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2024年9月14日01時05分 〜
記事 [政治・選挙・NHK295] 「保身か」「国の行方か」のジレンマだとさ 票読みを難しくさせている「小泉の不安」(日刊ゲンダイ)

※2024年9月12日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字起こし


※紙面抜粋


※2024年9月12日 日刊ゲンダイ2面


付け焼き刀公約は野党のパクリ、神輿の軽さも…(小泉進次郎元環境相)(C)日刊ゲンダイ

 自民党の総裁選の候補者が出そろったが、前代未聞のグロテスク。候補者たちの付け焼き刃公約は野党のパクリ。いかに自分たちが反国民政権だったかの裏返しだが、そのうえ、党内を覆う「進次郎の不安」。神輿の軽さへの疑心暗鬼。これほどふざけた争いは前代未聞だ。

  ◇  ◇  ◇

「立憲自民党ですか」

 立憲民主党の泉健太代表にまで小ばかにされている。12日告示日を迎えた自民党総裁選(27日投開票)。上川陽子外相が11日出馬表明し、名乗りを上げたのは9人目だ。候補者数は1972年の推薦人制度導入以降、最多だった5人を大幅に上回る。さあ、本番。これから政策論争に花が開くかと思えば、ハナから期待できない。

 なぜなら各候補の「目玉公約」は立憲や共産党など野党の政策のパクリ。しかも、ことごとく自民が反対してきたものばかり。とりわけ「おまえが言うな!」と引っぱたきたくなるのが、茂木敏充幹事長だ。4日の出馬表明で使途公開の義務のない政策活動費の「廃止」をブチ上げた。幹事長として茂木は2022年の1年間だけで計9億7150万円の政活費を受領し、すでに2年9カ月に及ぶ在任中にせしめた額は推計約26億円を超える。

 党内の誰よりも事実上の裏金をガッポリ手にした茂木が、今さら「廃止」とは不適切にもほどがある。総裁選出馬に伴い、茂木は職務権限を党総裁の岸田首相に委ね、すでに幹事長の任期を終えたようなもの。あの人望のなさがにじみ出る表情で廃止を明言されると「ボクさえ、おいしい思いができたら後は野となれ」と考えているフシすら勘ぐりたくなる。

 そんな身勝手な茂木に「どの口が言うのか」とツッコミを入れるどころか、他候補は「じゃあ俺も俺も」と便乗する始末。小林鷹之前経済安保相や石破茂元幹事長、小泉進次郎元環境相、高市早苗経済安保相が次々と廃止に言及し、「ひとり勝ちは許さん」と言わんばかりである。集団コントじゃあるまいし、どいつもこいつもホンの3カ月前のことを、もう忘れたのか。

いただき男子と女子がウジャウジャ

 改正政治資金規正法の審議で、野党の政活費廃止要求に抵抗したのは自民党だ。岸田は「個人のプライバシー、企業の営業秘密、政党の方向性について外部の政治勢力や外国に知られることになる」とナゾの屁理屈をこね、使途公開すら拒否。党首討論では「禁止、禁止、禁止は気持ちいいかもしれない」と廃止を求めた立憲の政治姿勢をあてこすってみせた。

 結局、日本維新の会と手を握り、「領収書の10年後の公開」で合意。こんな中途半端な改正法に誰ひとり造反することなく、右へ倣えで賛成したのが総裁選候補の面々だ。

 国民に詫びのひと言もなく、いけしゃあしゃあと手のひら返し。野党の要求をパクって平気の平左。この点だけでも総理・総裁どころか、政治家の資格ナシ。いい大人のすることじゃないが、候補者には「いただき男子」と「いただき女子」がウジャウジャいる。

 林芳正官房長官が口火を切った「マイナ保険証に一本化、現行保険証の廃止」の時期見直しも噴飯ものだ。マイナ保険証の利用率は低調で、現行保険証廃止の評判は最悪とはいえ、官房長官は政府のナンバー2だ。先の通常国会でも野党は現行保険証の「廃止の延期」を強く求めていた。林が本気なら、いつでも岸田に具申できたはずだ。

 12月の廃止まで3カ月を切って突然「見直し」を表明しても遅すぎる。延期には法改正が必要で、残された時間は皆無に等しい。つまり廃止時期の見直しは、単なる思い付きに過ぎない。

