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2024年7月23日02時00分 〜
記事 [政治・選挙・NHK295] トランプに媚びる暇があったら何とかしろよ ハリボテ東証株価の脆さ、危うさ(日刊ゲンダイ)

※2024年7月22日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大


※紙面抜粋


※2024年7月22日 日刊ゲンダイ2面

※文字起こし


先週末の株価は3日続落…(C)日刊ゲンダイ

 株価が史上最高値を更新と言われても、どこの国の話かと思うほど好景気の実感がない。

 今月11日に日経平均株価が初めて4万2000円を突破。このところバブル経済絶頂期につけた3万8915円を大きく上回る水準で推移している。だが、猫も杓子も好況感でイケイケだったバブル期の世相を知っている身からすると、いまの株高はどうにも奇異に感じてしまう。庶民生活は苦しくなる一方で、日本経済が上り調子とはとても思えないのだ。

 毎日新聞が20、21日に実施した世論調査でも、日経平均株価が史上最高値を更新したことを受けて、景気が良くなっている実感があるかを聞いていたが、「実感はない」が85%に上った。「実感がある」と答えたのはわずか5%だ。

「株価が上がる一方で、賃金が物価上昇に追いつかない状況が続いています。実質賃金は26カ月連続のマイナスと過去最長を更新している。厚労省の発表によれば、今年4月の生活保護の申請件数も前年同月から5.9%も増えています。株高で儲けた日本人はごく一部で、9割がたの庶民は物価高で生活が苦しい。株高に浮かれて、物価高を放置している日銀と政府は無責任極まりない。円安で輸出企業を儲けさせ、株高による見せかけの好景気を演出して、物価高の負担を庶民に押し付けているのです」(経済評論家・斎藤満氏)

「デフレ脱却」は誰のため?

「資産所得倍増」を掲げる岸田政権は、今年から拡充した少額投資非課税制度(NISA)でも株高を後押ししてきた。新NISAなどともて囃して、庶民にも株式投資を推奨し、その上前は大企業や資産家、海外投資家がかっさらっていく構図だ。大企業は株高の含み益で潤い、富裕層は所有株や不動産で資産が膨らむ一方なのに、マジメに働く庶民は物価高と重税に苦しんでいる。そういう歪な状態を放置して、日経平均の史上最高値を自分たちの手柄のように喧伝するのが自民党政治なのである。つくづく無責任で罪深い連中ではないか。

 朝日新聞(20日付)のコラム「多事奏論」でも、編集委員の原真人氏がこう書いていた。
<史上最高値といえどもドル換算で考える海外投資家の目から見れば日本株は安売り状態に見えている。東京証券取引所の上場株式の時価総額は6月末に1004兆円と大台に乗っているものの、ドル換算(約6.2兆ドル)だと、1月末の931兆円(約6.3兆ドル)よりむしろ安い。ハリボテの史上最高値というのが実態だろう>
<円は対ドルだけでなく、ユーロや英ポンド、韓国ウォン、タイバーツなどあらゆる通貨に対して安い。その低下傾向は5年以上続いており、一時的でもない>
<円安誘導を狙った異次元金融緩和がもたらしたもの、と考えるのが自然だろう> 
<なぜ岸田政権は今も「デフレ完全脱却」を目標に掲げ続けるのか。いったい誰のために。

 デフレとは物価が下がって景気が悪くなること。目の前では逆に、望まぬ物価高に国民が2年以上も苦しんでいる。いくらなんでもトンチンカンではないか。

 日銀はいまだに円を安くして物価を上げるために超低金利政策を長引かせている。それはこの政権方針があるからだ>

 物価上昇を抑制するには、利上げがセオリーだ。しかし、日銀が緩和策をやめて、利上げすれば円高に振れる可能性が高い。しょせんは異次元緩和で底上げした株価だから暴落するリスクもある。株価暴落は政権の体力をますます奪う。それで政策転換できずに立ち往生している間に、新たな波乱要素が東証株価に迫りつつある。「トランプ・リスク」だ。ハリボテの株価は脆く、危うい。

