運命の定めた場所に組み込み、ついにはそれを自然の一部にしてしまう
同様に理性ある人間もまた、どんな障害をも上手に好機へと転換させ、
それをふさわしいと思われる目的に生かすことができるのである
ーーマルクス・アウレリウス(ローマ皇帝)ーー
(同時に反対のものはでない)
自分自身の心の中の思い方や考え方がよくも悪くも自分自身を
つくりあげるのだ。<自然的活動能力>である。
これが絶対の宇宙真理である。
常に、感謝と歓喜とを心から失わないようにしよう。
そして自分の心なのだから積極的に心が変わっていくように
真剣に自分の心を焼き直さなければいけない。
そうすると自然に人生に光明がひらめいてくる。心が閃けば闇は消える。
真理は、まことに、当然すぎるぐらい当然である。歓喜の世界に悲哀はなく、
感謝の世界に不満はない。同時に反対のものが二つはでない。
ーー中村天風 運命を拓く 講談社
(コメント)
自分の心が消極的になっていることを自覚したら、すぐに積極方向へと
転換させましょう。すると、不思議に周囲の出来事まで、好転していくことに
気づき始めます。
中村天風
30歳にして当時は死の病であった結核にかかり、
死病を直すために世界を放浪、その間コロンビア大学で医学をおさめるも、
病状悪化して帰国の途上、ヨガの聖人カリアッパと運命的に出会いインドへ。
2年数カ月ヒマラヤ山麗でヨガの修行、結核をも完治し日本人初のヨガ
直伝者となる。37歳、インドから帰国すぐ実業界に進出し、東京実業貯蔵
銀行頭取はじめ、大日本製粉(いまの日清製粉)など数社の重役として活躍
43歳のとき突然すべてを投げ打って、日比谷公園で大道説法をはじめる。
その波瀾に満ちた半生から生まれた「人生成功哲学」は触れる者をたちまち魅了、
時の総理大臣、原敬が「この人は大道で講演させておく人ではない」と認め、
東郷平八郎はじめ有力者が次々に門下生となる。以降、1968年92歳で亡くなるまで、
戦前戦後の各界の頂点を極めたリーダーたちに強い影響を与えつづけた。