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2024年2月07日05時45分 〜
記事 [政治・選挙・NHK293] あまりに醜い…国民無視の岸田首相「施政方針演説」 金子勝の「天下の逆襲」(日刊ゲンダイ)

あまりに醜い…国民無視の岸田首相「施政方針演説」 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/335797
2024/02/06 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし


シレッと原発活用推進、国民の不安を一切無視する施政方針演説(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ

 岸田首相の施政方針演説の酷さには目を覆うばかりだ。ここまで国民の声を無視した施政方針演説を見たことがない。メディアは怒ることを忘れてしまったようだ。

 まず、岸田は元日の能登半島地震で志賀原発にも深刻な事態が起きたことに一言もふれず、シレッとGX(グリーントランスフォーメーション)の一環として原子力発電の活用推進を言う。

 外部電源を受けるための変圧器の配管が壊れて、2号機では約2万リットルの冷却・絶縁用油が漏れ、主電源が失われた。1号機は非常用発電機が試運転中に停止。重大事故時の避難経路に定めた国道など11路線のうち、7路線が崩落などで通行止めだ。原発周辺9市町の住宅被害は2万件超に上り、屋内避難も難しい。直下型地震による原発事故発生時は、避難などできないことがハッキリした。

 強い揺れがあった輪島市では地盤が4メートルも隆起。同市から50キロ程度しか離れていない志賀原発で同レベルの地盤隆起が起きていれば、福島原発事故の二の舞いになっていた恐れもある。ところが、岸田は一切言及しない。国民の不安を一切無視する驚くべき感覚である。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)も酷い。マイナ保険証は総点検後もトラブルが絶えず、昨年12月のマイナ保険証の利用率は4.29%で、8カ月連続で下落している。ところが、岸田は演説で「マイナカードの利便性向上を徹底的に進める」と言ってまだ紐付けを増やそうというのだ。

 裏金問題についても、肝心の実態解明に後ろ向きだ。二階元幹事長が使途の公開義務がない「政策活動費」を5年間で50億円近くも受領。裏金そのものなのに、岸田は「政治活動の自由」を理由にメスを入れる様子がない。政治資金規正法改正にも及び腰で、解散をブチ上げた「派閥」も「政策集団」と言い換えただけ。

 さらに、裏金を収支報告書に記載せずに懐に入れていれば、規正法違反なだけでなく脱税の疑いが濃厚だ。訂正記載しても日付がなく領収書もなければ同じだ。5年間で2700万円超の不記載があった萩生田前政調会長は、一部を事務所の机の引き出しに入れて管理していたと明かした。典型的な所得隠しではないか。国民が巨額を引き出しに隠していたら、重加算税を課されるだけでなく、所得税法違反で逮捕もあり得る。萩生田の免責は、国民にはとても受け入れられない。

 国民軽視と“犯罪隠蔽”に満ちた演説の中で、岸田が唯一約束したのは「総裁任期中の憲法改正」だけだ。裏金議員たちに憲法を「改正」されてたまるものか。


金子勝 淑徳大客員教授

1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。

http://www.asyura2.com/24/senkyo293/msg/299.html

記事 [政治・選挙・NHK293] 泉房穂氏 自民の裏金議員聴取「説明責任を問われている方が何を質問するのか。“あなたドリルでしょ”と」(スポニチ)
[ 2024年2月7日 10:19 ]

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2024/02/07/kiji/20240207s00041000141000c.html

