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2024年7月15日00時00分 〜
記事 [政治・選挙・NHK294] 都知事選敗北の蓮舫氏が苦しい胸中を吐露 「水に落ちた犬は打て」とばかり叩くテレビ報道の醜悪(日刊ゲンダイ)
都知事選敗北の蓮舫氏が苦しい胸中を吐露 「水に落ちた犬は打て」とばかり叩くテレビ報道の醜悪
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/357347
2024/07/09 日刊ゲンダイ


さすがに…(C)日刊ゲンダイ

《しかし、私はどれだけ批判されてもいいと思われてるんでしょうね》

《男性になら言わない表現、知らないコメンテーターがさもありなんと話す。さすがに酷いと思えます。まだ、これらと闘えというのかしら》

 7日に投開票された東京都知事選で落選した蓮舫前参院議員(56)が9日、X(旧ツイッター)を更新し、自身に対する厳しい論評、テレビなどのコメンテーターが口にしている辛辣な意見に対して複雑な心境を吐露した。

 無理もないだろう。それまでの国政選挙などでは一般的に行われてきた街頭演説が「事前運動」などと大騒ぎされ、ネット上では右派とみられる投稿者からの誹謗中傷ばかり。選挙後も「水に落ちた犬は打て」とばかりの報道なのだから、《さすがに酷い》と漏らすのも当然だ。

 とりわけ酷いのがテレビの扱いではないか。民主党政権下の事業仕分けで、蓮舫氏が言った「(スパコンは)2位じゃダメなんでしょうか」という発言を繰り返し取り上げ、知事選で3位となった蓮舫氏を「2位もダメだった」などと茶化す。元自民党国会議員で、裏金事件の舞台となった「清和政策研究会」に長く所属していた小池百合子知事(71)の扱いとは対照的と言っていい。

 8日のNHKも、<都知事選 2位は石丸氏53か所 蓮舫氏9か所>との見出しで、石丸伸二氏(41)、蓮舫両氏がそれぞれ地域別にどう得票していたのかを分析するかのような報道をしていたが、視聴者の見方によっては「2位じゃダメなんですか」という蓮舫氏を当てこすった――と受け取られても仕方がないだろう。

河野デジタル担当相も「スパコン 二番でもいいかもしれない」と投稿していた

 ところで、テレビメディアが選挙前から盛んに取り上げた蓮舫氏の「2位じゃダメなんでしょうか」発言だが、実は同様の思いを抱いていた自民党国会議員がいる。河野太郎デジタル担当相(61)だ。

 河野氏は蓮舫発言の後の2011年11月13日付のブログで「スパコン 二番でもいいかもしれない」と題し、こう書いていた(抜粋)。

《衆議院の決算行政監視委員会では、政府の猛烈な横やりをはねのけて原子力関係の支出の仕分けをやる。そしてもう一つがスパコンの仕分けだ。スパコン予算はきわめて怪しい》

《スパコンの開発そのものに関する議論がきわめて曖昧だ。そして、自民党時代の事業仕分けから繰り返し問われている「なぜ一番でなければならないのか」という質問に、まだ文科省は答えていない。この質問は、よく誤解されている。というよりも、スパコン村の住民が意図的に誤解されるような情報の流し方をしているのだ》

《ここで問われているのは、日本の科学の進歩にとって、世界で一番速いスパコンが一台必要なのか、それとも二番目のスピードでもいいから複数台必要なのか、あるいは一番速いスパコンで、あるシミュレーションを行った場合と二番目に速いスパコンでシミュレーションを行った場合に、結果が出るまでに何分の差があるのか、その差を最終成果物が出るまでに埋める方法がないのか、ということである》

《一部のスパコンユーザーが、文科省と組んでスパコンが必要だと騒ぎ、それをつくらせて使っているという構図が見てとれる。スパコン、原子力をきっかけに利権化している科学技術振興予算にしっかりとメスを入れていきたい》

