政府の「IT(情報技術)受講カード」、だそうです

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投稿者 明星 日時 2000 年 9 月 20 日 08:19:03:

(9/19)IT受講に助成・政府原案
 政府は19日、だれもが電子メールなどパソコンの簡単な使い方を
身につけられるように「IT(情報技術)受講カード」を交付する
助成制度の原案をまとめた。受講を希望する20歳以上のすべての国
民が対象で、所得制限は設けない。インターネットの使い方などを
学ぶのに1時間半の講習8回分を想定し、講習費のほぼ半分に当たる
6000円を上限に授業料を補助する。必要な経費は約3000億円と見
積もっており、2000年度補正予算案に盛り込みたい考えだ。ただ政
府・与党内には一部に「ばらまきではないか」との慎重論もあり、
財政首脳会議などでさらに調整する。

 IT受講カードは政府のIT戦略会議で竹中平蔵慶大教授らが提
唱している。今回の政府原案は、堺屋太一経済企画庁長官が日本経
済新聞記者のインタビューのなかで明らかにした。堺屋長官は「電
子メールやインターネットは読み書きと同じで国民として身につけ
るべき最低限の技能で、習熟を促すのは義務教育と同様に国家とし
て当然の責務」と構想の狙いを説明している。

 原案によると、20歳以上の国民約1億人のうち、4000万人はすで
にパソコンに習熟している。IT受講カードを導入した場合、残り
の6000万人のうち、半分の3000万人程度がパソコンの初心者講習
を受けると想定している。

 計12時間の初心者講習費用を約1万2000円と見積もり、6000円
を上限に授業料を国費で補助する。3000万人に6000円を助成する
費用が約2000億円。これに事務経費と広報の費用を合わせて事業費
を約3000億円とみている。財源には税金の増収分を充て「赤字国債
は用いない」(堺屋長官)予定。

 パソコンの講習は都市部では民間のパソコン専門学校が講座を開
き、地方では公民館や小中学校などに講師を派遣する。IT受講カー
ドは自治体の窓口で交付。授業は2001年3月から12月までの10カ
月間に集中的に実施する。

 企画庁が6月にまとめた「アジア経済2000」によると、1999年
の日本のインターネットの人口1000人当たりの利用者数は約132人
と米国の約400人、シンガポールの約300人、台湾の約150人など
に比べても後れを取っており、「政府は強い危機感を持っている」
(堺屋長官)。パソコンの技能が雇用の安全網(セーフティーネッ
ト)となるほか、インターネットを使えるか否かで地位、所得の格
差が生まれる「デジタルデバイド」の是正にも役立つと見ている。

 ただ、全く新しい事業となるため、政府では予算を要求する官庁
が見当たらない。また、「必要な人は自分で技能を身につけており、
政府がそこまで面倒を見る必要はない」との批判もある。


(9/19)ネット活用の下地に・堺屋企画庁長官に聞く
 「インターネットを読み書きのように普及させたい」――堺屋太
一経済企画庁長官は政府の情報技術(IT)戦略の目玉として導入
を検討している「IT受講カード」構想の狙いを、こう指摘した。
ITリテラシー(読み書き能力)の向上が、ITをテコに経済成長
力を高めるカギになるという点では多くの識者の意見が一致する。
だが、受講カードが有効な支援策か予算のバラマキかについては見
方が分かれる。政府・与党内でも積極論と慎重論が交錯しており、
実現までにはなお調整が必要な情勢だ。

 インタビューの要旨は次の通り。

 ――IT革命の中でIT受講カードをどう位置付けるのか。

 「IT革命を進めるには、光ファイバーの敷設などハード面の整
備、すべての国民が格差なしに使いこなせるようにするソフト面の
充実、便利で楽しく人々の使う意欲が起こるようなコンテンツ(情
報の中身)という三つの柱が必要だ。IT受講カードはソフト面の
拡充に大きく貢献する」

