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2023年11月04日01時15分 〜
記事 [政治・選挙・NHK292] あり得ないようなタイミングと無神経 「私の履歴書」に登場した黒田東彦に言葉を失う(日刊ゲンダイ)

※2023年11月2日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大


※紙面抜粋


※2023年11月2日 日刊ゲンダイ2面

※文字起こし


異次元緩和の後始末、終わりの見えない円安と物価高、一体どういう了見か(日銀の黒田東彦前総裁と登場した日経新聞「私の履歴書」の記事)/(C)日刊ゲンダイ

 いやはや、驚いた。日本経済新聞が朝刊最終面で掲載している「私の履歴書」。政治や経済、文化、スポーツなどの領域で大きな業績を残した人物が月替わりで自らの半生を語る。1956年から続く日経の名物コラムに1日からナント、日銀の黒田東彦前総裁が何食わぬ顔で登場しているのだ。

 時あたかも後任の植田和男総裁が異次元緩和の後始末に右往左往。終わりの見えない円安と物価高という黒田の「負の遺産」に庶民がのたうち回る中、いけしゃあしゃあと顔を出せるものだ。あり得ないようなタイミングと無神経で、厚顔無恥にも程がある。

 連載開始の前日、植田日銀は金融政策決定会合で金融緩和策の再修正に追い込まれた。

 前任者が繰り出した禁じ手のひとつ、長短金利を低く抑え込む「イールドカーブ・コントロール(YCC)」の上限を柔軟化。長期金利の厳格な「防衛ライン」を大きく後退させ、これまで死守してきた1%を超える金利上昇を容認する姿勢に転じた。

 7月の会合で防衛ラインの上限を1%に引き上げてから、たった3カ月。もはや決壊寸前まで追いやられたのは、植田日銀が市場の圧力にあらがいきれなかったためだ。この間、米国の長期金利の上昇ペースはすさまじく、5%程度まで跳ね上がった。つられて日本の長期金利も上昇し、日銀の政策修正観測が強まった10月31日には0.955%をつけ、約10年ぶりの水準に到達。もう逃れられないと観念したのだ。

 市場の上昇圧力に屈した背景にも、黒田の負の遺産が横たわる。

物価高を加速させる歴史的な円安水準

 金利の上昇圧力を抑え込むには、日銀が大量の国債を購入せざるを得ない。しかし、その封じ手が許されないほど、日銀のバランスシートを肥大化させたのもまた、前任者の黒田である。

 黒田が総裁時代の10年間で日銀が買い上げた国債は約500兆円。発行残高の実に5割超を抱える。1%の防衛ラインにこだわり、これ以上、国債を買い占めれば、ただでさえ債券市場を歪めている「副作用」がますます大きくなってしまう。

 そこで植田日銀はYCCの再修正を余儀なくされたのだが、この程度の修正では日米の金利差は大きく縮まらない。もうひとつの懸念材料である円安圧力は払拭できないまま、庶民を苦しめる物価高も当面、加速していく。

 おまけに、財務省が直近1カ月で政府・日銀による為替介入実績がゼロだったと発表。10月に2度、1ドル=150円を超えた直後に円高が進んだ局面でも、政府・日銀が円安阻止に動いていなかったことが判明し、円売り・ドル買いを後押し。海外市場ではアッという間に一時151円74銭まで下落し、1990年以来33年ぶりの152円台という歴史的な円安水準に陥るのも、時間の問題である。

 財務省の神田真人財務官が1日朝、介入を含めて「スタンバイだ」と発言すると、改めて介入が意識され、円相場は乱高下。先月は緩和策の「出口」が意識され、大幅下落が相次いだ株式市場も、1日は小幅修正を好感し、日経平均の終値は前日比742円高の大幅続伸と荒っぽい展開だ。

 それでも、植田は賃金と物価がともに上がる「経済の好循環」には至っていないと分析し、「粘り強く緩和を継続する」と強調。異次元緩和から抜け出せないのは、それだけ黒田の負の遺産が大きすぎる証しだ。

負の遺産に日本経済はがんじがらめ

 マイナス金利の導入やYCC、ETFを通じた約35兆円分もの株の買い上げ──。黒田がひねり出した奇策の数々は、他国の中央銀行がためらうようなハイリスクな禁じ手のオンパレード。下手に植田日銀が「手じまい」に動こうとすれば、その見方が広がるだけでマーケットの格好の餌食となる。出口戦略を見越して金利が急上昇し、株価が急落しかねない。

