人の生き方には二種類しかない
一つは奇跡など起こらないだろうと思う生き方
もう一つは、奇跡は、必ず訪れると思う生き方
ーーディール・カーネギー(能力開発研究家)ーー
(物事をどうとらえるかが、影響を与える)
長年にわたって溜め込んだお金を突然失ってしまった二人の男がいた。彼らの
一人は激しく落ち込み、悲嘆にくれた。しかしもう一人の男は全財産を
預けていた金融機関の倒産を新聞で知ったあとで、友人にこう言った。
<いや、全部やられてしまったよ。まあ、しかたがないさ。くよくよしたところで
お金が戻ってくるわけではないしね。また働いて取り戻すことにするよ。>
そのあと、彼は、それまで以上のハードワークに努め、間もなく、
以前よりはるかに金持ちになった。一方、別の男はお金を失ったことと自分の
<不運>を嘆きつづけるのみであった。そして、そのために、彼の状況は
いつになっても改善されなかった。
上の嘆きつづけた男にとって、蓄財の喪失は、<呪い>だった。その出来事を、
憂鬱な暗い思考で包み込んでしまったからだ。一方、もう一人の男にとって、
それは、<恵み>だった。なぜならば、その楽観主義者は、その状況を希望に
満ちた強い思考と、より一層の努力で包み込んだからである。
あなたの観点、すなわち、あなたが物事をどのように見るかが、あなたが
成功するか失敗するかに決定的な影響を及ぼすことになる。あなたの観点は、
あなたの行動の種類を決定する。そして、その行動によって、あなたが
手にする結果が決まってくる。
ーージェームズ・アレン 考えるヒント・生きるヒント ごま書房
(コメント)
貧困から億万長者になった人たちの中には、何度も大失敗して、
破産状態に追い込まれている人も珍しくありません。
しかしそのような人たちは、そんな中から不思議にチャンスをつかみとって、
それまで以上に裕福になってしまったりします。
私の友人に福祉関係の仕事をしている人がいるのですが、友人の話によると
浮浪者だった人がいったん生活保護をうけて、きれいな部屋をあてがわれても、
しばらくしないうちに、姿を消してしまい、もとの浮浪者に戻っている場合
なんかもあるそうです。
その人が自分の周りにどのような環境を作り出すかは、その人自身が
何を望んでいるかにかかっているのかもしれません。
ジェームズ・アレン
本書はおよそ一世紀前に書かれたものであるにも関わらず、現在でも
欧米を中心に読者を増やしつづけている驚異の人生哲学書です。
著者のアレン氏は、本書を著したという以外は一切謎につつまれています。