 旗振り役の河野デジタル相が突然のハシゴ外しに「林氏も閣内で政策を推し進めてきた一人だ」と反発するのも当然だ。河野のマイナ保険証ゴリ押し暴走を、林がどんな思いで見つめていたのかは知らないが、完全な閣内不一致。総裁選をやる前に岸田内閣はサッサと総辞職すべきだ。

政権担当能力を失った政党の最後の宴


どの口が!貴方たちが言うな(茂木敏充幹事長と林芳正官房長官=右)/(C)日刊ゲン

 他の候補も重職に就く林の軽い発言をいさめるどころか、石破はシレッと見直しに賛同。高市も10日に「しっかりとマイナ保険証が使える環境が整備されてからが一番皆さまのためになる」と語り、見直し議論に参戦した。パクリの連鎖反応はすさまじい。

 他にも小泉、石破、河野が明確に賛成している「選択的夫婦別姓の導入」をはじめ、「防衛増税の停止」(茂木)、「金融所得課税の見直し」(石破)、「学校給食無償化」(加藤勝信元官房長官)──と出そろった候補者の公約は、野党パクリのオンパレード。そうでなければ、河野の「年末調整の廃止」や、石破の「米国本土に自衛隊の基地を置く」など荒唐無稽な付け焼き刃である。全くもって無責任。恥も外聞もありゃしない。

「現職閣僚や党幹部まで野党のパクリとは……」と嘆息するのは立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)だ。こう続けた。

「あれだけ野党の要求を潰してきたのに、まるで言ったもん勝ち。裏を返せば、歴代の自民党政権が『反国民』だった証拠です。野党からパクった政策の実現を拒んできたのは散々、大企業優遇、米国言いなりの軍拡路線、社会保障切り捨て、反ジェンダー平等の政治を続けてきたから。一方で政治資金パーティーの禁止や企業・団体献金の廃止には誰も言及せず、裏金事件の決着には頬かむり。89人が投票権を持つ安倍派の議員票欲しさに真相究明に切り込もうとしない。本気度が疑われるパクリの数々は『変わったふり』の演出で、裏金隠しの論点ズラシ。小泉・河野両氏が選択的夫婦別姓を打ち出したのも、経団連が早期導入を求めているため。2人とも『解雇規制の緩和』を唱え、実現すれば大企業は大喜び。大企業優遇は相変わらずで、候補者全員が改憲の大合唱。結局、誰が選ばれても改憲だけはやるということ。自民の本性は変わりません」

「あすの日本」より「あすの選挙」が大事

 もっと言えば、今回の総裁選そのものが立憲代表選のパクリでもある。現職の泉、枝野幸男前代表、野田佳彦元総理が争う構図は「新味なし」だが、総裁選も一皮むけば岸田と菅前首相、麻生副総裁がキングメーカー争い。それぞれ現総裁、前総裁、元総理で立憲代表選とウリふたつ。表で堂々と競い合っているか、それとも裏で暗躍しているかの違いでしかない。

 何から何までグロテスク。前代未聞の総裁選で目下、党内を覆うのは優勢の見方が強まる進次郎への「不安」だ。経験・実力不足は誰もが知るところ。例のセクシー発言など「進次郎構文」から資質そのものが疑われ、同僚だった金子恵美元衆院議員には「地頭が悪い」と身もフタもない評価を下されている。

 進次郎本人が「早期解散」を表明し、最も早くて10月27日投開票説も取り沙汰される。裏金やスネ傷議員、選挙に弱い議員にすれば見栄えの良い進次郎に「表紙」を替え、ボロが出る前に選挙を乗り切りたいのがホンネ。「神輿は軽くて」の論理だが、あまりにも軽すぎると政権運営が危うい。「保身」を取るか、それとも「国の行方」か。進次郎の軽薄さが多くの議員を疑心暗鬼に陥れ、総裁選の票読みを難しくさせているに違いない。何たるジレンマか。

「ウクライナやパレスチナで戦争が続き、米大統領選では大国の分断をみせつけられる世界の現状において、自民党議員は『あすの日本』より『あすの選挙』を優先。溺れる者は藁をも掴むの言葉通りに資質は度外視で進次郎氏の人気にすがる。総裁選の候補たちも目先の勝利が大事。野党の政策をパクって国民受けのする政策を並べ立てるだけです。そこには政治哲学もなければ、日本が今後進むべきビジョンやグランドデザインもない。この国の将来への責任を放棄し、もはや政権担当能力を失っています。今回の総裁選は最後の宴です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 告示の12日から総裁候補たちは民放各局を行脚し、電波ジャックも始まる。