 誰が引き継いでも、手を焼くことは予想されたとはいえ、植田日銀はあまりにも巨大な負の遺産に、がんじがらめ。たまりにたまった異次元緩和の「うみ」を出そうにも、黒田の尻拭いに四苦八苦。混乱、迷走を重ねているのが実態である。

 ところが、黒田は「私の履歴書」の1回目から〈大幅な金融緩和で「デフレではない」経済は実現した。企業収益は倍増し、4百万人を超える新規雇用が創出された〉と自画自賛。異次元緩和への歴史的評価が定まる前から自慢話に花を咲かせているのだから、何サマのつもりなのか。

「歴史の評価は既に定まっていますよ。異次元緩和は完全な失敗です」と言うのは、経済評論家の斎藤満氏だ。こう続けた。

「黒田前総裁は10年前、就任早々『2年間で2%の物価目標を達成する』と公約したのに、一度も達成できず、2年の短期戦をずるずる延ばし、いつしか10年の長期戦に。その間、円安誘導策で輸出企業を潤したのは単なる為替差損のマジックです。産業界は楽して儲かることにあぐらをかき、技術開発や新たなビジネスモデル構築の努力を怠ってしまった。麻薬漬けのような政策が企業から活力を奪い、国際競争力を失わせ、この10年、日本経済の相対的な地位はどんどん低下していきました。とうとう、日本の名目GDPは今年、ドルベースでドイツに抜かれ、世界3位から4位に転落。それも歴史的な円安進行により、ドル換算すると目減りしてしまうからです。ここにも黒田前総裁の負の遺産が悪影響を及ぼしています」

ハナから羞恥心を求めるだけムダ

 いたるところで黒田が築き上げた「壁」にぶち当たり、身動きの取れない日本経済。日銀が国債を大量に買い上げ、財政資金を賄う事実上の「財政ファイナンス」のせいで、財政規律も緩みっぱなしだ。

「岸田政権の『税収増還元』と称する定額減税、財源後回しのバラまき策こそが動かぬ証拠です」(斎藤満氏=前出)

 これだけ、日本経済をズタズタにし、庶民を苦しめた張本人が何を語るつもりなのか。名物コラムに黒田を出す日経新聞の見識も疑う。このタイミングで黒田を登場させることについて日経に見解を求めたが、「編集過程についてはお答えできません」(広報室)と答えるのみだ。

 評論家の佐高信氏はこう言う。

「『私の履歴書』に胸を張って登場する黒田氏も黒田氏だし、堂々と登場させる日経もおかしい。日銀総裁としての10年間、黒田氏は安倍元首相の家来に成り下がり、さもアベノミクスが成功しているかのように糊塗し続け、円の価値を下げただけ。中央銀行の『独立性』を帳消しにした真っ黒な人物です。かつてドイツがナチスに染まった時代、ヒトラー政権が軍備拡張のため、無限に軍需手形を発行。中央銀行のライヒス・バンクに放漫財政の尻拭いをさせたのに対し、当時のシャハト総裁は弾圧を恐れず抵抗し、反逆者としてヒトラー政権に死刑を宣告されてまであらがいました。命を賭してでも中央銀行の独立性を死守したとも言えますが、黒田氏にそんな気概はさらさらナシ。1984年まで日銀総裁を務めた前川春雄氏は『人間に等級をつける勲章は好まない』として勲一等を辞退し、死後叙勲への辞退の遺志まで家族に伝えていた。そんな矜持も黒田氏にあるはずもなく、多分、喜んで勲章をもらうでしょう。そもそも彼に理性や常識があれば恥ずかしくて、日経の名物コラムに登場しません。ハナから黒田氏に羞恥心を求めるだけムダです」

 黒田は〈半世紀以上も政策の現場にいた体験を、次世代を担う人々のために記そうと考えた〉と出演の動機を明かし、コラムの初回を締めたが、マトモな識者は腰を抜かすほど驚いている。異次元緩和の負の遺産はますます泥沼化。その反省の色はみじんも感じられない。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/297.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 知られざる日本経済凋落の惨状(植草一秀の『知られざる真実』)
知られざる日本経済凋落の惨状
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2023/11/post-903a20.html
2023年11月 3日 植草一秀の『知られざる真実』

