破壊的な瞑想
−−ジョセフ・マーフィー
瞑想は何も神秘的なものでは、ありません。世界中のありとあらゆる人が
瞑想しているのです。ただみんなが建設的瞑想しているとは、限りません。
瞑想は呼吸や飲食と同じくらい自然なことです。ビジネスマンも科学者も、
主婦やタクシーの運転手まで皆が瞑想しているのです。無神論者も物質
主義者も絶えず瞑想しています。ただ違いがあるとすれば、彼らは、精神
的なものつまり永遠の真実に対して瞑想してないということです。真の
瞑想は、あなたの中の生きている精神は、唯一の存在であり、あなたが
認識しているのは、無限なる存在の一部分に過ぎないと知ることを意味
しています。心を落ち着けて、ゆっくりと腰を下ろしもっとも高次の真実に
注意をむけるのです。そうすれば、精神的な真の瞑想をしていることに
なります。たとえば、ある男性は、朝目を覚ますとすぐに新聞を開いて、
政治、犯罪、国際情勢に関する見出しを読みます。彼は政治情勢に腹を
立てることが多くあります。例えばある裁判官の判決に怒ったり、ある記事
にすごく心を悩ませたりするのです。これは、悪い結果をもたらす破壊的な
瞑想です。どんなことであれ、我々が、熱中したり、注意を払うことは、
潜在意識の中で拡大されてしまうのです。大抵の人々は、トラウマ、悩み、
不満、苦情、失敗などをついつい思い出しがちです。そして、知らず知らず
のうちに、問題を拡大してしまい、自ら滅入っているのです。例えばもし、
あなたが預言者が言ったことが気になって仕方なくなったり、職場の上司
とうまくいっていないのであれば、あなたは、破壊的な瞑想にふけっている
ことであり、いずれ悪いことが起きます。つまり自分が、自分に向かって
言う言葉は、いずれ現実のものとなるということです。心の中で考え想像
したことは、良くも悪くも現実化してしまうのです。
−−心の威力 きこ書房
ジョセフ・マーフィー
法学、薬理学、哲学、神学の博士号を持ち、講演家、教育家、教会の牧師
として幅広く活躍する。著書は30冊以上に及び、世界各国で翻訳出版される。
現在博士の哲学はジョセフ・マーフィー財団に受け継がれ世界的活動を展開中。
(コメント)
マーフィーがここで説明している瞑想は、広い意味での瞑想、いわゆる何かの
物事に集中する状態のことを瞑想と言っています。心の力を増幅する働きの
ある瞑想はそのような意味では、まさに諸刃の剣であり、人を恨んだり妬んだ
りする悪い想念を持ち続けるとその想念のエネルギーはそのまま自分にはね
かえり、実際の現実世界でろくなことが起こりません。自分の身の回りを住み
よいものにするか、そうでないかは、まさに自分自身の心のありかたにかかって
いるようです。