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買ったぞ,武田了円著「死にゆく日本 眠ったままの日本人」
いやあ,素晴らしいですねえ。
引用文献の充実していること。資料性の高さね。
国松長官事件の分析の鋭いこと。
>もう一つ疑わしい点がある。用語,用法に関し四紙がそろってかっきり同一の誤りを犯
>していることである。四紙の記者がそれぞれ独自に書いたのならこうした間違いの起き
>る確率は無視してよいほど低いはずである。(中略)「命に別条はない」と表現するの
>は誤りだということに気付かなかったのだろうか,ということである。この場合「別
>状」でなければならないことに気付かなかったのだろうか。解せぬことだ。ここにも
>「裏」があるのではないか。
>国松は一発目で仰向けに倒れた。尻は地面にぴたりと接触しているはず。この状態で
>2,3,4,5,6のような傷口を作れるはずはないのだ。(中略)舗装された敷地の
>上で大の字に倒れている人間の臀部に,二一・五メートル離れた地点から拳銃を発射し
>て,どうしたら図のような体内貫入を示す「点」の傷を与えられるのか,私にはどうし
>ても理解できない。
>弾数と傷数にも,また整合性がないのだ。命中弾は三発,うち一発は傷口番号7から貫
>入して同1へ抜けた。後,残るは二発。この二発で傷口番号2〜6の五つの傷を作っ
>た。二発の弾丸でどうやってそんなことができたのか。
>国松は自宅マンションを出入りするときはいつも玄関を通る。ところが,この日に限っ
>て通用門から出たのだ。国松がそんなことをしたのは,その三年前にアクロシティに
>引っ越してきてから初めてという珍事。
>この証言によると初弾から最終弾までに要した時間は約一分である。(中略)一分もの
>「長い間」一体警備の警察官は何をしていたのかという疑問を突きつけるからだ。
もう,すごい指摘がビシバシですね。
徳間書店さん,ちゃんと出してやらなきゃダメだよ(笑)。