日本経済は長期停滞に陥っている。

日米中3ヵ国のドル換算名目GDP推移を見てみよう。

1995年の名目GDP水準は以下の通り

米国  7兆6398億ドル
日本  4兆2375億ドル
中国    7310億ドル

27年が経過した2022年の名目GDPは以下の通り。

米国 25兆4627億ドル
日本  4兆2375億ドル
中国 17兆8863億ドル

           G5+中の名目GDP推移(ドル換算)

※グラフクリック拡大

1995年を100として2022年の名目GDP水準を表示すると

米国  333
日本   76
中国 2447

になる。

         G5+中の名目GDP推移(1995年=100)

※グラフクリック拡大

この27年間に中国経済規模は24倍に拡大、米国は3倍に拡大した。

日本のGDPは1995年の76%に縮小した。

これが現実だ。

購買力平価換算の平均賃金水準で日本は1995年にG5のなかで第3位にランキングされたが2022年にはG5最下位に転落。

2016年には韓国に抜かれ、その後は格差が広がる一方である。

日本の凋落がすさまじい。

2012年に発足した第2次安倍晋三内閣は「成長戦略」を前面に掲げた。

しかし、日本経済が成長を実現することはなかった。

成長戦略の具体的な柱は五つだった。

1.農業の自由化
2.医療の自由化
3.労働規制の自由化
4.特区の創出
5.法人税減税

これらの施策の結果生じたことは大企業利益の増大と労働者所得の減少だった。

成長戦略とは大企業利益の成長戦略であり、労働者不利益の成長戦略だった。

経済全体の成長はまったく実現しなかった。

岸田首相は当初、「分配の是正」を唱えたが、すぐに撤回した。

始め

初めは「分配の是正」を唱えたが、すぐに「成長も分配も」に変わり、結局「まずは成長」に回帰した。

安倍内閣の「成長路線」に回帰。

しかし、安倍内閣の成長戦略は失敗に終わっている。

岸田内閣の下でも成長は実現していない。

日本経済は坂を転げ落ちるように凋落を続けている。

日本はコロナ対応にも失敗した。

世界のなかで最後の最後までコロナ異常規制を維持したのが日本である。

マスク規制、ワクチン規制を世界のなかで最後まで継続したのが日本と米国だ。

その甲斐もあって、日本は極めて珍しく世界第1位のランキングに輝いた。

人口100人当たりのワクチン接種回数で日本は堂々の世界第一位のランキングを獲得した。

日本がいかにワクチン利権に呑み込まれたのかが分かる。

そのワクチ大接種と連動して発生したのが異常な死亡数の激増だ。

死亡数激増とワクチン接種の因果関係を立証することは容易ではない。

ワクチン利権勢力は懸命に両者の因果関係を否定しようとするだろう。

しかし、ワクチン以外に死亡数激増を説明する要因を提示できなことも、紛れもない事実なのだ。

日本はコロナへの過剰対応で経済の著しい悪化を発生させた。

本年5月に、ようやくコロナ規制が解除されて、日本経済が浮上する環境がようやく整った。

しかし、日本経済の浮揚力は極めて弱い。

最大の原因は日中関係の悪化だ。

日本が中国に対して十分な説明もせずに処理後放射能汚染水の海洋投棄を開始した。

この影響で日中関係が悪化。

日本経済浮上の大きな原動力が失われてしまった。

処理後汚染水海洋投棄問題で日本は中国が悪いとの世論を創作したが「盗人猛々しい」とはこのこと。

日本側の対応に問題がある。

日本経済低迷持続に関する岸田内閣の責任は重大である。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/298.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 柿沢前法務副大臣に迫る「Xデー」、河井夫妻選挙違反事件と同じ様相になってきた(日刊ゲンダイ)
柿沢前法務副大臣に迫る「Xデー」、河井夫妻選挙違反事件と同じ様相になってきた
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/331511
2023/11/03 日刊ゲンダイ


柿沢未途前法務副大臣は事実上の選対事務局長だったのか(C)日刊ゲンダイ

 どんどん新たな事実が出てくる。

 4月の東京・江東区長選をめぐり、木村弥生区長(58)の陣営が投票を呼び掛けるネットの有料広告動画を配信したとされる公選法違反事件。動画配信は、自民党衆院議員の柿沢未途・前法務副大臣(52)が木村陣営に勧めていたことが分かっているが、動画撮影についても柿沢氏の秘書が手配した東京・永田町の議員会館の会議室を予約し、使っていたとみられることが時事通信の取材で分かったという。

