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2023年11月12日02時40分 〜
記事 [政治・選挙・NHK292] 不倫、選挙違反、税滞納…動物園のようになってきた岸田「増税メガネ」内閣(日刊ゲンダイ)

※2023年11月11日 日刊ゲンダイ2面 紙面クリック拡大


※紙面抜粋

不倫、選挙違反、税滞納…動物園のようになってきた岸田「増税メガネ」内閣
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/331889
2023/11/11 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし


解散できない(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ

 この内閣のガバナンスはどうなっているのか。タガが外れているとしか言いようがない。

 不倫パパ活疑惑を報じられた山田太郎参院議員が10月26日に文科政務官を辞任したと思ったら、31日には公選法違反の疑いで柿沢未途衆院議員が法務副大臣を辞任。こんどは神田憲次財務副大臣が税金を滞納して資産の差し押さえを受けていたと、今週の「週刊文春」が報じた。

 この問題は国会でも取り上げられ、神田は9日の参院財政金融委員会で、2013年から22年にかけて自身が代表取締役を務める会社の固定資産税を滞納し、4回も差し押さえを受けていたことを認めた。

 12年初当選の神田は、いわゆる“安倍チルドレン”。かつては「魔の2回生」と呼ばれ、4回生になった今でも「魔」に変わりはない。滞納期間は国会議員になってからの時期と重なる。しかも、神田は20年以上も税理士として活動していた“税のプロ”だから悪質だ。

 税を滞納しても、いきなり差し押さえを受けるわけではない。それまでには督促状が来るし、普通は無理してでも支払う。4回も差し押さえされるなんてよほどのことだ。

 この問題は10日の衆院内閣委員会でも追及されたが、神田は「精査中」と繰り返すばかり。4回の差し押さえ以外にも滞納や督促はあったのか質問されても「精査中」で、「ない」と言い切れないあたり、常習犯と言っていい。

 そういう人物が、税を納めてもらう側の財務省の副大臣に座っている。これがブラックジョークでなくて何なのか。

「この問題は、ただのスキャンダルではありません。税金滞納で何度も差し押さえされた財務副大臣、法律違反を犯す法務副大臣、道徳に反する文科政務官。それぞれ所管する役職に最もふさわしくない人物が就いていたわけです。岸田首相はいつも人事は適材適所と言いますが、どう考えても“不適材不適所”でしょう。泥棒に金庫番をさせるようなものです」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 どいつもこいつも、政治家以前に社会人としてどうなのかという低レベルだが、こんなロクデナシたちが議員バッジをつけて威張っている岸田内閣は、まるで吉本新喜劇を見ているようだ。そして、こんな政務三役の給料を上げる法案が今月中に成立しそうなのだから、納税者としては怒り、呆れるほかない。

政務三役の給与アップ法案が成立の見通し

 岸田首相と閣僚、副大臣、政務官の政務三役の給与を増額する国家公務員特別職の給与法改正案が10日の衆院内閣委で自民、公明、国民民主の3党の賛成多数で可決された。立憲民主党は首相らの給与を据え置く修正案を提出したが、否決された。14日にも衆院を通過し、参院に送付される見通しだ。岸田の年収は約46万円、ほかの閣僚は約32万円アップすることになる。

 物価高の影響もあり、実質賃金は18カ月連続で下がり続けている。国民生活の厳しさをどこまで分かっているのか。経団連の十倉会長が出席した6日の経済財政諮問会議で、岸田は「私が先頭に立って賃上げを働きかけていく」と言っていたが、真っ先に自分の給与を上げてどうする。

「政府側は増額分を国庫に返納する方針を強調していますが、だったら最初から政務三役は除外するなどの対応をすればよかった。国民の反発に慌てて返納と言い出すようでは、まったく世論が読めていません。この内閣は、すべてが状況任せで場当たりなのです。税金滞納の常態化が発覚した神田副大臣の問題にしても、不適格が明らかになった時点で岸田首相はすぐに更迭すべきだった。本人の説明に任せて様子見をしているのでしょうが、ズルズル決断できずにいたら、神田副大臣が居座っている間は野党だってこの問題を追及せざるを得ない。他にも議論すべきことはあるのに、決断できない岸田首相が国会審議を妨げることになります」(五十嵐仁氏=前出)

 内閣支持率が20%台に落ち込んでいる現状で、立て続けに政務三役の辞任が3人目となればダメージは大きい。岸田の任命責任も問われ、さらなる支持率低下は避けられない。それで神田のクビを切る判断ができないのだろうが、岸田の事なかれ主義には、自民党内からも疑問の声が上がっている。

「官邸はこれ以上の辞任は避けたいと考えていて、神田副大臣の件は『法に触れるわけではない』とかばっているようだが、世論は納得しないでしょう。負担増や納税をお願いする立場の財務副大臣が税金滞納でおとがめなしでは示しがつかない。ただでさえ、総理は『増税メガネ』と呼ばれ、インボイス導入もあって有権者の税に対する意識は高まっています。臨時国会が終わるまで持ちこたえられるわけがない。どうせ辞めるなら、早くして欲しいというのが本音です」(自民党中堅議員)

 国会審議で自らの進退について問われた神田は、9日までは「引き続き職務に全うしたい」と言っていたが、10日は「私が判断することは控えたい」とトーンダウン。いずれ辞任は避けられないだろうが、今さら辞めさせたところで、岸田はまた「後手後手」と批判されるだけだろう。

 昨年の臨時国会でも閣僚の辞任ドミノが続いたが、問題が発覚した当初は「本人が説明責任を果たす」とか言って他人事のような態度を取り続け、世論に抗しきれなくなってようやく辞任させるのが岸田流だった。そういう姿勢が支持率下落を招いたことを忘れたのだろうか。

