖書しか,読まない人々がいる。彼らはこう言う,『ル
シファーはサタンである,神の言葉がそう述べる』。
 一方,ラテン語とヘブライ語の出典について知識を持つものは言う,『違う,ルシファ
ーは明けの明星の古典的ローマ名である,そして,今,イエスが,明けの明星である』。
この議論は,ただ原理主義キリスト教徒を怒らせることができるだけである。」
(私は,手元に,バプティスト教会からの福音書の小冊子を持つ,それはこう述べてい
る,『私は信じる,絶対確実に神の言葉を保存する1611年キング・ジェームス認可版こ
そ神が導いた,信頼できる翻訳である』)


「幸いにも,この聖書の翻訳の誤りの問題は,我々自身,戦わずして解決した。
 すべてのキリスト教信仰の聖書学者一門は,その誤訳と,意味が消失して異なる使用法
に発展し廃止された言葉の使用から生じた誤解を気付いていた。
 1946年10月,英国国教会,スコットランド教会,バプティスト,メソジスト,組合
派教会主義の代表が参加した協議会が開かれた。4ヵ月後の会議では,長老教会派とクエ
ーカー教徒の代表が,様々な聖書団体の代表者と一緒にグループに加わった。
 なお後に,ローマカトリック教会の代表として,オブザーバーが送られた。」


「聖書の(原典から直接の)新しい翻訳の作業は,数年間を費やした。世界中から多くの
優れた聖書学者,専門家が招かれた。あらゆる代表は,再検討し,翻訳者により提供され
るあらゆる語,あらゆる節に関し,自分の見解を表現する機会が与えられた。」


「この桁外れの共同の努力の結果,新英語訳聖書(The New English Bible)として,新
約聖書が1969年に発表され,旧約聖書は一年後1970年に発表された。」


「そのことで,私はキング・ジェームズ版を退けはしなかった。私はそれらの聖書を両方
とも持っている。私は,旧約聖書,新約聖書すべての授けられたものに,神が存在するだ
ろうことを認める。確かに,最も古くから存在する出典からの不完全な翻訳には責任がな
い。誤ることは人間であり,そのテーマが感情に訴える側面があるためか,あまりにも熱
心になりすぎる。」


「キング・ジェームズ版のイザヤ書,第14章12節は,ここから始まる。

 『どうしてあなたは天から落とされたのか,おぅ,ルシファー・・・』
 (How art thou fallen from heaven, 0 Lucifer...")

 新英語版ではヘブライ語から直接,翻訳された。
 『どうしてあなたは天から落ちてしまったのか,輝く明けの明星・・』
 (How you have fallen from heaven, bright morning star...)

そこには,ルシファーの記載はない。地獄に堕ちた反抗的な天使の記述もない。」


「ここが重要な点である。1世紀以上前,アルバート・パイクと他のメソニック学者が,
『ルシフェリアン・パス』(Luciferian path)や『ルシファーのエネルギー』(energies of
Lucifer)について語った時,『明けの明星』,『光の運搬人』,『光の探求』(暗闇,邪悪な
悪魔とは反対のものである)を引き合いにだしている。」
 


「今なお,私は,『ルシファー』の学問的意味においてパイクは間違った使い方をしたと
思う。話は違うが,何年か前に老人が言った言葉を思い出す。
 『正確だろうが,正しくはない!』
うまいことを言うもんだ。
 『正確』であることは,学者が他の学者を教化するのに良いだろう。しかし,コミュニ
ケーションしたいという本当の願望がなければ,単語や言葉は,一般的な意味に向けられ
るに違いない。今日まで博識な一部の作家は(パイクがした様に)引用する言葉の説明や
語彙の過剰な抑制を必要とされるべきコミュニケーションを極めて難解に論じた。
 実にひどい全くの知ったかぶりの『迂言的表現方法語』(sesquipedalianism:長ったら
しい単語)(この文のような:『sesquipedalianism』)を用いて,話に引き込むのは,コミ
ュニケーショ ンではない。それは,見せびらかしである。
 パイクは,事実上,あらゆるキリスト教徒は,ルシファーがサタンであろうと,頑なに
思っていたことを知っていたにちがいない。
 彼は,その名前を使った理由を述べなければならなかった。あるいは,その名前を避け
なければならなかった。また,彼の学者的な語彙の使用を抑制しなければならなかった。
 けれども作家が使うだろう印象的な言葉が,意図したように読者に理解されないと,読
者を困惑させ,その最初の目的は失敗するだろう。理解できるコミュニケーションは,明
快であるべきだ。」


「残念なことに,もしも,アルバート・パイクが彼の厄介なスタイルを洗練するか,作品
において提供した圧倒的,多様な情報を減らしたとしても,パイクはまだ辛辣な虐待の目
標となっただろう。あらゆる,アンチメソニック作家の楽しみ,大きな喜びに振り回され,
露骨な作り話とされるだろう。」


「全ては,19世紀後期に始まった,(良心または道徳の乱れなく)何でもするし,何でも
言う,何でも書く,さらに彼自身の生涯までも。彼のペンネームは,レオ・タキシルと言
う。
 今日の,非常に苦いアンチメイソンの情報の出所の多くを十分に理解し,悪意をもって
アルバート・パイクの記憶をサタンのマントに覆うこの奇妙な男の経歴を調べあげ,終止
符を打つのに約100年以上必要だ。」

あなたは,ジョン・ロビンソンによって触れられる,タキシルのでっちあげについて,我々
のウェッブサイト上で,より多くを読むことができる。


我々は,この長々しい説明によって,『ルシファーの引用文』を取り巻く問題のすべての
関係が明らかになると信じる。
 しかし,どうやら彼らの意図により,フリーメーソンリーを中傷する,粗末な武器とし
て使われる続ける思う!





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