 ふざけた争いにもう食傷気味なら、いっそネットフリックスと契約し「地面師たち」を一気見した方がマシだ。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/504.html

記事 [政治・選挙・NHK295] 進次郎「人生いろいろ」作戦の勝算…総裁選演説会で“家族切り売り”実母との初面会を明かす(日刊ゲンダイ)


進次郎「人生いろいろ」作戦の勝算…総裁選演説会で“家族切り売り”実母との初面会を明かす
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/360535
2024/09/13 日刊ゲンダイ


うっすら涙を浮かべて…(小泉進次郎元環境相)/(C)J MPA


小泉進次郎元環境相 自民党総裁選、所見発表演説会(C)日刊ゲンダイ


小泉進次郎元環境相 自民党総裁選、所見発表演説会(C)日刊ゲンダイ

 まさかの家族切り売りだ。自民党総裁選は12日告示を迎え、過去最多9人の候補が所見発表演説会にそろい踏み。とりわけ、異質だったのは小泉進次郎元環境相(43)のスピーチだ。突然、自身の生い立ちに言及。情感たっぷりに語った「人生いろいろ」作戦の裏には、アメリカナイズされた選挙戦術と父の成功体験が浮かび上がる。

  ◇  ◇  ◇

 本命と目される進次郎は“4番バッター”として登壇した。「聖域なき規制改革」など父・純一郎元首相(82)譲りのフレーズで相変わらず「改革」を連呼。公約の説明はほぼ出馬会見の焼き直しだが、「クビ切り自由化」との批判を気にしてか、出馬会見で明言した解雇規制緩和に触れなかった。

 そして改憲の意気込みを語った後だ。唐突に「私の大切にする包容力のある保守の精神」を持ち出すと「私自身がそんな人生を歩んできました」と切り出した。

 幼い頃に両親が離婚。中2の時に母親と思っていた人が実は伯母だと告げられたこと。同時に姓の異なる弟の存在を知り、大学生になって初めて会ったなどと家族とのエピソードの叩き売り。それでも実母と会えない気持ちが続いたのは「母親代わりとして育ててくれた伯母を裏切ることになると思った」と明かした。

 机上の原稿をチラチラ見ながら、持ち時間10分のうち約2分を身の上話に費やした進次郎。公の場で複雑な家庭環境を語るのは珍しい。自身も2児の親となって心境が変わり、今年初めて実母に会いに行き、「会って良かった」と訴えた目はうっすら涙で潤んでいた。

「43年間、会うことなく、名字も違う。それでも家族は家族。そんな人生を歩んできたから、誰もが自分らしい、一人一人の多様な人生に選択肢を広げる政治家として生きていく」と続け、進次郎は「人生いろいろ」を強調。素人女性が波乱に満ちた生涯を披露し、1曲熱唱していた昭和の「のど自慢」番組を思い出す。

「進次郎氏の陣営にはPR会社やメディア対策の専門家が入り、イメージ戦略を全面バックアップ。ネクタイの色からシンボルカラー、演説内容まで練り上げているようです。政策立案は支援する議員や官僚が担うのでしょうが、大衆受けを狙う『キャラ付け』や『ストーリー性』を考えるのはPR担当の役割だと思う」(自民党関係者)

浪花節に秘めた米国流の印象操作


小泉進次郎元環境相 自民党総裁選、所見発表演説会(C)日刊ゲンダイ

 米大統領選のように、PRのプロが候補のブランディングを手がける。進次郎の浪花節演説から垣間見えたのは、米国流選挙の印象操作だ。

「代々続く政治家一族に育った悩める青年が親との確執を乗り越え、総理を目指す。紋切り型の展開はNHKの『ファミリーヒストリー』を見るような感じでしたが、しょせん空虚な実像を隠す脚色であり、粉飾です。作り物感が出すぎると『やりすぎ』と反感を買うし、今度の総裁選は15日間の長丁場。誰かに操られた“お人形さん”は、いずれ飽きられる運命です」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)

 父・純一郎は首相時代、年金未加入問題を国会で追及された際に「人生いろいろ、会社もいろいろ」とすっとぼけ、ウヤムヤに。小泉家には「人生いろいろ」作戦の成功体験があるとはいえ、今度ばかりは大向こうをうならせ、「感動した!」とはいくまい。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/505.html

記事 [政治・選挙・NHK295] 自民党総裁選候補9人の「推薦人名簿」で見えた“裏金隠し”と旧民主党系議員の悲哀(日刊ゲンダイ)

