求めよ、そうすれば与えられるであろう、
尋ねよ、そうすれば見出せるであろう
たたけよ、そうすれば汝に開かれるであろう
<聖書マタイ伝 第七章七節>
(道をひらく)
自分には、自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。どんな道か知
らないが、他の人には歩めない。自分だけしか歩めない。二度と歩めぬかけ
がえのないこの道。広い時もある。せまい時もある。のぼりもあればくだりも
ある。坦々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗するときもある。この道が
果たして良いのか悪いのか、思案にあまる時もあろう。なぐさめを求めたくな
る時もあろう。しかし、所詮はこの道しかないのではないか。あきらめろとい
うのではない。今立っているこの道、今歩んでいるこの道、ともかくもこの道を
休まず歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だ
けに与えられているかけがえのないこの道ではないか。他人の道に心をうば
われ、思案にくれて立ちすくんでいても、道は少しも開けない。道をひらくため
には、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。それがたとえ
遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道が開けてくる。
深い喜びも生まれてくる。
ーー道をひらく 松下幸之助 PHP研究所
(コメント)
古今東西いつの時代においても偉大なる人物に語り継がれている一つの
真理がここにあります。強い信念を持って努力し続ければ、その人には
必ず道は開けるというものです。
松下幸之助
松下電器産業創業者