完全なる人間は、行かずして知り、
目を開かずして見、行なわずして達成する
天下の物は有より生じ、有は無より生ず
「道」(タオ)は天地万物を生み出す。
ーー老子ーー
老子ー道<タオ>
人間を含むいっさいの万物は、生滅を繰り返す有限の限られた存在でずが、
<道>は万物の生滅と、変化を越えて悠久であり無限です。有限の存在である
人間が、この悠久無限である「道」にめざめ、その形なき形を見据え、その声
なき声にじっと耳をすませたとき、自分が本来どんな存在で、何をなしてゆけ
ばいいのか、人間が本当の意味で生きるということはどのようなことなのかが
わかる、というのが老子の哲学です。
(コメント)
変化に富む現象世界である物質世界も、瞑想することにより心を静めることに
よって万物の現象を作り出している根源的な世界(タオ)が見えるようになり、
それを悟ることによって、すべての根源は<無>の世界であるタオから生ずる
ものであることが分かるようになるという意味、つまりタオとは、潜在意識と似た
ようなものであると理解するとわかりやすいでしょう。