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2024年8月11日06時30分 〜
記事 [政治・選挙・NHK295] 「予知」が無理でもやることは山のようにあるだろう 政府も地震学者も「やっているふり」(日刊ゲンダイ)

※2024年8月10日 日刊ゲンダイ2面 紙面クリック拡大 文字起こし


※紙面抜粋


なぜ気象庁の会見に同席しなかったのか(C)日刊ゲンダイ

「列島を震撼させた南海トラフの臨時情報。「予知」は無理で、「注意喚起」がせいぜいらしいが、だとしたら、せめて原発停止と避難所の充実に予算を取って欲しいものだ。能登で思い知らされた地震大国の被災者切り捨てはそのままだ。

  ◇  ◇  ◇

 9日午後8時前、関東全域で一斉にけたたましく鳴り響いた「緊急地震速報」の不気味なブザー音には肝を冷やした。

 前日には日向灘で起きたマグニチュード(M)7.1の地震を受け、気象庁が「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表したばかり。巨大地震の発生確率が相対的に高まっているとして、今後1週間の「備え」を呼びかけた直後だけに「すわ! いよいよ巨大地震発生か」と身構えた人も多かったはずだ。

 臨時情報の発表は2017年11月の制度導入以来、初めて。「注意」の対象は南は沖縄、北は8日の震源地から1500キロほど離れた茨城県まで1都2府26県707市町村に及ぶ。

 南海トラフは東海から九州地方にかけての太平洋側に延びる浅い海溝で、M8級以上の巨大地震が歴史的に繰り返されてきた。政府は30年以内にM8〜9級の巨大地震が70〜80%の確率で起きると予測。被害想定は、静岡県から宮崎県にかけて10県で最大震度7を観測し、津波は高知県で高さ34メートルに達する。想定死者・行方不明者数は最悪の場合で約32万3000人、経済損失は220兆3000億円に上るというから、すさまじい。

「巨大地震注意」と評価した検討会会長の平田直・東大名誉教授は会見で「普段よりも数倍、地震の発生の可能性が高くなった」と説明。一方で7日以内の巨大地震発生の危険度は「数百回に1回程度」であり、「特定の地域で、いつ起きるかを申し上げることはできない」と繰り返した。

 警戒すべきか、冷静になるべきか、もう何が何だかだ。地震学者たちの「出さないよりマシ」のやっているふりと「南海トラフ地震臨時情報」なる初めて聞く言葉に、国民は戸惑うばかりである。

専門家任せは防災を軽んじている証拠

 もちろん、現在の地震学では地震発生の場所や時間を前兆現象などから言い当てる「予知」は無理である。せいぜい「注意喚起」が限界で、国民のできることといえば家具の固定や備蓄、避難ルート、家族の連絡手段の再確認など「いざ」の備えにとどまる。

「だからこそ、気象庁の会見には岸田首相が同席すべきでした」と言うのは「シン・防災論」の著者で、30年以上にわたって自然災害を取材してきたジャーナリストの鈴木哲夫氏だ。こう続ける。

「巨大地震などの自然災害対応に科学の力は必要ですが、その知見に基づき、国民にメッセージを送り、決断を下すのは政治家の役目です。気象庁の役人、ましてや地震学者にその権限は与えられていません。『南海トラフ地震臨時情報』という史上初の情報発信であればなおさらです。今後1週間に政治は何をするのか、国民にはどう備えて欲しいのか、岸田首相は一国のトップとして逐一説明する義務がある。専門家任せの対応は防災を軽んじている証拠です」

 気象庁の会見後、岸田首相は官邸でぶら下がり取材に応じ、「地震への備え」を国民に呼びかけ、「偽情報の拡散などは絶対に行わないように」と強調した。

 毎度おなじみの「やってる感」を振りまいたが、なぜ、その言葉を地震学者と共に発信しなかったのか。きのうになって同日から予定していた中央アジア、モンゴル歴訪の取りやめを表明したが、外遊中止は当然。あまりにも政治決断が遅すぎる。

 今後の巨大地震の備えにも、岸田はこの体たらく。すでに能登半島を襲った最大震度7の巨大地震の復旧が遅々として進まないのも、残念ながら納得である。

犠牲と引き換えの教訓を生かせないボンクラ


倒壊ビルも撤去されず(C)日刊ゲンダイ

 甚大な被害を受けた石川県輪島市と珠洲市の光景は、あの日から時が止まったまま。元日の発生から7カ月が過ぎても、多くの倒壊家屋が今なお残り、がれきの山の処理はままならない。

 まだ国道の至る所は寸断された状態で、水道が復旧していない地域もある。半年以上もわが家で入浴も洗濯もトイレもかなわない生活がどれだけ悲惨なことか。

 被災家屋の公費解体も進まず、石川県の馳浩知事は「応急仮設住宅への希望者全員の8月中の入居」という約束を反故。珠洲市の一部などでは仮設住宅の完成予定が11月中にズレ込むという。つまり、1年近くも不自由な避難所暮らしを余儀なくされる人がいるのだ。

 被災地の惨状を知ってか知らずか、岸田は能登復興でもやっているふり。先月1日に現地を訪れ、「能登創造的復興タスクフォース」を新設。関係各省庁から派遣された職員約150人を現地に常駐させ、岸田は「課題を霞が関一体となって解決する」と息巻いていた。

 前出の鈴木哲夫氏は「危機管理を根本から履き違えています」とあきれ、こう指摘する。

「倒壊家屋の解体が進まない理由は法の手続きに手間と時間がかかるためです。現地に常駐させても官僚にはこの法の壁は壊せない。いま被災地が何に困って何を欲しいのかを把握しても、官僚の習性では公平性の呪縛から逃れられない。法律や制度が被災地のニーズを拒むのならば、法改正や時限立法を制定すればいい。時には超法規的措置も必要で、官僚の上に立つ政治家しか決断できません。その自覚が岸田首相には著しく欠けており、震災という『有事』に対し『平時』の対策で臨んでいる。被災者切り捨てにほかなりません」

備えを求めるなら原発をまず止めてくれ

 震災の「予知」は無理でも、政府が今やるべきことは山のようにある。南海トラフ巨大地震の被災想定地域は「原発銀座」だ。

 今回の注意情報の対象エリアには中部電力・浜岡原発、四国電力・伊方原発、九州電力・川内原発が林立する。うち浜岡1、2号機と伊方1、2号機は廃炉作業中。浜岡3〜5号機、伊方3号機、川内1号機は定期検査のため停止中で、川内2号機は今も運転中である。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は、こう言った。