 河野氏が投稿した内容は、事業仕分け時の蓮舫氏と何ら変わらない。にもかかわらず、一部メディアは、スパコン村の住民の「情報操作」に今も乗ってしまっているわけだ。

 今もなお“蓮舫叩き”報道をするテレビメディア。本質を伝えず、「公平中立」を装うかのような報じ方に有権者も辟易しているのでは。

  ◇  ◇  ◇

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記事 [政治・選挙・NHK294] 石丸伸二氏が固まり目線下に「あの、なので…」泉房穂氏ブチ切れ、論客らが「政策」に総ツッコみ(日刊スポーツ)
[2024年7月14日18時16分]

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202407140000992.html?Page=1
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202407140000992.html?Page=2
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202407140000992.html?Page=3

東京都知事選で、約165万票を獲得し2位に入った前広島県安芸高田市長石丸伸二氏(41)が14日放送の読売テレビ「そこまで言って委員会NP」(日曜午後1時30分)に出演。「今の世の中“違和感”ばかり!? 徹底解明 徹底討論 何かおかしい2」として激論を交わした。東京都知事選も取り上げた。
同番組はパネリストは衆院議員や兵庫県明石市長を務めた弁護士の泉房穂氏、作家の竹田恒泰氏、田嶋陽子氏、舛添要一氏がそうそうたる論客が出演。石丸氏は「コーナーゲスト」と“緊急参戦”した。
選挙期間中の石丸氏の街頭演説を3回、聞いたという泉氏は「具体的に聞かせてもらえますか」と挙手し、「ほとんど政策を語ってなかったので、大きく変えるというメッセージで、みなさんが熱狂していたと思う」と前置きし、日本を「どう変えていきたいのか」と質問した。
石丸氏は「人口減少」を危惧していると回答。「ほとんどの方は知っている話のはずですが、その危なさになぜか気づけていない」と断言した。
田嶋氏からは人口減少を止めるための「どういう具体的なことを考えていますか」と質問。「いまの社会の規範では無理。先進国は人口減少を克服できていない。例えば、一夫多妻制を導入するか、遺伝子的に子どもを生み出すとか」と大胆な提案を示すと、番組の議長を務める黒木千晶アナウンサーは「すごい」と目を見開いた。
現在の社会制度では難しいとし「社会が変わるのは100年、200年、日本だと300年はかかるかもしれない。300年間、もたせるために少しでも人口減少のペースを緩やかにし、少ない人口でも国際的な地位を失わないようなシステムを作っていく」と熱弁したが、スタジオのパネリストからは「それがなんだっていうのか」「どうしたらそうなる」と総ツッコみが入った。
東京に一極集中した人口を地方に環流・回避するようにすると主張したが、泉氏は「何をしはるんですか」と身を乗り出した。大野裕之氏は「地方分権とかということですか」、医師の丸田佳奈氏は「それって移動が起きているだけで、東京で子どもを産まないですよ」とダメ出し。石丸氏は「東京ばかりに集まっても、そこでは“再生産”は行われないのですか?」と弱々しく疑問形の言葉を発した。
丸田氏は「産むっていう行為にたどり着く、ほとんどの女性が産みたいなという具体的に何をしますか」と詰め寄ると、石丸氏は「そのために、え〜」と言葉を詰まらせ、“小考”し、「東京以外にも正解がある」と固く目を閉じて、「言葉にすると、すごく緩いんですけど、地方の魅力、そこに住んで、働いていいなという意識がないので、東京以外は魅力がなくなってますね」と“緩い”回答をすると、番組前半に“論破”された竹田氏が「だとすると、都知事の仕事で、地方都市の首長の仕事。例えば、泉さんのように実績を上げて、こういうふうにしたら人口減少を止めることができる」と実績に基づいた政策を求め、都知事選に出馬せずに、安芸高田市長として、だれもが納得する「人口減少」の大胆政策を成し遂げたほうが、説得力があったと主張した。
泉氏は市長在任中に「18歳まで医療費無料化」などの独自の子育て支援策を実施した。石丸氏は「明石市が子育て政策を厚くすれば、周辺の自治体から子育て世代が流れてくる。それだけ。取り合いになってゼロサムゲームの綱引き」と断言すると、泉氏は「ゼロサムではありません。明石市は出生率が兵庫県トップです」。明石市と安芸高田市の子育て政策について激論が始まり、石丸氏が「チェックしたが、安芸高田市の子育て支援は明石市とそんなに遜色ない」と攻め込むと、泉氏は「ぜんぜん違いますよ。それはデマですよ」と激高した。
石丸氏は「明石市は給食費を無償化されてますか?」と「実績」をアピールすると、「うちは医療費も保育料も、児童手合もやってますよ」と“連射砲”で反撃し「安芸高田の給食費だけで自慢されても」と必死のパッチで声を荒らげた泉氏。一瞬、われに返り、恥ずかしくなったのか、両手を口に当てると、白熱の論戦にスタジオは笑いに包まれた。
食い下がる石丸氏は給食費の無償化について「小学、中学ではしてないですよね」と続けると、泉氏は「うちは給食は中学校です。でも児童手当は18歳までやってます」に対し、石丸氏は「給食費の無償化が金額が大きい」と主張。泉氏は「医療費のほうが大きいです。事実関係が間違ってますよ! ちゃんと調べてください」。
石丸氏は「給食費は小さくないじゃないですか」と論理を外して同意を求めると、泉氏は「小さくはありません」と回答。石丸氏は明石市が小学校で無償化していないことに「じゃ、なぜ、されなかったのですか」と安芸高田市との“違い”で攻めた。
これには泉氏はキレ気味に「明石は給食以外にも、医療費も保育料も、児童手当もやっている。奨学金もやっている、児童相談所も新たにつくっている」と声を張り上げ、石丸氏に「やってないでしょ!」と左手を振り上げ、「実績」を求めると、石丸氏は「あの、なので…」と言葉を詰まらせた。泉氏は「やってまっか! 答えてください」の関西弁に石丸氏は「やっているものはかなりあります」と回答すると、泉氏が「言ってください!」と強く求めると、石丸氏は目線を下に向け、固まった。
さらに泉氏が「何をやってますか! 給食費以外に何があるんですか」と猛追すると、石丸氏は必死に「実績」をアピールした。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/885.html
記事 [政治・選挙・NHK294] 左派の議員たちはもう一度、原点を思い出して欲しい。 室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」(日刊ゲンダイ)