自業自得のスキャンダルは今後も続く可能性

「今国会でも政務三役の辞任ドミノが続けば、低迷する支持率がさらに下がりかねない。政権運営はますます厳しくなります。このタイミングで『年内解散見送り』の報道も出てきましたが、もはや岸田首相には解散を打つ力がないということです。おそらく、この先も支持率の上がり目はない。旧統一教会への解散命令請求も、減税策も支持率アップにつながらなかったのは、岸田首相が来年の自民党総裁選で再選を決めることしか考えていないことが国民に見透かされてしまったからです。再選のための解散戦略であり、そのための支持率アップ目当てで場当たりを続けている。国民の方を見ないで、自分のことしか考えていない首相が支持を得られるはずがありません」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)

 政務三役の不祥事は今後も何が飛び出すか分からない。数日前から、東京地検特捜部が自民党の大物議員を狙っているという真偽不明の情報も流れている。政権に力があれば暴かれなかったスキャンダルが、弱体化した途端に明るみに出ることもある。

 来年の総裁選における岸田の再選戦略は、総裁選前に解散・総選挙に打って出て勝利するか、他に誰も立候補しない無投票再選だった。9月の内閣改造ではライバル候補を閣内に留め置くなど、再選に向けた万全の人事に心を砕いたが、その姑息と慢心に足をすくわれたとも言える。各派閥から支持を得るために、ろくに身辺調査もせず政務三役に派閥推薦を受け入れた。その結果、問題が続出し、岸田は窮地に追い込まれている。自業自得だ。

「総裁再選どころか、自民党内では来年の通常国会で3月に予算案が成立したら総辞職という見立てまで流れ始めています。来年9月の総裁選まで岸田政権が続けば、自民党が持たないというのです。ただ、“ポスト岸田”に衆目の一致する人材はいない。自民党の崩壊が始まっているのかもしれません」(山田厚俊氏=前出)

 このまま行けば、追い込まれ解散で政権を失った麻生内閣か、解散権を封じられて総裁選出馬を断念した菅内閣の二の舞いになりそうだが、なにしろ税金滞納常習者が財務副大臣という常軌を逸した内閣だ。理性も統制も利かない動物園のようになってきた内閣には、前代未聞の喜劇的崩壊の予感しかない。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/365.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 目を覆うばかりの米国ダブスタ(植草一秀の『知られざる真実』)
目を覆うばかりの米国ダブスタ
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2023/11/post-9983b6.html
2023年11月11日 植草一秀の『知られざる真実』

一部の人々は以前から明確に認識しているが、多くの人が気付いていないこと。

米国のダブルスタンダード。

「力による現状変更」を悪であると認定し、ロシアを非難する。

ロシアは「力による現状変更」を実行しているわけではない。

ウクライナの東部地域は住民の圧倒的多数がロシア系住民。

ロシア語を話し、ロシア聖教徒であり、ロシア人である。

2014年に暴力革命政権が樹立されてロシア系住民支配地域に対する大弾圧が実行された。

人権侵害、虐殺行為が展開された。

ロシアはウクライナ東部のロシア系住民の安全確保のために行動した。

東部2共和国が独立を宣言。

ロシアは2共和国を国家として承認し、2共和国の要請を受けてウクライナ系住民の生命と人権を守るための軍事作戦を展開した。

ロシアはウクライナ戦乱について、このような説明を示している。

そもそも、アメリカ合衆国が「力による現状変更」なのではないか。

アメリカ大陸には先住民が居住していた。

このアメリカ大陸に侵略し、先住民を排除してアメリカ合衆国を創設したのではないのか。

米国は米国創設の歴史的経緯を振り返るべきだ。

パレスチナの地にはアラブ人が居住していた。

その地にイスラエルが1947年、新たに国を創設した。

パレスチナの地の53%をイスラエルが奪い、新しい国を創設した。

これを「力による現状変更」と呼ばずして何と表現できるのか。

そのイスラエルのアミハイ・エリヤフ遺産相がパレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム主義組織ハマスとの戦闘に関して

「核兵器使用が選択肢の一つだ」

と発言した。

核拡散防止条約(NPT)は戦勝5ヵ国(P5=国連安保理常任理事国)である米・英・仏・露・中の核兵器保有を認め、これ以外の国の核兵器保有を禁止する条約。

不平等条約の典型でもある。

この条約を米国は批准している。

P5以外の国が核兵器を保有することを許さない。

このことから、米国はイラン、イラク、北朝鮮などに対して激しい行動を示してきた。

イスラエルはNPTに加盟していない。

そして、イスラエルはすでに核兵器を保有していると見られている。

しかし、核兵器を保有していることを明言してはいない。

イスラエルの核武装疑惑があるなら、米国はイスラエルに対して核放棄を求めなければならない。

ところが、米国はイスラエルの核武装疑惑を問題にしない。

イスラエルが核兵器を保有していることは「公然の秘密」と化している。

ウクライナの民間施設が軍事攻撃を受けたことを米国メディアは繰り返し映像で配信した。

10月7日、パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム主義組織ハマスが前例のない対イスラエル軍事攻撃を実行した。