「国民に巨大地震への備えを求める以上、政府も大きなリスクである原発を停止するのが自然な流れのはず。能登半島地震で石川の志賀原発は難を逃れたとはいえ、半島部の住民避難リスクが露呈しました。伊方原発も愛媛県の半島部の山あいにあり、巨大地震のリスク対策は不十分。いざ事故発生後に巨大地震で道路が寸断すれば住民は逃げ場を失い、津波が襲えば船での避難の道も絶たれてしまいます。福島の未曽有の事故を経験した地震大国にとって、原発再稼働は棄民政策としか言いようがないのです」

 東日本大震災と原発事故から13年以上が経過したが、今も約2万6000人の福島県民が県内外での避難生活を余儀なくされている。放射能汚染で故郷を奪われた人々の悲しみを決して忘れてはいけない。

「日本の国土はいつ、どこで巨大地震が発生してもおかしくない。防衛よりも防災が大事で、戦艦よりも病院船、戦車よりもトイレトレーラーが必要なのに、岸田政権は“台湾有事”を前提とした空想的軍国主義に傾斜。現実的な危機対応能力が欠落しています。せめてイタリアのように災害発生から72時間以内に設置し、快適に過ごせる避難所の充実に予算を割いて欲しいものですが、軍拡路線はその余力を失わせるだけ。避難所暮らしの肉体的、精神的ストレスから多数の震災関連死を招く地震大国の被災者切り捨ては、永久に放置されたままです」(五十嵐仁氏=前出)

 阪神・淡路、中越、東日本、熊本、そして能登--。この国は過去30年で巨大地震をいくつも経験してきた。国民の犠牲と引き換えに得た教訓を生かそうとしない「やっているふり」のボンクラは、それだけで首相を続ける価値ナシだ。

関連記事
「南海トラフ巨大地震注意」の中途半端 宮崎震度6弱で初発表も…“出さないよりマシ”なレベル(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/23/jisin23/msg/133.html

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/271.html

記事 [政治・選挙・NHK295] 無名の自民党参院議員だった広瀬めぐみを“主役”に押し上げた性欲と金銭欲 週刊誌からみた「ニッポンの後退」(日刊ゲンダイ)

無名の自民党参院議員だった広瀬めぐみを“主役”に押し上げた性欲と金銭欲 週刊誌からみた「ニッポンの後退」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/358970
2024/08/11 日刊ゲンダイ


広瀬めぐみ参院議員(C)日刊ゲンダイ

 このところ週刊文春の後塵を拝してきた週刊誌の“老舗”週刊新潮が報じた、広瀬めぐみ自民党参院議員(58)の連続スキャンダルが、東京地検特捜部を動かす事態になった。同慶の至りである。

 永田町でもほとんど無名だった広瀬が話題になったのは、自民党女性局のパリ視察で、松川るい参院議員たちがエッフェル塔を模したポーズをSNSに投稿した時だった。

 この写真は、視察ではなく物見遊山ではないかと批判されたが、広瀬もフランス料理のフルコースをSNSに載せて批判された。

 この時はその他大勢だったが、次に新潮(3月7日号)が報じた「赤ベンツ不倫」では堂々たる主役を張ったのである。新潮はこう報じた。

「23年10月30日。議員会館を出た広瀬氏は、目立つ赤色のベンツを自ら運転して東京・青山に向かっていた。到着したのは午後7時半過ぎ。そこで彼女がピックアップしたのは一人の男性である。相貌が明らかに外国人で、彼女のHPに写真が載っている夫と別人なのは間違いない。その後、赤いベンツで移動した二人は渋谷区神宮前のレストランに入った。向かい合って座った二人は、注文した料理を待つ間、お互いの手を触り合う」

 食事の後、2人は慣れた様子で歌舞伎町のラブホに入って行った。相手の男は有名なサックス奏者。翌朝、“色ボケオバちゃん”は大胆な行動に出る。ラブホから堂々と予算委員会に“直行”したというのである。

 報道後、広瀬は「深く反省しております。信頼回復に努めてまいります」と謝罪したが、議員辞職はしなかった。次に新潮(3月28日号)が報じたのが秘書の給与詐取疑惑であった。

 新潮によれば、「2022年7月の参院選に当選した後、岩手県遠野市で不動産業を営むA氏が広瀬事務所に採用されている。当初は公設第二秘書だったA氏が公設第一秘書に採用されたのは22年11月。その直後に空席となった第二秘書に採用されたのがA氏の妻だった」という。しかし、この第二秘書には勤務実態がないだけではなく、国費から支払われる給与は広瀬に上納させていたというのである。

 広瀬は新潮に対して、幽霊秘書ではないと否定したが、その弁明を覆す、政策秘書がAにかけた通話記録や、広瀬が政策秘書とやりとりしているLINEのスクリーンショットを新潮は入手していた。そこで広瀬は、「やっぱり違法なことだから、もうやらない」と、違法性をはっきり認識しているのである。

 そして7月30日、特捜部が広瀬の自宅や議員会館をガサ入れしたのだ。

 2002年には辻元清美参院議員の事務所で秘書給与流用が発覚し、辻元本人と秘書らが詐欺容疑で逮捕、有罪となっている。広瀬は弁護士資格も持っているから、自分の犯した罪の重さがどれほどのものか分かっているはずだ。万が一、逮捕は免れても議員辞職は必至だろう。

 性欲と金銭欲を金バッジで隠している議員は広瀬だけではない。政治を金儲けの手段と考えている不心得なやからも多くいる。

 この国をダメにしているのは岸田文雄首相だけではない。国費にたかるシロアリ議員を一掃しなければ、地に堕(お)ちた政治への信頼を取り戻すことなどできるはずはない。 (文中一部敬称略)

(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/272.html

記事 [政治・選挙・NHK295] 大阪万博は防災対策も不安だらけ…南海トラフ地震でも「夢洲は液状化しない」大甘想定だった(日刊ゲンダイ)

大阪万博は防災対策も不安だらけ…南海トラフ地震でも「夢洲は液状化しない」大甘想定だった
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/358955
2024/08/11 日刊ゲンダイ


避難できるのか(C)共同通信社

「いのち輝く」どころか、身の安全への不安が募るばかりだ。「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」の発出に伴い、国は内陸地域を含む29都府県を防災対策の推進地域に指定。来年4月に大阪・関西万博開催を控える大阪府も対象地域に入っているが、万博の防災対策がズサン極まりない。

 万博への子どもの無料招待事業をめぐり、大阪市の教職員退職者で構成する団体が9日、生徒の安全が確保できない場合は見学中止を指示するよう求める要望書を市に提出。別の市民団体も同日、事業中止を求める署名9478筆を府と府教委に渡した。

 そもそも、メタンガスの爆発事故が起きた会場へ子どもを送り出すことに不安を感じない方が無理な話。被災想定が大甘では、なおさらだ。

計画は9月に先送り

 万博協会が作成した「防災基本計画」(初版)は、南海トラフ地震が発生した場合の建物被害について〈窓ガラス等の飛散〉などを想定。一方、〈パビリオン等は新築で耐震設計されているため、倒壊・崩壊する可能性は低い〉と楽観的だ。