左派の議員たちはもう一度、原点を思い出して欲しい。 室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/357475
2024/07/12 日刊ゲンダイ


都知事選後、会見する蓮舫氏(C)日刊ゲンダイ

『ひとつ ほんまの拳闘ちゅう奴をやってみんか そうさ ほんまの拳闘だ』(丹下段平)

 これは漫画『あしたのジョー』の主人公、ボクサーのジョーのトレーナーコーチ、丹下段平さんの言葉だ。

 都知事選が終わった後、あたしはふと段平さんのこの言葉を思い出した。

 この言葉は、ジョーが念願のライバル、力石徹とリングで戦っているときに出てくる。

 力石は強く、対戦相手のジョーとの対策もしっかりと練ってあり、ジョーには打つ手がない。

 ジョーの得意な両手ぶらりの戦法も、カウンターで狙われる。

 滅多打ちにされたジョーは、トレーナーの段平から見ても、これ以上試合をつづけられる状態ではなかった。……といったところでジョーは諦めるような男ではない。そのことを踏まえ、段平はジョーにいう。

 冒頭の言葉だ。

 リングに上がって拳闘をしているジョーにいうのである。小細工など効かない、初心に戻って、日々練習し積み上げてきた基礎に戻ってみるか、と。

 そういえば、大好きな歌手のコンサートへいく。ファンサービスで何十年か前に大ヒットした曲を歌ってくれる。

 それはあたしも大好きな曲。しかし、当時のほうが良かったと思うことがある。歌には、さすがプロというような節がつき、美しいビブラートも足されている。が、以前の朴訥な歌いかたのほうが、心のひだひだに入ってきた。