米国史上では早くも「トランプ・トレード」が過熱


あさましさ露呈、自分ファースト(C)日刊ゲンダイ

 いま米国も株高に沸いている。米大統領選は、13日に銃撃されたトランプが優勢とみられ、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は17日に初めて4万1000ドル台に乗せて過去最高値を3日連続で更新。トランプが大統領に返り咲いたら何をするかを織り込んだ「トランプ・トレード」が過熱しているのだ。

 自国ファーストのトランプは、伝統的な輸出企業を支援するためのドル安志向で知られる。17日には「円安や人民元安が甚だしい」と、ドル高是正の意向を表明。たちまち外国為替市場で1ドル=155円台に一気に2円以上も円高が進む場面もあった。

 トランプの経済・金融政策はドル安誘導、利下げが基本だ。さらに大型減税や景気刺激策で財政出動し、株高にするのが「メーク・アメリカ・グレート・アゲイン」の眼目である。

「ただ、トランプ氏の政策は、どう転ぶか分からないところがある。財政支出が膨らめば、インフレが加速して、かえって金利が上昇する可能性もあります。それで日米金利差がまた広がり、ドル高・円安の流れが加速するかもしれない。株価変動の不安度を表す恐怖指数(VIX指数)はしばらく安定していたのに、トランプ大統領復帰のリスクをマーケットが意識し始めて、ここ数日で指数が跳ね上がっている。米国の利下げを織り込んだ日本の株式市場も、ハシゴを外されるリスクに備えておく必要があるでしょう」(斎藤満氏=前出)

 世界経済は早くもトランプ中心に動き始めているのか。20日に新潟県を訪問した自民党の茂木幹事長も、さっそくトランプにスリ寄るような発言をしていた。講演でこう話したのだ。

「(米大統領選は)『ほぼトラ』から『確トラ』に近くなってきている。トランプさんになったら日本は大丈夫なのかと聞かれますが、うまくマネージできると思います」

「トランプさんが何に関心を持っているか理解したうえで、ウィンウィンな関係をつくっていく」

外交上あり得ない無礼な発言

 “ポスト岸田”への野心を隠さない茂木だから、日米貿易交渉の時に担当閣僚としてトランプと向き合った経験をひけらかし、自分ならうまく渡り合えると、9月に行われる自民党総裁選に向けてアピールする意図だろうが、2016年の米大統領選でまさかのトランプ勝利に慌てた当時の安倍首相が、押っ取り刀よろしく金ピカのゴルフクラブを抱えてスッ飛んで行ったことを思い出してしまう。 

「茂木幹事長の発言には驚きました」と、高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)がこう言う。

「11月の大統領選までまだ3カ月以上あるのに、民主党候補が負けると言っているわけで、あまりに軽率で無礼な発言でしょう。政権交代を視野に入れた野党ならともかく、与党の幹事長がそんなことを言うのは外交上あり得ない。そもそも、近年の米大統領選は、僅差で決することが多く、民主党政権が続く可能性もあるわけです。そうなったら、どのツラ下げて会うというのでしょうか。それに、トランプ氏が大統領に復帰すれば、中国に対する最恵国待遇を取り消すだけでなく、輸入品に一律10%の関税を課すとも言っている。それは先般、共和党が採択した綱領にもはっきり書かれていて、日本の輸出企業への影響は深刻です。そういう懸念より自分のアピールが先行するのは情けないし、とても外相経験者とは思えません」

 米大統領選に口出しする前に、幹事長なら裏金事件をはじめとする自党の問題にきっちり後始末をつけるべきだし、トランプに媚びる暇があったら、物価高対策を何とかしてもらいたいものだ。国民生活そっちのけで自分のことばかり。自民党は“ポスト岸田”も、そういう浅ましいヤツらしかいないのか。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/139.html

記事 [政治・選挙・NHK295] <自民支持層では5割>岸田首相「交代した方がいい」70% 毎日新聞世論調査 
岸田首相「交代した方がいい」70% 毎日新聞世論調査
https://mainichi.jp/articles/20240721/k00/00m/010/090000c
毎日新聞 2024/7/21 15:21(最終更新 7/21 17:02)