 液状化の予測に至っては、〈会場の大部分は液状化が起こらない想定となっている〉と主張してはばからない。大阪万博問題を取材するジャーナリストの木下功氏は「正確性を欠いている」と指摘して、こう続ける。

「万博会場の跡地に開業予定のIR(統合型リゾート)のための地盤改良工事で、大阪市は液状化対策などに最大788億円の公金をつぎ込むことを決めています。そもそも市は夢洲は液状化しないとの想定でしたが、IR業者からリスクをツッコまれて対策せざるを得なくなったのです。実態を反映していない予測を出すこと自体、おかしな話なのに、避難想定もおかしい。基本計画では、発災時に夢洲から隣接する舞洲や咲洲への避難が想定されています。ところが、夢洲に比べて〈咲洲及び舞洲に関しては、液状化が起こる可能性が高い〉と予測している。つまり、液状化の可能性が低い場所から高い場所へ避難することになっているのです」

 協会は「実施計画」に基づき、具体的な避難計画を策定中。「今年夏ごろ」に終わるはずが、9月に先送りとの見通しも浮上している。実効性のある対策を出せるのか見ものだ。

  ◇  ◇  ◇

 大阪では8月に入り連日、最高気温が35度を超える猛暑日。かねてから万博は熱中症の危険性が指摘されているが、過酷な暑さの中にいるのは現場の作業員も同じだ。

 ●関連記事【もっと読む】では、大阪万博会場の救急医療体制の重大欠点について詳しく報じている。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/273.html

記事 [政治・選挙・NHK295] 立民・小川淳也氏、出馬言及せず 代表選「推薦人集め容易でない」(東京新聞 TOKYO Web)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/346909?rct=politics



「推薦人集め容易でない」・・・小川淳也氏。

確かにそう思う。

女性の立候補者が出てこないのも同じ要因なのだろう。

立憲民主党の場合、2024年現在、議員数は、衆議院議員 98 名、 参議院議員 37 名の計 135 名だ。

この小所帯で、代表選に立候補する為には、あらかじめ20名の推薦を得る必要があるのだと。



若者、そして女性への門戸を閉ざしている、「悪弊」でしかないと思うのだが・・・。

他人事ではあるが、推薦人など不要だと思う。

我こそはと思う人はどんどん立候補し、自分が理想とする政治、社会を堂々と述べ、意見を闘わせればいいではないか。

それだけで大盛り上がりするし、多様性を掲げる政党に相応しい姿を見てもらうことも出来る。


以下に記事(共同通信配信)の全文を転載する。


立憲民主党の小川淳也前政調会長は11日のフジテレビ番組で、党代表選を巡り、自身の立候補に関する言及を避けた。泉健太代表らと争った2021年の前回代表選で、出馬に必要な国会議員20人の確保は大変だったと強調。「推薦人を集めるのは容易でないと自覚している」と述べるにとどめた。

 代表選を巡っては、再選を目指す泉氏が既に出馬意向を固め、枝野幸男前代表は9日に立候補する考えを表明した。一部では小川氏の出馬も取り沙汰される。

 重鎮の小沢一郎衆院議員は泉氏の再選に否定的で、「ポスト泉」候補として枝野、小川両氏のほか、野田佳彦元首相、江田憲司、馬淵澄夫、重徳和彦各衆院議員の名前を挙げている。


記事の転載はここまで。


東スポ WEB の報道、

「立憲・岡田克也幹事長 代表選の盛り上げ方に「いろんなバラエティーあるやり方を考えたい」

https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/312432

によれば、


「・・・岡田氏は代表選の盛り上げ方について「ちょっと発想を変えて、従来型の駅前で街頭演説をやるというスタイルも必要ですが、そればかりじゃなくて、いろんなバラエティーのあるやり方をいろんな世代に届くやり方を考えていかなくてはならないと思っています」と語った。・・・」

とある。

チョット発想を変えて、推薦人の必要性を廃止するか、多くても5名程度にするかするだけで、立憲民主党の変化を、時代に合った新生立憲民主党を有権者に印象付けられると思うのだが。


そうなれば、当然のように女性議員も立候補するだろうし、若い人たちも有権者に向かって発信することで、大いに活躍の場を広げることも出来る。

そもそも、推薦人なんて、なんで必要なんだ?

20人の根拠は?

自民党に先を越されでもしたら、立憲民主党こそ時代遅れの政党と国民から揶揄されかねない。

そんな危険すら孕んだ「悪弊」じゃぁないのか。


「君子は豹変し、小人は面(おもて)を革(あらた)む」















http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/274.html
記事 [政治・選挙・NHK295] 粛々と可決される自民党公明党の異次元の売国棄民法案 兵器爆買いから原発回帰まで 翼賛化した国会の実態を暴露 (長周新聞)
粛々と可決される自民党公明党の異次元の売国棄民法案 兵器爆買いから原発回帰まで 翼賛化した国会の実態を暴露
長周新聞
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/26757

今国会の会期末(6月21日)まで1カ月を切るなかで、岸田政府は成立を急ぐ重要法案を「すし詰め」にして次々に衆議院を通過させ、参院での審議に入っている。これらの法案は、「防衛強化」という名の戦争国家づくり、原発回帰のエネルギー政策、さらなる負担増を強いる社会保障削減など、国民生活の基盤を規定し、将来を左右する重要な内容を含んでいるが、統一地方選の真っただ中にあった4月上旬に審議入りさせ、まともな審議もないままにG7広島サミットや著名人や公邸スキャンダル騒動の陰に隠れるようにして粛々と衆院で可決された。まるで野党など存在しないかのような予定調和で悪法が通過していく国会の現状に、れいわ新選組が懲罰覚悟の不規則発言で「売国棄民予算」「与党も野党も茶番!」と表現し、その異常さを世間に訴えた。夏か秋の解散総選挙もとり沙汰されるなか、岸田政府がうち出した法案の中身を改めて整理してみたい。

体張って抗う勢力の台頭が必須

 まず岸田政府が今国会で真っ先に通過させたのは、単年度では初の6兆円超えとなる防衛予算を盛り込んだ2023年度予算だ。

 内訳では、米国から攻撃兵器を大量に買い込むため、過去最大規模となる6兆8219億円(前年度比1兆4214億円増)を計上し、補正予算と一体化したパッケージ予算では、初の7兆円超えとなる7・27兆円(前年度比1・1兆円増)にまで膨張させた。昨年末に閣議決定した安保3文書に「反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有」を明記したことを受け、さっそくトマホークや無人攻撃機の調達に乗り出している。