これに対してイスラエルがハマスに対して宣戦を布告し、パレスチナに対する軍事攻撃を行っている。

この軍事攻撃において、パレスチナ自治区の文民施設が攻撃対象とされている。

ウクライナの文民施設が攻撃を受けたことについて、米国を中心とするメディアは、「戦争犯罪行為」であると激しく非難し続けてきた。

同じロジックで考えるなら、現在のイスラエルの対パレスチナ攻撃は、ほぼ全面的な「戦争犯罪行為」である。

しかし、米国を中心とするメディアはイスラエルの戦争犯罪を激しく糾弾していない。

しかし、世界中で、事実を知る、イスラエルの暴挙を許さないとする人々が立ち上がり、抗議活動を拡大している。

しかし、日本の大手メディアは、このことを大きく取り扱わない。

すべてがダブルスタンダードなのだ。

これを「米国の横暴」と呼ぶ。

問題は、その「横暴な米国」に対して何もモノを言えない日本。

「価値観外交」を叫ぶ岸田文雄首相はいまこそ「人権」、「民主主義」、「法の支配」を掲げて米国のダブルスタンダードを声高に非難するべきだ。

それができないなら、今後は「価値観外交」などという言葉を用いるべきでない。

11月20日午後3時からの院内緊急集会
減税・給付 財政政策を考察する!院内緊急集会
  −−−森永卓郎さんご講演−−−
場 所:衆議院第一議員会館 第4会議室
主 催:ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)
https://x.gd/GVZe7
参加ご希望の方は下記アドレスへ氏名を明記の上、お申し込み下さい。
e-mail:info@alljapan25.com
定員に達し次第、受付を終了させていただきます。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/366.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 白旗なのか? 植田日銀総裁があっさり非を認める前代未聞、今後政策が変わる可能性は(日刊ゲンダイ)

白旗なのか? 植田日銀総裁があっさり非を認める前代未聞、今後政策が変わる可能性は
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/331770
2023/11/09 日刊ゲンダイ


それでものんき、物価高に苦しむ国民の悲鳴を分かっていない(日銀の植田和男総裁)/(C)日刊ゲンダイ

「あのプライドが高い日銀が」──と、驚いた金融関係者も多いのではないか。

「物価見通しに誤りあった」

 日本銀行の植田和男総裁が8日、日銀が物価上昇率見通しの“上方修正”をくり返していることについて、「見通しに誤りがあったことは認めざるを得ない」と、自分たちの間違いを認めたのだ。国会で立憲民主党の議員から物価高への責任を問われ、あっさり非を認めた。

 実際、3カ月に1度、「展望リポート」を公表している日銀は、物価見通しを誤りつづけている。今年1月、2023年度の物価上昇率の見通しを1.6%としていたのに、7月と10月に上方修正し、2.8%にしている。「見通し」を間違えれば「対策」を間違うため、当然「結果」も悪くなる。庶民を苦しめている物価高は、その結果だ。

 しかし、日銀総裁が誤りを認めるのは異例のことだ。

 植田総裁は、急激に進む円安についても、日銀が実施している金融緩和の「副作用」だと認めた。

「物価の見通しを外しつづけていることへの批判が強く、さすがに抗弁できなかったのでしょう。学者出身だけに、あからさまな嘘はつけなかったのだと思う。さすがに、学者として事実は曲げられないのでしょう。ただ、全面的に白旗はあげていません。物価高には、@輸入物価の高騰と、A賃金と物価の好循環の2つがあるとし、見誤ったのは、輸入物価についてであり、大規模な金融緩和策の継続に『大きな誤りはなかった』と説明をしています。物価高に苦しむ庶民には、原因がなんだろうと関係ない、ということが分かっていない。それに輸入物価の高騰の原因は、日銀による金融緩和にあるはずです」(経済評論家・斎藤満氏)

 この先、間違いを認めた日銀の政策は変わっていくのだろうか。どうにも期待薄なのは、植田総裁が「足元の物価高が家計や企業に大きな負担を強いていることは重々承知している」としながら、「長くつづくとは思わない」とのんきに答弁していることだ。庶民が苦しんでいることを承知し ながら、物価高でも困らない「上級国民」のような答弁なのだ。

「恐らく植田総裁は、『企業は儲かっている、企業が賃上げすれば物価高をカバーできるはず』と期待しているのでしょう。しかし、はたして実質賃金がプラスになるほど企業が賃上げするかどうか疑問です」(斎藤満氏)

 庶民の暮らしを教える者はいないのか。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/367.html

記事 [政治・選挙・NHK292] タモリさんの予言した流行語 「新しい戦前」を「戦中」にしてはいけない ラサール石井 東憤西笑(日刊ゲンダイ)
※補足 2023年11月4日 東京新聞 こちら特報部 各紙面クリック拡大




<タモリさんの予言した流行語 「新しい戦前」を「戦中」にしてはいけない ラサール石井 東憤西笑
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/331751
2023/11/09 日刊ゲンダイ


ノンフィクション作家の澤地久枝さん(C)日刊ゲンダイ

 今年も流行語大賞のノミネートが発表された。

 並み居る流行語の中に、ひっそりとたたずむ「新しい戦前」を見つけた。ご存じタモリさんが徹子の部屋で発した言葉、去年の暮れに「来年はどんな年になるかしら」と問われた答え。はやっては廃れる流行語の仲間に加えるにはもったいない、今の時代を映した普遍の表現だ。

 あれから1年、まさにタモリさんの予言通り、時代はますます「新しい戦前」の様相を呈している。ウクライナ、そしてガザでは市民を巻き込む悲惨な戦闘が行われ、日本の政治家は、次は台湾有事で血を流す覚悟をしろと訴える。

 マイナンバーカードにはあらゆるものが紐付けされる。それは戦前に医療や建設など特定の労働者を把握する目的の「職業能力申告手帳」が作られ、戦争に備えて必要な人材を必要な時に連れて行ける「国民徴用令」が施行され、さらに拡大して「国民労務手帳」となったのに酷似している。「徴兵制」につながる流れだ。

 東京新聞に今年93歳で、毎月3日に国会前に立ち続けるノンフィクション作家、澤地久枝さんの記事が出た。

 澤地さんは終戦当時、満州で14歳。ゴリゴリの軍国少女だったが、ソ連軍の侵攻で関東軍は住民を置いて逃げてしまい、ソ連兵にレイプされかけるなどしながら命からがら帰国。それから自分を反省し、一貫して反戦を訴えてきた。大江健三郎氏らと始めた「九条の会」も今は澤地さんだけになった。2015年から毎月3日には雨の日も風の日も、要介護4の体をおして国会前に立ち続ける。

