<潜在意識を活用する超人たち>
TIME誌で特集されたブルース・リー
ーーTIMEが選ぶ20世紀の100人よりーー
彼は肉体崇拝の守護神だった。それは、運動と食事制限と瞑想とウエートト
レーニングを正しく組み合わせて実行すればそれだけで困難を乗り超えるカ
を持つことができ、意思の力で自分を神のような人間につくり上げることがで
きるという、ほとんど神秘主義に近い信念だ。今世紀はそうした信念が狂った
ように噴出して幕を開けた。1900年、北京にある欧米諸国の大便館を襲った
中国の義和団は、自分たちは武道の訓練を積んでいるので銃弾をはじくこと
ができると思い込んでいた。実際にはそんなことはできなかった。しかしそれ
に近い狂信は―正気というこちらの側に―いまも存在する。肉体は、見事な
完璧さと永続する力のために準備され得るのだ。
He is the patron saint of the cult of the body: the almost mystical belief
that we have the power to overcome adversity if only we submit to the
right combinations of exercise, diet, meditation and weight training; that
by force of will, we can sculpt ourselves into demigods. The century began
with a crazy burst of that philosophy. In 1900 the Boxer rebels of China
who attacked the Western embassies in Beijing thought that martial-arts
training made them immune to bullets. It didn't. But a related fanaticism
--on this side of sanity--exists today: the belief that the body can be
primed for killer perfection and immortal endurance.
ブルース・リー
映画俳優 武道家 東洋思想の哲学者
(コメント)
いかにも物質的なものに偏りがちな、西洋人らしい記事ですが、実は意外と
ボディービルの世界では、自らの理想的肉体美をつくるのに瞑想を応用して
いる選手は、決して珍しいことではないのです。ただそのようなやり方は、あ
くまでここ十数年の最近の話であって、ブルースの時代にこのような方法を
すでに取り入れていたことは、この記事を書いた記者からみれば、神秘主義
にちかいものとしか、うつらなかったのでしょう。