      岸田文雄首相

 毎日新聞は20、21の両日、全国世論調査を実施した。岸田文雄首相(自民党総裁)が9月に予定されている党総裁選で再選され、首相を続けた方がいいと思うか尋ねたところ、「交代した方がいい」が70%を占め、「続けた方がいい」(11%)を大きく上回った。「どちらとも言えない」も18%あった。

 岸田首相の総裁任期は9月まで。昨年11月以降、党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題が深刻化し、内閣支持率は低迷が続いている。同じ質問をした5月の調査でも同様の傾向(「交代した方がいい」72%、「続けた方がいい」12%)だった。

 調査は、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)機能を使う方式と、固定電話で自動音声の質問に答えてもらう方式を組み合わせ、携帯507件、固定513件の有効回答を得た。【野原大輔】



関連記事
盟友バイデン米大統領の撤退表明でやっぱり…岸田首相にも「ヤメロ」の大合唱!(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/137.html

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/140.html
記事 [政治・選挙・NHK295] 「落選」した蓮舫、石丸両氏に注目集中のナゼ…「当選」した小池都知事の高笑いが聞こえる(日刊ゲンダイ)
「落選」した蓮舫、石丸両氏に注目集中のナゼ…「当選」した小池都知事の高笑いが聞こえる
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/357803
2024/07/19 日刊ゲンダイ


今どうしている?(C)日刊ゲンダイ

 7日投開票された東京都知事選から10日余り。ネット上では今も、落選した前参院議員の蓮舫氏(56)や前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)が話題となっている。

 蓮舫氏を巡っては投開票日の直後から主にTVメディアで猛バッシングが始まり、元宮崎県知事の東国原英夫氏(66)やワイドショー番組のMC、コメンテーターらが言いたい放題。それが落ち着いたかと思いきや、今度は蓮舫氏について朝日新聞の政治部記者が自身のSNSで、《共産べったりなんて事実じゃん》《自分中心主義か本当に恐ろしい》と新たに“燃料投下”。

 これに対し、蓮舫氏が《弁護士と相談しているところです》《朝日新聞への抗議ならびに質問状を出したい》と応じたため、《個人の投稿について会社に抗議するのはおかしい》《言論弾圧につがなるのではないか》と再び炎上する展開となった。

 一方、石丸氏については投開票日インタビューの受け答えに批判の声が上がり始め、その後、ネット上では、相手の話をはぐらかすような物言いを表す「石丸構文」との造語が誕生。石丸氏の言動や政治信条を巡って賛否が飛び交う状況となり、元経産官僚で慶大大学院教授の岸博幸氏(61)がX(旧ツイッター)で《若者いじめ》と表現したことから、《41歳は若者じゃない》《挑発しているのは石丸氏》と、これまた甲論乙駁の事態となった。

蓮舫、石丸両氏ともに都知事選で落選した「タダの人」

 今さら言うまでもないが、蓮舫、石丸両氏ともに都知事選で落選した「タダの人」だ。落選候補の中には、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)もいるが大騒ぎになってはいない。にもかかわらず、「蓮舫」「石丸」に注目が集まっているのは、世論が両氏の今後の政治的影響力を感じているからだろう。

 自由闊達に様々な意見を出し合い、議論する状況は「民主主義国家」として当然守られるべきだが、「権力者に対峙」する役割を担っているメディアの視点は別にあってもいいのではないか。つまり、落選候補を必要以上に取り上げることではなく、1400万人都市・東京の権力者の座に就いた小池百合子知事(71)の言動に注目することだ。

 選挙が終わったとはいえ、小池知事についてはいまだに「学歴詐称」問題がくすぶっている上、公務の知事会見を巡る発言などが公選法違反の疑いがあるとして告発状も提出されている。選挙で争点となった「神宮外苑の樹木伐採」、野党都議らが指摘している議会における知事の「答弁拒否」などについて報道する方が、落選候補の言動を取り上げるよりも意味があるだろう。