 澤地さんには、「戦死という『異形の死』を日本に繰り返させてはならない」という強い願いがある。「戦死はほかの死とは違う。権力者の命令に従って戦場へ送り込まれ、自分では何も選べないまま殺されてしまうの」と言う。

 ミッドウェー海戦での日米の全戦没者3418人の細かい資料を調べ上げた。アメリカの遺族も積極的に協力してくれた。夫をミッドウェー海戦で亡くし、遺児の息子をベトナム戦争で亡くした女性がいた。

「これこそが日米の戦後の違いですよ。戦後の日本に戦死者がいないのは、憲法9条があって、再び戦争をさせない歯止めになってきたからです」

 日本でもアメリカでも「お国のために戦死してよかった、と言った遺族は一人もいなかったもの。戦死しては駄目なんです」

 今はイスラエルの侵攻にも反対する。国会前には毎月3日に200人ほどの人が集まる。英国、フランス、ドイツ、インドネシアでは、街を埋め尽くすほどの人々がデモをしているのに。日本人には「お上には逆らえねえ」根性が染み付いているのか。澤地さんに若者たちが続かねば。いざ「戦前」が「戦中」になってしまってからではもう手遅れだ。


ラサール石井 タレント

1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。




http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/368.html
記事 [政治・選挙・NHK292] 泉房穂さんの発言、ゲンダイ読者なら誰をあてこすっているかわかるよね? 室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」(日刊ゲンダイ)

<泉房穂さんの発言、ゲンダイ読者なら誰をあてこすっているかわかるよね? 室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/331804
2023/11/10 日刊ゲンダイ


兵庫県明石市前市長の泉房穂氏(C)日刊ゲンダイ

『国民が望んでいるのは、“お詫び”ではなく“国民負担を増やさない”ことだ』(泉房穂・兵庫県明石市前市長)

 これは11月2日の泉さんのXでの言葉。この後にはこうつづく。

『当初予算の範囲内で実施するのが、本来のあるべき姿。「中止や縮小開催」を政治決断すればいいだけのことだ。国民が生活に大変な状況で、国民に負担を押し付けるのは、政治家のやる仕事じゃない。』

 正しい! なぜこれを大手メディアがはっきりいわないのだ。泉房穂LOVE!

 この発言、ゲンダイ読者なら、誰をあてこすっているかわかるよね? 大阪府知事の吉村さん。

 大阪万博を強行しようとしている吉村さんが万博誘致時に1250億円といっていた会場建設費は、1850億円に、そして2350億円に膨らんだことに対し、府庁で会見をし、

「2回目の増額となったことを府民、国民にお詫びする」

 と語った。

 それにすぐ反応したのが、泉さん。『政治家が“お詫び”をするということは、“責任”を取るということだ』『“お詫びをするフリ”だけして、開き直って、“国民に負担を転嫁”するのは、政治家のすることじゃない』とし、冒頭の発言だ。

 一部、利権屋がやっきになっているけど、夢洲に万博もカジノもいらんのだわ。万博はいってるほど儲からなそうだし(前出した数字以外にも警備費などががっぽがっぽと加算されていく)、カジノだってもう古いビジネスモデルといわれている。治安も悪くなりそうだしさ。

 そんなに金があるなら、これからの人の育成や、今、困窮している人たちにまわせよ。

 てか、そんなに万博とカジノをやりたいんだったら、維新でクラファンでもしてやったらいい。もちろん、夢洲を貸すんだから、日割りで金を払ってな。それなら文句もないし、人のためになるかもね。


室井佑月 作家

1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/369.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 大将失った安倍派の瓦解 長門でも下関でも顕在化 長門市長選では内部分裂 本紙記者座談会(長周新聞)
大将失った安倍派の瓦解 長門でも下関でも顕在化 長門市長選では内部分裂【本紙記者座談会】
https://www.chosyu-journal.jp/yamaguchi/28164
2023年11月12日 長周新聞


前列左から、山口県選出国会議員の林芳正、江島潔、北村経夫(4日、下関市、捕鯨母船日新丸引退セレモニーにて)

 長門市長選の告示が12日に迫っている。安倍晋三代議士亡き後、選挙区内で初の首長選となる同選挙は、現職の江原達也(安倍派)が再選を目指しているのに対して、前市長の大西倉雄(安倍派)や県議の笠本俊也(安倍派)らが擁立した南野佳子(長門市役所出身)が自民党推薦を受けて、辻立ちやミニ集会などを展開している。人口減少が進み、産業の衰退を懸念する有権者は多いが、そうした市民の問題意識を置き去りにして白熱しているのが自民党同士のバトルであり、選挙区のトップに君臨してきた政治家亡き後の混迷を映し出したものになっている。長門や下関で「安倍晋三逝去後」にどのような変化があらわれているのか、その特徴について記者たちで論議した。

               ◇       ◇

  前回の記者座談会の紙面が長門界隈でも随分と読まれていて、とくに自民党関係者が複数部買い求めに来るという特徴があった。陣営に関係なく読まれていたようだ。書かれていることは自分たちのバトルのことなんだが、当事者としても脳味噌が整理されるようで、「わかりやすい」という感想が意外に多かった。「第2弾もやってほしい」という要望が多数寄せられたため、告示ギリギリではあるが近況について座談会という形で論議することにした。


長門市長選の立候補予定者のパンフレット

 まず第一にはっきりしておきたいのは、長門市長選については、江原が勝とうが、南野が勝とうが知ったことではないし、それは長門市民が決めることだ。むしろ興味があるのは、今回の選挙で安倍派vs安倍派という頓珍漢な様相に発展しており、そこに林派が牛耳りつつある自民党山口県連が首を突っ込んだり、傍から見ても「何やってんの?」と思うほど自民党同士が亀裂を深め、はちゃめちゃな選挙をくり広げていることだ。政治構造が変化しつつあるのなら、それがくだらない仲違いや権力争いであってもしっかりウォッチングしておく必要がある。