 2023年度防衛予算は、「防衛力抜本的“元年”予算」と明記し、中国、北朝鮮、ロシアの危険性を特記。「相手の能力と新しい戦い方に着目して、5年後の2027年度までに……我が国が主たる責任をもって対処し、同盟国等の支援を受けつつ、これを阻止排除できるように防衛力を強化する」と強調している。重点分野として「スタンド・オフ防衛能力」「統合防空ミサイル防衛能力」の増強をあげ、攻撃型ミサイルの大量配備に乗り出す方針を明示した。米国の要求に応え、台湾有事などを想定した対中国の軍拡路線を鮮明にしている。

 具体的には、弾薬費として8283億円、「敵基地攻撃」の主力兵器となるスタンド・オフ・ミサイル関連では、米国製巡航ミサイル「トマホーク」400発の一括購入費に2113億円を計上。さらに陸上自衛隊の「12式地対艦誘導弾」の射程を百数十`から1000`以上へ延伸する「改良型」を開発・量産する費用として1277億円をあて、島嶼(とうしょ)防衛用として開発中の高速滑空弾関連では、研究費(158億円)、量産費(347億円)、射程距離を延ばす「改良型」の開発費(2003億円)に計2508億円をつぎこんでいる。

 防衛予算はこれだけにとどまらず、「弾薬整備費」(前年比=3・3倍)、「装備品の維持整備費」(2倍)、「自衛隊施設整備費」(3・3倍)、「国土強靱化関係予算(飛行場や港湾等のインフラ整備費」(2・5倍)、「ミサイルや軍事ドローン研究費」(3・1倍)、「自衛隊の生活・勤務環境費(備品、日用品、被服、宿舎等)」(2・5倍)、「自衛隊施設の空調費」(6・8倍)と軍事関連予算は軒並み大幅増額となった。

 米タイム誌が「数十年の平和主義を捨て、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる」と岸田首相を紹介したが、まさにアメリカの下請としての戦時国家へ舵を切ることに躊躇のない予算措置となっている。


復興財源まで軍事費へ 防衛財源確保法

 岸田政府は単年度予算だけでなく、2023年度から5年間で防衛費を総額43兆円(前期比約1・6倍)に増やす方針で、これにより防衛予算はGDP比2%にまで引き上げられ、日本は世界第3位の軍事大国となる。

 防衛財源確保法案はその具体化であり、国有財産売却など税金外収入をせっせとため込む「防衛力強化資金」をつくるのが中心的な内容だ。同時に、東日本大震災の復興財源や国立病院機構の積立金まで軍事費に流用する増税まで俎(そ)上に載せている。

岸田首相は昨年12月、防衛費増額について「今を生きる国民がみずからの責任として、しっかりその重みを背負って対応すべきだ」と主張し、2023年度から2027年度まで5年間の防衛費を総額43兆円程度(従来水準から約17兆円増)と表明した。

 その4分の1を増税や建設国債で捻出し、残りの4分の3は歳出改革(約3兆円強)、決算剰余金(約3兆5000億円)、税外収入(約5兆円)で捻出する方針を閣議決定しており、このうち「税外収入の確保」のみを先行して具体化したのが財源確保法案だ。

 それは「防衛力強化税外収入」として、「外国為替資金特別会計と財政投融資特別会計からの繰入金=約3兆7000億円」「大手町プレイス(東京・大手町の国有ビル)売却益=約4000億円」「新型コロナウイルス関連予算の返納金=約746億円」など、国有財産売却や本来民生用に使われるべき予算の流用によって合計4兆5919億円もの軍事費を捻出する内容となっている。

 「繰入金」は、為替介入に備える剰余金を前倒しで繰り入れる「前借り」であり、次世代にツケを回す行為でしかない。「大手町プレイス」の売却益も、国民の財産を売って得た収益であり、その使途は国会の承認が不可欠だが、それらを省略してすべて「防衛力強化資金」へ放り込む仕組みづくりとなっている。

 加えて、新型コロナウイルス関連予算の返納金は、国立病院機構の積立金(422億円)と社会保険病院等を運営する地域医療機能推進機構の積立金(324億円)であり、本来は医師や看護師の増員や病院施設の拡充に使われるべき予算である。残額は「年金特別会計」に戻し、別の用途には流用できない資金であった。それを「防衛力強化資金」へ流用することを可能にすれば、否応なく福祉予算をも実質的な「軍事予算」とみなす力が加わることになる。

 岸田政府はすでに「増税」「建設国債」「歳出削減」で防衛財源を確保する方針も明らかにしている。「増税」を巡っては、5年間で約1・2兆円捻出する方針で、その内訳は法人税=約8000億円、所得税=約2000億円、たばこ税=約2000億円となっている。

 所得税増税は、「被災地の復興なくして日本の復興なし」といって東日本大震災の復興財源として全国民から徴収している「復興特別所得税」の一部を防衛財源に回すというもので、驚愕の措置となっている。

 たばこ税増税は、加熱式たばこの税額を5年かけて段階的に引き上げ、1本当たりの税額を3円引き上げる。

 さらに「建設国債」(歴代政府は戦前に戦時国債を発行して軍事費を拡大した反省から、建設国債を防衛費にあてることは封印してきた)では、5年間で約1・6兆円規模の確保を想定している。社会保障や少子化対策では、常に「次世代へのツケになる」として問題視される国債発行だが、防衛費に限っては大量発行にも躊躇がない。

 国民生活にかかわる予算を徹底的に削る「歳出改革」で、約3兆円確保する方針も示している。成立後は「改定」の連続で新たな内容を追加し、めぼしい予算をみな軍事費に注ぎこむための法案である。


軍需企業の国有化と武器輸出拡大 防衛産業強化法

 いくら膨大な公金を軍需産業に垂れ流したところで、軍需産業は、国民生活に不可欠な消費財を生産するわけでも、企業活動に必要な生産財を生産するわけでもない。戦争がない平時においては生産性もなく、経済循環ももたらさず、浪費するだけのお荷物となる。

 そのため「防衛産業強化法案」では、「国防産業維持のため」と称して軍需産業の経営を国が公費で支え、「殺傷力のある兵器」も含めた武器輸出も全面支援する内容となっている。平和産業を圧迫し、日本経済そのものを「軍事立国=死の商人」とする自民党政治の大方針が表れている。

 ここで示した具体的な支援策は、「生産基盤の強化」「武器輸出支援」「金融支援」「製造施設国有化」の4種類だ。

 「生産基盤の強化」は、「自衛隊の任務に不可欠な装備品をつくる企業」と認定されれば、生産工程の効率化やサイバー攻撃対策、撤退企業の事業を継承するときの設備投資にかかる経費を国が負担する制度だ。すでに当初予算に363億円を計上している。