自民党総裁選候補9人の「推薦人名簿」で見えた“裏金隠し”と旧民主党系議員の悲哀
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/360534
2024/09/13 日刊ゲンダイ


すっかり影が薄い…(左から細野豪志、長島昭久、鷲尾英一郎氏の3議員)/(C)日刊ゲンダイ

 自民党総裁選(27日投開票)が12日告示。猫も杓子もで、結局、過去最多の9人が立候補を届け出た。それに伴い各候補20人ずつ、総勢180人の推薦人名簿も公表されたが、よーく見ると、候補や推薦人それぞれの複雑な党内事情が浮き彫りになってくる。

 まずは「裏金」隠しだ。派閥からのキックバックを受け取るなどしていた現職の裏金議員は80人近くいるが、このうち推薦人に名を連ねたのは5陣営、21人だった。

 最多は高市早苗経済安保相(63)の推薦人で、13人。次いで加藤勝信元官房長官(68)の4人、茂木敏充幹事長(68)の2人、小泉進次郎元環境相(43)と上川陽子外相(71)が1人ずつ。

「どの陣営も裏金議員は表に出したくない。しかし、9人も出馬したため推薦人集めは困難を極め、背に腹は代えられなかった。安倍路線の継承を訴えている高市陣営だけは、安倍派が多すぎて裏金隠しができなかったのだろう」(自民党関係者)

 不可解なのが、小林鷹之前経済安保相(49)の陣営だ。出馬表明会見に11人もの安倍派議員が応援団として駆け付けたのに、推薦人に裏金議員はゼロだった。裏金議員をかばっていると批判されたことがよほどこたえたか。

 一方、外様組の悲哀クッキリなのが、旧民主党など野党から自民へ移籍した面々。8人が5候補の推薦人になった。

 桜井充参院議員(68)→林芳正官房長官(63)
 鷲尾英一郎衆院議員(47)→小泉進次郎元環境相
 松本剛明総務相(65)、井出庸生衆院議員(46)、仁木博文衆院議員(58)→上川陽子外相
 浅尾慶一郎参院議員(60)→河野太郎デジタル相(61)
 細野豪志元環境相(53)、長島昭久衆院議員(62)→石破茂元幹事長(67)

「当選回数の多いベテランが多く、政権与党を望んで自民に入ったものの、議員367分の1では存在感ゼロ。現職大臣の松本総務相はさておき、推薦人になって“忠誠心”を競って、あわよくば閣僚などのポストにありつきたいとの思惑でしょう。小泉氏や石破氏の推薦人になった3人はそれが露骨に見えるし、河野氏と上川氏に付いた人たちは、麻生派の指示に従い、ボスに身を委ねた形です」(前出の自民党関係者)

 すっかり影が薄い細野は、かつて民主党で代表選に出馬したことがあるし、代表待望論もあった。真っただ中の立憲民主党代表選をどんな気持ちで眺めているのだろうか。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/506.html

記事 [政治・選挙・NHK295] 小泉進次郎氏、「クビを切りやすくなる」とかつて批判された解雇規制緩和に前向き 自民総裁選、候補者間には温度差(東京新聞 TOKYO Web)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/354078?rct=politics





日本国憲法前文には、次のように記されている。

「・・・そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。・・・」

すなわち、国民の代表としての国会議員の責務は、国民のために行動し、国民に福利をもたらす、ということに尽きる。

間違っても、財界、経団連など企業の利益代弁者であってはならない。


ところが・・・現実は、

どや顔で「解雇規制緩和」を打ち出してはみたものの、世間の反発の強さに狼狽し、早速軌道修正の「中身の無い」言い訳をするも、支離滅裂になっている、やはり「小人」小泉進次郎。

そんな「小人」の言い逃れを「あざ笑う」かのように、国会議員の立場にありながら、親子2代に渡る「労働者の首切り自由化」の企てを暴いた、東京新聞社渾身の記事。

現代の山田浅右衛門(通称 首斬浅右衛門)と呼ぶのが相応しい。

「労働者の敵」 国会議員 首切り進次郎。

日本の労働史に、その汚名を残すことになるのか・・・。



以下に記事の全文を転載する。


自民党総裁選で小泉進次郎元環境相が解雇規制の緩和を打ち出し、争点に急浮上した。成長産業への労働移動を促すとして解雇のハードルを下げる主張で、2003年当時に父の純一郎首相が法案を提出したが、「企業側がクビを切りやすくなる」と野党の反対を受けて頓挫した政策だ。13日の候補者記者会見では賛否が分かれたが、総裁選の行方次第では労働者側に「痛み」を伴う改革が再来しかねない。(大杉はるか)

