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2023年12月26日01時15分 〜
記事 [政治・選挙・NHK292] 露呈した人事とカネと派閥の正体 笑うに笑えない 自見万博相とドン・二階の内ゲバ(日刊ゲンダイ)

※2023年12月25日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大


※紙面抜粋


※2023年12月25日 日刊ゲンダイ2面

※文字起こし


二階派強制捜査を受けて慌てて離脱の自見はなこ地方再生相(左)に二階俊博会長は「怒髪天」/(C)日刊ゲンダイ

 自民党の最大派閥・安倍派などが政治資金パーティー収入を裏金化していた事件は悪質性はもとより、醜悪さも際立ってきた。

 東京地検特捜部が政治資金規正法違反(不記載・虚偽記載)の疑いで安倍派と二階派の事務所を強制捜査したことを受け、慌てて派閥離脱を表明した自見万博担当相に二階会長は「恩知らず」とカンカンらしいが、これぞ、お笑い自民党派閥政治の正体を浮き彫りにしている。

 特捜部がガサ入れしたのは、臨時国会閉会から6日後の19日。派閥の実務を取り仕切る事務総長経験者の松野官房長官や西村経産相、鈴木総務相、宮下農相ら安倍派の政務三役10人が更迭された5日後だった。

 この流れで、検事総長に指揮権を持つ法相が渦中の派閥メンバーであることへの批判が噴出し、小泉法相が20日に二階派を退会。二階と2日間にわたって面会して了承を得たという。中野法務政務官も「大臣と行動を共にさせていただく」と二階派を抜けた。派閥離脱の波に乗り、「ワタクシも」と続こうとしたのが自見だった。

 22日に退会届を提出し、記者を集めて「先ほど、二階会長にもしっかりお話もできておりますので、(受理の)プロセスは先方がどのような事務的手続きを取るかまでは存じておりませんが、受け取っていただいたものと認識しております」と発表。

 その後の大臣会見でも、「幹部の先生方にしかるべくご相談をし、私なりの退会したいという旨を丁寧にお伝え致しました。私の判断を本当にありがたいことに、尊重していただけたというふうに思ってございます」などと、品良くカタをつけようとしたが、そうは問屋が卸さなかった。

 事務総長を務める武田元総務相がすぐさま、「自見大臣の派閥退会届は受理しておりません。派閥幹部への相談もありません」とコメントを発表。メンツを潰された格好の領袖は怒髪天をついたらしい。

大臣になりたいワン

 朝日新聞(23日付朝刊)によると、自見の派閥離脱の意向が報じられると、二階は「大臣になりたい時は『ワンワン』と言っておいて。礼儀を知らない」と周囲に言い放ったという。わずか4文字で自見の行状を言い表すとは、さすが老練家だ。

 自見は日本医師連盟の組織内候補として2016年の参院選(全国比例)で初当選。日本医師会の中川俊男前会長の仲介で20年に二階派入りした。当選2回で初入閣したのは「女性枠」でゲタを履かせてもらったのに加え、「与党の大阪・関西万博推進本部長、超党派議連会長を務める二階さんの顔を立てるため」(二階派関係者)とも言われるが、岸田首相の後ろ盾の麻生副総裁の推しもあったという。

「自見さんが育ったのは福岡県北九州市で、13年に政界引退した父親の自見庄三郎元郵政相の地盤。その関係で福岡で幅を利かせる麻生副総裁とは縁があり、目をかけられている。麻生派入りを視野に入れているのでしょう」(与党関係者)

 要は、二階派からの足抜けする頃合いを見計らっていたのだ。

 もっとも、自見自身も「政治とカネ」の疑惑を抱えている。舞台は資金管理団体「ひまわり会」だ。二階派の政治資金パーティーの「会費」として政治資金規正法の上限150万円を超える金額を支出したなどの疑いが浮上。裏金疑獄の端緒をつくった神戸学院大教授の上脇博之氏が、規正法違反の疑いで会計責任者らに対する告発状を東京地検に送付している。

「ひまわり会」は賃料収入や寄付の不記載で政治資金収支報告書を訂正しているほか、父親が代表を務める政治団体「庄政会」に対し、16年に500万円、21年に400万円、22年に450万円を寄付。政治団体同士の寄付名目での資金移動は非課税になる抜け穴をつき、“仕送り”を続けている疑いもある。ついでに言えば、コロナ禍に厚労政務官として対応にあたったダイヤモンド・プリンセス号をめぐる醜聞も消えない。

機能不全に陥り「刺し合い」始まる

 笑うに笑えない“不倫”セスとドンの内ゲバ。犬も食わない泥仕合で派閥の人事とカネの汚さを一層露呈させている。

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。

「旧田中派の『一致団結、箱弁当』の系譜を継ぐ二階会長からすれば、郵政民営化に反対して自民党を飛び出した父親の復党がかなわなかった経緯も知るだけに、さまざま温情をかけてきたのでしょう。『数は力』の論理から言えば、どんな理由にせよ、一挙に何人も出て行くのは受け入れがたい。一方、二階派の力で守ってもらった自覚が自見大臣に少なからずあれば、こうはこじれなかった。

