投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 9 月 21 日 13:58:37:
【ワシントン20日=土井達士】
敵国のコンピューター・ネットワークに侵入し、軍事司令系統を無効にしたり、金融システムを混乱させたりする「サイバー戦争」に関連し、米国のマカディー元下院情報委員長(米電子産業連合会長)は十九日のワシントンでの講演で、「約三十カ国で、コンピューター・ウイルスなどを利用したサイバー攻撃能力を保持する計画が進められている」と指摘し、戦闘手段としてのネットワーク攻撃などが現実になりつつあることを警告した。
マカディー氏はまた、自らも参加した国防総省や中央情報局(CIA)による戦争を想定した机上演習(ウォー・ゲーム)でも、米国の偵察衛星網や主要金融機関の無力化をねらった攻撃がしばしば考慮されているとし、とくに「米空軍は情報戦争の脅威を地上、海上、空中、あるいは宇宙空間でのあらゆる物理的攻撃と同等にとらえている」ことを明らかにした。
講演は、国防総省が後援してネットワーク関連の保安体制強化を目指す「ソフトウエア工学研究所」の会合で行われた。「サイバー戦争」では、政府・民間を問わず、すべての重要なネットワークが攻撃対象になり得るため、マカディー氏は「米政府にとっての重要な課題は関連業界の協力を得ることにある」と強調した。
「サイバー戦争」については、米軍が攻撃、防御の両面から研究を進めていることを明らかにしているほか、クリントン大統領らも特に防御面での体制整備を繰り返し主張してきた。しかし、先に議会会計検査院(GAO)が実施した調査では、すべての省庁で機密保持に問題があることが指摘されるなど、対応の遅れも目立っている。