Tweet |
撃沈の潜水艇は金総書記の直属部隊
北朝鮮潜水艇の韓国への侵入・撃沈事件は、金正日総書記主導による北朝鮮の日常的な対南(韓国)工作であることが判明、その目的は韓国への工作員派遣ではなく、すでに上陸・侵入している工作員の本国への召還だったことが19日わかった。
韓国軍の合同参謀本部では、撃沈された潜水艇が金正日総書記の直轄部署である朝鮮労働党の対南工作部に所属しているものとほぼ断定。韓国西海岸と南海岸を管轄地域とする北朝鮮西海岸の南浦連絡所から派遣されたものと分析している。侵入工作は金正日総書記の指令で、韓国に対し、日常的に行われているものとの見方を強めている。
韓国への潜入目的は当初、「工作員の派遣・上陸」とされてきた。しかし、発見現場付近に上陸の形跡がないことや、最大8人が乗れる潜水艇に事件当時は乗組員が4人しか確認されていないこと(暗視カメラで確認)などから、韓国に上陸済みでスパイ活動を終えた工作員の回収が目的で、今回は工作員との接触前に韓国側に見つかってしまったものとみている。
韓国の情報筋によると、韓国国内には、すでに北朝鮮の工作員を含めたスパイが多数潜伏しており、一説には「5万人いる」との情報もある。今回の潜水艇侵入事件で、潜入工作員が韓国国内で現在も暗躍していることが改めて証明されたわけだ。
さらに、潜水艇が発見された全羅南道・麗水の海軍施設は韓国南海の海上防衛の要所。北朝鮮が韓国軍の要衝でのスパイ工作活動を着々と進めていることが裏付けられた。
また、潜水艇の乗組員が武装していたことや、発見された乗組員(死亡)のポケットに手投げ弾が残されていたことについては、武器が比較的軽微なことから、今回のような万一の事態に備えた防御策だったとみている。
一方、潜水艇の母船について韓国軍は、韓国沿岸から遠く離れた黄海の南方で活動していたものとみる一方、「母船は初めからなく、潜水艇がギリギリの燃料を搭載し、北朝鮮から直接来た可能性もあり得る」と分析している。
(ソウル19日=日本時間同)