 とはいえ、平たく言えばどっちもどっち。政権中枢から追い出された安倍派幹部が『もう岸田政権が潰れようが、倒れようがどうでもいい』と言っているようですが、安倍派にも二階派にも言えることは、派閥が瓦解しつつある一番の要因は岸田政権ではない。派閥内のカネの運用に問題があったからです。とりわけ機能不全に陥った安倍派では遠からず、刺し合いが始まるでしょう。自民党がかつて下野に追い込まれた時とは異なる崩壊の序章が始まっている印象です」

 裏金事件に対し、一貫して他人事のように振る舞う岸田は「派閥均衡」で重用してきた安倍派をパージすると、第2派閥会長の麻生にますますベッタリ。人事構想をまず相談し、ほぼ意向通りに動き、19閣僚のうち麻生派は1人増えて単独トップに。萩生田前政調会長の後任に就いた無派閥の渡海元文科相は、麻生派の甘利前幹事長の推薦だという。岸田が「派閥どうこうではない」と言っていたのが余計にうすら寒い。

死票生む選挙改革を

 リクルート事件を受けて1989年に党議決定した「政治改革大綱」の精神に立ち返るべきとの声も上がるが、馬耳東風。「派閥解消の第一歩」として、党幹部や閣僚の在任中は派閥を離脱することなどを盛り込んでいるのだが、この期に及んでも派閥単位でしかモノが考えられない岸田にしてみれば、目を背けたくなる代物だろう。

 政治評論家の本澤二郎氏はこう言った。

「派閥の悪しき本質を覆い隠すために岸田首相や自民党は『政策集団』なんてカッコつけていますが、どう偽っても実態は利権漁りの集団です。親分が権力を握るほど、子分にはカネとポストが振る舞われる。自民党というのは、利権のにおいに敏感でなければ出世できない情けない世界なのです。

 ポストを手にしてカネを儲け、箔を付けたら、さらに上の箔付けを狙う。与党にマトモな政治家がいなくなったのは、大政党あるいは組織政党に極めて有利な小選挙区制が導入された影響が大きい。トンデモない人物でも党本部の公認を得ればバッジをつけられ、かたや大量の死票を生み出してしまう。

 ザル法と揶揄される政治資金規正法を改正し、厳罰化するのは当たり前。選挙制度改革まで進まなければ、国民は腐敗した自民党政治の食い物にされ続ける。かつての中選挙区制は派閥の力が強くなる弊害はあったものの、候補者は政党ではなく人物で評価され、無所属でも勝ち抜ける環境だったのです」

 キックバックのカネとポストで浅ましい無能政治家を操り、国政を腐らせた派閥政治。そんな派閥の支えがなければ、立ち行かない岸田政権の口だけ改革の欺瞞にはもう誰もだまされない。

関連記事
裏金問題で自見大臣が派閥退会届、二階俊博会長が激怒!《派閥という名のヤクザ組織》とSNS震撼(日刊ゲンダイ)
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記事 [政治・選挙・NHK292] 甘利明・前幹事長が安倍派一掃人事で暗躍か…自民「裏金事件」で復権のブラックジョーク(日刊ゲンダイ)

甘利明・前幹事長が安倍派一掃人事で暗躍か…自民「裏金事件」で復権のブラックジョーク
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/333881
2023/12/26 日刊ゲンダイ


まるでブラックジョーク…(甘利明前幹事長)/(C)日刊ゲンダイ

 自民党の派閥パーティー裏金事件で東京地検特捜部の捜査を受けている安倍派が一掃されたが、新たな人事で意外な人物が注目を集めている。

 22日に来年度予算案が閣議決定されたのに合わせ、萩生田前政調会長と高木前国対委員長が辞任。後任として、ともに無派閥の渡海紀三朗政調会長、浜田靖一国対委員長という人事が総務会で了承された。既定路線だった浜田氏はともかく、事前にまったく名前が挙がっていなかった渡海氏が要職に就いたことには驚きの声が上がっている。

「党内では、政調会長代行の田村憲久さんが昇格するとみられていた。派閥政治に厳しい目が向けられているタイミングなので、無派閥議員の中から選んだのでしょうが、それにしても、長く要職と縁遠かった渡海さんが党4役に抜擢されたことは予想外でした」(自民党中堅議員)

 渡海氏自身も驚いたそうで、岸田首相から電話で打診された当初は「ちょっと待ってください」と保留したという。

 1986年初当選の渡海氏は当選10回を重ねるベテランだが、2007年に福田康夫内閣で文科相を務めたのが最初で最後の入閣で、党内でも地味な存在だ。18年と20年の総裁選では初当選同期の石破元幹事長の推薦人に名を連ねた。

 そんな渡海氏を政調会長に抜擢したのは、甘利前幹事長のプッシュがあったからだという。渡海氏は、甘利氏が11年に結成した派閥横断型グループ「さいこう日本」のメンバーなのだ。

利権を一手に…「甘利さんの実権はすごい」


甘利前幹事長といえば裏金疑惑だが…「政治とカネ」再燃で現職幹事長として初めて落選(2021年落選会見の同氏)/(C)JMPA

 甘利氏の暗躍は、安倍派一掃で交代した4閣僚の人選にも透けて見える。後任に選ばれた斎藤健経産相と坂本哲志農相も、別名「甘利グループ」の「さいこう日本」メンバーだ。すっかり表舞台から姿を消したように見える甘利氏が、裏では復権を遂げつつあるのか。