 SNS上でもこんな声が出ている。

《蓮舫さん、石丸さんの話題はもうお腹いっぱいだよ》

《3期目の小池都政はどうなるのか。新聞ではそういう記事をよみたいな。落選候補の話はいい加減もういいよ》

 落選候補に注目が集まるほど小池知事の高笑いが聞こえてきそうだ。

  ◇  ◇  ◇

 幸か不幸か始まってしまう小池百合子都知事の3期目。●関連記事【刮目】晴海フラッグは「都有地9割引」の果てにマネーゲームの舞台と化した…では、本来の姿とは違うものになりそうな予感を報じている。

関連記事
晴海フラッグは「都有地9割引」の果てにマネーゲームの舞台と化した 小池都政3期目 どうなる負のレガシー(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/103.html

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/141.html

記事 [政治・選挙・NHK295] 政治家の引き際がみっともなく見えるのはなぜだろう 「バイデン氏撤退」で考えた「裏金政権」の幕の引き方(東京新聞)
2024年7月23日 12時00分

https://www.tokyo-np.co.jp/article/341874

 米大統領選から民主党の現職、バイデン氏が撤退することになった。その手腕に批判が向いても再選に意欲を示していたが、選挙まで3カ月余りという時期に身を引く決意を固めた。政治家の引き際は洋の東西を問わず、焦点になるもの。バイデン氏の引き際をどう評するべきか。本来あるべき政治家の引き際とは。日本の首相にも問われそうなこの点について考えた。(山田雄之、岸本拓也)

◆老いた姿…仕方ないんじゃないかな
 「えっ。交通手段のことばかり考えていて。知らなかったです」
 22日昼すぎの東京駅前。運転見合わせとなった東海道新幹線で名古屋に向かう予定だった札幌市の会社員、丸子修人さん(30)は、同日未明に表明されたバイデン氏の撤退を「こちら特報部」の取材で知った。81歳の同氏の姿を思い浮かべ「歩くのも大変そうでしたもんね。仕方ないんじゃないかな…」とぽつり。
 バイデン氏の引き際は、日本の人びとの目にどう映ったのか。
 駅付近で取材を続ける中で名古屋市の会社員、大石久史さん(53)は現地の事情をこう読み解いた。

◆勝ち目がない…「どたキャン」では
 「会見や演説で何度も言い間違えたり、とても次の4年間を任せられる状況ではなかった。トランプさんは銃撃事件で支持を強固にしていった状況で、民主党内でバイデンさんでは『戦えない』『厳しい』と逆風が強まったんだろう」。劣勢の中での撤退は「潔い」というよりも「やむを得ない」と評する。
 大統領選の投票日は11月5日。残りは3カ月余り。このタイミングでの撤退に首をかしげたのが、松山市の会社経営の男性(42)。「日本なら出馬表明したら最後までやり抜くのが普通。責任感がないのかなって思う」
 辛口だったのは川崎市の男性会社員(19)も。「バイデンさんは自らが望んで再選に向けて戦っていた。トランプさんに勝ち目がないって判断しての敵前逃亡のようで、『どたキャン』に見える」

◆大統領職と選挙の両方は大変
 ただ「対トランプ氏」という点では有権者は新たな候補が選択肢に入ることになる。バイデン氏は現副大統領の女性、ハリス氏(59)を後継として支持しており「急きょ差し替えられる候補はハリスさんしかいないのだろう。若さがあるので賢明な案だ」と引き際の判断をたたえる。
 東京都文京区の大学4年北井朝子さん(22)は「大統領の職務と選挙戦の双方に取り組むのは負担が大きい。任期途中で放棄せず、職務を全うするとのバイデンさんの判断は米国にとって英断」と評価する。
 ただ、引き際の「ハリス支持」は疑問視している。「ハリスさんはトランプさんに比べて知名度が低い。そもそもまず党内をまとめられるのか。短期間で党の公約に彼女の色を付けられるのかも未知数。対抗馬になるのは厳しいのでは」

