トランプ銃撃の余波…バイデン米大統領&岸田首相の撤退はあるのか、どっちが先か?
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/357622/2
2024/07/16 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
バイデン米大統領はやる気満々(C)ロイター
どちらも不人気(代表撮影)
トランプ前米大統領が銃撃され、共和党は結束を固めた。ならば、大統領選への撤退圧力が強まっている民主党のバイデン大統領はどうなるのか。
ウクライナのゼレンスキー大統領を「プーチン」と言い間違え、パートナーのハリス副大統領を「トランプ副大統領」と呼ぶまさかの失言。俳優のジョージ・クルーニーら、大口献金者からも撤退要請が噴出した。そこへ銃撃事件だ。トランプ前米大統領を「米国への脅威」と攻撃しにくくなり、高齢不安ばかり強調される事態になりかねない。
バイデン大統領本人は撤退する気などさらさらないようだが、民主党内では、バイデン大統領撤退の場合、これまでに集めた莫大な選挙資金をそのままスライドさせられるハリスが後任として最有力になりつつあった。大統領候補を正式決定する民主党大会は8月19〜22日。バイデン大統領の撤退はあるのか。決断のタイムリミットはいつなのか。
「民主党には2つのシナリオがある。@銃撃されてもガッツポーズで強さを見せたトランプ前大統領にはかなわないから交代すべし。Aいや、これを機に民主党もバイデン大統領で結束すべし──です。どちらに転ぶか分かりませんが、正直、バイデン氏撤退のタイムリミットはもう過ぎている。Aのシナリオになっていくのではないかとみています」(上智大教授・前嶋和弘氏=現代米国政治)
岸田首相「総裁選に出馬しない方がいい」が57%
外遊先で続投の意思表示をする岸田首相(代表撮影・共同)
前回の総裁選は河野氏(左)と決選投票で争った(C)JMPA
一方、露骨なすり寄りでバイデン大統領の覚えめでたく3年間を過ごしてきた岸田首相も、9月の自民党総裁選での再選シナリオが揺らいでいる。
ANNが13、14日に行った世論調査は衝撃だ。岸田首相の総裁選への出馬について「しない方がいい」が57%に達し、「する方がいい」の26%をダブルスコアで上回った。国民が岸田に三くだり半を突き付けた形だ。
「外交の岸田」アピールを政権浮揚に結び付けたいものの、NATO(北大西洋条約機構)首脳会議出席など10〜13日の外遊は不発。11日、米ワシントンで総裁選への対応について記者団に問われると「結果を出すことに全力を挙げている。それ以外のことは今考えていない」と言った。
しかし、自民党内では岸田首相の責任論への言及が止まらない。14日も当選1回の若手が地元・横浜市で開いた会合で「普通の企業なら責任を取る」と岸田首相を批判。世論も党内も総スカンなのに岸田首相は総裁選に出られるのか。
自民党の規定によれば総裁選は9月20〜29日のどこかが投開票日だ。今月末にも選挙管理委員会が設置される。選管委員はこれまで派閥均衡で選ばれてきたが、派閥解消により岸田主導でメンバーを決められるアドバンテージがあるという。
「岸田首相は現段階では、総裁選から撤退するつもりはないでしょう。外遊先で『結果を出す』と発言したのは、『まだやることがある』という続投への意思表示とみました。とはいえ、勝機があるかというと簡単ではなく、出馬するかどうかを様子見している状況。8月上旬の世論調査を見て、万策尽きて降りることもあり得る。一方で、2位、3位連合のキャスチングボートを握るため、負け覚悟での出馬もあり得る。総裁選の日程が決まるのは8月のお盆明け。その頃が、岸田首相の決断のタイミングになるのではないか」(ジャーナリスト・山田惠資氏)
岸田首相は、バイデン撤退論が沈静化すれば自身への追い風になる、とみているとも。
バイデン大統領と岸田首相、どちらが先に撤退するのか、と思いきや、どちらも撤退しない? 日米ともに地獄の選択か。
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国賓待遇に気が緩んでいた? …●関連記事【もっと読む】では5月の日米首脳会談で岸田首相がやらかした“大ポカ”について、詳細を報じている 。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/896.html