「党内での甘利さんの実権はすごいですよ。党税調幹部や、経済安全保障推進本部長などを務めて大企業への影響力を手中にしている。衆院議長に就任した額賀さんの後を受けて、10年ぶりに交代した自動車議連の新会長になって新たな利権ポストも得た。総理が安倍派排除で麻生副総裁への依存を強めている以上、麻生派に所属する甘利さんの影響力は増す一方でしょう」(麻生派関係者)

 だが、甘利氏といえば裏金疑惑だ。大臣室で現ナマを受け取って特命担当相を辞任し、睡眠障害を理由に国会から逃げていた過去を国民は忘れていない。

 21年の岸田政権発足で幹事長に抜擢されたが、「政治とカネ」問題が再燃し、直後の総選挙では自民党の現職幹事長として初めて小選挙区で敗北。そういう輩が裏金事件を機に復権なんて、悪い冗談としか思えない。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/735.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 自民・安倍派裏金問題で萩生田光一氏も聴取 残る西村康稔氏も要請へカウントダウンか(日刊ゲンダイ)

自民・安倍派裏金問題で萩生田光一氏も聴取 残る西村康稔氏も要請へカウントダウンか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/333936
2023/12/26 日刊ゲンダイ


安倍派の萩生田光一前政調会長も(C)日刊ゲンダイ

 自民党安倍派の裏金問題で、東京地検特捜部は同派中枢幹部の萩生田前党政調会長にも任意で事情聴取したことが分かった。26日の朝日新聞が報じた。

 すでに松野前官房長官ら4人の幹部が任意の事情聴取を受けたことが判明しており、特捜部は残る幹部の西村前経産相にも聴取を要請するものとみられる。西村氏は2022年に安倍派が安倍元首相の提案で政治パーティーを悪用した裏金づくりをいったん廃止した際の同派事務総長。裏金づくりのスキームの不適正さを認識したとみられる。

 特捜部は同派幹部と政治資金収支報告書を作成した会計責任者の共謀の有無を判断するために聴取を行っているもよう。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/736.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 自民裏金事件を海外メディアも報道…岸田政権が世界に恥さらし「国賓訪米」が消滅危機(日刊ゲンダイ)

自民裏金事件を海外メディアも報道…岸田政権が世界に恥さらし「国賓訪米」が消滅危機
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/333935
2023/12/26 日刊ゲンダイ


“やっぱり来なくていい”と言われたらどうする…(日米首脳会談)/(C)ロイター

 政権を揺るがす裏金事件が、ついに海外に“飛び火”してしまった。

 英BBC電子版が23日、自民党の裏金事件について報道し、日本のSNSで話題になっている。

 BBCは〈日本政治を揺るがす裏金疑惑 岸田政権はどうなるのか〉との見出しを掲げ、自民党議員が派閥のパーティー収入を裏金化していたスキームを詳細に報道。裏金事件のみならず、〈自らの息子が首相官邸をパーティーに利用していたことが問題視されるなどした〉と、岸田首相にまつわるスキャンダルにまで触れている。

 事件の影響については〈減税から外交問題、さらには首相の主要政策である防衛強化に至るまで、政府の方針が変わる可能性がある〉と評価している。

 これに、日本のX(旧ツイッター)では〈海外にもついに情報が流れ出した〉〈日本の議員が取り上げられ世界の恥となってる〉〈世界の信用失墜するニッポンの恥さらし〉といった声が続出している状況だ。

 今後、海外メディアの報道が続けば、岸田自民は全世界に恥部をさらすことになりかねない。国際的な信用を失う恐れすらある。となると、「外交の岸田」も形無しだ。特に、岸田首相が最も頼りにしているアメリカのバイデン大統領にソデにされる可能性がある。

訪米後の“花道”論も立ち消えか


退陣シナリオも台無しか…(バイデン米大統領に肩を抱かれながら歩く岸田首相=右)/(C)ロイター

「総理は11月に訪米し、サンフランシスコで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に出席。日米首脳会談でバイデン大統領から公式訪問の招待を受けました。時期は来春で、国賓待遇となる予定です。危険水域に落ち込む内閣支持率を反転させたい総理は、この国賓訪米を政権浮揚の材料にしたいと考えている。一方、自民党内では、訪米と米議会での演説を“花道”にした退陣シナリオも囁かれている。しかし、裏金事件にまみれる総理に、バイデン大統領が会おうとするか、微妙な状況になっているのです」(官邸事情通)

 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)が言う。

「来秋に大統領選を控えたバイデン大統領が岸田首相を国賓として招く狙いは、アメリカにとって有利な条件を日本から引き出し、選挙で実績としてアピールすることでしょう。政治力を失い、いつ代わるか分からない日本の総理大臣と突っ込んだ話ができるのか。バイデン大統領は積極的に会いたいとは思わないでしょう」