◆沖縄にとって良い時代ではなかった
 バイデン氏の引き際に関心を寄せてばかりもいられない。在任中の振る舞いを改めて検証すべきだと説くのが、沖縄国際大の前泊博盛教授(日米安保論)。
 「任期中にロシアによるウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザといった大きな戦闘が起きた。彼は戦争を抑止する能力がなかった」と指摘。日本が2023〜27年度の防衛費を総額約43兆円に拡大したことや、南西諸島で自衛隊が増強された「南西シフト」を挙げ「日米一体化が加速し、厳しい防衛環境に引きずり込まれた。沖縄にとっては良い時代ではなかったと評価せざるを得ない」と語る。

◆「ばかやろう」と捨てぜりふ
 政治家の引き際は、しばしば日本でも物議を醸す。
 例えばパワハラや「おねだり」の疑惑が浮上した兵庫県の斎藤元彦知事。告発した職員が亡くなり、辞職を求める声が湧き上がるものの、応じずにいる。
 身を引いた例で思い返されるのが、裏金事件を受けて次期衆院選への不出馬を3月に表明した自民党の二階俊博元幹事長(85)。わずか10分の記者会見では二階派の裏金づくりについて「政治責任は全て私にある」と述べつつ、その経緯などを問われても、自らは直接答えなかった。
 記者から自身の年齢も不出馬の理由に入るかを問われると「年齢に制限があるか? おまえもその年、来るんだよ」とすごみ、小声で「ばかやろう」と吐き捨てる一幕もあった。

◆簡単には手放せない「闘争」の成果
 潔さとは程遠い引き際の背景には何があるのか。
 政治評論家の小林吉弥氏は「権力闘争の面白さと、権力を行使する味を知った有力政治家特有の感覚があるのでは」とみる。
 自民党幹事長は党のナンバー2として人事、選挙の公認権、党財政などの実権を握る。「トップの総裁ともなれば、その執着心は別物。総裁選で勝ち上がるために、本人が死力を尽くして勝ち取った天下だ。多少、国民からの支持率が落ちたり、土俵際に追い込まれたりしても、簡単に手放せないで粘る。そこが時に国民の目には醜態に映る」

◆病で総辞職を決断した潔さ
 裏を返せば、引き際で求められるのはある種の潔さであり、引き際に際しての納得感とも言える。
 潔さを感じさせる政治家の引き際がなかったわけでもない。小林氏は第55代首相、石橋湛山を挙げる。
 国民的人気をバックに1956年に首相に就いた湛山は過労で急性肺炎となり、職責を全うできないとして即座に内閣総辞職に踏み切った。在任期間は65日。「本人は無念を抱えながらの退陣だったが、きれいな辞め方、潔さという意味ではまれなケースだ」

◆後継は言わない方が美しい
 引き際に問われるのが、後継の扱いもだ。
 法政大の白鳥浩教授(現代政治分析)は「日本の場合は、後継指名して自分の影響力を残したい、院政を敷きたいという思いが見え隠れする。しかし、公権力は私物ではない。本来であれば、後継については言わない方がいいし、引き際がきれいに見えなくなってしまう」と話す。
 今回の米大統領選では前出の通り、バイデン氏がハリス氏を後継として支持すると表明している。白鳥氏は「支持されたとはいえ、今後、正式な民主党内の手続きがある。大統領選まで時間が限られているという事情もある」とし、慎重な評価が必要だと説く。

◆不人気脱却へ表紙だけ変える?
 引き際という点で今後、注目を集めそうなのが岸田文雄首相だ。裏金事件への甘い対応などで最近の支持率は低迷したまま。直近の選挙では敗戦が続く。9月の自民党総裁選に向けて、岸田氏に退いてもらい、「ポスト岸田」を衆院総選挙の新たな顔にしたいとの思惑が交錯する。
 ただ政治アナリストの伊藤惇夫氏は、岸田氏が身を引くだけで話が済むわけではないと語る。
 「岸田政権と自民党の支持率が低迷する最大の理由は、裏金問題の実態を解明せず、小手先どころか、小指の先の政治資金規正法改正でお茶を濁した自民党議員全体の責任だ。にもかかわらず、今の自民党は中身を変えずに表紙だけ変えようとしている。この先の解散総選挙をにらんで人気者を担ぎたいと大騒ぎだ」
 岸田氏の引き際もさることながら、早期の幕引きに厳しい目を向けるべきだと訴える。「有権者は総裁選の過程で、裏金問題の反省や改革の姿勢をしっかり見定める必要がある」

