裏金疑惑は底ナシ、特捜部は塩谷立座長を“突破口”に大物議員狙い…安倍派幹部は戦々恐々
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2023/12/27 日刊ゲンダイ
いったんはキックバックを認めた(安倍派の塩谷立座長)/(C)日刊ゲンダイ
特捜はどこまで切り込むのか──。
自民党の安倍派が政治資金パーティー収入を裏金化していた事件で、東京地検特捜部が24日までに安倍派幹部4人に任意で事情聴取していたことがわかった。収支報告書の不記載・虚偽記載の時効にかからない2019年9月から21年10月まで安倍派の事務総長を務めた松野前官房長官と、現事務総長の高木前国対委員長、それに世耕前参院幹事長と塩谷座長の4人だ。
安倍派では5年間で5億円超の裏金がつくられた疑いがある。安倍派事務所の強制捜査に続き、幹部の任意聴取と、捜査は進展している。地検特捜部はどこまで捜査を拡大させるつもりなのか。大物の立件を視野に入れているのか。
「特捜は裏金づくりの実務を行っていた、事務方の会計責任者を立件する方針は固めています。ただ、大山鳴動して事務職員の立件だけというわけにはいかないでしょう。立件が難しいとされる幹部の共謀を立証したい。どうしても欲しいのが事情を熟知する幹部の証言です。捜査の突破口は塩谷座長ではないか、とも囁かれています」(司法関係者)
特捜は塩谷氏を任意捜査の対象外にした可能性
大物の立件も視野に?(家宅捜索のため、清和会〈安倍派〉事務所に入る東京地検特捜部の係官ら=19日)/(C)日刊ゲンダイ
塩谷座長は18年1月まで約5年間、事務総長を務めた。塩谷座長以降の下村、松野、西村の3氏は1〜2年だから、異例の長さだ。誰よりも裏金づくりの事情を知っているはずである。ただし、塩谷座長の在任期間は時効が成立しているため、事務総長としての刑事責任が問われることはない。
5年間にキックバックされた金額も、事情聴取された松野、高木、世耕の3氏側が1000万円超なのに対し、塩谷座長側は数百万円とされ、立件の対象外とみられる。
特捜は塩谷座長自身の立件ではなく、詳細を知る幹部の証言を得るため、あえて、塩谷座長を任意捜査の対象にした可能性もある。
安倍派幹部は塩谷座長が任意聴取の対象になったことに警戒を強めているという。
「塩谷さんは先月、キックバックの有無を記者団から問われ、『そういう話はあった』とあっさり答えてしまいました。5時間後、『事実確認をしていなかった』と撤回はしましたが、脇が甘いというか、ウソをつけない塩谷さんらしいと思いましたよ。それだけに、特捜から、傍証を次々と突きつけられ、しつこく追及されたら、キックバックの全容を認めてしまうのではないかと、非常に心配です」(自民党関係者)
塩谷座長が自身に刑事責任が及ばないと考え、知っていることを正直に供述することもあり得る。他の幹部は戦々恐々なのではないか。
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