◆「労働市場改革の本丸」と主張

 小泉氏は立候補表明会見で「労働市場改革の本丸、解雇規制を見直す。人員整理が認められにくい状況を変える」と主張。首相就任後、来年の国会に法案を提出すると公約した。13日には「解雇の自由化」は否定したものの「前向きな労働市場をつくっていかなければいけない」と述べた。

 企業側の都合による「整理解雇」は(1)人員削減の必要性(2)解雇回避の努力(3)対象者選定の合理性(4)手続きの妥当性―の4要件を考慮しなければならない。小泉氏は、大企業にリスキリング(学び直し)や再就職支援などを課すことで、4要件を満たさなくても解雇しやすくする考えだ。

◆父・純一郎氏が推進、野党の反発で頓挫

 緩和は01年から純一郎氏が推進した政策。「企業がリストラ、構造改革をやめたら生き残れない時代だ」と訴え、03年に閣議決定した「規制改革推進3か年計画」に解雇基準の法律での明示や金銭解決による解雇の検討を明記。「使用者は法律により制限されている場合を除き、労働者を解雇することができる」と盛り込んだ労働基準法改正案を国会提出した。

 しかし、当時の民主党など野党が強く反発し、与党からも慎重論が続出。最終的に法案の修正に追い込まれ、条文案は削除された。

 それから約20年を経て、次男の小泉氏は「現在の解雇規制は高度成長期に確立した判例を労働法に明記したもので、大企業に解雇を容易に許さず、配置転換を促進してきた」と述べ、河野太郎デジタル相も金銭補償などの見直しを主張。一方、高市早苗経済安全保障担当相や林芳正官房長官、上川陽子外相らは慎重な姿勢を示す。

 19年の経済協力開発機構(OECD)調査では、日本の「解雇しやすさ」は37カ国中11位。安倍内閣も16年に「雇用保護規制が比較的弱い国として位置付けられている」との答弁書を閣議決定している。

 労働法制に詳しい古川景一弁護士は01年に日本経営者団体連盟(日経連)の奥田碩(ひろし)会長が「便乗解雇を容易にし、経営者のモラルハザード(倫理観の欠如)に直結しかねない」と緩和に反対したと説明した上で「自由な働き方を主張する前に、人員整理のルール整備や、1日の労働時間の上限設定など枠をはめることが先決だ」と強調した。


『解雇ルール』
 労働基準法上、使用者は30日前の予告か、30日分以上の平均賃金を支払えば解雇できる。労働契約法では合理的な理由がなく、社会通念上相当でない解雇は、企業側の解雇権乱用とみなされ無効となる。解雇が認められるかどうかは、判例が積み重ねられた「整理解雇の4要件」などで判断される。


記事の転載はここまで。



首切り進次郎が言う。

「前向きな労働市場をつくっていかなければいけない」

なんだ、この日本語は?

「前向きな労働市場」とは何ぞや。

そもそも「労働市場」とは、資本主義の下で商品としての労働力が取引される機構をいう。

すなわち「労働市場」と言った時、その対象となる主権者・国民は、人格すら認められない労働力という「商品」に堕する。

企業側の立場に立てば、「前向きな労働市場」とは、労働力の低価格化、すなわち低賃金で使える労働力の供給拡大ということに他ならない。

労働者をすべて非正規雇用にすることで、現状の正規、非正規の格差を無くすことか企業側にとっては、前向きなのだ。

だからこそ、主権者・国民、すなわち多くの労働者は、法律によって手厚く保護されなければならない所以だ。


首切り進次郎の言が続く、

相変わらず、中身の無い「前向きな言葉」ばかりが躍る。

「今も課題解決していないのは正規・非正規の格差なわけです。非正規の方が正規で雇用されやすい環境を作っていくことを考えると、労働市場の今のルールを変えないといけない。大企業に再就職支援を今まで以上にやっていただく」

と、非正規から正規への切り替えを目指しているかのような表現になっているが、・・・論理的には支離滅裂だ。

先の東京新聞の記事と見比べてみよう。

「大企業にリスキリング(学び直し)や再就職支援などを課すことで、4要件を満たさなくても解雇しやすくする考えだ。」

東京新聞の見立ては、正規労働者を簡単に解雇し、より低賃金で雇える非正規労働者に置き換えるのが狙いと喝破している。


今の日本の企業経営者は目先の利益を追い求めるばかりで、人材教育も、設備投資も、研究投資もせず、内部留保金をため込み、自社株買いをするだけで、今だけの株主偏重で、悪戯に企業の礎であるはずの競争力を落として恥じない。