◆デスクメモ
 政治家の引き際というとすっきりしない感が強い。世間が「辞めるべきだ」と思っても辞めず、のような。あなた方は自分のことだけを考えればいい存在ではないはず。むしろ、代表者として規範を体現する側にいる。職にとどまることが有権者のためになるか、常に自問してほしい。 (榊)
http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/142.html
記事 [政治・選挙・NHK295] 茂木幹事長が自民総裁選“後出しジャンケン”の姑息…「最初に手を挙げることは絶対ない」の裏の本音(日刊ゲンダイ)

茂木幹事長が自民総裁選“後出しジャンケン”の姑息…「最初に手を挙げることは絶対ない」の裏の本音
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/357985
2024/07/23 日刊ゲンダイ


殊勝に聞こえるが…(C)日刊ゲンダイ


石破茂(C)日刊ゲンダイ


河野太郎(C)日刊ゲンダイ


高市早苗(C)日刊ゲンダイ

 支持率が下がろうと、党内から「辞めろ」の声が出ようと、再選を目指す岸田首相。

 そこで秋の総裁選挙に向けてポスト岸田の面々が動き出した。有力候補の茂木幹事長がズルい作戦を始めた。22日、BS番組に出た茂木氏は「(出馬表明で)最初に手を挙げることは絶対にない」。その理由は「明智光秀は一人で本能寺を急襲した。私が先頭ということはない」。

 幹事長として首相を支えているので“寝首をかくようなことはない”と殊勝に聞こえるが、本音は違う。事情通が言う。

「後出しじゃんけんで、他のポスト岸田候補の動きを見ているのです。茂木は自分の派閥グループや麻生派がバックにいるので有利。しかし、岸田との不仲はみんな知っているから、先走ると本当に明智光秀になってしまいます」

 石破茂元幹事長は22日、勉強会を開いたが参加者は11人。総裁選の推薦人20人に及ばなかった。河野太郎デジタル相は派閥のボス・麻生氏にアタマを押さえつけられている。高市早苗経済安保相も最近は尻すぼみ状態。結局、誰も手を挙げなかったら茂木氏はどうするのか。

  ◇  ◇  ◇

関連記事【もっと読む】では、八方塞がりでも党総裁再選に楽観的な岸田首相の“鈍感力”について触れている。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/143.html

記事 [政治・選挙・NHK295] 石破茂氏、総裁選出馬なら9条2項削除「自衛隊を戦力として」 世論人気に「実績値ない」(産経新聞)
https://www.sankei.com/article/20240723-STXRN4OIXVBWDH25Y5C4JDCFUY/




9条2項削除、「自衛隊を戦力として」・・・


このことは、言い換えれば、「自衛隊を軍隊にする」ということだから、看過するわけにはいかない。

「自衛隊を軍隊にする」ということは、「戦争をする」というに等しい。

看過すれば、この御仁、図に乗って、再び「徴兵制」を叫ぶだろう。

そして自分は安全地帯にいて、「突撃」命令を乱発する。

石破氏も、しばらく大人しいと思っていたら、子供じみた軍事オタク振りは変わっていないようだ。

総裁選を前にして、旧安倍派を取り込む算段なのだろうが、この一言で「総理・総裁の椅子」を棒に振ることになる。


そもそも憲法9条の1項と2項はそれぞれに重要な意味があって、一体不可分であり、分けて論ずることは出来ないと認識しなければならない。
そのことは、「・・・前項の目的を達するため・・・」という言葉に読みとることができる。

「前項の目的を達するため」に書かれた2項を削除してしまったら、1項の目的が達成されないことになるのは必定。


憲法9条は、憲法前文で謳っている平和憲法の理念を、憲法の条文に書き下ろしたものであり、そこに書かれていることは「永久に守るべきもの」とされている以上、この条文を変えることは出来ない。

