投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 9 月 29 日 10:15:43:
経営破たん後、旧経営陣の放漫経営が次々と明るみに出ている百貨店の「そごう」(大阪市中央区)が4年前、関連会社へ約300億円の不良債権を“飛ばし”によって損失隠しをしていたことが28日、分かった。この関連会社はグループ内の会社がそれぞれ少額出資した会社で、損失がそごうの連結決算対象にならないようにしていたという。そごうの「経営責任調査委員会」もこの実態を把握、損害賠償請求を検討している模様だ。
関係者によると、そごうの貿易事業部は関連会社や専門店に卸していた高級毛皮や宝石類の代金がバブルの崩壊で回収できなくなり、平成6年ごろには約600億円の巨額不良債権が発生。このため、水島広雄前会長(88)ら旧経営陣は損失隠しを計画。同8年には、貿易事業部の営業を「そごう物産」(東京都港区、今年7月破産)に譲渡するとともに、300億円の不良債権も移し替えた。
「そごう物産」は、そごうグループ内の約20社がそれぞれ少口出資した会社で、グループ各社への共同仕入れや納品を担当していた。商法によると、上場企業であるそごう本体の連結決算の対象となるのは出資割合が20%以上の関連会社だけとなる。そごう物産への出資割合は7.5%で、移し替えた不良債権はそごう本体の有価証券報告書に記載する必要がなく、関係者が証言するまで巨額損失が表面化しなかった。
だが、「そごう物産」の従業員は全員がそごうからの出向者で、本社の事務所もグループの本部と共有、関連会社というよりは実態は子会社だった。
経営責任調査委員会は、そごう物産が事実上、そごう本体の経営失敗による損失の受け皿会社だったとみて、旧経営陣に対する損害賠償請求に向け、調査を進めている。