 「武器輸出支援」は、武器輸出の支援を目的にした基金をつくり、海外向けに装備品の仕様や性能を変更する企業に助成金を出す制度だ。これも2023年度当初予算に400億円を計上している。与党は「買い手が自衛隊だけでは販路が少ない」「海外市場への進出を促すべき」と主張し、「防衛装備移転三原則」の運用指針改定論議にも着手。これまで輸出を禁じてきた「殺傷力のある兵器」の輸出解禁を目指している。

 「金融支援」は、政府系金融の日本政策金融公庫による融資で軍需産業を優遇するものだ。

 「国有化」は、「経営難で事業を続けられない」状態となった軍需企業から国が土地も製造施設も公費で買いとり、別の企業に運営を委託し、固定資産税や設備維持費の負担を軽減し、兵器生産を全面的に支援する法律だ。農家や中小企業、社会保障、被災地の復興支援等では「競争原理」「自助努力」「税の公平性」「私有財産の補償はしない」といって淘汰を放置する一方、軍需産業に限っては支援対象の基準も曖昧なまま国費での大盤振る舞いを担保するものとなっている。

 さらに同法のもう一つの特徴は、武器製造企業従業員への監視強化だ。
 現在、国の「秘密」の漏洩で民間人が刑事罰の対象になるのは、特定秘密保護法に基づく「特定秘密」(10年以下の懲役等)と米国から提供された「特別防衛秘密」(10年以下の懲役等)に限っている。そのため防衛省から装備品開発・製造を請け負った企業が外部に関連情報を漏らしても、契約解除や違約金の支払いといった民事上のペナルティーのみで、だれが情報をどのように漏らしたかを特定し刑事罰を科すことはできなかった。

 だが防衛産業強化法案では、防衛省と企業が契約を結ぶさい、同省が提供する情報を「装備品等秘密」として指定し、従業員が漏らした場合は刑事罰(1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)を科すことを盛りこんでいる。

 さらに同法第二十七条では、「契約事業者は、装備品等契約に従い、当該契約事業者の従業者(代表者、代理人、使用人その他の従業者)のうちから、装備品等秘密を取り扱う業務を行わせる従業者を定め、当該従業者の氏名、役職その他の防衛大臣が定める事項を防衛大臣に報告しなければならない」「契約事業者は……装備品等秘密の取扱いの業務を行わせるものとした従業者以外の者に装備品等秘密を取り扱わせてはならない」とも規定している。これは兵器製造にかかわる企業内部で少しでも不穏な動きがあれば、すぐに関与個人を特定して逮捕・投獄したり、「契約解除」で下請企業ごと潰すことを可能にするものだ。

 防衛産業強化法案は、民主党野田政権以来の「武器輸出三原則」の骨抜きの結末でもあり、野党第一党である立憲民主党が法案賛成に回ったことは国会の大政翼賛化を深く印象づけた。


原発推進に巨費を投入 GX推進法

 有事を想定したこれらの防衛関連法案とともに、エネルギー分野では、岸田政府が2月に閣議決定した「GX基本方針」の具体化として、「GX(グリーントランスフォーメーション)推進法案」と「GX脱炭素電源法案」を打ち出した。両法案とも、経団連や連合など既得権益団体の代表者で構成された「GX実行会議」の議論をもとに作成されており、既得権益団体の声にのみ「聞く耳」を持つ岸田政権の姿勢が明白にあらわれている。

 GX基本方針では、気候変動問題やウクライナ戦争による燃料危機への対応として、2050年までにカーボンニュートラル(脱炭素)を実現するという政府目標に向けて、「産業革命以来の化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換する」と大仰に謳っているが、その中心的な中身は、福島原発事故で崩壊したはずの原発依存への回帰、原子力ムラの復活である。

 GX推進法では、「脱炭素の実現のため」と称して、政府が20兆円の「GX経済移行債」(発行形態不明の環境債)を発行することを可能とし、民間の「GX推進機構」による金融支援や債務保証などにより、今後10年間で150兆円超の投資を生み出すとしている。その巨額の資金の投資先は、経産省に白紙委任するというものだ。

 GX基本方針には、原発の着実な再稼働やそのための住民理解の醸成に国が前面に立つこと、「次世代革新炉」の開発・開発建設、人材育成、事業環境整備、すでに破綻した核燃料サイクルの促進などが含まれており、すでに斜陽化した原子力産業を国が支援し続けることを正当化するものだ。原発新増設については、ほとんどが実験的な実証炉だが、2040年代に向けて唯一商用炉とする「革新軽水炉」の運転開始を目指している。

 投資をおこなう「GX推進機構」は経済産業省の認可法人であり、そこに流れ込んでくる資金の出所やその使途については、国会(国民)によるコントロールや監視、検証ができないもので、原子力ムラの再来である。

 返済財源には、化石燃料の輸入業者などに負担を求める炭素賦課金と、二酸化炭素の排出枠を電力会社に買い取らせる「排出量取引」で賄うとしているが、いずれも電気代に上乗せして消費者に転嫁する。再エネが「FIT賦課金」という形で電気料金に明記されているのに対して、原発維持費は発電原価に含まれるため消費者には見えない形で徴収される。


原発の60年稼動を許容 GX脱炭素電源法

 「GX脱炭素電源法」は、原子力基本法、原子炉等規制法、電気事業法、再処理法、再エネ特措法の改定案五つを束ねたものだ。安全保障上、それぞれ慎重な審議が必要なものを強引に束ねて法制化を目指している。

 原子力基本法の改定では、原発を最大限活用するための理解促進や事業環境整備を「国の責務」とすると堂々と謳い、2011年の福島原発事故以来、国是となってきたはずの「原発依存からの脱却」を覆し、原発推進に大転換を図る内容となっている。

 首都直下地震や南海トラフ地震の発生を想定する一方、国策によって福島をはじめ広範囲に長期の避難と健康被害、財産放棄を強いた事故の反省をも葬り、活性期に入った地震列島にさらなる原発を林立させるという常軌を逸した法改正だ。

 従来の原子炉等規制法には、老朽原発の安全確保のために「原発の稼働期間は原則40年まで」「稼働30年を超えた原発は10年ごとに審査をおこなう」の二つのルールがもうけられていた。

 今回の改正案では「稼働40年ルール」を原子炉等規制法から削除し、経済産業省が所管する「電気事業法」に移す。これにより原子力を規制する立場にある原子力規制委員会ではなく、原子力を推進する経産省が原発の稼働期間に関する決定権をもつことになる。

 福島事故後、それまでの原子力規制庁(経産省)から分離して発足した原子力規制委員会も御用機関と化し、世界的にも例のない60年超の稼働延長を認める政府の指針を追認した経緯がある。それを是正するのではなく、独立した規制・監視制度そのものをとっ払い、推進する側(経産省)が認可権を握るという「無規制システム」への回帰となる。