憲法前文では、

「・・・われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」

とし、憲法の条文が変えられたとしても、新しく条文が書き加えられたとしても、憲法の理念に反するものは「排除」すると宣言し、主権者国民には行動を起すことを求めている。



以下に記事の全文を転載する。


自民党の石破茂元幹事長は22日配信の情報サイト「選挙ドットコム」のインターネット番組で、次期総裁選に出馬する場合は戦力の不保持を定めた憲法9条2項の削除を掲げると訴えた。「9条2項は削除すべきだと思っているが、ここ10年くらい『石破の2項削除』は評判悪い」と述べた上で「私が(総裁選に)出る出ないは別にして、そういう議論が戦わされてこそ総裁選の意義がある」と語った。

平成30年3月に自民が策定した「改憲4項目」は9条2項を維持した上で自衛隊を明記しており、石破氏は異論を唱えてきた経緯がある。石破氏は番組で、「きちんと自衛隊を戦力として認めないと、いつまでたってもモヤモヤごまかされたようになる。その国の安全保障政策は強くならない」と強調した。

石破氏は各種世論調査で次期首相・総裁候補の首位に立っている状況については、「最近政府や党で役職についていないから自由にものがいえる立場で、長いこといろいろな役職もやってきた。期待値も知名度もあって支持率が比較的高いと起こるべきことが起こるべくして起きている」と分析。「それは実績値ではないことは百も万も知っている。『わーい、支持率高いぞ』みたいな、それほどおめでたくはないつもり」と述べ、冷静に受け止めているとした。

派閥がほぼ解消した中で臨む総裁選のあり方を巡っては「今までは派閥のトップがこういうので、(投票する先の総裁候補は)そうだろうねという話だったが、今度はそうはいかなくなるかもしれない」と指摘し「ちゃんと選挙区で『なんでこの人にあなたは投票しましたか』と(聞かれて)説明できなければだめだろう。それぞれの自民党の国会議員が問われる」と語った。


衆院解散・総選挙の望ましい時期に関しては「国会で施政方針演説、所信表明演説などいって本会議あるいは予算委員会で野党と議論して、その上でさあどうぞというような。(総裁選に)誰が出るにしろ、その人が言ったことが多くの人に支持されて党総裁・首相になったなら、それを国民に問うのが総選挙だ」と指摘し、総裁選から比較的時間を置かずに実施すべきとの考えを示した。


記事の転載はここまで。



憲法9条2項を、変更ではなく「削除する」と言う。

その事の意味を明らかにしなければならない。

憲法9条は以下に示す通り、1項と2項からなっている。


第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。



憲法前文には、

「・・・政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、・・・」

と、先の戦争に対する反省とともに、日本を「戦争をしない国」にするとの決意が記されている。

そこに出てくる「戦争」とは、「我が国の自衛の為・・・」という口実を付けて、拡大してきた「侵略戦争」であることを忘れてはならない。

9条2項は、ただ単に、1項を強調、補強し、解説的に書かれたものではない。

1項には1項の存在意味があり、2項は2項で、書かずにはいられない重要な規定だ。

2項の対象は、時の為政者、国家権力に対して、1項の宣言を守らせるために書かれた
もの、すなわち「国家権力を縛るため」に書かれていると考えるのが正しい。

すなわち、「侵略戦争をさせないため」に、戦争をするための「軍隊」、「軍備」その他の「戦力」を持つことを禁じ、戦時国際法で認められている「国の交戦権」をも認めない。

