岸田首相が“死んだふり解散”画策か 森元首相の放言「党内をあっと言わせる」が聞き流せないワケ
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2023/11/27 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
まだ分かりませんよ?(森元首相)/(C)日刊ゲンダイ
元首相の言いたい放題で注目を集めている北國新聞の連載コラム「総理が語る」。26日掲載分が最終回らしいが、また森喜朗元首相が好き勝手な放言をぶちまけている。
内閣支持率が20%台の危険水域となった岸田首相を全面擁護し、このタイミングで勉強会を発足させた高市経済安保相に苦言。“わが派”と呼ぶ安倍派には「今こそ岸田さんをしっかり支えるべき」と説く。いつまでも“キングメーカー”気取りには辟易するのだが、永田町をザワつかせているのが、コラムのラスト部分の次のくだりだ。
〈年内の衆院解散は見送りという報道が出ましたが、まだ分かりませんよ。岸田さん本人は何も言ってませんからね。党内をあっと言わせるために、解散に持ち込む可能性はまだありますよ〉
既定路線となった「解散見送り」は、「政権幹部」の話として一斉に報じられたのがきっかけだった。確かに、岸田首相本人は「先送りできない課題に一つ一つ取り組む」と毎度の発言しかしていない。岸田首相の意向というより“後見役”の麻生副総裁らによる「解散封じ」が実態なのだろう。
今月7日に岸田首相が自民党本部に出向き、元宿事務総長、森山総務会長と相次ぎ面会した際、「2人は主戦論を唱えた」(自民ベテラン)との情報もある。
加えて、公明党は年末解散に向け着々と準備を進めてきた。支持母体である創価学会の池田大作名誉会長の死去を受けた「弔い選挙」に与党の勝機を求めるなら、総選挙は早い方がいい。
身内も欺く都合のいい最後のカード
岸田首相の起死回生の一手は“解散総選挙”だが…(C)日刊ゲンダイ
「かつて『死んだふり解散』というのがありましたよね」と言うのは、ジャーナリストの鈴木哲夫氏だ。「死んだふり解散」は、1986年に当時の中曽根首相が与野党もメディアも欺き、“不意打ち”で断行した総選挙で、衆参同日選となったこともあり自民は圧勝した。
「岸田首相の起死回生の一手は、解散総選挙しかありません。解散は岸田首相にとって都合のいい最後のカード。選挙となれば、自民党内の『反岸田』の面々も自民党のために戦う。その結果、勝利すれば、皮肉にも岸田首相を信任してしまうことになるのです。年内だろうが年明けだろうが、岸田首相は解散のチャンスを常に探っていると思います」(鈴木哲夫氏)
世論からトコトン嫌われた「増税メガネ」首相は、来秋の自民党総裁選前に引きずり降ろされるというのが大方の見方だ。どうせ辞めさせられるならと、岸田首相がイチかバチかで「死んだふり解散」に踏み切ってもおかしくないわけだ。
それに、解散総選挙は不祥事のリセットにも好都合。自民党全体が火だるまの派閥パーティーをめぐる「政治とカネ」問題も、解散で雲散霧消させられると考えているのではないか。安倍元首相が2017年に行った「国難突破解散」は、「森友・加計学園疑惑隠し」と言われたものだ。
解散権乱用の極みだが、だったら有権者は受けて立って鉄槌を下すしかない。
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