 さらに安全審査や不具合などで停止した期間を、稼働期間の計算から除外できるようにすることも盛り込んでおり、60年を超えた70年稼働をも認める法改正となる。

 「我が国の安全保障環境が厳しさを増している」「敵基地攻撃能力を」といって戦争を想定しながら、剥き出しの核弾頭ともいえる原発建設を推進することは、世界的な教訓となっている福島原発事故からも、ウクライナ戦争からも何一つ学ばぬ異次元の亡国棄民政策といえる。


健康保険証の廃止強行 改正マイナンバー法

 そして昨今、7000件以上の誤情報登録やシステム管理の脆弱性が露呈したマイナンバーの普及拡大を目指す改定マイナンバー法案である。

 遅々として進まなかったマイナンバーを拡大させるため、従来の健康保険証を廃止し、マイナ保険証を持たない人が医療を受けられないように追い込むとともに、年金生活者を手始めに「公金口座との紐付け」を強制していく内容だ。さらにマイナカードとの個人情報紐付け範囲を法改定もなく省令のみで拡大可能にすることも盛り込んだ。

 改定マイナ法案の主な内容は次の3点だ。

 @マイナカードと健康保険証の一体化――「紙の健康保険証」を廃止(2024年秋を想定)。マイナカードを持っていない人は期間限定で「資格確認書」(有効期限一年)を配る。マイナカード

 A公金受取口座の登録促進――既存の給付受給者等(年金受給者を想定)に書留郵便等で一定事項を通知したうえで同意を得た場合や一定期間内に回答がない場合は、内閣総理大臣がその口座を公金受取口座(公金受取口座は給付のみに利用)として登録可能にする。

 Bマイナンバーの利用及び情報連携に係る規定の見直し――法律で認めた事務に「準ずる事務」もマイナンバー利用を可能にする。法律で認めた事務との情報連携を「主務省令」で拡大可能にする。

 これまで自民党政府は、全国民に12ケタの番号を付与し、マイナカードを取得したうえで健康保険証や公金受取口座と紐付けした人だけ2万円分のポイントを配る「マイナポイント事業」やマイナカード普及の遅い自治体の交付金をゼロにする“アメとムチ”で普及を進めてきた。

 だが、登録率が一向に上がらないため、健康保険証廃止という劇薬を投じ、その強引さに批判が噴出すると「期間限定で無償の資格確認書を提供」するとした。1年ごとに更新手続きが必要で、いずれ手数料をとることも検討している。

 「公金受取口座の登録促進」については、行政側の働きかけに一定期間返答がなければ、本人の同意なく口座を公金受取口座として勝手にマイナカードと紐付けるというものだ。いったん個人口座を紐付ければ、個人資産額や預貯金の動向を政府が把握することが可能になるからだ。

 これは年金給付者の口座登録で前例をつくり、いずれ生活保護、子ども手当、就学援助、母子手当などでもマイナンバーと公金受取口座との紐付けを拡大していく方向へ通じている。電子決済(キャッシュレス決済)による給与払いの解禁(今年4月から)、インボイス制度導入とも密接に絡んでいる。

 さらに問題なのは「マイナンバーの利用及び情報連携に係る規定の見直し」で、本来は法改定が必要だったマイナンバーと連携させる個人情報の範囲拡大を、国会審議もなく省令(各省大臣の命令)だけで決定できるように規定を緩和させることだ。

 マイナンバーなど個人情報の管理をめぐっては、海外でトラブルや犯罪があいつぐなか、欧州連合(EU)は2017年、すべての加盟国に個人情報保護を義務付ける「一般データ保護規制(GDPR)」を制定。同規則には個人データに基づく自動処理には明確な同意を必要とする「プロファイリング(住民サービスに係る選別や分類、判定。犯罪捜査の手法)されない権利」を規定。人種的・民族的出自、政治的意見、宗教・思想信条、労働組合加入、遺伝子や生体情報等の個人データ自動処理を厳重に禁じている。

 だが日本政府は、個人データの自動処理や紐付けを禁じる体制もないまま強引にマイナンバーシステムを見切り発車し、すでに他人情報の紐付けなどのトラブルが頻発している。個人情報漏洩や悪用に加え、患者に対する薬の誤投与や犯罪にも直結する極めて危険な制度であることが露呈している。

 これまで黙っていたメディアが、衆院通過後一斉に「システム不備」「進め方が乱暴」と騒ぎ出し、国会でもあいつぐトラブルに対する野党の追及が始まっているが、すでに採決に応じた後であり、マイナンバーの活用範囲を定めた規制まで実質撤廃し、本人同意なく国家権力が個人情報を把握して自由に使えるようにする法整備が進行している。

 いずれの法案も日本社会のさらなる衰退と混乱を決定づける悪法であり、翼賛化した国会の茶番とスピン報道の陰に隠されたこれらの内容について国民的な論議と世論の喚起が求められている。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/275.html
記事 [政治・選挙・NHK295] 123便墜落原因再調査不可欠(植草一秀の『知られざる真実』)
123便墜落原因再調査不可欠
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2024/08/post-cb3c73.html
2024年8月11日 植草一秀の『知られざる真実』