 ユーチューブで配信された広告動画の再生回数は約38万回で、掲載費用の約14万円は木村区長のクレジットカードで支払われていたことが判明。公選法は、候補者の氏名などを示したネットの有料広告を掲載することを禁じており、罰則は2年以下の禁錮か50万円以下の罰金だ。

 この事件の責任を取るとして法務副大臣を辞職している柿沢氏が、ネット有料広告の活用を提案し、さらに撮影場所まで手配していたとなれば、柿沢氏は木村陣営にとって単なる支援者というよりも、選挙を仕切る“事実上の選対事務局長”だったに等しい。

 そうであれば柿沢氏も公選法違反で問われることはないのか。

 元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士は「(木村氏との)共謀、共犯を問われる可能性はある」との見方を示しつつも、こう続ける。

「それよりも、むしろ(19年7月の)参院広島選挙区で起きた大規模買収事件のような展開になるかもしれません。まだ分かりませんが、一部報道では、柿沢氏が木村陣営の区議らにカネを配っていた疑いがあるとも指摘されている。広島の事件で、河井克行元法相が、妻の案里氏を当選させる目的で多額の資金をばら撒いていたケースと同じです。とはいえ、渡した金は政治資金だと言われれば、どうなるか分かりません」

 参院広島選挙区をめぐる大規模買収事件では、河井克行元法相=実刑確定、服役中=も、今回の柿沢氏と同様、疑惑が報道された直後に法相を辞任し、その後、自民党を離党する展開となった。

 仮に柿沢氏が自民党離党ということになれば「Xデー」も現実味を帯びてくる。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/299.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 「立憲共産党」の批判を恐れ…立民と共産、連携合意のはずがズレる認識(読売新聞オンライン)
https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20231103-OYT1T50236/



立憲民主党の思い描く、そして泉氏が唱える「候補者調整」とは、まさにこれ ↓。

「共産が候補者を取り下げてくれれば、選挙区での勝利が近づく」

しかし、それは「邪道」というものだ 。

ズレているのは、連携合意に対する「認識」ではなく、泉氏の野党共闘に対する「意識」だろう。

政策協議も無い、ただ他党候補者の取り下げを要求するのは、有権者の選択肢を失わせる行為であり、有権者から選挙権を行使する機会を奪うことに等しい。

「国民主権」という憲法の理念に反すると言うべき「愚行」でしかない。

「立憲」の名に唾するものだ。

そんなものに有権者が拍手喝采を送る筈も無し、そんなことで政権交代が実現すると考える者も無し、選択肢を失った有権者が一人立った立憲民主党の候補者に投票する筈も無し、投票する義理も無い。

「野党統一候補」を名乗るならば、政策協議は必須であり、その中から共通政策を練って「一つの旗」として掲げ、有権者に訴えるのが「正道」というものだろう。



以下に記事の抜粋を記す。


次期衆院選での連携に向け、立憲民主党と共産党との間で認識のズレが表面化している。立民が小選挙区で野党候補の一本化を進めたい意向を持ちながら、「立憲共産党」との批判を避けたい思惑から曖昧な姿勢を示しているためだ。共産は連携には政策協議が必要だとして、立民への圧力を強めている。

 10月の衆参2補欠選挙では、野党候補が一本化された結果、参院徳島・高知選挙区では勝利し、衆院長崎でも接戦に持ち込んだ。

 これを受けて、立民の泉代表は投開票日翌日の10月23日、国会内で共産の志位委員長と会談した。

 志位氏は会談後、次期衆院選について「連携して戦っていくことを党首間で合意した」と主張し、同25日の記者会見で、「政策面での旗をどう立てるかが大事になる」と語った。

 これに対し、泉氏は同27日の記者会見で、「野党議席の最大化を各党に伝えた。合意と呼ぶかは各党の考え方だ」と述べ、共産との温度差が浮き彫りになった。

 立民と共産は現在、約50小選挙区で候補者が競合している。立民中堅は「共産が候補者を取り下げてくれれば、選挙区での勝利が近づく」と候補者調整に期待する。

 ただ、立民を支援する連合は共産との連携に否定的で、国民民主との選挙協力を求めている。泉氏は連合に対し、「共産との共闘や選挙協力をしない考え方は変わっていない」と説明したという。・・・