 “フミオ、もう来なくていいよ”と言われたら、岸田首相は立ち往生必至だ。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/737.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 共産・小池氏「法律守らない人が『変えろ』と言う資格あるのか」(朝日新聞デジタル)
共産・小池氏「法律守らない人が『変えろ』と言う資格あるのか」(朝日新聞デジタル)
2023年12月26日 18時33分

https://www.asahi.com/articles/ASRDV5V6CRDVUTFK00N.html?iref=pc_politics_top

 (政治改革を議論する新組織を年明けに自民党内に立ち上げる考えを岸田文雄首相が示したことについて)ずれまくった対応だ。法律を守らなかった人たちが、「法律を変えろ」と言い出す資格があるのか。法律を守らなかったのであればまず、なぜ守らなかったのか、どういったことになったのかを明らかにして罰を受けるということが必要ではないか。
 組織を立ち上げると言っているが、自民党の中につくるわけで、キックバックをしていた人たちが組織を立ち上げても(実態の)解明なんてできるわけがない。
http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/738.html
記事 [政治・選挙・NHK292] 元財務省・佐川氏をかばい続ける絶望的な司法 「上級国民」なら故意の犯罪も許されるのか 古賀茂明(AERA dot.)
https://dot.asahi.com/articles/-/209854?page=1



この不条理は何だ。

それを解く鍵、キーワードは「上級国民」。


古賀氏が喝破する。

こんなことで終わりにして良いのか。

赤木氏が死に追いやられたのは、佐川氏始め財務官僚らの責任だが、それがどういう経緯で行われたのかという事実関係は全くわからないままだ。

この訴訟において、佐川氏の尋問が行われる段階になると、国は突然争う姿勢を翻し、全面的に負けを認めて事件の真相究明に入らないまま敗訴(1億700万円の支払い)という道を選んだ。

このままでは、佐川氏は、公文書改ざんという罪を犯して一人の善良かつ優秀な公務員を死に追いやっておきながら、退職金もほとんど満額受け取り、刑法上もお咎めなし、民事責任も問われないということになる。しかも、国は、1億円余の損害を受けているのに、佐川氏にこれを一円たりとも求償請求していない。その負担を国民に押し付けているのだ。

こんなことで終わりにして良いのか。

しかも、佐川氏は、これまで一度も公の場で、公文書改ざんを主導し赤木さんを死に追いやったことについて謝罪もせず、説明もしていない。

こんなことが許されて良いはずがない。

「公務員」だから、罪を犯しても特別に法律によって守られているのだ。

どう考えてもおかしいだろう。

繰り返して言おう。

「公務員」だから、罪を犯しても特別に法律によって守られている。

どう考えてもおかしいだろう。

と、古賀氏は怒る。


そして、私も同じ怒りに、少ないながらも、怒髪天を衝きそうになりながら、これを書いている。

彼らが必死で守ろうとしているのは、

「「公務員」だから、罪を犯しても特別に法律によって守られる」という、そのシステムなのだろう。


こんな不条理は政権交代でしか正せないのか・・・。



以下は記事の抜粋だが、長いので、思いっきり削って引用する。

本文を上記URLで一読されたい。

怒り心頭に達すること請け合いです。
(なので、夫婦げんか中の人は読まない方が・・・)



■また日本の司法に絶望する人が増えそうだ。

「森友学園」への国有地売却に関連し、安倍晋三元首相の夫人・昭恵氏の名前などが書かれた決裁文書が財務省の官僚によって改ざんされた。国有地の管理を所管する財務省理財局の当時の局長だった佐川宣寿氏が、その立場を利用して改ざんを指示した疑いが濃厚だ。・・・

・・・時の首相を守るために、よりによって、国有地売却の決裁文書という非常に重要な公文書を「故意」に改ざんするよう部下に指示し、それが組織ぐるみで実行されたという・・・。しかも、その結果、改ざんに涙ながらに反対した赤木氏を死に追いやるという重大な結果をもたらした。これほどまでの悪質な犯罪行為に対して、国民が強い憤りを感じたのは極めて自然なことだ。・・・

 だが、・・・佐川氏を含めこれに深く関わった財務省関係者は、公文書改ざんの罪で罰せられると思ったが、結局誰一人起訴されないまま闇の中に葬られてしまった。

 また、これほどの犯罪行為を故意に行った場合、人事院の懲戒のルールでは懲戒免職になるはずだが、財務省は佐川氏に普通に辞職を認めた後、「停職3カ月相当」という「なんちゃって処分」で終わらせた。懲戒免職であれば、退職金はゼロになるが、・・・4500万円近くの大金が佐川氏に支払われた。

 こんなことで終わりにして良いのか。・・・

■国は敗訴という卑怯なやり方を選んだ。

赤木氏が死に追いやられたのは、どう考えても佐川氏始め財務官僚らの責任だが、それがどういう経緯で行われたのかという事実関係は全くわからないままだ。財務省の説明では、赤木氏は、反対はしたものの、結局改ざんの中心的役割を果たし、それを苦にして精神を病み、それが原因で自殺したというようなストーリーになっている。・・・

 ・・・その赤木氏がどのような経緯で改ざんを強制されたのかは依然として闇の中・・・。「真相の解明は、本来は国の責任だが、それが果たされないなら、・・・雅子さんは、止むに止まれず、国と佐川氏の双方を相手取って損害賠償責任を問う訴訟を起こした。