1985年8月12日18時56分、群馬県上野村高天原山尾根付近に墜落したJAL123便。

乗員乗客524名のうち、520名が犠牲になった。

520名のなかに懐妊した女性が1人おり、胎児も含めれば犠牲者は521人。

4名の乗員乗客が救出された。

航空機事故史上最悪の事故発生から39年の時間が経過する。

公表されているボイスレコーダーデータには、

8月12日18時24分35秒と同36秒ころに2度、「ドーン」という2度の音声記録

が示されている。

その直後の18時24分42秒に機長が「スコーク77」を発し、副操縦士が18時24分47秒に復唱した。

スコーク77は航空機における最高度の国際救難信号。

さらに、18時24分48秒と18時24分52秒に2度

「オレンジエア」

の言葉が機関士から発せられた。

スコーク77は最高度の国際救難信号。

24分35秒と36秒に2度、「ドーン」という音が生じ、1秒後に

「まずい」

「なんか爆発したぞ」の声が発せられている。

声を発したのは機長と見られる。

2、3秒後には「スコーク77」が発せられている。

スコーク77は最高度の国際救難信号。

爆発音が生じたときに、高濱機長はいかなる事態が発生したのかをほぼ正確に把握したのではないかと考えられる。

その直後に機関士が発したと見られる言葉が

「オレンジエア」

である。

この言葉は、元々公式記録等に存在しないもの。

あるきっかけで私は「オレンジエア」に行き着いた。

きっかけは2000年11月9日放送のフジテレビ番組

「ザ・ノンフィクション『15年目の検証』」

である。

以前はネット上で番組を閲覧できた。

しかし、私の指摘後にネット上から削除された。

問題の音声は事故調査委員会の報告書において、

「オールエンジン」

と表記されたもの。

フジテレビ特別番組の目玉がこの音声分析だった。

番組では音声解析の専門家、海外の専門機関までが登場し、「オールエンジン」ではなく「ボディギア」ではないかとの結論が示唆された。

しかし、音声そのものの放送はほとんどなかった。

百聞は一見に如かず。

実際に音声を確かめてみることにした。

ネット上に開示されているボイスレコーダー音声が公開されていた。

当該箇所を何度も繰り返し聞いた。

すると、ボイスレコーダー音声は何度聞いても「オールエンジン」や「ボディギア」とはまったく聞こえず、ただ単純に「オレンジエア」としか聞こえなかった。

音声解析の専門家を登場させること自体が不可思議以外の何者でもない。

犯罪はこうしたことから発覚することが多いのではないか。

私は「オレンジエア」についての何の知識も持ち合わせていなかった。

そこで「オレンジエア」を検索してみると驚くべき事実が明らかになった。

「オレンジエア」とは海上自衛隊の誘導ミサイルや無人標的機のことを指す符牒だというのだ。

このなかで、123便墜落から28年経過した2013年9月に重大新事実が明らかにされた。

運輸省航空事故調査員会が

「62−2−JA8119(航空事故調査報告書付録)
(JA8119に関する試験研究資料)」
https://bit.ly/3KAt8Kr

を公表したのである。

気鋭の政治学者・政治思想家である白井聡氏との共著が販売開始になった。

『沈む日本 4つの大罪
経済、政治、外交、メディアの大嘘にダマされるな!』
(ビジネス社)


https://x.gd/3proI

ぜひご高覧賜りたい。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/276.html

記事 [政治・選挙・NHK295] 安倍政権とは何だったのか。この約8年で破壊されたものは? 差別、誹謗中傷、煽動、魔女狩り この7年間は、“公的な制度に守られている”ように見える人々へのバッシングが繰り返された。それは、「失われた30年」の果ての地獄の光景だったーーー。
安倍政権とは何だったのか。この約8年で破壊されたものは? 差別、誹謗中傷、煽動、魔女狩り この7年間は、“公的な制度に守られている”ように見える人々へのバッシングが繰り返された。それは、「失われた30年」の果ての地獄の光景だったーーー。
ハフポスト紙 2020年09月03日
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5f4f3bd2c5b6250f655cab87

7年8ヶ月続いた安倍政権が、終わった。

突然の幕引きだった。

2012年12月に発足して8年近く。思えば、長い長い時間だった。諦めや無力感を植え付けられるような、反対意見を言えば「晒し者」にされかねないような、常にそんな緊張感が頭の片隅にあるような年月だった。ということを、終わって初めて、意識した。自分はどれほど萎縮していたのか、8月28日、辞任の会見が終わってしばらくして、改めて感じた。

さて、第二次安倍政権が真っ先に手をつけたのが「生活保護基準引き下げ」だったことは、この連載でも書き続けてきた通りだ。もっとも貧しい人の生活費を下げるという決断は、「弱者は見捨てるぞ」という政権メッセージのようにさえ思え、貧困問題に取り組む私は発足そうそう、足がすくんだのを覚えている。

そうして13年から生活保護費は3年かけて670億円削減。もっとも引き下げ幅が大きかったのは子どもがいる世帯だ。13年、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立したものの、その影で、生活保護世帯の子どもはそこから除外されるような現実があった。

引き下げ後、生活保護利用者から耳にするようになったのは「一日一食にした」「どんなに暑くても電気代が心配でエアコンをつけられない」という悲鳴だ。この夏も数万人以上が熱中症で救急搬送され、すでに100人以上が亡くなっているが、その中には、節約のためにエアコンをつけられずにいる貧しい人々が確実にいる。

こんなふうに弱者を切り捨てる一方で、安倍政権は「アベノミクス」を打ち出し、ことあるごとに経済政策の効果を喧伝してきた。が、その実態はどうなのか。私たちの生活は、果たして楽になったのか?

例えば、「非正規という言葉を一掃する」と言いつつも、12年に35.2%だった非正規雇用率は19年、38.3%に上昇した。また、12年から19年にかけて、正規雇用者は154万人増えた一方で、非正規雇用者は352万人増えている。

金融資産を保有していない単身世帯は12年では33.8%だったが、17年には46.4%まで増えた(18年以降は質問が変わったので単純比較できず)。また、アベノミクスで「400万人を超える雇用を増やした」と胸を張るが、その中には、年金では生活できない高齢者や、夫の給料が上がらず働きに出た女性も多い。

現在4割に迫る非正規雇用の平均年収は179万円。働く女性の55.3%が非正規だが、その平均年収は154万円。安倍政権は「女性活躍」と打ち出してきたが、多くの女性が求めているのは「活躍」よりも「食べていける仕事」だ。結局、この7年8ヶ月で潤ったのは、ほんの一部の大企業と富裕層だけだ。

そんなこの国を今、新型コロナウイルスが直撃している。

この連載でも触れているように、現在、私もコロナ経済危機による困窮者支援をしているが、8月の今も連日「もう何日も食べてない」「3月からなんとか貯金を切り崩して頑張ってきたがとうとうそれも尽きた」「日雇いの仕事にどうしてもありつけず、今日から野宿」などの深刻な相談が寄せられている。真っ先に切り捨てられたのは非正規やフリーランスや自営業。リーマンショックの時との一番の違いは、女性からの相談が多いということだ。それもそのはずで、コロナの影響を真っ先に受けた観光、宿泊、飲食、小売りなどのサービス業を支えるのは非正規雇用の女性たちである。また、「夜の街」と名指された場所で働く女性からのSOSも止まない。相談内容は「近々寮を追い出される」などの深刻なものだ。

そんな人々が餓死しないために使える制度のひとつが生活保護だ。

しかし、利用を勧めても、「生活保護だけは受けたくない」と頑なに首を横に振る人も少なくない。そんな光景を見るたびに思い出すのは、自民党が野党だった12年春の「生活保護バッシング」。お笑い芸人家族の生活保護受給が報じられ、不正受給でもなんでもないのに一部自民党議員がこれを問題視。片山さつき議員は厚労省に調査を求めるなどオオゴトにしていった。そんな中、同議員は生活保護について「恥と思わないことが問題」などと発言。このような報道を受け、制度利用者へのバッシングがあっという間に広がった。

今年6月、安倍首相は国会で、生活保護バッシングをしたのは自民党ではない、などの発言をしたが、今書いたことからもわかるように、生活保護バッシングをしていたのは思い切り自民党である。自民党の生活保護プロジェクトチームの世耕弘成氏は12年、雑誌のインタビューで、生活保護利用者に「フルスペックの人権」があることを疑問視するような発言までしている。このように、ちょっと調べれば誰でもわかることなのに「すぐバレる嘘をつく」のが安倍首相の癖だった。

