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【ローマ=鶴原徹也】欧州連合(EU)の現加盟15か国と来年加盟の10か国の首脳が4日、EU憲法制定に向けた最終交渉の場となる政府間会議の初会合をローマで開く。
“EUの顔”となる首脳会議常任議長新設などを打ち出した、欧州将来像協議会のまとめた憲法草案が土台だ。独仏や議長国イタリアなどは草案の微調整ですませたい意向だが、小国は「草案は大国中心主義」と反発し、根本的修正を要求している。EU初の憲法制定作業は雲行きが怪しくなってきた。
草案は、〈1〉最高意思決定機関の首脳会議で、加盟国間の任期半年の輪番議長制を廃止し、任期2年半の常任議長を新設〈2〉共通外交を担当するEU外相を新設〈3〉多数決による意思決定分野を拡大し、多数決方式を変更〈4〉共通政策を執行する欧州委員会の委員数を15人に削減する――が柱。
将来像協議会には各国政府・議会代表らも加わり、ほぼ1年半の激論の末に今年6月、草案を了承した。
ところがここへ来て、現加盟国でオーストリアを筆頭に7か国、新加盟国ではチェコなど8か国が、草案の撤回を目指し、結束しだした。輪番議長制の廃止は小国が議長を務める機会を奪うほか、欧州委委員削減によって委員を送り込めない小国が出てくるなどが不満の理由だ。拡大EUは大国の専横を許し、小国は無視されるとの不安がある。
「大国」に分類されるスペインとポーランドにも不満はある。両国は、拡大の設計図を示したニース条約では、多数決に際して独仏英並みの票配分を保証された。ところが、人口をそのまま反映する新方式では、「大国」としての重みを失う。両国は急接近して、新方式撤回を求めている。
英国は総論賛成の立場だが、草案がEU内の相互防衛支援を打ち出している点については、北大西洋条約機構(NATO)否定につながるとして反対だ。
独仏伊は、政府間会議が草案を尊重して12月中旬までに憲法を制定すべきだと主張するが、交渉は多くの曲折を経そうだ。
(2003/10/3/23:56 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20031003id26.htm