 兵庫県明石市の前市長・泉房穂氏(60)が7日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜前8・00)に出演。自民党が派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて2日に開始した党所属の裏金議員への聞き取り調査について言及した。
 聞き取り調査は、会計責任者らが立件された安倍派、二階派、岸田派の90人程度が対象で、森山裕総務会長を座長に小渕優子選対委員長ら党執行部6人が分担して聴取。派閥パーティーの収入から還流を受けた金額や使途の説明を求めている。
 安倍派が政治資金収支報告書に記載せず、「ないこと」にしてきたパーティー券収入は、2020〜22年までの3年間で4億3588万円。所属議員へのキックバックは、この3年を含めた5年間で実に6億7654万円に上る。
 泉氏は、この自民党の聞き取り調査に「びっくりしましたね、調査にすらなっていないですね」と言い、その理由について「1つめ、当然、調査の主体は第三者であるべき。小渕選対委員長が、説明責任を問われている方が何を質問するのか、“あなたドリルでしょ”と聞くわけじゃないんでしょうから、ちゃんと第三者委員会を作って第三者が中心で調査すべきというのが1つめ」と指摘。「2つめは期間です。全容解明だから3年じゃなくて、ちゃんと全期間やるべき。刑事処罰だから時効は5年、政治的にはもっと幅広く全容解明すべき」とし「3つめは、やり方。アンケートって一体なんですかってこと。やっぱり虚偽を言われた時に党として、しっかりと次は公認しないとか、制裁措置を前提にしないと調査の名に値しないので、こんなのそもそも調査と言うべきでないと私は思いますね。自民党のためにも、信頼回復のためにもちゃんとやった方がいいと私は思いますけどね」と自身の考えを話した。
 自民党の政治資金を巡る不祥事では、2014年に当時経済産業相だった小渕氏が、後援会主催の観劇会の不明朗な会計が発覚して経済産業相を辞任、15年に元秘書2人が執行猶予付き有罪判決を受けた。この事件で、検察の家宅捜査を前に、事務所のパソコンのハードディスクが電気ドリルで穴が開けられた状態で見つかり、証拠隠滅を図った疑いが指摘された。
http://www.asyura2.com/24/senkyo293/msg/300.html
記事 [政治・選挙・NHK293] 自民・萩生田光一氏“裏金”収支報告書訂正も…収入総額、支出総額「すべて不明」の怪!(日刊ゲンダイ)


自民・萩生田光一氏“裏金”収支報告書訂正も…収入総額、支出総額「すべて不明」の怪!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/335879
2024/02/07 日刊ゲンダイ


すべて「不明」で通るわけがない(萩生田前政調会長)/(C)日刊ゲンダイ

「びっくりしましたね。調査にすらなってないです」

 7日朝に放送されたテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」。番組では自民党の派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、同党が5日から始めた党所属の全国会議員を対象にしたアンケート調査について報道。感想を求められた前明石市長の泉房穂氏(60)が呆れた様子で漏らしたのが、この言葉だった。

 泉氏は、そもそも政治資金収支報告書への不記載自体が「違法行為」と断じ、キックバックを受け取っていた議員らの収支報告書の訂正が相次いでいる事態について、「帳尻合わせ」と憤りをあらわにしていた。

 この日、泉氏だけでなく他のコメンテーターからも驚きの声が上がったのが、「訂正」したとされる収支報告書の中身についてだった。いずれの報告書も「日付」「金額」などが「不明」だったからだ。

いい加減な「訂正」で国民の政治不信は強まるばかり


萩生田氏が代表を務める「自由民主党東京都第二十四選挙区支部」(22年分)の収支報告書(C)日刊ゲンダイ

 とりわけ酷いのが、最大派閥「安倍派」(清和政策研究会)の「5人衆」の一人だった萩生田光一前政調会長(60)の収支報告書だ。

 萩生田氏は2018年から22年までの5年間で、不記載の裏金額が計2728万円に上ったことを公表。会見では、事務所スタッフにカネの管理を任せ、「毎年の政治資金収支報告書の提出前に、おおむねの報告を聞く程度で詳細まで把握をしていなかった」と釈明していた。

 その萩生田氏が代表を務める「自由民主党東京都第二十四選挙区支部」(22年分)の収支報告書を見ると、「収入総額」「前年からの繰越額」「支出総額」「翌年への繰越額」欄のすべて二重線が引かれており、いずれも「不明」となっている。

 企業会計に例えるなら、「売上高」や「支出額」はもちろん、「前年度繰越金」も「当年度の利益剰余金」もすべて「不明」ということになる。

《これで「訂正」と言えるのか。東京都選管はこれでOKなのか》

《あり得ない。社会常識から外れ過ぎている。許したらまずいでしょ》

 当然だろうが、番組放送直後から、SNS上ではこんな意見が飛び交った。

 萩生田氏は会見で、「派閥を含む政治団体のガバナンス不全が露呈したものであり、結果、国民の政治不信を招いたこと、政治に携わる者として強く反省している」と陳謝していたが、いい加減な「訂正」で国民の政治不信は強まるばかりだ。

http://www.asyura2.com/24/senkyo293/msg/301.html

記事 [政治・選挙・NHK293] 子育て増税で1人当たり負担は「年間1万円超」…首相答弁「月額500円弱」は真っ赤なウソ(日刊ゲンダイ)


子育て増税で1人当たり負担は「年間1万円超」…首相答弁「月額500円弱」は真っ赤なウソ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/335849
2024/02/07 日刊ゲンダイ