さて、自民党が政権に返り咲く半年前の生活保護バッシングはメディアにも広がり、テレビ番組の中には「生活保護利用者の監視」を呼びかけるものまであった。当然、生活保護を利用する人々は怯え、外に出られなくなったりうつ病を悪化させていった。

なぜ、あれほどまでに生活保護利用者という弱者が叩かれたのか。

当時野党だった自民党にとって、それはコスパがよかったからなのだと思う。どれほど叩いても、生活保護利用者はさらなるバッシングを恐れて声を上げたりはしない。当事者団体もなければ、彼ら彼女らの声を代弁するような団体もない。そうして利用者を叩けば叩くほど、「自分たちはこんなに働いても低賃金なのに」という層からは絶大な支持を得る。

生活保護バッシングは、リスクを最小に抑えて「仕事してるフリ」「やってる感」が出せる格好のネタだったのだ。そうしてバッシングによって溜飲を下げた人々からは拍手で迎えられる。このような状況の中、自ら命を絶った生活保護利用者もいたが、彼ら彼女らがその死を知ることは一生ないだろう。そして12年12月、自民党は「生活保護費1割削減」を選挙公約のひとつに掲げて選挙戦を戦い、政権交代。

そうして実際に保護費はカットされた。

その後も、生活保護バッシンクは続いた。それだけではない。16年には「貧困バッシング」もあった。子どもの貧困の当事者としてテレビ番組で取材された女子高生の部屋に「アニメグッズがあった」などの理由で「あんなの貧困じゃない」というバッシングが起きたのだ。このことが象徴するように、この7年間は「声を上げた人」が徹底的に叩かれるようになった7年間でもあった。

「貧しくて大変」と声を上げれば「お前よりもっと大変な人がいる」と言われ(こういう物言いには「犠牲の累進性」と名前がついているのだが)、政権を批判する声を上げれば時に非難を浴び、「炎上」する。

同時に、この7年間は、「公的な制度に守られている」ように見える人々へのバッシングが繰り返された。生活保護バッシングや、「安定した」公務員に向けられるバッシングだけでなく、おなじみの「在日特権」はもちろん、「公的なケアが受けられる」障害者が「特権」として名指しされたりもした。同時に「子連れヘイト」も広がった。

このような人々が「守られている」ように見えるのは、障害も病名もない人々が「死ぬまで自己責任で競争し続けてください。負けた場合は野垂れ死ってことで」という無理ゲーを強制されているように感じているからだろう。「失われた30年」の果ての地獄の光景がそこにはあった。

もうひとつ、書いておきたいことがある。

それは安倍首相が何度も「敵」を名指してきたことにより、この国には分断とヘイトが蔓延したということだ。

その被害を、私も一度、受けている。

それは「悪夢狩り」。安倍首相が「悪夢のような民主党政権」と発言した少し後のことだ。「悪夢狩り」は、スマホにTwitterの通知が怒涛の勢いで表示されるということから始まった。見知らぬ人々から「雨宮さん、一体これはどういうことなんですか?」などの質問が次々に届き、あっという間に数百通にも達した。「私、何かやらかしてしまったんだ」と全身から血の気が引いた。それはどう考えても「炎上」が始まった瞬間に思えた。もう終わりだ。心臓がバクバクして、全身に冷や汗が滲んだ。その間も通知はすごい勢いで届き続ける。あの時、電車のホームにいたら飛び込んでいたかもしれないと今も思う。

そんな「リプ攻撃」は一時間ちょうどで終わった。人生で、あれほど長い一時間はなかった。のちに、それが「悪夢狩り」というものだと知った。「悪夢のような民主党政権」と関係があった人物が次々とそのようにしてSNS上で「狩り」に遭っていたのだ。何月何日何時からと時間を決めて、大勢が一斉にリプを送る。参加する方にしたら軽い気持ちでも、やられた方は追い詰められる。自ら命を絶ってもおかしくないほどに。民主党政権時代、私は厚労省のナショナルミニマム研究会に所属していた。それ以外にも、民主党政権とは、貧困問題に取り組む中で様々なつながりがあった。

私にとってこの「悪夢狩り」の経験は、第二次安倍政権を象徴するものだ。国のトップが、誰かを「敵」と名指しする。それを受け、「安倍政権が敵とみなした者には何をしてもいい」「自分たちが成敗せねば」という思いを持った人々が誰かをみんなで袋叩きにする。トップは決して手を汚さない。このような忖度のもとで、いじめや排除が正当化され続けてきた7年8ヶ月。「言論弾圧」という高尚なものですらなく、もっともっと幼稚な、子どもが小動物をいたぶるような感覚に近いもの。

安倍首相は、そんなことを繰り返してきた。自らを批判する人々を「左翼」「こんな人たち」と名指し、また国会で「日教組日教組〜」とからかうような口調で言ったのを見た時、怒りや呆れよりも、恐怖を感じた。

クラスの中の、人気も信頼もないけど偉い人の息子でお金持ちという生徒が、「今からみんなでこいついじめよーぜ」と言う時の表情にしか見えなかった。

そんな子どもじみたやり方で進められる分断は、時には誰かを殺すほどのものになるのではないか――。安倍首相が誰かを名指すたびに、総理大臣が「誰かを袋叩きにしてもいい」という免罪符を発行することの罪深さを感じた。しかし、それに異を唱えたら自分がターゲットになってしまうかもしれない。ターゲットにされてしまったら、終わりだ。そんな恐怖感が、私の中にずっとあった。

そんな安倍政権が終わるのだ。

冒頭に書いたように、私はどこかほっとしている。今までずっと緊張の中にいたのだと、終わってから初めて、気づいた。「悪夢狩り」のことだって、今だからこそこうして書ける。いつからか息を潜めるような思いで生きていたことに、終わってやっと、気づいた。

7年8ヶ月。その間には、特定秘密保護法、安保法制、共謀罪など、多くの人が反対の声を上げてきたことが強行採決された。私たちの声が踏みにじられ、届かないことを突きつけられるような年月だった。声を上げることによって、見知らぬ人たちからネット上で凄まじい攻撃も受けた。そんなことを繰り返しているうちに萎縮し、無力感に苛まれるようにもなっていた。

この約8年で破壊されたものを修復していくのは、並大抵の作業ではないだろう。

政治は私物化され、自分の身内にのみ配慮するやり方がおおっぴらにまかり通ってきた。災害の中で「赤坂自民亭」が開催され、沖縄の声は踏みにじられ、福島は忘れられ、公文書は改ざんされ、そのせいで自死する人が出ても知らんぷりする姿は「民主主義の劣化」などという言葉ではとても足りない。

だけど、ここから始めていくしかないのだ。なんだか焼け野原の中、立ち尽くしているような、そんな気分だ。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/277.html

   

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