安倍政権の“生みの親”野田立憲では政権交代は起きない 永田町の裏を読む
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2024/09/25 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
安倍政権の“生みの親”(C)日刊ゲンダイ
このことは実は本欄で今までに2回も書いているが、あえてもう一度書かせていただく。私が野田佳彦だけは立憲民主党にせよ何にせよ、旧民主党の系譜を引くリベラル政党の責任ある立場に就かせるべきでないと考える理由である。「2回」というのは、2016年9月に蓮舫が民進党代表となり野田を幹事長に指名した時と、22年9月に彼が安倍晋三元首相の“国葬”に出席するくらいならまだしも自民党から請われて弔辞まで読み上げた時である。
形式面で言うと、野田は、やらなくてもいい総選挙を安倍に持ちかけて、結果としてその当時政権党だった民主党の同志173人を落選させて同党を壊滅状態に追い込んだだけでなく、この日本を決定的にダメにした安倍政権の生みの親である。
内容面で言うと、これを私は本欄で3回目となるのをいとわず繰り返すのだが、第1に、安保法制。野田政権の国家戦略会議フロンティア分科会が憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使を認めるべきだと提言した。
第2に、武器輸出。藤村修官房長官が武器輸出三原則を見直す案を発表。第3に、オスプレイの沖縄配備を何ら疑問を挟むことなく受忍した。
第4に、尖閣国有化。第5に、原発再稼働。第6に、TPP。最初に「参加を検討する」と言ったのは菅直人首相だが、野田は「参加のため関係国と協議に入る」と表明。
第7に、消費増税。野田内閣は12年2月に「社会保障・税一体改革」大綱を閣議決定し、8月に「14年に8%、15年に10%」とする消費税法改正案を成立させた。
つまり、安倍政権で起きた禍々しいことのほぼ全ては、野田政権の時代に始まっていたということである。どうしてそうなのかといえば、理由は簡単で、野田も安倍も共通して、自分には何の政策能力もなく、外務・財務・経産などの小ざかしい官僚が言うことを素直に受け入れたからである。
野田は「今度こそ政権交代を」と叫んでいたが、彼の下では政権交代は起こらないし、起きても意味がない。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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