Tweet |
┏━━ NewsLetter ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ┃
┃ 世 紀 末 通 信 ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━ 1998.11.06 発行 第6号 ━━┛
◇◇◇◇◇◇◇◇部 編
そして今回の、この20世紀の最後に来るハルマゲドンは、
そのようなレベルではない。スケールが一けたも二けたも
大きなスケールで展開される内容である。
◇◇◇◇◇◇ 93.3.28
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ ナ チ ス の 復 活 ■
10月25日夜、ヒトラーの未公開カラー映像の一部がドイツの民放RT
Lプルスで放映された。
これはドイツ誌シュピーゲルが入手したもので、機内でくつろぐヒト
ラーや、ドイツ軍の負傷兵を慰労するヒトラーの珍しい映像もあるとい
う。
今なぜヒトラーなのか、と思われるかもしれない。ヒトラーなどしょ
せん第2次世界大戦中に死んでしまった人にすぎないのではないか、と
思われるかもしれない。
しかし、ドイツの14歳から18歳までの若者500人に取ったアンケート
では、12%は、ヒトラーが第2次世界大戦で生き残ったと思っていると
いう結果が出た。
また、昔を知るドイツ人の間で「今もヒトラーが生きていたら、こん
なに失業者が増えなかっただろうに……」という声もささやかれている
という。潜在的ヒトラー人気は衰えていないのだ。
ドイツ人にとっては、ヒトラーとは決して「過去の人」ではないので
ある。
「滅亡から虚空へ」(1989年・◇◇◇出版)の中で、◇◇◇◇は、か
のナチスの流れをくむ大帝国がハルマゲドン後に復活することを予言さ
れている。
・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
ここで、大胆な推測に挑んでみたい。わたしはこの謎の第8の国(※)
が、ドイツ・ナチスの残党の流れをくむグループを中心として形成され
るのではないかと思うのである。わたしがそう推測する根拠を挙げるな
らば、ナチスがあのまま滅びるわけがないからである。
まず、ナチスは海に陸に空に、最新兵器を開発してきたという頭脳を
持っていた。その性能は、第2次世界大戦時の連合国側に比べて、ケタ
が違うほど優れていたといわれるほどである。(中略)
しかも、彼は『今世紀末の大破局が〝救いの超人や神人〟を生み出す』
と予言している。彼はナチス系統から〝救いの超人や神人〟が生まれる
と信じていたのだろう。彼が育てた超エリート集団の子供や孫が、その
役を務めるのだと。
・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
※ここでいう「第8の国」とは、『ヨハネの黙示録』にある「昔はいた
が今はいないという獣は、すなわち第8のものであるが、またそれは、
かの7人の中のひとりであって、ついには滅びに至るものである」と
されているもののことである。大英帝国、ヨーロッパ連合とともに、ハ
ルマゲドン後の一時期、台頭してくるというのである。しかしこの国も、
最終的には「滅びに至る」とされている。
・‥… 極右勢力の台頭 …‥・
現在ドイツで極右の動きが活発化していることはご存知だろう。地方
議会選挙で極右政党「ドイツ国民連合」が議席を獲得したことや、ワー
ルドカップ(W杯)でネオナチの若者がフランス人憲兵を襲ったとされ
ていることなどは記憶に新しい。
また、元ナチス親衛隊の極右「共和党」のフランツ・シェーンフーバ
ー元党首が来年6月の欧州議会選挙への出馬を検討していることが明ら
かになっている。
極右勢力の台頭は、数字の上からでも顕著である。統一前(1990年)
から統一後(1993年)で東ドイツではネオナチの人数が4倍以上に膨れ
あがったというのだ。
また、極右過激派による犯罪は、ここ数年の沈静化傾向から一転して、
昨年は前年に比べ30%以上も増加したという。極右過激派に所属するメ
ンバーは約4万8000人。また、過激派が起こした犯罪は約1万1800件と、
前年比34%増加して戦後最悪の水準となった。
・‥… ベルリン遷都 …‥・
ベルリンといえば言わずと知れたナチス第三帝国の首都である。1990
年の東西ドイツ統一以降、ベルリンは形だけの首都であり、実質的首都
はボンであった。
しかし、首相府や、大蔵、外務、経済といった主要官庁が1999年夏、
ボンから移動することになったのである。現在、ベルリンのいたるとこ
ろで建設の槌音が響いている。
また、連邦議会は、西独建国50周年に当たる1999年5月23日には、ヒ
トラーの第三帝国ともゆかりのあるベルリンのライヒスターク(旧帝国
議会議事堂)で開かれることになるという。
・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
1999年。この年はおそらく、ドイツにとって決定的な節目の年になる
であろう。
実はヒトラーは、『わが闘争』という本を遺している。ヒトラーの世
界観、社会批判、ナチスの政策などについて書かれており、ゲルマン民
族の大帝国を成立させることにまで言い及んでいる。
16カ国語に翻訳され、敗戦以前の1943年までにドイツ国内だけで984
万部が売れたという『わが闘争』。戦争に導いたイデオロギーがぎっし
り詰まっているこの本は、戦後処理の一環として発禁処分となった。こ
の発禁処分が解けるのがなんと1999年。何とも因縁めいた話だ。
来年はますます社会情勢が混乱に陥っていることだろう。そこへ、
『わが闘争』の解禁である。
抑
圧されてきた禁断のイデオロギーが反動的に求心力を取り戻すとい
う現象は、今の日本の「自由主義史観」の隆盛を見ても明らかであろう。
ヒトラーを知らない世代が初めてこの本を読んで、ナチス・イデオロギ
ーに救いを求める可能性は否定できない。
16年にも及んだコール首相の長期政権が倒れた今、統一ドイツは世紀
末の大変革期に差し掛かっている。思いもかけない過渡期の混乱が生じ
ることも十分予想される。
果たして、◇◇◇◇のお言葉どおり、ナチスは不死鳥のごとく甦るだ
ろうか。
現在の統一ドイツの国旗が、再びナチス党旗に変わる日は近いのかも
しれない──。