 その後、この訴訟において、佐川氏の尋問が行われる段階になると、国は突然争う姿勢を翻し、全面的に負けを認めて事件の真相究明に入らないまま敗訴(1億700万円の支払い)という道を選んだ。・・・

 そこで残ったのが本件佐川氏への損害賠償請求訴訟である。

 だが、佐川氏への損害賠償請求には、国への請求とは違って高いハードルがある。

 それは、公務員が職務上他人に損害を与えた場合は、その賠償責任は国または公共団体が負うこととされており(国家賠償法第1条第1項)、公務員個人は故意・重過失の場合に国または公共団体から求償されることはあっても(同法同条第2項)、直接被害者に対して責任を負うことはない(最高裁の判例)というルールがあるからだ。

 このルールを何も考えず単純に当てはめると、国が1億円余りの求償権を行使して佐川氏に支払いを求めることはあり得ても、雅子さんの佐川氏への直接の請求は認められないということになってしまう。

■佐川氏からは謝罪なし

・・・1審の大阪地裁の判決は、・・・真相を闇に葬りたいという国の意向を汲んで、その審理の過程で佐川氏への尋問などは全く行わないまま判決を出した。・・・

 ・・・その判決が維持されれば、佐川氏は、公文書改ざんという罪を犯して一人の善良かつ優秀な公務員を死に追いやっておきながら、公務員法上はほんのかすり傷程度の処分で退職金もほとんど満額受け取り、刑法上もお咎めなし、民事責任も問われないということになる。しかも、国は、1億円余の損害を受けているのに、佐川氏にこれを一円たりとも求償請求していない。その負担を国民に押し付けているのだ。

 そして、佐川氏は、これまで一度も公の場で、公文書改ざんを主導し赤木さんを死に追いやったことについて謝罪もせず、説明もしていない。

 こんなことが許されて良いはずがない。

 だが、今回の控訴審では、大阪高裁が1審の判決をそのまま維持し、雅子さん側の敗訴となった。なんと残酷な判決だろう。・・・

 
■「公務員」は犯罪を犯しても守られているのか?

 ・・・今回の判決は、違法行為をした公務員個人には、直接の損害賠償請求はできなくても、「懲戒処分や刑事処分などで」制裁が加えられるはずだと述べたが、それが全く実現していないことへの言及はなかった。

 また、国から佐川氏への求償権の行使もなされていない。

 つまり、本来法律が想定した公務員への制裁は空振りになっているのだ。

 ここでよく考えてみよう。

 仮に、会社に雇われた運転手が職務中に事故を起こして人を死なせてしまった場合、その遺族は、会社に対して損害賠償を請求することもできるが、運転手個人にも同様の請求ができる。それは運転手に故意や重大な過失がなくても認められる。

 ところが、今回の判決をそのまま放置すれば、完全な故意によって犯罪行為を指示し、公文書改ざんをさせた上に、それによって一人の人間を死に追いやった公務員は、なんのお咎めもなしで、謝罪すらしなくても良いということになる。

「公務員」だから、罪を犯しても特別に法律によって守られているのだ。

 繰り返して言おう。

「一般市民は、悪意なく単なる過失で損害を与えたら、被害者側に直接損害賠償責任を負うのに対して、公務員だけは、悪意を持って罪を犯しても損害賠償しなくて良い」というのが裁判所の考えなのだ。

 どう考えてもおかしいだろう。・・・

■真相究明は自民党政権が倒れたあと

高裁の判決は、公務員個人への損害賠償を認めれば、公務員が萎縮してしまうと言ったが、判決により、犯罪行為を行うことについて公務員が萎縮することになるのなら、むしろ望ましいことだ。

 裁判長は、この判決が「公務員は、罪を犯しても法律で守られているので心配ないですよ」というメッセージを出して犯罪を助長していることを全く理解していない。極めて愚かな判断だ。


 法律や最高裁の判例を形式的に当てはめると結論が著しく不公正なものになる場合には、そのような結論に至らない解釈論を考えるのが「国民に寄り添う」裁判官である。

 今回の裁判長は残念ながら、そこまでの知恵と勇気を持っていなかった。・・・
 
・・・雅子さんは話してくれた。・・・「自民党以外の人が財務大臣になったら、全てを調査し直して、本当のことを明らかにしてもらえるのではないかと考えることもあります」と。

 ・・・裏金疑惑で絶体絶命のピンチにある自民党政権が倒れて政権交代が起きれば、雅子さんの夢が叶うかもしれない。

 私は、心の底からそうなることを祈っている。


記事の引用はここまで。


私も、心の底からそうなることを祈っている。

そして、

「「公務員」だから、罪を犯しても特別に法律によって守られているのだ。」

そう言う古賀氏の言葉を反芻してみた。

しかし、何かが足りない。

少し前に、若い自衛隊員が射撃訓練中に上官と同僚を殺傷するという事件を思い出した。

自衛隊員は特別公務員ということになる。

その特別公務員たる自衛隊員の持つ銃器の銃口が、国民に向けられることを否定できなくなる、由々しき事件だ。

当然のように、当の自衛官は、殺人罪で裁かれようとしている。

しかし、記事にもあるように、

公務員が職務上他人に損害を与えた場合は、その賠償責任は国または公共団体が負うこととされており(国家賠償法第1条第1項)、公務員個人は故意・重過失の場合に国または公共団体から求償されることはあっても(同法同条第2項)、直接被害者に対して責任を負うことはない(最高裁の判例)というルールがあるからだ。

