投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 9 月 21 日 12:29:00:
【ワシントン20日=館林牧子】
生物のクローンを幾世代も作り続けると成功率が下がり、ついには途絶えてしまう可能性があることが、米ロックフェラー大の若山照彦・助教授らの研究でわかった。私たち生物は、クローンだけでは子孫を代々増やせないことを暗示する結果だ。二十一日発行の英科学誌「ネイチャー」に発表される。
若山助教授らは、マウスの卵巣から体細胞を取って、クローンマウスを作製。その体細胞からさらにクローンを作り、何世代まで作り続けられるかを試みた。
最初は、取り出した九十六個の細胞のうち、4・2%にあたる四個がクローンになったが、そのクローンからさらにクローンを作ったときの成功率は2・0%に下がった。クローン作製は世代を重ねるごとに難しくなり、六世代目のクローンは、七百二十四回試みてやっと一匹が誕生した。別の家系を使った実験でも、四世代まででクローンは途絶えた。
クローンマウスはいずれも、行動や知能に異常はなかった。また、老化が進むと短くなる「テロメア」という染色体の一部を調べたが、世代を重ねても短くならなかった。
若山助教授は三年前、世界で初めてクローンマウスを作ることに成功。「クローン技術には未知の部分が多い。クローンで生まれた動物の性質を詳細に調べたい」と話している。
(9月21日03:02)