追及する立憲民主の早稲田夕季衆院議員(C)日刊ゲンダイ

「子育て増税という指摘はあたりません」

 6日の衆院予算委員会で野党議員から異次元の少子化対策の財源となる「子ども・子育て支援金」の負担額をめぐる欺瞞について追及された岸田首相はこう居直っていたが、真っ赤なウソ。1人当たりの負担は年間1万円を超える可能性がある。アベノミクスが招く円安などのせいで、実質賃金は21カ月連続マイナス。手取りは減る一方なのに、政府はロクな説明もせず、国民の財布に手を突っ込もうとしている。そんなの許されない。

 子ども・子育て支援金は、岸田首相が1年前にブチ上げた異次元の少子化対策のひとつ。児童手当拡充などの財源確保のため、2026年4月から公的医療保険料に上乗せして徴収される見通し。岸田首相は「歳出改革と賃上げにより負担軽減の効果を生じさせるので、実質的な負担は生じない」と言い張ってきた。

 立憲民主党の早稲田夕季議員から「報道されているように、1人月額500円と政府は見込んで試算しているのでしょうか」と質問された岸田首相は、「粗い試算として申し上げれば、支援金の総額を1兆円と想定する2028年度の拠出額は、加入者1人当たり月平均500円弱となると見込まれています」と答弁。初めて認めた。

 この数字通りだと、1人当たり年間6000円、共働き世帯は年間1万2000円を新たに徴収されることになる。しかし、これはあくまでも平均だ。所得や加入する医療保険組合によって上振れる。日本総研の試算によると、協会けんぽの加入者の負担は月額638円(年間7656円)、健康保険組合は月額851円(年間1万212円)、共済組合は月額898円(年間1万776円)。国民健康保険の場合は月額746円(年間8952円)になるという。

 高齢者も例外ではない。岸田首相は「後期高齢者医療制度等を通じて拠出いただくことは想定しております」とシレッと答弁していた。

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。

「詐欺的なやり方です。岸田首相の『実質的な負担は生じない』という詭弁を信じる国民はいないでしょうが、ドサクサに紛れて年間1万円以上も新たに召し上げられるとなると、世論は納得いかないでしょう。子育て世代の共働き夫婦は年間2万円の負担増ですから、家計に重くのしかかる。当事者の理解を得るのも難しいのではないか」

 政府は来週、関連法案を閣議決定し、国会へ提出する方針。事実上の増税法案審議よりも裏金事件の全容解明が先だ。

http://www.asyura2.com/24/senkyo293/msg/302.html

記事 [政治・選挙・NHK293] 河野太郎デジタル相が「ポスト岸田」完全脱落…発信力&突破力とも不発で存在感ゼロに(日刊ゲンダイ)

河野太郎デジタル相が「ポスト岸田」完全脱落…発信力&突破力とも不発で存在感ゼロに
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/335794
2024/02/07 日刊ゲンダイ


存在感が全く感じられなくなった(河野太郎デジタル相)/(C)日刊ゲンダイ

 あの目立ちたがり屋が、なぜかおとなしい。河野太郎デジタル相のことだ。裏金事件に端を発する自民党4派閥の解散。ここぞとばかりに、改革派気取りで「政治資金パーティ-禁止」や「派閥解消」の旗を振りかざしそうなものだが、所属する麻生派の存続に固執する麻生副総裁に気を使ってか、何の発信もない。おかげで存在感ゼロだ。

 3、4日に行われたJNNの世論調査が政界で話題だ。内閣支持率が23.7%と過去最低を更新したことはもとより、「次の総理」の上位常連だった河野氏がトップ3から脱落したことが注目されている。

 1位は石破茂氏(18.4%)、2位は小泉進次郎氏(14.3%)、そして3位には上川陽子氏(9.5%)が初めて浮上。これまで小泉氏、石破氏とトップ3を独占して「小石河連合」と呼ばれてきた河野(8.1%)は4位に沈んだ。岸田首相は2.9%で7位だった。

麻生発言も影響?

「麻生さんが上川大臣を『おばさん』『そんなに美しい方とは言わん』などと評したルッキズム丸出し発言が批判され、繰り返し報じられたことが、皮肉にも彼女の知名度アップに貢献したんじゃないか。河野が総裁候補にまつり上げられてきたのは国民人気があってこそ。傲慢な態度を快く思っていない政界関係者は少なくない。世論の支持を失い、一気に“ポスト岸田”から脱落ですよ」(自民党閣僚経験者)

