投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 9 月 21 日 16:40:08:
Posted on Jul. 18, 2000
by 渡辺 賢一
米国の外交問題評議会(CFR)が1月、当局および民間の金融関係者75人を集めて、経済・金融有事が国家安全をいかに脅かすかについてのシミュレーションをしていたことが明らかになった。参加者には財務省長官、連邦準備制度理事会の職員なども含まれ、現実に起こり得る経済・金融有事とそのダメージを推定。シミュレーションを終えた同評議会は「経済・金融有事は兵器以上の破壊力を持って米国の安全を脅かす」と結論づけた。
同評議会はまず、ダウ工業平均指数が3カ月で30%ダウンし、8000ポイント台になった場合を想定。この場合、株式市場の資金は米国債券に大量流出し、急激なドル安と金利上昇圧力を招いて、ダウ平均が6000ポイント台まで急落すると予測。さらに、ミューチャルファンドの購入者から運用会社に対する訴訟が頻出し、株式市場からの資金流出が進むこともあり得ると予測した。
また、欧州中央銀行(ECB)の協調介入が得られない場合、南米諸国の債務償還の延期を求めてきた場合、中国が人民元を切り下げた場合など、およそ30項目にわたる「起こり得る問題」(クーバリッチ評議員)を当てはめて損害をシミュレーションした。
同評議会は、設定した有事に対して、金利を少しずつ引き下げる政策で臨んだが、通貨当局者は「過度の利下げは投資家の信頼や金融市場のバランスを崩す」として慎重な金利政策を要求。最終的にシミュレーションは、米当局と民間、国際間の連係によって、ダウ平均を8000台に戻したところで終了したという。
シミュレーションの詳細は今夏中に正式発表されるというが、経済・金融危機を戦争さながらの有事に見立て、真面目に本格的な「予行演習」した点は、さすがアメリカといったところか。