 ・・・立民ベテランは「維新を含めた調整を試みるべきだ。共産との連携は取り沙汰されるだけでもマイナスで、水面下で調整すればよかった」と泉氏を批判した。


記事の抜粋は以上。


そもそも、「「立憲共産党」との批判を避けたい思惑・・・」と記事で言うが、なんのことを言っているのか。

「立憲共産党」と声をかけられたら、何か不都合でもあるのか。

「・・・共産との連携は取り沙汰されるだけでもマイナスで・・・」

「・・・泉氏は連合に対し、「共産との共闘や選挙協力をしない考え方は変わっていない」と説明したという・・・」。

どこを向いて、誰を見て、政治をやっているのかと問う必要がある。

癌の一つは「連合」に違いない。



猫の目の様にコロコロ変わる発言の一つ一つが、なんと軽い事か。

その姿は、公党の代表としての重みを感じさせない。

他党からも見透かされ、軽んじられている今の泉氏では、野党を束ねることは無理と判断すべきなのか。

「野党共闘」が出来ない立憲民主党に未来は無い。




  「がんばれ、野党共闘!」







http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/300.html
記事 [政治・選挙・NHK292] 「アホダノミクス男」「鮒侍男」に続き、「下手くそな宮大工」…岸田首相に3つ目を命名 特別寄稿 浜矩子 同志社大学教授(日刊ゲンダイ)

「アホダノミクス男」「鮒侍男」に続き、「下手くそな宮大工」…岸田首相に3つ目を命名 特別寄稿
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/331520
2023/11/03 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし


出来の悪い寄せ木細工(所信表明演説をする岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ

 臨時国会で経済対策の議論が行われていますが、あらためて岸田首相の所信表明演説について触れたい。あの所信表明は、まさに「出来の悪い寄せ木細工」を思わせました。下手くそな宮大工が、合わないパーツをグイグイ無理やり押し込み、合わせているから、いろんな隙間があったり、はみ出たりしていて、全体の構造が見えないのです。

 宮大工はクギを一本も使わず、美しい全体像をものの見事に作り上げる。どういう構想に基づいて何を表現したいのかが素晴らしくよくわかるものです。ところが、岸田首相の仕事はそれとは対極にある。パーツとパーツがどう組み合わさり、それによって抱いている「所信」がどう表れ出てくるのかがまったく伝わってこなかった。

 体裁が整っていないんです。いきなり「私の頭の中に今あるもの」とか、「経済、経済、経済」と言ってみたり、「粉骨砕身」と言ってみたり。「先送りできない課題に一つ一つ挑戦し、結果をお示ししてきました」とも言ってましたが、何についての、どういう結果を示したのか。

 所信表明は自らの信ずるところ、信念を語るものです。そこが施政方針演説とは違う。何度もやっているのに、岸田首相は所信表明の意味合いが分かっていない。

 とにかく、てんこ盛りにしなくちゃいけないと、「国民への還元」「供給力強化」「デジタル化」「グリーン化」などと言ってましたが、世の中が風雲急を告げているのに、これでいいのか。もっと、どういう信念に基づいて政策運営をやっていくのかが語られてしかるべきだったと思います。

今は「分かち合い型経済」を模索すべき時

 岸田政権は発足して2年が経ちましたが、いまだよく分からない政権です。「コストカット型経済」から「成長型経済」へ移行するんだと言ってますけれど、そもそもそれが間違い。今さら成長型経済じゃない。問題は成長の欠如ではなく、分かち合いが下手なことです。いい加減、気がついても良さそうなものだけれど、気がつく感性がないからどうしようもない。

 今は「分かち合い型経済」の姿を模索するべき時なのです。日本経済は富が「偏在」している。これをあまねく行き渡るように「遍在」化させることで、物価高で苦しんでいる低所得者層を救済するという発想が欲しい。

 分かち合い型経済にしていくための政策は、非常に個別的であり、十把ひとからげではない政策体系を作る必要がある。そのためには金持ち増税をしてもいい。メリハリのある控除にすべきです。

 私は岸田首相を「鮒侍男」と命名しています。誰かにひょいっと背中を押されたら、押された方向にどーんと行って、壁にぶつかったら、今度は反対の方向にどーんと行って、という感じ。そんな「鮒侍男」感があらためて色濃く出た所信表明でした。これまで、「アホダノミクス男」「鮒侍男」と2つの名前を付けていますが、3つ目に「下手くそな宮大工」とも命名しましょうか。