  選挙が近づくにつれて、なんだか活字にするのがはばかられるような品のないネガティブキャンペーンがくり広げられているし、互いの陣営がヒートアップしている。小さな街でそれをやるものだからたちまち噂の類いは広がるし、嘘かホントかも知ったことではないが、とにかく“品がない”の一言に尽きる。

 現職の江原は市議会の定例会中だが、南野が江原の地元である日置町内も一軒一軒回ったりしている。林芳正と南野の顔写真が入った「時局講演会」のポスターはこの半月ほどで街中に格段に増えた。運動員に対して1人7枚というノルマがあるそうで、「不在者宅にも貼っていた」とか、「黄波戸漁協にまで貼っていた」(江原現市長のお膝元の日置地区)とか、とにかく目立つものだから、これをめぐってもいろいろ悶着があったようだ。黄波戸漁協で問題になったので、漁協関係では会議が開かれて「統括支店は中立」と決めたとか、「でも○○支店は絶対に南野だ」「○○支店は江原に違いない」「どちらかの支援をはっきりさせたら、負けたときには冷や飯を食らうのではないか」などと気を揉んでいる人たちもいる。自民党の支持母体が股裂きみたくなっている。

 現職に比べて知名度で劣る南野陣営にとっては、新たに新3区の代議士になるであろう林芳正の後ろ盾をアピールするためのポスターだが、じつは林芳正の支援者のなかでも「なんで林先生の写真が南野の下なのか」と、このポスターが不人気なのだそうだ。南野支援に回った人たちもそれには頭を悩ませていて、効果のほどは未知数だ。そして、林派としてはあまり前面に出ると江原陣営を支えている自民党支持者たちを敵に回すことになり、いまになって自分の選挙にとって不利になることを心配し始めている有り様だ。今回のような保守分裂の選挙では、上手にすべてを生暖かく丸めて自らの支持基盤として取り込んでいくというのが選挙区の代議士の振る舞いとしては定石だろうが、自民党県連の尻馬に乗ったのか、早々に「南野支持」をうち出してしまい、江原陣営に集う自民党関係者から怨みを買っている。ほんとうにいつも間が悪い。

  前回の座談会(10月13日付)でも話になったが、今回の長門市長選では、長門市役所の教育部長だった南野が8月に市役所を退職して自民党に入党し、それから1カ月もたたないうちに自民党山口県連が現職・江原の推薦願いを蹴って南野の推薦を決めた。江原陣営からすれば、「両方に推薦を出さないならまだしも、自民党歴も浅く、なんの実績もない南野にどうして推薦が出るのか」と思うのは当然だ。

 それだけでも江原支援者の怒りに火をつけたのに、事務所開きに林芳正を筆頭にして県選出の国会議員本人が4人も駆けつけて、「自民党公認候補は南野だ」とやったものだから、火に油を注ぐ結果になった。その後、連合山口も公明党も自民党に右へ倣えで南野推薦を決めたので、組織だけを見れば、与野党すべての組織から支援を受ける南野に対し、自民党安倍派の一部に支えられた江原はなんの後ろ盾もない候補者という体になっている。当たり前に考えると南野が圧勝しなければならない選挙構図なのだが、果たしてそうなるか? なのだ。

  自民党の推薦をめぐっては、地元の自民党支部が推薦候補を決定して山口県連にあげ、県連が決定した――ということになっているが、そのうち三隅支部の党員から「どのような経緯で南野氏への推薦を決めたのか説明してくれ」という要請書が出されて、支部党員の総意とはいえない決定だったことが露呈した。

 この質問状に対して、10月20日付で自民党三隅支部長(元三隅町長)から回答書が出た。それを見ると、「今年4月にあった山口県議会議員選挙で、笠本俊也が自民党公認候補者だったのに、江原が対立候補を擁立して動いたから」という一点にしぼられている。「地元選出の元総理である安倍先生からも、党として、支部として、一丸となって党が決定した『公認』、『推薦』の候補を全面的に支えるよう、重々お話をいただいてきたが、一枚岩になれない市長選、県議選が続いている」「安倍先生の亡き後、国や県と地元を繋ぐにあたり、安倍先生が任せた笠本県議は4期目、その強いパイプ役として地元ではなくてはならない存在。その県議を変えることに動いた反対の立場を取られた方々の行為は、安倍先生が地域のために築いた国、県、党との繋がりをないがしろにする行為だ。これまで安倍先生の下で育てた県議と、しっかりタッグが組める人物を推薦すべきという結論に至った」という内容だった。安倍晋三はもうこの世にはいないのだが、「安倍先生が!」「安倍先生が!」と錦の御旗にしているのに特徴がある。

  南野陣営が「現職は県とのパイプがない」と訴えているのは、要するに笠本と仲が悪いということのようだ。南野支援者や陣営の人たちに話を聞いてみると、市長と県議が同じ方向を向いて、県に対して要望をすることで県の優先度が上がるのに、長門市はそれがうまくいかないから県の優先度が低いのだと話していた。南野自身も「だれもやらないんだったら自分がやるしかない。4年は待てないという思いで立候補した」と訴えている。確かに市民の頭ごしで大きな話が決まるケースが多いという指摘は方々で聞かれる。

 最近でもセンザキッチンの敷地内にアメリカの世界的なホテルチェーン「マリオット・インターナショナル」がホテルを建設する前提で積水ハウスなどが出資する都内の企業と協定を結んだというニュースが流れた。これも関係者は寝耳に水だったそうだ。「江原の政策自体は悪いことではないが、順番がある」というのが南野陣営の主張だ。あと、土木関係は公共事業が減って「仕事がほしい」と切望しているという話もあった。