この「認めない」という言葉は、主権者国民が、その権力の一部を信託した政府、為政者に対して発した言葉だと捉えると分かり易い。

見方のよっては、憲法9条2項の方がより重要な規定ということができるのではないか。

これこそが、権力者の「権力を縛る」という憲法の真骨頂と言える。

その「9条2項を削除」するということは、権力者の陥る「権力の暴走」を防ぐ手立てを放棄するということになる。

権力側から見て邪魔な条文ということは、これまで「権力の暴走」を防いできた証左と言えよう。

しかしながら、そのことも、憲法をも超越する「閣議決定」の出現で、雲行きが怪しくなってきていることには注意が必要だ。

日本の防衛理念は、憲法の理念から導き出される「専守防衛」を旨としている。

すなわち、自衛隊が、外敵の武力侵攻に抵抗して戦闘行動をとる法的根拠は、戦時国際法ではなく、日本の警察権の行使ということになる。

従って、自衛隊の装備は、日本の主権の及ぶ範囲、すなわち日本の領土、領海、領空内でしか行使は出来ない。


「自衛隊を戦力として」・・・

この言葉は、今の自衛隊が軍隊でないことを示している。

そのことは、自衛隊の中に、トマホークの発射ボタンを押しても、無差別大量殺人罪に問われない隊員がいないことを見ても理解できよう。















http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/144.html
記事 [政治・選挙・NHK295] ドンペリ世耕弘成氏はギフト券310万円分を三越で…香典がアウトなら裏金での金券爆買いはどうなる?(日刊ゲンダイ)

ドンペリ世耕弘成氏はギフト券310万円分を三越で…香典がアウトなら裏金での金券爆買いはどうなる?
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/357983
2024/07/23 日刊ゲンダイ


「シャツ仕立券」4枚で8万8000円購入(左は世耕弘成前参院幹事長)/(C)日刊ゲンダイ

 裏金総額2196万円の堀井学衆院議員(比例北海道ブロック=自民離党)が公選法違反の疑いで家宅捜索を受けた事件。選挙区内の支援者らが亡くなった際、秘書や家族を通じて香典1万〜数万円を渡したとして、東京地検特捜部は堀井氏の議員会館の事務所など関係各所をガサ入れ。任意の聴取に堀井議員は香典配布を認めたという。香典がアウトなら、こちらの裏金問題も放置すべきではない。

 日刊ゲンダイは5月、世耕弘成前参院幹事長(参院和歌山=自民離党)の総額1542万円に及ぶ裏金の使い道を2度にわたり追及した。代表を務める資金管理団体「紀成会」が裏金の使途を訂正・追記した際の領収書の写しを情報公開で入手。裏金を原資に「ドンペリ」など高級シャンパンやワイン計45万円分を買い漁り、いずれも「贈答品代」として計上していたのだ。

 世耕議員の怪しい裏金の使途はもっとある。例えば2021年11月に東京・三越銀座店で2万2000円分の「シャツ仕立券」を4枚購入し、8万8000円を支出。世耕議員は同店の“お得意さま”のようで、21〜22年の2年間に6回に分けて商品券やギフトカードをお買い上げ。金額は計310万円に上る。

杉田水脈議員は一度にビール券38万円分も購入


杉田水脈議員は一度に「ビール券」38万800円分を購入していた(C)日刊ゲンダイ

 いや、三越銀座店は所属先だった清和政策研究会(安倍派)の御用達かもしれない。

 安倍派の杉田水脈衆院議員(比例中国ブロック)も裏金総額1564万円を反映し、今年1月に代表の資金管理団体「杉田水脈なでしこの会」の収支報告書を訂正・追記。その際に添付した領収書の写しを情報公開で入手すると、22年8月に宛名は杉田議員の個人名で裏金を原資に同店で一度に「ビール券」を38万800円分も購入していた。

「いずれも大量の金券で、これだけの額を誰に渡したのか。選挙区内の有権者に贈っていれば公選法違反罪(寄付の禁止)に問われます。特捜部は、安倍派の裏金事件の捜査過程で堀井氏のケースを把握。裏金を香典代に使ったとみて悪質性の高さから強制捜査に踏み切ったと報じられましたが、裏金を金券に換え、仮に有権者に配ったとすれば同様に悪質です。特捜部は捜査を尽くすべきです」(神戸学院大教授・上脇博之氏)

 裏金事件の捜査を「シッポ切り」で終わらせてはいけない。

  ◇  ◇  ◇

関連記事【もっと読む】では、国産ワインの保護・振興を目指す「ワイン法制に関する勉強会」の代表にもかかわらず、「ドンペリ」など海外産の高級シャンパンを買い漁った世耕氏の疑惑について、詳しく報じている

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