 話を戻し、都知事選だ。街頭演説の歌や踊りを入れた盛り上げ方や、誰にも手厚い数を揃えた公約や、YouTubeの応援動画は、考え尽くされ新しくしたものだろう。

 あたしは蓮舫さんを応援していたが、負けてしまった。選挙後、立憲の支持率も下がった。

 この後は衆議院選がある。左派の議員たちは、なぜ自分たちが左側に立っているのか、もう一度、思い出して欲しい。原点である『弱者と労働者を守る』ということを、真剣に、そして愚直に、対面で少しでも多くの人に訴えてみることをしてみたらどうだろう。あたしはそうしてみる。


室井佑月 作家

1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/886.html

記事 [政治・選挙・NHK294] 最後まで冷静と情熱の好ましいバランスを保っていた蓮舫氏。弱者への揺るぎないまなざしが詰まっていた。 松尾潔のメロウな木曜日(日刊ゲンダイ)

最後まで冷静と情熱の好ましいバランスを保っていた蓮舫氏。弱者への揺るぎないまなざしが詰まっていた。 松尾潔のメロウな木曜日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/341894
2024/06/21 日刊ゲンダイ


蓮舫氏(C)共同通信社

 七夕に投開票が行われる東京都知事選の告示を10日後に控えた6月10日、ぼくは【長文です】と前置きしたテキストを自分のX(旧ツイッター)にポストした。以下、引用する。

「都知事選への注目が過熱気味。現職の小池百合子さん、参院議員の蓮舫さんのふたりが本命とされる。一方で、適当な候補者がいないと棄権する都民が多そうだと報じられてもいる。ちょっと待って、とぼくは言いたい。都知事選は『無理して選ばなくてもいい』結婚相手や恋人選びじゃないんだよと。棄権は支持団体の強い候補者を後押しするだけ。つまり棄権したところで、あなたは結局『選んでしまっている』。じゃあ誰を選べばいいかといえば、それは『まだマシな人』です(略)問題が山積するいまの東京都は『かなり散らかった部屋』のようなもん。一瞬で部屋をキレイにするマジックの主の登場を期待する気持ちはぼくにだってあるけれど、だからといって、そんな救世主が現れるまで散らかった部屋を放置してよいものか。少しずつでも片付けてくれそうな人を選ぶのが、棄権するよりまだマシ(略)『弱者に寄り添うこと』あるいは『弱者を生み出さないこと』。ぼくはその観点で都知事を選ぼうと思います」

 長文投稿が可能なのはXの認証バッジを取得しているからだが、じつはその機能を使うことはきわめて稀だ。X空間で長文が疎まれがちなのも重々承知している。でも今回はそのリスクを負っても言いたかった。それだけ都政には問題があるとぼくは考えているので。好きならまだしも、不本意に感じながら汚部屋に住みつづけるのは人生の損。税金払ってるんだし。蓋を開けてみれば、長文、しかも東京ローカルの内容にも拘わらずこのポストに付いたインプレッションは110万超、いいねも1万を超えたのだった。ほっ。

 そして今日20日、ついに都知事選が告示された。これまで現職が立候補して負けた例は一度もない。ならば3選を目指す小池知事が絶対的に有利なはずだが、今回ばかりは状況が異なるという声は意外なほど多い。8年前、反自民を声高に叫んで都知事の椅子を手に入れた彼女だが、再選の2020年の段階で自民と距離を詰めたことは都民の誰もが知っている。その自民はいま裏金問題でどん底にいる。4月28日の衆院補選では3選挙区で立民が全勝。特に保守王国で知られる島根で自民が負けたのは、全国の有権者が相当な自民不信状態にあることの証左となった。

 2728万円という突出した額の裏金を明らかにしてもなお、党の役職停止1年という大甘処分で済んだ萩生田光一前政調会長は「反省は必要ですが、いつまでも下を向いているわけにはいきません」なんて男前なセリフも厭わない、鋼のメンタルの主。驚くべきことに裏金発覚後も自民都連会長の座にあるが、その都連が小池知事の支援を決めた。そんな自民の姿勢はエグいといえるが、支援者は欲しいが党派色はノーサンキューという「虫のよさ」を隠そうともしない小池知事の振る舞いもなかなかにグロテスク。

