発明王と潜在意識
−−エジソン
<自分は千を超える発明をし、世界の発明王などといわれているが、実際は
自分が発明したのではなく、宇宙という大きな存在からメッセージを受け取り、
自分なりの記録をとったにすぎない。つまり自分自身が自然界からのメッセ
ージの受信機であった>とエジソンは言った。人間の肉体は、自然や宇宙の
一部であることは間違いない事実である。エジソンは科学的に、人間の本性
は何かということを探るようになった。エネルギーが不変である限り、人間の
魂は宇宙の中でなくなることはない。魂や心が体から離れても、エネルギー
自体は存在し続けると考えるようになった。そしてこのエネルギーの蓄積こ
そが人間の記憶のもとになる、と仮説を立てたのである。その仮説を実証す
るために、彼は記憶や夢についての研究をはじめた。そして、まったく偶然に
も、フロイトが夢と深層心理に関する研究成果を発表した1921年に、エジソン
も人間の脳と記憶の関係について論文を発表したのである。ただし、エジソン
がフロイトと一線を画していたのは、人間の肉体が滅びた後、その肉体に宿っ
ていた生命は、肉体から離れて、あちこち自由に飛び回るという点である。
そして、その生命体はそれまでの記憶を保持しながら次に宿る肉体を探し回る、
というのである。エジソンはそういう記憶を持った生命体の集合を潜在意識と
位置づけた。
−−怪人エジソン 日経ビジネス人文庫
怪人エジソン
著者 浜田和幸
1996年に日本経済新聞社から刊行されたものを文庫化したもの
(コメント)
電球の発明で有名なエジソンが実はこのような、人間の生命や意識について
深く探求していたと言う話はあまり知られていない事です。アインシュタインなど
も後年人間の生命と宇宙の関係を深く研究したといわれております。このような
話になると、とかくオカルトやSFの世界の話で終わらせ、科学的には、無意味
なことであるといって話を終わらせてしまうのは、2流以下の科学者に多いと
思ってるのは私だけでしょうか。