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■『さらば外務省!』と総選挙 Vol.240 10/09/03
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1.名指しでメッタ切り
今話題の前駐レバノン特命全権大使・天木直人氏による『さらば
外務省!』に取り急ぎ目を通した。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20031006/mng_____tokuho__000.shtml
昨日のニュースステーションでも、外国特派員協会での会見
http://www.fccj.or.jp/modules/eCal/display-event.php?id=706
の様子が報じられていたので、ご存じの方も多いだろう。
天木氏は「国連決議なしの対イラク攻撃は何があっても阻止すべ
きである」(同書18頁)と意見具申し、本年8月末に外務省を辞
めさせられた人物である。
この本はなかなか凄い。
「私は小泉首相と売国官僚を許さない」という副題のとおり、関
係各人をほとんど実名でメッタ切りである。
「ついこの間まではわれわれと一緒に仕事をしていた『官僚その
もの』の川口には、外務官僚を掌握する能力も気力もなく、ただ転
がり込んだ外相のポストをできるだけ長くエンジョイしようと躍起
になっている。まさに任命者小泉首相と瓜二つである。」(92、
93頁)
川口順子もさることながら、竹内行夫、小和田恒、斉藤邦彦、栗
山尚一、松永信雄、野上義二、田中均といった歴代外務省幹部の、
お粗末かつ破廉恥な実態が事細かに描写され、名指しで批判されて
いるので、外務省はさぞかし動揺していることだろう。いちいち紹
介仕切れないほどの内容である。
随所でディープな情報も記されており、ドキリとさせられる。
たとえば、在オーストラリア日本大使館で発覚した不正流用事件
についてはこうだ。
「公金横領の事実が発覚することだけではない。出納官吏のE公
使が、創価学会の青年幹部であることは省内では周知の事実である
。自分の息子を大作と名づけるほどの忠実な池田大作信奉者のEが
、もしYと共謀して公金を使用していた事実が明るみに出たらどう
なるか。困るのは外務省にとどまらない。これはなんとしてでも隠
し通さなければならないと考える組織が、外務省の他にもあったと
したら。そしてその勢力が小泉政権と談合して、本件を闇に葬った
としたら。」(110頁)
そういう具合に話のあちこちで、外務省以外にも矛先が移り、「
(内閣安全保障室の)初代室長は、警察官僚OBの佐々淳行である
。危機管理の専門家を自認する佐々は、国家的危機が起こることを
心待ちに、毎日腕をさすりながら出勤してくる。しかし、そう簡単
に国家的危機は起こるものではないし、また起こってもらっては困
る。佐々は事件が起これば自分の出番だと騒ぎ立てるので、関係省
庁の顰蹙をかっていた」(126頁)などと、さもありなんの実態
が披露されているので楽しい。
その安全保障室は、「防衛庁の予算の承認を年に一回行うだけで
、あとは何もすることのない組織なのであった。毎日出勤しても、
これといった仕事はない。朝一〇時頃に重役出勤し、ゆっくりとお
茶を飲み、時間をかけて新聞各紙を読むと昼のニュースが始まる。
早めの昼食をとって囲碁でも打っていると午後の勤務時間が始まる
。回覧されてくる資料に目を通し、用事もないのに電話をかけてみ
たりするうちに、ラジオ体操の音楽が流れ夕刊が配られてくる。そ
れを読んでいるうちに夕方のテレビニュースが始まり各チャンネル
を一通り見て退庁する、そんな毎日であった。いつも早々に帰宅し
ていた。こんな閑職に飛ばされても自分を見失わないようにと、私
は自らに言い聞かせた」(同上)というところなのである。
あまりにも小気味いいので、ついこの間まで役人をやっていた人
の文章とは思えないほどである。
だから面白い。かなりブッ切れている。反面、物議を醸す内容で
ある。
一瞬、売れる本を作るためにプロのリライトが入っているのかと
思いもしたが、冒頭の「意見具申」を読むと、やはり本文同様、簡
潔明瞭な文体である。たぶんこれが、天木氏のキャラクターなのだ
ろう。
2.“反政府組織”との接触
天木氏がその内閣安全保障室の閑職に飛ばされたのは、同書によ
れば、外務本省のアフリカ二課長時代にアパルトヘイト反対の政策
をとったのが直接の理由のようである。
<参考>新聞記事
外務省課長が1月に南ア反政府組織と接触
1986.02.11 朝日新聞朝刊
外務省の三宅中近東アフリカ局長は10日の衆院予算委員会で、
南アフリカ共和国で人種隔離(アパルトヘイト)政策に反対運動を
続けている黒人組織、アフリカ民族会議(ANC)幹部と天木直人
外務省アフリカ第2課長が今年1月にザンビアで接触、南ア問題で
意見交換したことを明らかにした。
対南ア政策、突然の変化 タンボ議長の柔軟姿勢に政財界呼応?