 告示前日の昨日19日、有力4候補による共同記者会見を生配信で観た。一騎討ちと評されることの多い小池、蓮舫の両氏に、ネットで大人気の石丸伸二・前広島県安芸高田市長、14年の都知事選で61万票を得て4位だった田母神俊雄・元航空幕僚長という顔ぶれ。記者陣からの質問に答えた後は、候補同士による質疑応答。トータル1時間のなかで、都が直面する少子高齢化、朝鮮人追悼、プロジェクションマッピング、神宮外苑再開発、政治資金パーティー、知事給与などの課題について語りあった。

 ここで水際立ったキレキレの言語化能力を見せつけたのは石丸氏。なにしろ「私が実現する政策は」という第一問に対してボード紙に自ら書いたのが「政治屋の一掃」だからね。都知事選において41歳という若さは経験不足のひと言で片付けられかねないが、だからこそ使える効果的な言葉を周到に選んできた感じ。会見で株を上げたという点では彼がぶっちぎりでしょう。ただぼくには妙に気になることがあって、それは石丸氏をバックアップする顔ぶれだ。安倍晋三番記者だった元NHKの岩田明子氏を自社の社外取締役に抜擢したドトールコーヒー創業者の鳥羽博道氏とか、〈選挙の神様〉の異名をとる選挙プランナーで東京維新の会事務局長だった藤川晋之助氏とか。まあ会見でそれを問う記者はいなかったが。

 4人の回答ぶりを車に例えると、小池=高級ガソリン車、蓮舫=ハイブリッドSUV、石丸=テスラ、田母神氏=クラシックカーといったところか。確かにそれぞれに良さも趣もあるだろう。ただ、石丸氏の描こうとする景色にはほかの3人とは明らかに違う〈未来感〉があった。未来の経済を語るときも、明らかに彼だけは人口動態の観点をつよく感じさせたし。でもなあ、メガバンクの為替アナリスト出身、地方自治体首長経験者でもある彼の「日本を変えていくためには首都東京から」という主張は、皮肉にも都民以外にこそ強く訴求するのかもしれず、そこがどう得票に影響するかは未知の部分が大きいと感じましたね、正直。

 小池知事は通常運転。「世界で一番の都市を目指す」なんてヌルく空疎きわまりない発言はその最たるもので、ぼくなんかは「あぁまた〈らしいこと〉言ってるよ小池さん」としか思えないのだが、昔も今も東京最高! と本気で感じているような都民にとっては、さぞや耳に心地よい言葉であったことでしょうねぇ。そうそう、会見で小池知事にだけ投げられた質問があった。根強く取り沙汰される学歴詐称についてである。前日18日、弁護士の小島敏郎・元都特別顧問が、知事が虚偽の学歴を記載した疑いがあるとして、公職選挙法違反の容疑で東京地検に刑事告発したばかり。だが知事は不快感を隠さずに反論し「選挙妨害」とまでも言った。ちなみに3候補は触れさえしなかった。この疑惑は今回もこのまま終わっていくのだろうか。

 大勝ちを狙うことなく防戦一方のチャンプ小池知事に困惑気味だったのが、自称チャレンジャーの蓮舫氏だ。「闊達な議論を」と直接対決を呼びかけるも、知事は「特定の候補との討論は難しい」とつれない返答。失格処分モノの無気力試合ですよ、これは。でも選挙はバドミントンじゃないから。決定打が出せずに苦慮するさまが蓮舫氏からは見てとれた。ただ、最後まで冷静と情熱の好ましいバランスを保っていたのも彼女。知事が関東大震災の朝鮮人虐殺犠牲者への追悼文を送らない現状を「改めたい」と断言したところに、弱者への揺るぎないまなざしが詰まっていた。

 最後に田母神氏だが……失礼、紙面が尽きました。


松尾潔 音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/887.html

   

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