投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 9 月 26 日 15:58:22:
経営破たんしたそごう旧経営陣の悪あがきが、また一つ明るみに出た。同社が民事再生法適用を申請した後の8月下旬、井上盛市前副会長(87)が、東京都新宿区の自宅の土地と家屋の大部分を知人に売却していたことが26日までに、明らかになった。水島広雄前会長(88)も6月に自宅に隣接する土地と家屋の所有権を義弟に移している。両者を含む旧経営陣3人については、関連会社「超音波」との架空取引でそごうに損害を与えたとして、和田繁明次期社長(66)ら現経営陣が、20数億円の賠償請求を週内に東京地裁に申し立てる方針で、法の手が及ぶことを見越した悪質な“資産隠し”とみられる。
登記簿謄本などによると、井上前副会長は、新宿区内に土地約170平方メートルと木造2階建て住宅を所有していたが、8月24日に妻の所有分を除いて知人に所有権を移転。この知人には数千万円で売却したとされる。
所有権移転前日の同月23日には、そごうの和田次期社長が旧経営陣に損害賠償を求めると強い姿勢を打ち出しており、関係者は「不自然な売却劇は、井上前副会長が資産の差し押さえを逃れようとしたものである疑いが濃厚」と指摘している。
また、水島前会長は民事再生法適用申請前の6月下旬、早々と自宅に隣接する土地と家屋を義弟に所有権移転した。バブル崩壊後もだらだらと「拡大路線」をとり続けた会社経営とは違い、自らの“危機管理”については素早い対応を見せている。
一方、水島前会長が筆頭株主で井上前副会長が社長を務めている関連会社「超音波」は多額の赤字を抱えており、そごうは架空の製品発注の前渡し代金として1回に4億−5億円の手形を振り出し、これを超音波が運転資金にあてていたとされる。さらに、裏金としてそごう旧経営陣側に還流されていた疑いももたれている。
こうして振り出された手形のうち未回収分約40億円のうち、焦げ付きが確実とみられる20数億円について、現経営陣は、水島前会長と井上前副会長、そごうの財務部門の責任者だった中沢幸夫・元副社長(74)の3人に対し、民事再生法に基づく損害賠償請求を週内にも行う方針を固めている。