1987.04.23 朝日新聞朝刊
訪日中の南アフリカ共和国の非合法黒人解放組織「アフリカ民族
会議」(ANC)のオリバー・タンボ議長は22日、朝日新聞との
会見で、柔軟な政権構想を明らかにした。これに呼応するかのよう
に日本側も、中曽根首相が経済制裁を先進国首脳会議で呼びかける
ことを約束、倉成外相も40万ドルの援助を表明している。また財
界も、歓迎昼食会に南ア関連企業9社がそろって出席するなどの反
応を示した。これまでの白人政権一本やりの外交政策から、政財界
は一歩踏み出した感さえあるのだが……。
(略)
こうした柔軟路線に外務省は、「議長は他のアフリカ諸国を回っ
て経済の実態を知っている。まんざら外向けの宣伝だけではないは
ず」(天木直人アフリカ2課長)との評価を示す。
(以下略)
氏の政策判断は今では当然のことのように受け止められるだろう
が、日本政府(人)は「名誉白人」などという、それ自体屈辱的な
称号を与えられても何ら恥じるところがないほどプライドが欠如し
ているわけだから、“非合法黒人解放組織”と接触することなど不
埒千万なことだったのである。だから左遷されてしまったのである。
そういう意味では、氏が筋を通そうとするのは、何も対イラク戦
に臨んでの「意見具申」に始まった話ではない。
次のような報道もあってかなりアクティブな様子が窺える。
<参考>共同通信記事
イスラエル兵の健在確認 日本大使
2001.06.28 共同通信
【カイロ28日共同】レバノンを拠点とするイスラム過激派組織
ヒズボラのナスララ事務局長が今月中旬、日本の天木直人駐レバノ
ン大使らと面会した際、ヒズボラが昨年十月に誘拐した四人のイス
ラエル兵士らの健在を確認していたことが二十八日、分かった。
在ベイルート日本大使館がこの情報を確認した。それによると、
天木大使は今月十六日、ナスララ事務局長と面会。その際、事務局
長は「イスラエル兵士はヒズボラのメンバーにも劣らない扱いを受
けている」と述べ、四人の無事を明らかにしたという。
そういう氏が記す次のような言葉には説得力がある。
「なぜかくも外務省は劣化してしまったのだろうか。それは外務
省がその生命線ともいうべき情報収集活動を軽視し、数少ない有益
な情報さえ十分に分析・活用できない体制になってしまったからで
ある。情報収集活動と、それを国益にいかに結びつけるかという緊
張した外交を忘れた外務省は、存在意義を失ったも同然である。」
(186頁)
3.反自民の旗幟
さて氏は、官僚社会特有のキャリア制度については、そこに問題
があるとしながらも、次のように言う。
「『試験に受かったばかりに、無能であっても特権にあぐらをか
いているキャリアによって、実直なノンキャリたちが不当に差別を
受けている』といった構図が世間で喧伝されている。しかしこれは
大きな誤りである。
キャリアの中にできが悪い者が存在することは事実である。しか
し、ノンキャリアはそれ以上にできが悪い。
そもそも制度上、キャリアとノンキャリアの試験がべつに設けら
れているのだから、優秀な者や志の高い者がキャリアの試験を受け
るのは自然である。最初からノンキャリアの試験を受けるような奴
は、歩留まりを見越した敗北者なのである。」(208、209頁
)
ことさら挑発的に記述している感もあるので、おそらく反発を招
くことだろう。
しかしながら、筆者が言っても何の説得力がないことも知りつつ
あえて付け加えておくと、概ねそのとおりだろうというのが偽らざ
る感想である。
・・・そんな霞が関ムラのどうでもいい話はともかくとして、ち
ょっと気になることも指摘おきたい。
というのは、同書に書かれた内容は、単に外務省の問題に留まら
ず、小泉政権批判となっており、今後、氏の主張がさらに注目され
ることになれば、嫌が上にも目前の総選挙に影響を与えるだろうと
いう点である。
米英ではまさにイラク戦の情報操作疑惑で、政権基盤を揺るがす
ほどの大騒ぎになっているのだから、今後の展開次第で、日本にも
問題が飛び火し、氏の批判の影響度が、想像以上に大きくなること
も十分あり得る。
いや、影響を与えても一向に差し支えないわけだし、そもそも氏
は国民一人ひとりに「石にかじりついても政権交代を実現する」(
220頁)問題意識を持つように求め、具体的には「自民党に投票
しないという行動によって、一般市民が選挙における影響力を自分
の手に取り戻」(239頁)すことを促している。
<参考>天木氏の主張
「自民党をぶっ壊す」といって国民の支持を集めた小泉首相が、
その自民党をゾンビのように生きながらえさせている。それなら、
国民の手でこの党を成仏させなければならないからである。
少しでも政治に関心があれば、小泉という政治家がいかに自民党
