−−松下幸之助
志をたてよう。本気になって、真剣に志を立てよう。命をかけるほどの強い思い
で志を立てれば、事はもはや半ば達せられたといってよいでしょう。志を立てる
のに老いも若きもない。そして志あるところ、老いも若きも道は必ずひらけるの
である。今まで様々な道程において、幾たびか志を立て、いくたびか道を見失
い、また挫折したこともあったであろう。しかし道がない、道がひらけぬという
のは、、その志になお弱きものがあったからでなかろうか。つまり何か事をなし
たいというその思いに、今一つ欠けるところがあったからではなかろうか。過
ぎ去ったことは、もはや言うまい。帰らぬ月日に愚痴はこぼすまい。そして、
今まで他に頼り、他をアテにする心があったとしたならば、、いさぎよくこれを
払拭しよう。大事な事は、自らの志である。自らの態度である。千万人といえ
ども我ゆかんの烈々たる勇気である。実行力である。志を立てよう。自分のた
めにも、他人のためにも、そしてお互いの国、日本のためにも。
−−PHP 道をひらく
松下幸之助 松下電器産業創業者
〈コメント)
歴史的偉人たちは、よく考えてみるとあたりまえのことを言ってることが
多いものです。しかしなぜに、彼らのしゃべる言葉は、周囲の人々に
これほどの影響や感動を与えるのでしょうか。それは、彼らの実践に
裏打ちされた説得力、実行力、情熱のせいに他なりません。