「小石河」から「小石上」に


ゴリ押しマイナ保険証も昨4月がピークの利用率6・3%、公務員ですら昨11月の4・36%で…(C)共同通信社

 国民の不安を無視して、河野氏がゴリ押ししたマイナンバーカードと健康保険証の一体化も、国民に不評でミソをつけた。

「マイナ保険証」の利用率は、昨年4月の6.3%をピークに下がり続け、昨年12月は4.29%まで落ち込んでいる。朝日新聞(4日付)によると、国家公務員に限っても昨年11月分の利用率は4.36%と低迷。最も低い防衛省は2.50%で、マイナ保険証を所管する厚労省でも4.88%に過ぎない。

 能登半島地震の際に河野が「避難する際はマイナカードも一緒に」と訴えたことも、SNSを中心に<被災地の実情を分かっていない><停電していたら使えない>と批判の嵐だった。

 売りだったはずの「発信力」も「突破力」も不発で、いよいよメッキが剥げたか。“ポスト岸田”は「小石河」から「小石上」にシフトしつつある。

http://www.asyura2.com/24/senkyo293/msg/303.html

記事 [政治・選挙・NHK293] ゴッドマザーもついに鬼籍 安倍家三代、今こそ必要な歴史の総括(日刊ゲンダイ)

※2024年2月6日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大


※紙面抜粋


※2024年2月6日 日刊ゲンダイ2面

※文字起こし


安倍晋三元首相(左)も“ゴッドマザー” 母・洋子さん(右)に頭が上がらなかった(C)日刊ゲンダイ

 安倍晋三元首相の母・洋子さんが4日、入院先の都内病院で亡くなった。95歳だった。

 1928年6月、岸信介元首相の長女として生まれ、51年に毎日新聞記者だった安倍晋太郎氏と結婚。後に夫は政界に進出し、外相となり、現在の安倍派につながる派閥の領袖となった。3人の子をもうけ、夫の死後は選挙区を継いだ次男の晋三の政治活動を支え続けた。三男の信夫氏は岸家の養子となり、防衛相を務めた。ちなみに、佐藤栄作元首相は叔父にあたる。

 名門政治一家を三代にわたって支え、父が戦前の東條英機内閣で商工大臣として初入閣して以降、実に約80年もの間、永田町を見続けてきた。「政界のゴッドマザー」と呼ばれたゆえんである。大物政治家に囲まれて生きてきただけに、強烈なプライドの持ち主でもあったようだ。

 そんな母親に安倍は常に気を使い、頭が上がらなかったという。父・晋太郎の時代から安倍家を取材してきた政治評論家の野上忠興氏はこう語る。

「総理大臣の娘として育った洋子さんには、ある種の独特な雰囲気があり、まさに『ゴッドマザー』と言える存在でした。夫の晋太郎さんの選挙応援に入ると、洋子さん目当てで多くの有権者が集まってくる。地元・山口県では特別な存在でした。晋三さんはそうした母の姿を見て育ち、ある意味、畏敬の念を抱いていたと言えます。政治家として育ててくれたのも洋子さんでした。だから、大人になってからも頭が上がらなかったのでしょう」

 岸は戦後、A級戦犯容疑者として獄中生活を送った後、政界復帰からわずか4年で総理にまで上り詰めた。新憲法の制定直後から憲法改正を主張。日米安保条約の改定に固執し、国民の猛反発を受け、改憲の志半ばに内閣退陣に追い込まれた。

 そんな昭和史の「光」と「闇」に深く関わり、「昭和の妖怪」と呼ばれた父の背中を見守り続けた洋子さんに、息子の安倍が大きな影響を受けたことは想像に難くない。安倍の改憲タカ派思考の原点は母であり、祖父でもあるということだ。

 日本でも名だたる政治一家が、戦後政治に何をもたらしたのか。安倍家三代を支えたゴッドマザーがついに鬼籍に入ったのを機に、その検証が必要である。

改憲へのこだわりは母を見返すため

 極めて異常なのは、旧態依然とした権力の世襲だ。安倍のみならず、実弟である信夫も地盤を長男・信千世衆院議員に引き継がせている。世襲は今や「当然の慣習」として自民党内でまかり通り、安倍・岸両家とは縁戚関係にある麻生副総裁もまたしかり。祖父は吉田茂元首相、さらにルーツをさかのぼれば「維新の三傑」と称される大久保利通までたどり着く。究極の世襲政治家である。

 近世と呼ばれる時代じゃあるまいし、世襲だらけの日本では政治一家出身でなければ国会議員になれない空気すら漂う。ホンの一握りの「特権階級」が、その地位を連綿と子孫に継承し、権力の私物化を生み出したのである。

 今なお自民党が「結党以来の党是」に掲げる改憲への執念も完全に歪み切っている。特に安倍にとっての改憲は、祖父が成し得なかった「悲願」だった。現行の平和憲法を米国からの「押し付け」と捉え、「戦後レジームからの脱却」として改憲を訴えていたが、「家訓」を守っていたのに過ぎないのではないか。

