日記を読み返すことがあります
でも調子のよかったときのページを見ると、
どちらかといえば何も書いてないことが多いんですね(笑)
逆に言えば、調子の良さに任せて何も考えてなかったんでしょうね。
つまり頭の中がクリアなんですよ。
<荻原健司 スキーノルディック複合>
荻原流イメージトレーニング
ーー試合直前の集中力の高め方を教えてください
僕はどちらかというと、試合直前は、一人になって、ウォーミングアップをした
りしてますね。それにジャンプ直前も一人でジャンプのイメージを頭の中で繰
り返しています。ですから、途中で人から話かけられたりすると、それが中断
されてしまうのでやはり嫌ですね。だから意識的に人から思い切り離れたとこ
ろで自分の世界を作るようにしています。だから、直前は他の選手に話かけ
るということもありません。これは僕なりに他の選手に対して気を使っているん
ですけど、無愛想な奴って思われていたかもしれませんね(笑)それに長野
五輪のときはジャンプの前とか、不安というか<どうやって飛ぼうかな>とい
う恐怖感が大きかったんですね。そういうときはなかなか集中できないものな
んですよ。そこで、<今までどれだけ練習してきたのか、この日のためにどん
なに賭けてきたのか>と心の中で思い返し、<今ここで思い切りやればいい
んだ>と自己暗示をかけましたね。不安や恐怖に立ち向かってそれを克服
するのではなく、今までやってきたことをしっかりと思い返して<それを見せ
る舞台がここにあるんだ>と言い聞かせるんですよ。そうやって心を落ち着
かせると集中もしやすくなりますからね。
ーーメンタル強化バイブル 高畑好秀著 池田書店より
(コメント)
武道の経験がある方ならご存知かと思いますが、柔道、空手、剣道、合気道、
弓道など、およそ全ての武道において、練習前と練習後に黙想(瞑想)を行い
ます。現代のそれは、ほとんど伝統に従った儀式に近いものがありますが、
心をクリヤ(空)にすることが、自己の運動能力を高めるトレーニングとしては、
最適な方法であるこが、近年の科学的メンタルトレーニングとして注目されて
おります。我々の行動は、進化しているように見えて実は古代のやり方に
戻っているような気がしてなりません。
荻原健司
スキーノルデック複合オリンピックメダリスト
93年から3季連続ワールド杯総合1位
リレハンメル五輪 団体金 個人4位などメダル多数