自己の中に深く没入すれば、
自分の求めるものがそこにあるのを知る
ーーS・ヴェイユ (フランスの:哲学者.)ーー
(様々なイメージを描いてみる)
あるとき、トップクラスの(競艇)選手が私のところへきてこんな質問をした。
<スタートのイメージの描き方を教えてください。自分では良いイメージを
描いているつもりでも、失敗するイメージだけが湧いてきて不安ばかりが
先行するんです。>そこで私は、スタートのイメージを様々な角度から
描いてみることを彼に提案した。強豪選手と厳しいレースをするシーン。
調子の悪いボートに乗ったシーン。あるいは、苦手な外枠からスタートする
シーンを描いてみる。とにかく、様々な要素を変化させて、何十通りもの
異なったイメージを想定して描かせてみた。すると、彼は目を輝かせて
こう言い放った。<何だかスタートに自信が持てるようになりました。
毎日毎日同じイメージを描いていると、失敗のシーンや転覆のシーンだけが
出てきました。ところが、レースのイメージに様々な角度から変化を
もたせてみると、たとえ嫌な感覚が出てきてもそんな失敗のシーンや危険な
イメージが恐くなくなってきました。イメージのなかで様々な状況を体験する
うちに慣れてきたんです。同時にうまくいくイメージがどんどん湧いてきて
自信がでてきました。>
ーー勝者の脳をつくる法 東洋経済新報社 児玉光雄
(コメント)
単にイメージするだけではなく、その前に体をリラックスさせると、より良い
イメージが自然と湧きあがってきます。リラックスのために、いつでもどこでも
実践できる方法は呼吸法です。簡単な腹式呼吸を実践するだけでも、
短時間でリラックス状態へと導きます。より深い段階を求める人は、
気功やヨガ教室などにいって習うのも良いかもしれません。