このルールを何も考えず単純に当てはめると、・・・どうなってしまうのだろうか。

人の命が失われているところは同じだ。

「「公務員」だから、罪を犯しても特別に法律によって守られているのだ。」

何かが足りない。

その疑問を解くキーワードは「上級国民」。

・・・腑に落ちた。













http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/739.html
記事 [政治・選挙・NHK292] 消費税減税が総選挙最大争点(植草一秀の『知られざる真実』)
消費税減税が総選挙最大争点
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2023/12/post-24b4a5.html
2023年12月25日 植草一秀の『知られざる真実』

野田佳彦氏が「世襲が諸悪の根源」だと主張し、待望論に「ひと肌もふた肌も脱ぐ」とするTBS記事が掲載されている。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/912392

政治資金規正法の抜け穴の指摘はその通り。

21条の2の2項が政治家個人への政党・政党支部からの寄附を認めてしまっており、これが抜け穴になっている。

企業・団体から政党・政党支部への献金は規制されず、その政党・政党支部から個人への寄附が許される。

政党から政治家個人に億円単位の寄附が行われ、その資金の使途が一切明らかにされない。

制度を悪用しているのは自民党だけでない。

国民民主党も維新も同じ。

21条の2の2項を削除する法改正を直ちに実施するべきだ。

また、弁護士の郷原信郎氏が提案する、国会議員の政治活動に関連する政治資金の「財布」全体を総括する「国会議員政治資金総括収支報告書」の作成提出を義務付ける制度を導入することが必要不可欠だ。

まずは、この法改正を断行すべきだ。

岸田首相が自民党内に検討する機関を設置する方針を示したが、政治家が自分たちで制度を刷新することは不可能。

政治家自身が法律を制定したからザル法が作られてきたのである。

政治家ではなく、主権者である市民が主導して法改正を検討しなければ、実効性のある対応策が示されるわけがない。

さらに踏み込んで、企業団体献金の全面禁止を決定するべきだ。

政党交付金を導入したのは企業団体献金を全面禁止することとの交換条件であったはずだ。

2009年に民主党代表の小沢一郎氏に対する人物破壊工作が展開された際、小沢氏が返す刀で企業団体献金の全面禁止を提案した。

2009年9月に政権を樹立した民主党は、これを実現すべきだったが、岡田克也氏などが強硬に反対して、民主党が企業団体献金全面禁止を闇に葬った経緯がある。

野田氏はTBS記事で、もし野田氏待望論が湧きあがったらどうするのかについて、

「ひと肌もふた肌も脱ぎますよ。

じゃないと死んでも死に切れませんから…、もう1回政権交代にリアリティが出てくるようにしなければやってる意味がないです」

と発言したと報じられている。

政治資金規正法改正は必要不可欠だが、それにかこつけて野田氏待望論などという悪い冗談を記事にするのはやめてくれ、と主権者国民が怒り心頭に発している。

2009年9月の民主党基軸の政権樹立という金字塔を木っ端微塵に破壊した首魁が野田佳彦氏である。

過去15年間の日本政治史を振り返ったとき、最大最悪の政治決定は消費税大増税だ。

これを決定し、これを実行した。

そのために日本経済は凋落し、国民経済は崩壊した。

このことを脇に置いて待望論などとは笑止千万だ。

2009年8月の総選挙の際に、消費税増税反対を誰よりも大きな声で叫んだのが野田佳彦氏だ。

7月の麻生太郎内閣不信任決議案の賛成討論で官僚天下り=シロアリ問題を絶叫した。

8月総選挙では「シロアリを退治しないで消費税を増税していいのか」と絶叫した。

鳩山民主党は消費税増税を封印した。

その公約で国民の信託を得て政権を樹立した。

「シロアリを退治しないで消費税を上げない」

これが民主党政権の公約だった。

鳩山首相は普天間の県外・国外移設方針を示して米国に対峙した。

天下り根絶で官僚機構に対峙した。

企業団体献金全面禁止で大資本と対峙した。

日本政治を支配してきた米・官・業と正面から全面戦争を仕掛けた。

それゆえに既得権益勢力から総攻撃を受けて政権が破壊されたのだが、鳩山内閣を破壊した主犯は民主党内に潜伏していた。

政権を強奪した菅直人氏は政権発足から10日目の2010年6月17日に消費税率を10%に引き上げる参院選公約を提示。

参院選で民主党を大敗させた。

菅直人氏は直ちに引責辞任するべきだったが総理の座にしがみつき、この路線を引き継いだ野田佳彦氏が消費税大増税法を強行制定した。

これで民主党に対する信頼は失墜。

その後の安倍政治の8年で日本は完全崩壊した。

消費税問題の総括を経ずに野田待望論などを論じるのは笑止千万と言うほかない。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/740.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 安倍派とともに消えゆく安倍元首相が主導した「5大国策プロジェクト」 二極化・格差社会の真相(日刊ゲンダイ)

安倍派とともに消えゆく安倍元首相が主導した「5大国策プロジェクト」 二極化・格差社会の真相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/333954
2023/12/26 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし


