投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 9 月 12 日 15:35:56:
北九州市八幡西区の産業医科大病院(大里敬一院長、618床)で今年2月24日、心臓外科の男性助教授(43)が入院していた男性患者(82)の大動脈瘤(りゅう)を切除した際、心臓手術の血管接合には通常使わない生体用ボンドを使用後、人工心肺の回路が詰まり、多臓器不全で死亡していたことが12日までに分かった。病院側は助教授に手術の禁止命令を出すとともに院内に調査委員会(委員長・大里院長)を設置、「ボンドの使用が回路の目詰まりの原因になった疑いがある」との報告書をまとめた。
病院によると、助教授(8月1日付けで新潟労災病院に転出)は男性の動脈瘤の切除後、人工血管をはさんで動脈を縫合しようとしたがうまくいかず、生体ボンド65本(1本3ミリリットル)で接着し始めた。しかし、その後、心臓に代わって体内に血液を循環させる人工心肺の回路が目詰まりし、男性は多臓器不全で翌日死亡したという。
ボンドは、他の処置ができない場合に限り必要最小限で使用される。通常は脳外科手術で血管の接着に用いる程度だという。
男性の死亡後、病院は助教授に手術の禁止命令を出した。調査委員会はこのほど「死亡の原因を特定するのは困難だが、心臓手術にボンドを用いるのは一般的でなく、人工心肺の回路が再三にわたって詰まるのも異常だ」との報告をまとめた。
【大久保資宏】
[毎日新聞9月12日] ( 2000-09-12-13:36 )