二階元幹事長1.5億円、茂木幹事長4.2億円…深まる脱税疑惑「使途不明金」支出は年末に集中
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2024/02/09 日刊ゲンダイ
二階俊博元幹事長(左)と茂木敏充幹事長(C)日刊ゲンダイ
まさに「裏金・脱税追及」国会だ。衆院予算委員会は8日の理事会で、政治資金問題に関する集中審議を14日に行うことで合意。自民党の裏金事件に端を発し、先月29日にも同じ議題で集中審議を実施しており、短期間に同一の個別案件をテーマに開催するのは異例だ。目下の焦点は、政党が国会議員に支出する「政策活動費」。過去に50億円もの「掴み金」を手にした二階俊博元幹事長の脱税疑惑もくすぶる中、日刊ゲンダイの調べでさらに怪しい支出が判明した。
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「5年間、365日24時間、雨の日も晴れの日も寝てるときも起きてるときも、1時間ごとに10万円。ひたすら政治のためにお金を支出し続けた。あり得ますか、あり得ないですよ」(立憲民主党の米山隆一衆院議員)
野党は衆院予算委で連日、「脱税疑惑」を追及。主なターゲットは巨額の政策活動費を受け取ってきた二階元幹事長だ。政策活動費はいったん支給されたら、使途公開の義務のないブラックボックス。領収書不要の「合法的裏金」で、特に自民党では重点的に支給される幹事長の「力の源泉」となっている。
二階氏は過去に計約50億6000万円、うち47億7000万円を歴代最長の5年に及んだ幹事長在任中に受け取った。5年間の使途不明額はおよそ50億円。単純計算で1年10億円、1時間あたり10万円近い額となる。
問題は、残額が生じると課税の対象となることだ。国税庁幹部は国会で「年末に余っていれば納税の義務がある」と一貫して答弁。これだけの額を使い切っていなければ、確定申告の形跡がうかがえない以上、二階氏には脱税の疑いが生じる。
日刊ゲンダイは公開中の自民党本部の政治資金収支報告書(22年までの3年分)から年内ギリギリの12月分に絞り、政策活動費の支出を確認。改めて非常識な実態が浮上した。
2020年12月8日には「5310万円」「5000万円」「5000万円」と同じ日に3回に分け、二階氏に計1億5310万円も支出。この年、二階氏が受け取った総額6億3000万円のうち、4分の1がたった1日に集中していた。異常だ。
「1時間に27万円」を使い切らなければ脱税対象に
当日も含めて大みそかまで残り24日。使い切るためのノルマはキツい。1日あたり約638万円、1時間に約27万円、1分換算で約4430円を消費しなければ、二階は納税の義務を課される。
自民党現幹事長の茂木敏充氏も二階氏の手口を踏襲。21年11月の就任から22年末までに総額12億1670万円を受け取ったが、21年12月10日には「5520万円」「5000万円」「5000万円」と、やはり同じ日に3回、計1億5520万円を受領。この年の12月は7〜8日にも2日連続で3000万円ずつもらい、締めて2億1520万円に上る。
翌22年も12月7日に3回に分け、計1億7850万円を受け取ったほか、同月9日にも3000万円を受領し、計2億850万円。両年とも年内に残金を発生させないためのノルマは、二階氏よりも跳ね上がっているのだ。
「党所属議員に配る年末の“餅代”に充てているのでしょうが、各議員とも血税からボーナスをどっさり得ています。まだカネが欲しいのか。使途を公開しない限り、脱税疑惑は晴れないのに、岸田首相はかたくなに拒む。よほど、後ろ暗い実態があるとしか思えません。自民党への政党交付金は年間約160億円。幹事長に10億円もの掴み金を渡せるほどカネ回りが潤沢なら、血税を原資とする交付金は必要ない。返上するのが筋です」(政治評論家・本澤二郎氏)
茂木氏の政策活動費が残っていれば、まだ脱税の時効は迎えていない。現職幹事長の税務調査に、国税庁は乗り出すべきだ。
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