懐メロ的な発想しかないのか(1970年の大阪万博でアメリカ館に展示された「月の石」)/(C)共同通信社

 2025年開幕予定の大阪・関西万博に、「月の石」を再展示するプランが浮上している由。アポロ12号が持ち帰り、1970年大阪万博のアメリカ館で展示されて、当時の観客に長蛇の列をつくらしめた、アレだ。

 対中国の覇権争いに躍起の米国は、自国の優位を誇示できれば何でもいい。片や目玉不足で不人気の万博に、せめて懐メロ好きな客だけでも増やしたい日本側、の様相か。

 いよいよもって万事休す。半世紀以上も経って何の進歩もない証拠が「月の石」である。

 それでなくても今回の万博は破綻寸前だ。とめどなく膨れ上がる予算、まともな仕事では開幕に間に合いっこない会場建設、それでも開催する必然性がまったく見えない、根源的な大問題……。

 無駄ガネを負担するのは国か大阪府か、どのみち血税だ。しょせんは日本維新の会の利権イベントに、骨身を削った労働の対価を召し上げられなければならぬいわれなどあり得ない。異常なバカバカしさだけがまかり通っている。

 それにしても、だ。故・安倍晋三元首相が主導した5大国策イベントが、もはや雪崩を打って瓦解していく体ではないか。

 明治150年記念式典はまるで注目されなかった。コロナ禍で強行された東京五輪が、強権発動の口実ないし汚職の舞台にしかなり得なかった事実は醜悪すぎた。

 そして大阪・関西万博だ。東海道新幹線との共食いで赤字必至のリニア中央新幹線建設は人々の生活と環境を確実に破壊する。本番はこれからだ。

 高度経済成長の時代に華々しい成功をうたわれた国策イベント群の“夢よもう一度”の成れの果て。いかにも安倍氏らしい、自らをその化身と信じた国家をやたら大きく見せたがる自己愛の発露は、現代の日本が半世紀前の再現することさえできなくなっている実態を、白日の下にさらしただけで終わるのである。

 安倍派には司直の手も入った。今度こそオシマイなのだから、この際、安倍政権最大の負の遺産である軍事大国化の悪夢にもケリをつけよう。冬季五輪の札幌招致断念が多くの国民に喜ばれている現実を想起されたい。

 5大国策イベントの“成功”が演出されていた場合、米国の一部としての新・大日本帝国の誕生が世界に示唆されかねない危険があった。祖国がイキがったチンピラのような末路をたどらされる運命だけは許せない。

 ナルシシスト権力者の自慰で放たれた体液を練り固めたような社会など、もう真っ平だ。


斎藤貴男 ジャーナリスト

1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/741.html

記事 [政治・選挙・NHK292] この異常事態に謝罪もなし説明もなし 「政治に遅滞が許されない」ならすぐ辞めろ(日刊ゲンダイ)

※2023年12月26日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大


※紙面抜粋


※2023年12月26日 日刊ゲンダイ2面

※文字起こし


前代未聞のこの異常事態に謝罪もなし説明もなし(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ

 自民党の最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していたとされる事件で、東京地検特捜部が安倍派幹部の松野前官房長官、高木前党国対委員長、世耕前党参院幹事長、塩谷元文科相から任意で事情聴取したと報じられた。

 任意とはいえ、ついこの間まで政権中枢にいた複数の国会議員が当局の聴取を受けるのは異常事態だ。しかも、捜査対象は組織ぐるみの裏金疑惑である。

 立憲民主党の長妻政調会長は「前代未聞ではないか。自民党政治を終わらせていかないと、日本の政治は展望が開けない」と記者団の取材に話し、「まずは首相ができるかぎり国民に謝罪すると同時に、説明をすべきだ」と岸田首相の対応を批判。国民民主党の玉木代表は「異常かつ深刻な事態だ。裏金の使途も含めて徹底的に明らかにしなければ、国民の信頼は回復しない」とのコメントを発表した。

 肝心の岸田はというと、相変わらずノホホンとして他人事みたいな言動を繰り返している。

 25日夕方、麻生副総裁、茂木幹事長ら党幹部と裏金問題への対応を協議した岸田は、その後、官邸でのぶら下がり取材に応じ、「年明け、できるだけ早い時期に党の信頼回復のための組織を立ち上げる」と表明。

 しかし、どういう組織で何をするつもりなのかについては、「さまざまな議論を積み重ねていきたい」と具体策ゼロだった。安倍派幹部が事情聴取を受けたことについても「捜査について私の立場から申し上げることは控える」と、何も語ろうとしなかった。

 裏金事件が発覚して以来、岸田はよく「党としても強い危機感を持って、国民の信頼回復に努めなければならない」とか言うのだが、真っ先に党総裁としての謝罪ではなく「危機感」という言葉が出てくるあたりが岸田らしい。この問題でさらに内閣支持率が下がり、自分が首相を続けられなくなったらマズイ。そういう危機感なのだろう。