  安倍派の関係者は、そういった主張について「本当に長門のために自分が県から予算を引っ張ってこれるというなら、笠本がみずから市長選に出て正々堂々とたたかったらいいじゃないか」という声もある。回答書も笠本がかかわったに違いないといっていて、「亡くなった後まで安倍先生の名前を使って品がない」と激怒している人たちもいる。「このままでは安倍さんが成仏できない」とか、安倍代議士の墓に参って「天罰が下れ」とお祈りしている人がいたり、相当感情的になっている。

 結局のところ、「笠本は県議4期目の席は失いたくないから、今回ワンポイントリリーフで南野を立て、次期市長選に自分が出ようと考えているのではないか」という評価がもっぱらだ。江原とそりの合わない笠本と大西が県の退職者など複数人の女性に声をかけまくって断られ、最後に南野が承諾したという話は、事実かどうかは別としてだいぶ広まっている。南野の支援を決めた人たちも「絶対に南野でなければ」というより、「林先生に泥を塗ってはいけない」とか、「笠本に世話になっているから」という感じで、なかなか熱を込めるには難しい選挙になっているようだ。

私怨も絡み合う泥試合 分裂する安倍派

  現職に対する対抗馬擁立は「県議選で江原が自民党を裏切ったから」というのが表向きの理由になっているが、その後ろに前回市長選で江原に引きずり下ろされた大西の恨みがあることも周知の事実になってしまった。しかし大西の評価については、江原陣営に限らず、南野を支援している人や一般市民も含めて「嫌われたから落とされたんだ」ということで落ち着いているように見える。

 長門の外から見ていると、大西と安倍がタッグを組んで星野リゾートを誘致して湯本温泉の再開発を進めたり、センザキッチン(道の駅)をつくったり、プーチン・安倍会談の舞台になったりと、なにかと話題になることが多かった。下関でも前田市長がそれをまねて星野リゾートを誘致したところだが、市民に支持されていたかというと、そうでもないようだ。「湯本なども全部、殿様の後ろ盾があってできたこと。独断専行だった」とか、「女性たちが日常的に使っていた大衆浴場を星野のためにつぶしたから、女性たちがみんな怒ったのだ」とか、「箱物三昧だった」などと語られている。ちなみに星野リゾートは地元から醤油一本買わないのだと語られていた。そういう話を聞くと、下関もそうなるのではないかと思う。

  市議会は「安倍総理の意向だ」ということで押し通し、議員たちはそれに従う関係だったともいわれていた。議員のなかに「大西さんのときはよかった」という声があるところを見ると、大きな権力の下で考えなくてもいいから居心地がよかったのかもしれない。

 一方で同じ安倍派の江原陣営は、「安倍総理に相談もせずに、安倍総理の名前を使っていた」と批判している。前回市長選の期間中に、江原の支援者が「利権が一部の者に集中する市政はおかしい」と発言したことに対して、名誉毀損で訴えて学校給食からも締め出そうとしたエピソードが象徴的だが、「安倍先生」の威を借りて力で抑えるタイプだったようだ。そんな経緯もあるから、南野がなにを訴えても「結局、大西の恨みじゃないか」という話に収斂(しゅうれん)してしまう空気が漂っている。そういう好き嫌いの類いで揉めているのだとしたら、ほんとうにくだらないなぁ…とも思うのだが、人間、どの世界でも合う合わないは当然ある。まあ、同じ日置出身の大西と江原、地元企業のF社とY社の因縁はかなり古くからあるものらしく、今回の長門市長選に連なるもつれ方は複雑なのだと地元の関係者はぼやいていた。

今さら「決断」というが… また揺らぐ?林芳正


下関市内で目立つ林芳正のポスター

  小さな街で「あそこは○○のいとこ」「あの人は実家が林派なのに江原の支援で火になっている」などといわれるほど濃密に入り組んだ地縁血縁のなかで、感情が激しくぶつかりあいながら市長選が展開されている。養子戦略をとった林家も長門市内にけっこう地縁血縁があるそうだが、それらが二分しているところに林芳正が片側に全面的に肩入れしたことで自民党内の対立をヒートアップさせてしまった。

 先程も話になったが、「林芳正としては安倍後援会に鎖をつけ、安倍派を丸ごと飲み込みたかっただけ。そして、地元が擁立したのが南野だった」とその経緯を表現する人たちもいる。事情を聞けば聞くほど、林芳正は新3区の選挙のために乗り込んだものの、地元の事情を読み違えたのではないか? とも思える。その後、「林事務所の秘書は長門に入らないことにしている」という話も出てきた。深入りしたらヤバいという判断が動いているのだろうか。南野との二連ポスターをあれだけ貼っておいて何を今更とも思うが、亀が首だけ引っ込めるみたいなことをしている。

  安倍晋三亡き後、「笠本と平岡(油谷町出身、安倍事務所秘書から下関選出の山口県議に)が真っ先に柳居俊学のパシリになっていた」という話も地元の自民党関係者のなかでされていた。「望ちゃん(平岡)も節操がない」と。そうして、今回の市長選で自民党県連が首を突っ込んで現職パージを動かしているなかで、林芳正としては笠本と柳居のいうことを信じていれば長門地域をまとめられると思っていたのではないか? しかし、現実の矛盾関係はそう単純ではなかったということだ。

 今さら引いたところで、ここまでなると、仮に南野が敗北したときは林芳正の敗北とみなされる関係だし、腹を立てた江原陣営の安倍派のみならず、南野陣営からも中途半端に出てきて最終的に日和って逃げていった林芳正というレッテルを貼られることにもなる。どっちに転んでもドジを踏んでいる格好だ。下手すると「間が悪い男」の象徴みたくなりかねない。南野を支持すると「決断」したくせに、その「決断」が揺らいでいるようにも見える。