の派閥政治の中を生き抜いてきた、自民党的体質を持った政治家で
あるか見抜けるはずである。こんな男に自民党を潰せるわけがない
。官僚政治に頼り切った小泉首相に、真の改革などできるはずはな
い。郵政改革にしても道路改革にしても医療改革にしても、すべて
は見せかけの改革だ。金融行政は財務省による銀行優遇政策からな
んら抜け出せていない。役人の天下り一つ、減らすことはできない
ではないか。こんなデタラメな総理大臣が日本を破壊し尽くしてし
まう前に、われわれは自民党とそれを支える小泉首相を退場させな
くてはならないのである。(238、239頁)
たしかに勘ぐって見れば、1で紹介したようにわざわざ創価学会
絡みのエピソードを交えていることすら、政局を睨んだ巧妙な伏線
のようにも思えてくる。
そのほか、小泉が厚生大臣時代にジンバブエを外遊したときのエ
ピソード(172頁)を読むと、かなり“嫌な奴”感が漂っており
、思わぬイメージダウンである。
とはいえ氏は、社・共はもちろん、新民主党を持ち上げているわ
けではなく、反自民という旗幟を鮮明にした上で、告発を行ってい
るわけだから、一見中立を装うよりも、むしろ「良心的」であると
も言える。
無論、基本的に「内部告発者=性悪説」に立っている筆者として
は(笑)、単に著書の一部を走り読みしただけで、あれこれ断定す
る愚は避けたいところであるが、氏が「硬骨漢」であることは随所
から窺えるのだ。
氏には他に以下のような著作がある。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9950436877
天木氏は最後に『さらば外務省!』を次のように結ぶ。
「私は残りの人生を、外務省といっさいの関係を持たずに生きて
いくことにした。そうすることで初めて、思ったことを遠慮なく発
言することができる。そんな私を外務省は潰しにかかってくるだろ
う。しかし私はひるまない。その意味で今後の私の人生は、外務省
との戦いであると覚悟している。」(245頁)
氏に自覚があるか否か定かでないが、「潰しにかかってくる」の
は独り外務省ばかりではあるまい。政権与党を批判し、対米追従路
線とは一線を画す氏が敵にする相手は、もっと巨大に違いない。妙
な刑事事件をでっち上げられたりしないように細心の注意が必要で
ある。
4.仙台市民オンブズマン(最終準備書面)
さて、天木氏も事実だと認める外務省の機密費流用について、そ
の実態を明らかにすべく裁判で争っているのが、仙台市民オンブズ
マンである。
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/article/kimitsu/200107/16e5.html
同じく同オンブズマンが東北公安調査局の調査活動費の開示を求
めた裁判で、
http://www.hitplaza.netspace.or.jp/doc/omb/kouann15.7.htm
最終準備書面が提出されたようなので紹介しておこう。
http://homepage3.nifty.com/argus/sendai1.jtd
http://homepage3.nifty.com/argus/sendai2.jtd
http://homepage3.nifty.com/argus/sendai3.jtd
http://homepage3.nifty.com/argus/sendai4.jtd
5.武富士裁判
月刊誌『創』今月号でもフォローしている
武富士が筆者らに起こした“名誉毀損訴訟”について、10月8日
、反論の答弁書と証拠一式を東京地裁に提出した(全文はおって公
開)。
筆者の代理人は、前田祐司、渡邉良平、古本晴英弁護士であり、
山岡俊介記者と「創」の代理人は吉永克彦、内藤隆、内田雅敏弁護
士という、いずれも一騎当千の強力な陣容である。月刊誌ベルダの
ほうは安田好弘弁護士らが代理人に付き、さらに武富士被害対策全
国会議の弁護士グループも連携するわけだから、文字通り「ドリー
ムチーム」が結成される。
一方、このサラ金会社については、次から次へとその反社会的体
質が暴露されるので、証拠の材料に事欠かず、むしろあれこれ添付
し過ぎて煩雑になるのを避けるのに苦労するほどなのだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031007-00000471-jij-pol
第一回口頭弁論は、10月15日午前10時。場所は東京地裁6
27号法廷である。
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情報発信者:野田敬生(hironari noda)
(以下略)