例えば、転倒とか、失敗とか、ふっと心の中に浮かんできたら、
息を鼻から思い切り吸って10秒間止めますね、
10秒数えるんですよ、自分の中で・・・
そして、その不安を一気に深呼吸
吐く空気と共にわ〜と吐き出すんですよ
ーー清水宏保(スピードスケート世界記録保持者)ーー
(緊張体験をイメージする)
一年間に何度も試合を行なっている選手の中には、多くの緊張する場面を
実体験していく中で、緊張に対する心の慣れが生じてくる人がいます。
これは緊張に対する耐性ともいえます。人間には本格的に緊張から生じる
ストレスから身を守る防衛本能として慣れが生じるようになっているのです。
ある不快なことを毎日長い間与え続けると、当初感じていた不快感さえ
感じなくなってしまうものです。緊張を激しく感じるのは、ある意味で緊張する
場面の回数不足ともいえます。レギュラーで毎試合戦っている打者と、
ときどき打席に立つ代打では心の慣れが全然違ってきます。
しかし緊張を実体験の中で慣れさせるのを待ってはいられないでしょう。
そこでイメージの中でピンチの場面や絶対ミスが許されない場面をリアルに
描いて、イメージの中で何度も緊張を体験すればよいのです。実体験の
緊張よりは、少し小さい緊張かもしれませんが、回数が多くなれば、確実に
緊張に対する慣れと耐性が出来上がってきます。
ーーメンタル強化バイブル 高畑好秀 池田書店
(コメント)
これとは逆に本番になると、練習時のときのように、観客もなく
親しい知合いだけが観ている中でリラックスして行なうイメージを
することもお試しください。もちろんこのことは、スポーツの試合
のみならず、仕事や、日常生活において、緊張状態を感じるぐらいの
重要な用事をするときにおいても使用できます。