「祖父が果たせなかった改憲について、晋三さんが『実現する』と言っていたのは確かです。しかし、こだわった本当の理由は、畏敬の念を抱く母親の実父が成し得なかった改憲を実現させることで、母を見返してやりたいとの思いがあったからでしょう。洋子さんは地元回りが忙しく、晋三さんの身の回りの世話をする機会が少なかった。そのため、晋三さんは『母の愛情を受けられなかった』と思い詰めていました。母を振り向かせるため、改憲に固執していたのではないかとも思えてきます」(野上忠興氏=前出)

 そんな幼稚で薄っぺらな動機による改憲を実現させるため、安倍は権力維持に固執してきたとも言えよう。

権力を極めることで昭和からの闇にフタ

 2014年には、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定により支持率が下落。すると突然、「アベノミクス解散」と意味不明な理由で解散総選挙に打って出た。野党の準備不足もあり、自民が過半数を維持すると、翌15年には安保法制の強行採決に突き進んだ。

 さらに、17年にはモリカケ問題で「権力の私物化」の猛批判を招き、政権が大炎上する中、突如、北朝鮮の脅威をあおり立て「国難突破」を大義に再び解散に踏み切った。新党を率いた小池都知事の「排除」発言による敵失で勝利し、またしても「信を得た」とばかりに、モリカケ問題を吹き飛ばし、その後もやりたい放題を繰り返した。

「だまし討ち」のような私物化解散で「安倍1強」時代を構築。世論の反発を無視して特定秘密保護法、安保法制、共謀罪法をまとめ、7年8カ月にも及んだ歴代最長政権下で、日本を米国と一緒に「戦争できる国」へと変容させてしまった。

 それもこれも「ゴッドマザー」がわが子に託した「昭和の妖怪」の遺志が背後に横たわっていたのか。安倍のルーツや生い立ちをたどるルポルタージュ「安倍三代」の著者で、ジャーナリストの青木理氏はこう言った。

「晋三氏の学生時代の恩師や会社員時代の上司に取材しましたが、彼の口から政治的発言を聞いたことのある人は一人もいませんでした。ごく平凡なおぼっちゃまで、名門政治一家に生まれなければ政治家になることもなかったでしょう。しかし、そんな凡人が三代世襲の“サラブレッド”として政界の階段を駆け上がり、歴代最長政権を築くに至った。岸信介の孫というブランドに加え、彼なりの嗅覚もあったのでしょうが、まさに世襲政治の弊害を象徴するような人物です」

志なきボンボンの下に集まった劣悪な提灯持ち

 安倍の横死後、祖父の代から脈々と受け継がれてきた統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との蜜月関係や、最大派閥に成長した安倍派の政治資金パーティー裏金問題が、釜のフタが開いたように噴き出したのは歴史の必然ではないのか。

 安倍本人がフタに過ぎず、権力の頂点を極めることで、日本政治の闇と負の遺産を覆い隠す役割を全うしたのかもしれない。

「志なきボンボンの下に劣悪な提灯持ちばかりが集まり、なにをやっても許されるとばかりに自民党全体のモラルは崩壊、ここにきて裏金事件として噴出した。この約20年間、権力の中枢を握り続けてきた清和会(安倍派)の裏金づくりが最も大規模かつ悪質なのは決して偶然ではありません。権力は腐敗する、絶対的な権力は絶対に腐敗するという、古くからの警句どおりということです」(青木理氏=前出)

 今こそ、三代にわたって岸とその子孫が残した日本政治の負の遺産を総括すべきだ。キングメーカー然として政権中枢に居座る麻生をはじめ、「俺様特権意識」が染みついた政治屋の一掃が必要である。

 しかし、岸田首相にそんな荒業ができるはずもない。岸田自身が3代目の世襲政治家であり、長男に跡目を継がせようともくろんでいる張本人。そもそも、首相就任以降、「アベ政治」のデタラメ手法を引き継いで、総理の座にしがみついているような人物である。

 今の岸田自民党に日本政治史の負の遺産との決別など期待するだけムダ。これ以上、こんな連中に政権を任せていたら、この国は沈みゆく舟だ。結局、有権者ひとりひとりの一票で腐敗政治に怒りの鉄槌を下すしか、歴史を総括する手だてはない。アベ政治を生み落とした「ゴッドマザー」の死をきっかけに、国民も目を覚ますべきだ。

http://www.asyura2.com/24/senkyo293/msg/304.html

   

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