Tweet |
◎地雷企業が除去でも利益
日本の援助に疑問の声
【ヨハネスブルク26日共同】親会社がかつて地雷を製造してい
た南アフリカの軍事調査研究会社メケム(本社プレトリア)による
地雷除去事業に、日本政府が25日、100万ドル(約1億200
0万円)の緊急無償援助を国連経由で供与し、非政府組織(NGO)
などから「地雷でもうけた企業グループが、地雷除去で再び利益を
上げることになる」と疑問の声が上がっている。
「地雷禁止南アフリカキャンペーン」は、援助は歓迎しながら
「この利益でメケム関連の軍事企業が新たな武器を開発しない保証
はなく、ジレンマを感じる」と複雑な反応。「難民を助ける会」
(東京)も「メケムの事業であることは事前に分かっていた。問題
があることを認識すべきだ」と批判的だ。
南アの日本大使館によると、援助の対象となるのは、埋設地雷が
過密なモザンビーク南部マシンギルの地雷除去。メケムは来年初め
に作業を始める予定という。
メケムのモザンビークでの地雷除去に対しては、南ア政府が過去
に援助し、NGOから問題視された。しかし地雷除去専門車で地雷
を踏みつぶす同社の手法は、手作業に比べはるかに迅速で、モザン
ンビーク政府の評価は高い。
日本大使館は「同社は以前からマシンギル地区で地雷除去を続け、
地形など地元事情に詳しいことから援助の対象となった」と話して
いる。 (了)
[共同11月27日] ( 1998-11-27-08:09 )