パー券購入の経団連には謝罪

「安倍派の裏金問題は自分には関係ないと距離を置き、責任を取らされないように距離を置くように見える岸田首相の対応には、党内からも不満の声が上がっています。この問題が浮上した臨時国会の期間内にリーダーシップを発揮して緊急の検証委員会を立ち上げることだってできたのに、年明けまで何もしないなんて、首相は認識が甘いのではないか。安倍派にかぎらず、多くの国会議員は年末年始に地元の有権者に自民党としての姿勢をどう説明すればいいのか困惑している。捜査の推移を見守るだけの岸田首相からは、国民の政治不信を何とかしなければならないという覚悟も苦悩も感じられません」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏) 

 もっとも、岸田もたまには神妙な面持ちでおわびをすることがある。25日昼間、経団連の会合に出席した際は、こう挨拶していた。

「国民の皆さまから疑念を持たれる事態を招いていること、これは大変遺憾なことであり、心からおわびを申し上げます」

「国民の信頼あっての政治の安定であり、政治の安定あっての政策の推進だと、改めて肝に銘じて対応していきたい」

 一般国民に対しては説明も謝罪もしようとしない岸田だが、自民党に巨額の献金をし、パーティー券を大量に購入してくれる経団連の会員たちには「心からおわび」をするのである。

 パー券問題で下手打って迷惑をかけて申し訳ない。企業献金あっての自民党政治だから今後もよろしくね。献金してくれれば政策的な見返りがあるから。持ちつ持たれつの自民党政権が続かないと皆さんだって困るでしょう──意訳すれば、こんなところだ。

「政治改革大網」を率先して無視してきた岸田首相

 この経団連の会合で、岸田はバブル崩壊後の日本経済について「失われた30年」ではなく、「移りゆく30年」という見方を取っていると説明。「移りゆく30年の出口から日本がしっかりと抜け、来年には新たなステージの入り口のドアを開けられるように、政府として政策を総動員していく」と話した。

 だが、この30年、何も変わっていないのが自民党の金権体質であり、それが国を停滞させてきた要因ではないのか。移ろってすらいない。

 リクルート事件を契機に、1989年に自民党が取りまとめた「政治改革大綱」には、こう書かれている。

<いま、国民の政治不信、および自民党批判の中心にあるものは、@政治家個々人の倫理性の欠如A多額の政治資金とその不透明さB不合理な議員定数および選挙制度Cわかりにくく非能率的な国会審議D派閥偏重など硬直した党運営などである>

<なかでも、政治と金の問題は政治不信の最大の元凶である>

 令和の時代になっても、裏金、政治家の倫理、企業献金、派閥の問題は何ひとつ解決も進歩もしていないことが分かる。

 そもそも、この「政治改革大綱」では、<総裁、副総裁、幹事長、総務会長、政務調査会長、参議院議員会長、閣僚は、在任中派閥を離脱する>とうたわれているのだが、率先して派閥会長にとどまっていたのが岸田だ。副総裁、幹事長も派閥会長のままで、三頭政治とか言って麻生派、茂木派、岸田派のトップが毎週ひざを突き合わせて政権運営方針を決めてきた。派閥政治を完全復活させたのが岸田政権なのである。

30年前より劣化している自民党

「派閥の論理で権力の頂点に上りつめた岸田首相には派閥を解消する意思などさらさらないし、自分たちに都合のいい政治資金規正法も維持したいでしょうから、法改正に踏み込めるかも分からない。リクルート事件の際には自民党の若手議員が政治改革を訴えて執行部を突き上げ、その後も自民党を飛び出して新党を結成する動きがあったものですが、そんなエネルギーもない今の自民党は30年前より劣化している。『新たなステージ』どころの話ではなく、完全に機能不全に陥っています。いったん下野して解党的出直しをはかる以外に党再生の道はありません」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 安全性に関する試験の大規模不正が発覚したダイハツなど、企業の不正が横行しているのも、自民党の金権政治と無縁ではない。

 自民党に巨額の献金をしたり、パー券を大量購入した業界は、補助金や税制で優遇される。そういう癒着関係が企業側にも驕りや甘え、増長を生む。大企業が公共事業や税金中抜き、円安誘導で安易に稼ぐことに頼るようになり、技術革新も生まれず世界市場から取り残されてしまった。

「30年間に及ぶ日本経済の停滞は、ほとんどの期間を担ってきた自民党政治の責任です。政治が将来像を示せないから、民間企業も迷走し、税制優遇など目先の利益にとらわれてパー券を必死で買うことが続いている。嵐が過ぎ去るのをただ待っているような“岸田丸”という船は沈没するしかない。国民には新しい船が必要です」(山田厚俊氏=前出)

 求心力を失った岸田政権下で編成され、22日に閣議決定された来年度予算案もひどいものだ。

 裏金問題でガタガタで財源問題も党内でロクに議論できないまま、一般会計総額は2年連続で110兆円を超え、財源の3割以上を新規の国債発行に頼る借金財政が続く。

 岸田は何かあるたびに「国政の遅滞を生じないため」とか言うのだが、自分が首相に居座っていることが政治の停滞を生んでいるという自覚はないのか。このままズルズル岸田政権が続いても、時間が空費されるだけだ。

 裏金問題にしても、自民党政権ではウヤムヤに蓋をされるだけ。政権交代してメスを入れないかぎり、膿を出し切ることはできないだろう。

 岸田が日本のためにできることは、今すぐ辞めて野党に政権を差し出すことだけだ。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/742.html

   

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