「そこまで言って委員会NP」での発言を切り取り、「鈴木エイトは主張を変えた」…に反論する
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/359850
2024/08/30 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
旧統一教会の、長年の保守的な政治家への浸食により、本来の規制や取り締まりを逃れてきたことにある(C)共同通信社
今月18日に放送された読売テレビ「そこまで言って委員会NP」での私の発言が、物議を醸している。
私はこの番組の特集「お盆に日本の宗教について考える」の統一教会(現・世界平和統一家庭連合)をめぐるパートでゲスト出演した。
「“統一教会”の一番の問題点は?」というテーマでのトークの中で、パネリストの竹田恒泰氏が「政治に対するそんな力が果たしてあるのかな」と発言。私が「力ないですよ」と答え、竹田氏が「ないですよね。そんな5万6万の組織で政権を動かすほどの力があるとは思えない」と返す場面があり、「政治に影響を与えるような“チカラ”は持っていない!?」とのテロップが入る。
このやりとりでの私の発言を切り取って騒ぎ立てている人が散見される。「鈴木エイトは主張を変えた」「これまでの発言と矛盾している」といったものだ。
だが、私はかねて統一教会と政界の関係の問題点は「統一教会が政権を背後で動かしてきた」といった黒幕的なものではなく、長年の保守派の政治家への侵食によって、本来なされるべき規制や取り締まりを逃れてきたことにあると指摘してきた。2009年の霊感商法事件での教団本部へのガサ入れ阻止、15年の名称変更認証をめぐっては個々の政治家による口利きや圧力が問題視された。政策への影響として挙げられる事例も日本会議や神社本庁などの主張とかぶっており、統一教会に限ったものではない。
もちろん自民党との関係では、歴史的な経緯から教団の反共組織との連携など一定の関係にあったことがうかがえる。例えば、赤報隊事件についての兵庫県警捜査1課の資料には「自民党本部に10人前後の勝共連合メンバーがいる」との記載があり、党本部職員として大量登用されるほどの関係性にあったことは事実である。
教団の反日性が明らかになり右翼団体が離れていった一方、政治家は選挙支援などのうまみから関係を続けてきた。
私は日本社会に多大な被害を与えてきた反社会的な教団が個々の政治家やその複合体との関係性からある種の“特権”を得ていたことを問題視し、指摘してきた。統一教会が現在の政界自体に多大な影響力を有しているわけではない。体制保護、便宜供与といった狡猾なやり方が主だ。
私の主張は一貫しており騒ぎ立てている人たちは思い込みや印象で語っているのだろう。
鈴木エイト ジャーナリスト
1968年生まれ。日大卒。日本ペンクラブ会員。ニュースサイト「やや日刊カルト新聞」主筆。日本脱カルト協会理事。「自民党の統一教会汚染 追跡3000日」「『山上徹也』とは何者だったのか」などの著書のほか、共著・編著多数。
http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/419.html