 こうなったら腹を括って南野支援に乗り出せば「おっ、林芳正も度胸があるな」という人はいるかもしれないが、どっちも自分の支持基盤に取り込みたい願望にかられて中途半端をした場合、二兎を追う者は一兎をも得ずを地で行くことにもなりかねない。

  長門はもともと中選挙区時代には土木・漁業が林派、農業が安倍派という棲み分けがあったそうだ。地元のドンといわれるK社(元港湾事業者)を中心にした林派にとっては「長門市は安倍に飲み込まれた。やっと林にとり戻せる」という心情もあるそうだ。安倍派の方も、安倍晋三はもういないのだから、次は林芳正にという流れにはなっているところではあったが、そんな最中の今回のバトル勃発で、この市長選が残す禍根は相当に深いものになりそうだ。

 林芳正は最近貼っている新しいポスターに「決断」とか書いているが、万年参議院議員という立場に押し込められて「決断」せずに来たのに、なにが今更決断なのだろうか? と話題にしている人も少なくない。安倍晋三が山上某に射殺されたおかげで転がり込んできた新3区というだけだ。林芳正の決断によって動いた話ではない。はっきりいってしまうと、山上某の「決断」が回り回って林芳正の棚ぼたにつながっただけなのだ。まるで自分が決断したかのように、指を突き立てて「決断」とかポスターでどや顔されても、安倍派が失笑するのは当然だろう。

見苦しい浪人のバトル 市民要求とは無縁

  このなかで、一番オロオロしているのが吉田真次(安倍後継で代議士に成り上がった元下関市議)だともっぱらの話題だ。南野の事務所開きに行くかどうか迷って安倍後援会の御大にも相談したそうだ。でも自民党県連ボスの柳居俊学(県議会議長)の顔色も窺わないといけないから、結局おそるおそる参加したのか、候補者である南野とのツーショット写真は撮らずに帰ったそうだ。

 まあ、南野が当選して林派市長としてポストを掴んだ場合、より林派の地盤固めになるわけで、新3区から追い出された吉田としては居場所もない。既に家亡き子状態なのだ。柳居俊学に睨まれるのも怖いが、江原陣営についている安倍派から恨まれるのも怖い。これまた度胸がないのだろうと話題になっている。

  そんなこんなでヒートアップしているが、それもあくまで自民党内のことだ。一般市民に様子を聞いてみると、「殿様が殺されていなくなり、敵討ちをする相手がいなくなった自民党内の浪人同士の闘いじゃないか」「リーダー不在で国も市も、大将がいなくなって右往左往しているあらわれだ」「自民党の過熱も前市長と現市長が長門市や市民にとってどうかという話じゃなく、気に食う、気に食わないの話にしか見えない」など、冷めて見ている人は多い。「今の時代、女性市長もありだとは思うけどバックが大西さんじゃあね…」という声も多かった。

 現職・江原陣営についても、支援者が「南野さんになったら長門がめちゃくちゃになる」といっているそうで、「現職なんだから新人に胸を貸すくらいの選挙をしてほしい」と話す市民も少なくない。最初にいったように品のない噂も流れていて、自民党と関係のない市民はネガティブキャンペーンには嫌気が差している印象だ。

 選挙結果はどっちに転ぶかわからないが、安倍晋三亡き後の林芳正や自民党県連の思惑、地元のいがみ合いが絡み合って展開されている。要するに自民党が内部崩壊している。一般市民からするとこの連中のいがみ合いなどどうでもよい話で、それよりも選挙を経て長門市はどうなっていくのか、産業振興の課題であったり、衰退著しい郷土をどのように運営していくのか、生活はどうなっていくのか、市政への要求は様々あるだろうに、そうした関心とは別次元で自民党同士がバトルをしている。「夫婦げんかは犬も食わない」とはいうが、まるで何もなかったかのように長門自民党は元さやに収まるのか、はたまた離婚してしまうのかは未知数だ。

どこへ転がる?前田市長 溢れ出す承認欲求


「安倍晋三元総理を偲ぶ日和山の竹あかり」の会場となった日和山公園(4日、下関市)

  ところで、大将を突然失った長門市の自民党も混迷をきわめているが、それは下関も同じだ。先日、安倍晋三の一周忌ということで「安倍晋三元総理を偲ぶ日和山の竹あかり」なるイベントがあったが、これもひどかった。黙ってジッとしていれば可視化されないのに、わざわざ集まって現状を披露したようなものだ。安倍派の崩壊を象徴的にあらわしていた。

 下関の統一教会の人々が集うのではないかと話題になっていたので見に行ってみたが、どちらかというと近所の高齢者などに声をかけたのかなという雰囲気で、お年寄りばかりだった。それで、「安倍晋三を偲ぶ」と銘打ちながら、安倍晋三を偲んだのは、生前の動画が流れた午後6時すぎまで。大半は市議の星出恒夫(創世下関)の「ほっしーバンド」が安倍家の家紋の前であいみょんの「マリーゴールド」とか、オレンジレンジの「花」とか、ビートルズの「レットイットビー」とか、まったく無関係じゃなかろうかという歌を熱唱して終わった。安倍晋三がいなくなって重しがとれたのか、なんだかはじけていた。公の場とスナックのカラオケとの区別がついていないんじゃないかとも思ったが、これらがはしゃぎ回っていた。

 下関市の島崎副市長が一緒にバンドチームに入っていたのも驚きだし、音響の世話を立憲民主党県議の酒本哲也がせっせと担っていたから、これまたびっくりだ。経営する豊前田のライブハウスで音響装置を扱っているとはいえ、安倍晋三を偲ぶイベントの世話を立憲民主党の県議会議員が請け負うってどうなの? とは思う。もともと前田晋太郎とはバンド仲間でもあるし、政治的節操よりも友だち感覚の方が勝るのだろう。それでいて選挙では自民党と戦う立憲民主党などといわれても拍子抜けする。茶番もいいところだ。

