自分にできること、あるいは夢に
思い描いていることは すべて実行に移すことだ
大胆であれば、非凡な能力と不思議な力を発揮できる
<ゲーテ>
(潜在意識にゆだねる)
多くの作家、雄弁家、美術家、作曲家、アイデアマン、発明家、そのほか創造力
にたよる仕事をする人たちは、よほど古い時代から意識的、あるいは無意識的
に潜在意識を使ってきたのです。アメリカの小説家プロムフィールドは、次のよう
にいっています。<ほかの作家もそうだろうが、昔ある大切なことを発見した。
それは心理学者が潜在意識と名づけるものが、我らの心の中にあるということで
ある。眠っているとき、休んでいるとき、あるいは文筆以外の何かの仕事をして
いるときなどに、なんの前ぶれもなく突如として働いてくれるものがある。私は心
のこの部分を訓練すれば、私の仕事になにか役立たせるようにすることができる
ことを知った。朝起きると、技巧のことや構想や作中の人物のことなどについて、
長い間私を悩ました問題が、眠っている間にことごとく解決されているのを発見
した。潜在意識は、祖先以来の本能と積年の経験の集積で、少しも判断を誤ま
らない。私は長い間理詰めに熟考した末の結論の判断をそっくり潜在意識の
裁決にゆだねて信頼している>
−−信念の魔術 C・M・ブリストル ダイヤモンド社
(コメント)
日本初のノーベル賞受賞者、湯川秀樹氏の中間子理論や ドイツの科学者
フリードリッヒ・A・ケクレのベンゼンの環など、歴史的な発見や発明は、眠っ
ているときの夢や、ベッドで眠りにつく寸前に、ひらめきとして現われています。
かの発明王エジソンは、眠る間も惜しんで研究を重ねたため、研究所の机
の上で眠ることも珍しくなかったといわれています。そして彼ら研究家は口を
そろえて<最も偉大なる考えは、考えることをやめたときにやってくる>
といっています。そしてこれらが潜在意識から送られてくるひらめき(直観)
であることは言うまでもありません。
ヨーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749−1832)
ドイツの文豪 フランクフルトに生まれ
ワイマルの宰相として政務を執るかたわら、自然科学の研究に没頭
調和的な人間形成を目標とする「ドイツ古典主義」を確立