ーーある時、俳優仲間と酒を飲んでいる時、優作は言った
お前たちは、俺には絶対に勝てない
なぜなら、俺は24時間映画のことを考えているからだ
<松田優作 映画俳優>
(なぜ、情熱が大切なのでしょうか)
情熱をもつと潜在意識に信じられないような力が発揮されるようになる
からです。通常意識(顕在意識)レベルでは、並の人間が天才と競うの
は、たいへん難しいことです。しかしながら、潜在意識が顕在意識の
何十倍もの大きさを持っていることについては、ほとんどの心理学者
の意見が一致しています。創業間もなかった頃の京セラのような小さ
な会社が並外れた才能の持ち主を社員として採用することは事実上
不可能です。しかし、平凡な人間でも自分の持つ潜在意識の力を引
き出せば奇跡を起こすことができるということを、京セラはしめしたの
だと思います。
(経営七か条をどのようにして思いつかれたのでしょうか)
会社が成長するにつれ主だった部下たちを何千人もの従業員に対し
て責任のある立場へと昇進させる必要性がでてきました。彼らには、
何としても新しい重要な職責で成功してもわわなくてはなりません。
さもなければ、従業員が苦労するからです。そこで、私自身の経営
思想をいくつかの重要な項目にまとめ、どんな時にでも彼らがそれ
に基づいて行動できるようにしたいと思ったのです。私が重要と考え
る項目は七つあり、その頭文字を組み合わせると、たまたま
PASSION(情熱)となりました。その重要な項目とは、Profit;(利益)
Ambition;(願望)Sincerity(誠実さ)Strength(真の強さ)Innovation
(創意工夫)Optimism(積極思考)Never Give Up(決してあきらめない)
の七つです
ーー成功への情熱 稲盛和夫著 PHP研究所
稲盛和夫 京セラ、第二電電(現KDDI)創業者
(コメント)
この稲盛和夫氏がよく口にする言葉が、一日24時間自分が打ち込
んでいることに意識を集中せよというものですが、なつかしの松田優作
のビデオをみているとそれと全く同じことをいっていました。例え分野
が違えど一芸に秀でる人間たちの共通するものを強く感じてしまいま
した。映画<野獣死すべし>では、主人公のイメージを演じるために、
自分の奥歯の下側を抜いて、わざと生気のない雰囲気を作り出した
そうです。一般人からみると一見狂気のように見えるかもしれません
が、そのようなことまでして一つの事に打ち込む本人にとってはそう
することにより自分の願望が実現に近づいていくことが楽しくてたまら
ないのかもしれません。