−−政木和三
私は、大阪大学を拠点に昭和57年まで、ほぼ40年間、科学者としての
生活を送ってきた。その後半まで私は、超常現象や超能力をいっさい認
めようとしない、かなり、頑迷な科学一辺倒の人間であった。計測器で
測定できぬもの以外はこの世に存在しないーそう固く信じていたのであ
る。いまから二十数年前スプーン曲げブームが沸き起こったとき、<あ
んなものは、単に見世物にすぎない>と私はブームにむしろ冷淡であっ
た。昭和47年3月のことである。たまたまテレビでスイッチを入れると、
画面は相変わらずスプーン曲げの実演でいいかげん苦苦しく思った私は
たまりかねて、テレビ局に抗議の電話を入れた。<科学者ににとって、
スプーンが曲がるなんて、ありえないのです。><それならスタジオに来て
それを証明されたらいががですか?>と逆にテレビ出演を依頼してきた
のである。科学の正しさを証明すべく、金属ひずみ計測器を持って、テレ
ビ局へと出かけていった。その計測器は、ほんのわずかでも曲がれば、
数値でモニターに表示されるようになっている。被験者には、スプーンに手
をふれることなく、念をを送るだけで曲げるという条件がつけられ、いよい
よ本番がスタートした。念力でスプーンが曲がるなどという馬鹿げたことは、
絶対にありえない。そう確信して私は、念を発し続ける被験者をあざ笑う
かのような気持ちで時間の経過を待っていた。ところが、<まだ曲がりま
せん>というアナウンサーの声を聞きながら<それ見た事か>と思った
まさにその時である。計測器に1000分の3ミリほどのひずみが表示され、
私は一瞬自分の目を疑った。わずか1000分の数ミリとはいえ、スプーンは、
確かに曲がったのである。想念の力で金属が曲がる、その信じられない
ような事実を見た瞬間私は驚愕し、それまで30年間も学んできたことの
すべてが、根底からくづがえされていくような感じにとらわれてしまった。
科学者としての私が超常現象に目覚めたこれが最初の出来事でした。
−−この世に不可能はない サンマーク出版
政木和三
工学博士 大阪帝国大学航空工学科研究室に入り、通信工学科、造船工学科、
精密工学科等を経て、終戦後は医学部において神経の研究と共に低周波
治療器を開発し、後に工学部工作センター長となる。
現在、林原生物化学研究所参与、。インスピレーションによる発明は
自動炊飯器、エレキギター、自動ドア、CTスキャン、瞬間湯沸し器、うそ発見器
をはじめ900余件。そのほとんどの特許を無償で公開している無欲の科学者
(コメント)
上記実験後、結局スプーンは1000分の数ミリしか曲がらず、肉眼ではとらえる
ことができなかったため、テレビ番組自体は、スプーンは曲がらなかったと報道
されたらしいです。その後、政木博士はいろんな超常現象を経験し、ついには、
自らがスプーンを曲げてしまうことになります。紹介文のとおり、有名大学の研究室
に在籍し、我々が現在使っている様々な商品の特許を取得しながら、その
特許料は、放棄してしまうという素晴らしい科学者です。このような人でも、テレビ
出演してる所を一度みたことがありますが、ほとんど、バラエティー番組で、笑い話の
ように取り上げられていたのを覚えています。しかし、この精神エネルギーの
分野は、様々な分野の人が実際に研究を重ね、それなりの実績もあげてきている
ことは、このメルマガの読者なら、ご存知であると思います。そろそろいままで、
オカルトかSFのような世界として語られてきたこの分野を真剣に研究する時代に
突入してきたのではないかと感じる今日この頃です。