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9.11以降、戦争空間に新たな次元軸が現出した。
非対称戦争、非対称軸だ。この次元軸を再発見し、戦争戦略として重点をおいて立案した戦争計画は高い効果を収めると思う。
仮に国家間戦争の展開を2次元空間での展開としてみる。するとネオコンはレーガン主義を発展させたにとどまるもので、2次元空間(国家間戦略論)での戦争戦略を展開している事においては、従来のペンタゴンのそれと異なるところが一切ない。
イラクの現状を見るまでもなく、9.11以降、アメリカを敵とする国家、テロ組織は非対称戦争(テロ戦、ゲリラ戦)を計画的に組み込んだ戦争計画を立案している(アルカイダ、イラク、イラン、サウジアラビア、シリアなど)。このボーダーレスな組織による戦争戦略は、いわば国家間戦略論という2次元空間を超えた3次元空間での戦争なので、リチャード・パールなどに代表される20世紀型のオールド・タイプの戦略家に対処能力はない。
というよりは、対テロ戦略論自体、確立された方法論は軍事的に未知の領域であり、「軍事力」のみを駆使してそれを考究するのは不可能、限界だ。アメリカ・ブッシュ政権は中東戦略を根底からその方向で再構築する必要がある。結論として、対テロ戦略では軍事力のみの解決は不可能だ。
アメリカが中東を改造しようと考えるのなら、「軍事力による政権転覆」ではなくて、「国民内部からの政権転覆」をCIAなどを使って行うべきだろう。中東地域での専制国家政府による国民への情報操作に対抗する、アメリカによる大規模な情報操作、あらゆる手段を使っての大衆操作など、この点からすれば、冷戦時代に共産圏の拡大を狙った旧ソ連KGBの情報工作に学ぶべきものが大きいはずだ。今度は「共産化」ではなく「民主化」を狙う。
「軍事力による政権転覆」よりもこの方法の方がはるかに低コストで、時間的に比較した場合、社会環境の混乱・膠着状態を避け、短くて済むのではないか。
先に挙げたリチャード・パールは北朝鮮攻略で「国民内部からの政権転覆」としての情報工作、情報操作を画策しているといわれる。もちろんCIAにもそのノウハウの蓄積はある。
対テロ戦略とは、基本的にはテロリズムに対抗することではなく、テロの温床を作り出しているアラブ専制国家群の政権転覆を図るものだろう。アメリカによるイラクでの失敗は、「軍事力による政権転覆」は中東では不可能なことを教えている。
DOMOTO
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