このままでは、近い将来、日本は三流の後進国に成り下がってしまうだろう。

経団連に操られてきた、自民党政治の責任だ。

「たこは身を食う」の類いの行為。

富裕層だけが「蛸配当」で潤う。

そんな会社は、持続不可能であることは疑いようがない。

そんな会社ばかりが跋扈する日本社会も、持続不可能であるに違いない。

自民党政治は、そのことに拍車をかけてきたことを反省するどころか、さらに拍車をかけ、まだ続けようとする。

止まる気配をみせない「少子化傾向」は、人間の自然な営みから逸脱してしまっている日本社会への警鐘だろう。


そんな日本で「政治」を語るとき、誰もが「家族を養える収入・所得」を目指す経済の立て直し等であれば「前向き」と言えるかもしれないが、「解雇」が先に来るのはいかにも「後ろ向き」でないか。

中身の無い発言は、生気を失った老人のごとし。

発言に若さが感じられないのは、後ろで糸を引く年寄がいることの証左。


首斬浅右衛門

江戸時代、将軍家の刀剣の試し斬りと処刑の執刀を世襲して行った山田浅右衛門の通称。

首切り進次郎

令和の時代、財界、経団連のための労働者雇用止めと解雇の執行を世襲して行った小泉進次郎の通称。


歴史家は、そう記すかもしれない。







http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/507.html
記事 [政治・選挙・NHK295] 新たなマイナ紐付けミス大量発覚…自民総裁候補“神奈川コンビ”それでも「保険証廃止」強行で国民置き去り(日刊ゲンダイ)

新たなマイナ紐付けミス大量発覚…自民総裁候補“神奈川コンビ”それでも「保険証廃止」強行で国民置き去り
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/360596
2024/09/14 日刊ゲンダイ


不安払拭は?(河野太郎デジタル担当相と小泉進次郎元環境相=右)/(C)JMPA

「国民の不安払拭が大前提」──。自民党総裁選(27日投開票)への出馬を断念して以来、すっかり影が薄くなった岸田首相のこの言葉を覚えているだろうか。今年12月2日に強行する現行の保険証の廃止とマイナ保険証への一本化について、国によるマイナンバー情報総点検を引き合いに、そう断言していた。

長野県が独自点検

 ところが、だ。総点検が終了した昨年12月から9カ月経ち、不安に拍車をかける事態が生じている。

 長野県が10日、独自に実施したマイナンバー情報の総点検で、9つの事務で計60件の紐付けミスが新たに判明したと発表。県は国の指示による総点検で1件のミスが発覚したことを受け、マイナンバーの紐付けを行うすべての事務に対象範囲を広げ、約24万4000件を独自に調べていた。

 紐付けミスがあったのは、身体障害者手帳(31件)や自立支援医療(8件)、精神障害者保健福祉手帳(6件)など。個人情報が流出した形跡はないというが、「あれ?国主導で総点検したんじゃないの?」との不安は拭えない。

 マイナカード普及の旗振り役である河野デジタル相(61)は13日の会見で、すべての自治体で点検対象を拡大した場合に新たな紐付けミスが出てくるのではないかと問われたが、「(国による)総点検終了後も、紐付け誤りを可能な限りゼロにしていく取り組みを(自治体に)行っていただいている」と、まるで他人事。今後の対応については「すでに(取り組みの)ガイドラインを出したところ」と自治体に丸投げした。

 総裁選のライバルである小泉進次郎元環境相(43)も、保険証の廃止時期について「変える必要はない」と明言。「不安を持たれている方に対する対応など、そういったことはキメ細かく寄り添う必要があるだろうなと思う」と空念仏を唱えている。

 保険証廃止の撤回を訴える全国保険医団体連合会(保団連)事務局次長の本並省吾氏は、「国の総点検が名ばかりのお手盛りだったことが判明したわけですから、すべて調べるまで保険証廃止は立ち止まるべきです」と憤りを隠さない。

 河野氏も進次郎氏も神奈川県が地盤。総裁候補の「神奈川コンビ」がそろって「国民の不安」を置き去りとは、やっぱりリーダーたる器じゃない。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/508.html

   

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