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「米国との関係改善をめぐり、軍部は真っ二つに割れている」「ここにも私と異なる意見を持つ人がいる」――。オルブライト前米国務長官がこのほど出版した回顧録「マダム・セクレタリー」で、前長官が北朝鮮を訪問した際の金正日総書記の詳しい発言内容が明らかになった。
金総書記は深刻な経済難にもかかわらず、「伝統」保持のために開放に踏み切れない事情や、軍や政府内に総書記の方針への反対意見があることを率直に吐露していた。
前長官は2000年10月に訪朝。金総書記と2日間にわたり、会談した。
回顧録によると、金総書記は、在韓米軍が冷戦後、地域安定化の役割を果たしていると評価。一方で「米国ほど反対者の数は多くはないが、私と異なる意見を持つ人はここにもいる。米軍は出ていくべきだと考える人がまだいる」と語った。さらに、対米関係改善をめぐって軍部の意見が割れているほか、外務省内にすら、米国と対話するとした金総書記の決定に反対する人々がいると明かし、解決は米国との関係正常化にかかっていると強調した。
経済についても、干ばつで水力発電所が稼働せず、電力なしでは石炭も掘れず、石炭不足で工場が窮するという悪循環による苦境を認めた。しかし「西洋式の開放は受け入れない。開放は我々の伝統を害するものであってはならない」と改革開放を否定した。
金総書記はクリントン大統領の訪朝を強く望んだが、任期終了間際だった大統領は逆に金総書記の訪米を要請。結局、首脳往来は実現せず、米朝関係はその後、悪化の一途をたどった。(国際部 白川 義和)
(2003/10/3/22:53 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20031003it11.htm