牧原秀樹法相にもボランティア支援 自民党と統一教会は総選挙をどう戦うのか 鈴木エイト カルトな金曜日
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2024/10/11 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
旧統一教会との密接な関係があったと認めた牧原秀樹法相(C)日刊ゲンダイ
衆院が解散されて事実上、総選挙(15日公示、27日投開票)に突入した。「一切の関係を断つ」と一方的に言われ、トカゲの尻尾切りのごとく自民党から見捨てられた統一教会(現・世界平和統一家庭連合)はどう動くのか。これまでのように組織的な選挙応援を行うとは考えにくい。つまり、自民党は教団の組織的支援なしで戦うことになる。統一教会のアシストによって、なんとか当選を果たしてきた議員にとっては厳しい選挙戦になるだろう。
そのうちの一人と目されているのが、牧原秀樹法相である。議員本人や秘書が教団や関連団体の集会などに37回出席したことを8日に明かした。2005年の初出馬以降、統一教会関係者からのボランティアで支援を受けていたという。22年に自民党が実施した点検にあたって「申告漏れ」が判明したことになる。案の定の結果だ。
牧原氏個人と地元の教団組織に限った関係なのか。私はそうではないと思う。牧原氏の事例は、氷山の一角に過ぎないからだ。
入手した16年の教団内部資料によると、統一教会のフロント組織の世界平和連合によって後援会を結成した国会議員が76人おり、ほかに国会議員150人と連携していたことが記載されている。「連携議員」とは、後援会支援までにはいたらないものの、教団組織とつながっている議員を指す。16年以降も、「議員後援会」リストに掲載される面々も「連携議員」も増え続けたとみられる。
22年の参院選をめぐる内部資料には「全国比例の応援候補者の応援体制」との記述がある。「全国比例の応援候補者」とは井上義行参院議員のことだ。
「渉外部長と連携して後援議員の確定、応援」の項目には「要望を確認」「応援体制の確認」とある。渉外部長とは政治家との渉外活動を行う責任者。統一教会サイドは候補者がどのような支援体制を望んでいるか確認し、電話かけやポスティング人員に青年、壮年、壮婦信者を動員して行わせてきたのだ。
教団と近い候補のうち、当選が危うい人物を比例復活を含めていかに押し上げていくか。統一教会はあらゆる国政選挙において自民党側と連携し、選挙運動を展開してきた形跡がある。
2年前、自民党は「組織的な関係はないことは確認済み」として幕引きを図った。だが、その前提はどこから見ても崩れている。
鈴木エイト ジャーナリスト
1968年生まれ。日大卒。日本ペンクラブ会員。ニュースサイト「やや日刊カルト新聞」主筆。日本脱カルト協会理事。「自民党の統一教会汚染 追跡3000日」「『山上徹也』とは何者だったのか」などの著書のほか、共著・編著多数。
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