  70歳にもなろうかという星出の「マリーゴールド」も大概きついが、前田晋太郎は「転がり続ける俺の生きざまを〜♪」と、尾崎豊の「シェリー」を熱唱していた。林芳正の国政報告会に行って「総理大臣を目指して頑張って下さい」といった発言が報道されたことについて、安倍派のなかから「前田も寝返った」みたいな批判があったのを気にしているのか、冒頭の挨拶で「安倍先生のことを一秒たりとも忘れたことはない」「信じてほしい」と弁明していたこともあって、「俺は誤解されてはいないかい」「俺はまだ馬鹿と呼ばれているか」「俺はまだまだ恨まれているか」「いつになれば俺は這い上がれるだろう」「どこに行けば俺はたどりつけるだろう」とか、意味深な歌詞を熱唱しているのを聞いていると、なんだか前田晋太郎の悲哀を感じてしまった。確かにこの調子では転がり続けるほかないし、転がった先に何が待っているのかは知ったことではない。

 「転がる」というと、転落とか転向とか様々な言葉があるが、「転がり上がる」なんて聞いたことがない。本人が熱唱していたように「転がり続ける前田晋太郎の生き様を〜♪」を刮(かつ)目しといたら良いというのだろうか。


安倍家の家紋を背に熱唱する前田晋太郎(4日、日和山公園)

  星出については人様の前で歌うならもっと練習して出てこいとは思うし、ちょっとあれはない。ひどすぎた。本人に遠慮して誰も指摘しないならはっきりいう。公衆の面前で披露するレベルではない。周囲もなぜあんなことをさせたのかだ。イベントに統制というか、規制が効いておらず、それ自体安倍派の面汚しではないかと思うものがあった。スナックか何かと勘違いしているのではないか。前田もなぜ安倍晋三一周忌で「シェリー」なのかは意味不明だが、集まっていたのはお年寄りだ。その日、一番盛り上がっていたのは最後の「ふるさと」の大合唱だったくらいで、これが次期市長選で市長ポストを窺っているともっぱらの香川昌則(下関市議会議長)なら間違いなく「バスストップ」を歌っていただろう。

 集まっている人や世代を喜ばせる選曲よりも、「俺、格好いい!」「デビューを目指していた俺」みたいな欲求が勝ってしまい、自分に酔っているのがありありだった。この辺は安倍派の御大たちも、ちょっと教育が足りないのではないか。安倍派崩壊の過程で幹部たちはみな手を引き、これらのちびっ子世代が飛び出してはしゃいでいるとはいえ、まるで好き放題ではないか。安倍晋三一周忌と銘打ちながら「俺を見て」「ボクを見て」の承認欲求を爆発させて、一周忌とはまるで関係のない低俗なドンチャン騒ぎをしているわけだ。傍からそんな様子を見ていると、むしろ安倍晋三を冒涜していると思うのだが、どうだろうか?


「安倍晋三元総理を偲ぶ日和山の竹あかり」のパンフレットに記載された安倍晋三の経歴。追悼セレモニーとは思えないレベルの間違いが目立つ。

  当日配られたパンフレットにもそれは如実にあらわれている。安倍後援会の伊藤元会長の会社の広告は社名を間違えて上からシールで訂正文字が貼り込んであるし、安倍晋三の経歴にいたっては、昭和29年に生まれて、昭和29年に外務大臣秘書官になって、昭和29年に第96代内閣総理大臣に就任したことになっている。安倍派としてそのようないい加減な印刷物でも構わないというなら知ったことではないが、経歴を間違えるなど親分に対して失礼も甚だしいのではないだろうか。校正校閲が利いていないし、恐らくそんな経歴などどうでも良いという人間が担当したのだろう。これまた、安倍派として威張り散らすくせに、肝心な安倍晋三をまるで冒涜しているのだ。いい加減なものだ。

 仕切ったのは市議の井川典子(創世下関)らしいが、結局何がしたかったんだろうか? 外側から見ると一周年を記念して馬鹿どもが飛び出してきて、その馬鹿さ加減をお披露目しただけにしか見えない。少なくとも人が一人亡くなって一周忌という割には「厳粛」ではなかった。見る人が見れば、それは統制が利かぬ残党どもの宴みたいなものだった。

 来賓も衆議院議員の吉田真次、参議院議員の江島潔は来ていたが、県議は高瀬利也だけだった。下関の安倍派だったはずの友田とか平岡の姿はなく、市議も創世下関のメンバー(関谷博を除く)がスタッフで、公明党が来ていただけ。林派についたみらい下関の市議たちは一切姿を見せず、喧噪のなかで安倍派の時代の終焉をそこはかとなく印象づけていた。安倍事務所の筆頭秘書だった配川の人相がまるで力ないものに変貌していたのも人を驚かせた。

 そこで「俺は負け犬なんかじゃないから♪」「俺はまだ馬鹿と呼ばれているか♪」「転がり続ける俺の生き様を〜♪」とか熱唱してしまうと、ほんとうにシュールになってしまう。まず馬鹿と呼ばれるようなことを自分がやっているし、前田晋太郎はどこに転がっていくつもりだろうか? と真顔で思ってしまうのだ。下手すると次の市長選で林派は仕掛けるだろうし、バンドで大騒ぎしたあの連中と選挙が戦えるというなら、やってみればよいのだ。第三者としては、あの日和山でのイベントで安倍派瓦解を肌で感じた感がある。

  このようにお膝元で安倍派なり自民党の崩壊が進んでいる。長門にしろ下関にしろ、人口減少もすさまじいものがあるし、産業の衰退も深刻だ。いったんこの権力構造が崩壊した方が、むしろ地域の活性化にとってはいいのではないだろうかとも思う。紆余曲折を経ながらも自民党支配の基盤が溶け出しているし、その変化をとらえていくことは大切だ。郷土がより良い方向に政治的にも変化していくことが求められるからだ。

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