 「日本のIT普及度は欧米だけでなく韓国やシンガポールといっ
たアジア各国と比べても遅れている。2001年末までのおよそ500日
間でこうした遅れを取り戻したい。明治時代の読み書きにあたる電
子メールやホームページ閲覧などインターネットの利用を、全国民
に普及させることがカード導入の狙いだ。意欲はあっても機会に恵
まれない人々に光を当てたい」

 ――雇用対策という側面はないのか。

 「そうした考え方はしていない。日本人として最低限必要な技能
を習得してほしい。パソコンなどの機器購入やインターネットへの
加入が予想され、結果的に受講カードの経済効果は非常に大きいは
ずだ」

 ――問題点や障害はないのか。

 「従来型の発想とは全く異なる概念なので、予算を要求する所管
官庁がない。官僚社会ではこの発想に抵抗もあるし、族議員もいな
い。問題点もないわけではない。しかしIT普及の危機的状況を考
えれば、取り組む意義はある」

 ――今年度補正予算限りの措置か。

 「2002年度以降も要望が多いようなら、継続する可能性があるだ
ろう」


(9/19)政府・与党に賛否 首相前向き、大蔵省消極的
 IT受講カード構想を巡り、経済企画庁は「経済構造改革につな
がるIT革命を推進する必要がある。そのなかで従来の発想と違う
ことをやる意味は大きい」として、前向きに進める構えを示している。

 森喜朗首相も19日のNHK番組で「インターネットを勉強する意
欲を持つ人に国が(費用の)半分を援助するような制度を、堺屋長
官がまとめている」と紹介。同時に「インターネット人口で日本は
遅れている。8歳から80歳までみんながパソコンに慣れるように勉
強するのを促進するために何かないだろうかと調べた」と狙いを説
明した。

 一方、大蔵省は表向き「どの省庁が予算要求するかも決まってい
ない段階で財政当局として見通しを持つのは難しい」(宮沢喜一蔵
相)との立場だ。ただ、本音では「効果があるとは思えない」との
否定的な見方が大勢で「必要経費の積算根拠もあいまい。補正予算
に計上するほどの緊急性はない」として、予算計上を見送りたい考
えだ。

 与党内では公明党幹部が「もう少し効果的な使い道があるのでは
ないか」と語るなど、戸惑いが広がっている。経済対策のとりまと
め役の自民党の亀井静香政調会長は「堺屋長官が熱心だが、まだ決
定する段階ではない」と述べ、なお政府・与党内の協議が必要との
認識を表明した。与党政策責任者の1人は「学校のインターネット通
信網整備など教育のIT化を充実させた方がよい」と指摘した。


(9/19)I T受講カードの政府原案▽支給対象 パソコン初心者講習
の受講を希望する20歳以上の国民。所得制限は設けない。約3000
万人と想定▽受講料補助の上限 6000円▽講習の内容 初歩的なイ
ンターネットでのホームページの閲覧、電子メールのやり取り。1
時間半の授業を8回(計12時間)▽講習期間 2001年3月から12
月▽講習方法 都市部では主に民間のパソコン専門学校を活用、地
方では学校や公民館に講師を派遣▽事業費 約3000億円


(9/19)<コメント>高橋進・日本総合研究所調査部長
 消費喚起が目的なら意味はない。ITリテラシーを向上するため
の施策だとしても、もう少し地道で体系的な取り組みが必要ではな
いか。まず、学校の教員の再教育や民間の技術者の活用によって、
IT教育の質を高めることを優先すべきだろう。ここまで官が面倒
を見る必要があるのか、という問題もある。勉強したい人は自腹を
切ってでも勉強する。政府は通信コストの引き下げなどに優先的に
取り組むべきではないか。


(9/19)<コメント>嶋中雄二・三和総合研究所投資調査部長
 受講カード方式は使い道がはっきり決まっているうえ、必要な人
が自発的に利用する仕組みなので財源の無駄は少なくて済むはずだ。
地域振興券のようなバラマキとは違う。予算額も比較的小さいので、
一つの試みとしてやってみる価値はあるのではないか。情報化が生
む経済格差の解消策として一定の評価はできる。ただ、景気対策と
しては光ファイバー網などITのインフラ作りや、都市基盤整備の
方がより重要だ。



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