浜矩子 同志社大学教授

1952年、東京生まれ。一橋大経済学部卒業後、三菱総研に入社し英国駐在員事務所長、主席研究員を経て、2002年から現職。「2015年日本経済景気大失速の年になる!」(東洋経済新報社、共著)、「国民なき経済成長」(角川新書)など著書多数。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/301.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 居直り杉田水脈議員…人権侵犯認定を「言論弾圧」「人権の定義に法的根拠ない」と逆ギレ(日刊ゲンダイ)

居直り杉田水脈議員…人権侵犯認定を「言論弾圧」「人権の定義に法的根拠ない」と逆ギレ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/331547
2023/11/04 日刊ゲンダイ


反省ゼロ(杉田水脈議員)/(C)日刊ゲンダイ

 まるで反省していない。在日コリアンやアイヌ民族に対する差別的言動をめぐり、札幌と大阪の法務局から人権侵犯と認定された自民党の杉田水脈衆院議員が驚きの持論を展開している。

 杉田議員は1日、自身のX(旧ツイッター)にショート動画を投稿し、保守系月刊誌「正論」(12月号)に掲載された〈法務省も答えられない「人権侵犯」とは〉と題する記事を紹介。それに乗っかって人権侵犯認定について、「人権の定義に関する根拠法令がない」「今回の措置は行政処分ではなく、強制力のない任意の措置」「行政処分ではない以上、人権侵犯を認定された者は名誉回復の機会さえも奪われる」などと主張した。

 人権侵犯を認定された言動は、2016年にスイスで開かれた国連女性差別撤廃委員会に関してブログなどに書き込んだもの。「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさん」「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」「日本国の恥さらし」など、ド直球の差別表現の数々だった。

 報道各社の取材に、杉田議員は「すでに過去に撤回して謝罪しているお話なのでコメントすることは何もございません」などとノーコメントだったが、「正論」の編集長との対談動画(2日配信)では、人権侵犯認定について「こういう言論弾圧は許してはいけない」と逆ギレ。「被害者は私」と言わんばかりに、差別的言動を正当化していた。

 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。

「日本国憲法を読めば分かるように、人権の考え方については例えば第13条に〈すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする〉と明記されている。杉田議員は、こうした根本規定を理解しているのでしょうか。国会議員に課せられている〈憲法尊重擁護の義務〉にも反しており、いくら『自分は悪くない』と訴えたところで何の説得力もありません」

 杉田議員は人権侵犯認定に「名誉回復の機会がない」と強調し、他者の名誉を傷つけた反省は感じられない。

「杉田議員にとって『基本的人権』とは何なのでしょうか。自身の言動が差別ではなく、正当性があると言うのであれば、『基本的人権』についてきちんと説明いただきたいものです」(金子勝氏)

 何があっても悪びれずに居直る──。こんな人間が国会議員とは世も末だ。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/302.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 杉田衆院議員「制度がおかしい」 自身への人権侵犯認定、Xに投稿(東京新聞 TOKYO Web)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/287826?rct=politics



それは、・・・杉田衆院議員の「頭がおかしい」。

記事に掲載されている写真に見られる、寝起きのような髪の乱れもあるけれど・・・もっと本質的なところで・・・。



以下に記事の全文を転載する。

アイヌ民族や在日コリアンに関する差別的言動を巡り、札幌と大阪の法務局から人権侵犯と認定された自民党の杉田水脈衆院議員は、X(旧ツイッター)への1日付投稿で法務省の認定制度自体を批判した。制度に問題があると指摘した保守系月刊誌の評論記事を添付動画で取り上げた上で「制度としておかしいということがよくわかります」と書き込んだ。自身の正当化を図った形で、レイシズム(人種差別主義)の助長が懸念される。

 杉田氏について、岸田文雄首相は10月31日の参院予算委員会で「傷つけられた方々に謝罪した上で、表現を取り消したと認識している」と答弁した。杉田氏の投稿は首相説明と異なっているようにも受け取れる。政府と自民執行部の対応が問われそうだ。

 人権侵犯を認定されたのは「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさん」「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」などの言動。杉田氏は1日付の投稿で、月刊誌記事を踏まえ「人権の定義に法的根拠はない」ことが分かったと記し、法務局判断の正当性に疑問を呈した。


記事の転載はここまで。


記事によれば、

「・・・杉田氏は1日付の投稿で、月刊誌記事を踏まえ「人権の定義に法的根拠はない」ことが分かったと記し、・・・」

とあるが、この文章を読むだけで、杉田氏は全く分かっていないことが分かる。

解説書によれば、

「人権」とは英語の「human rights」を和訳したものです。ここで注目してもらいたいの
は、「権利」を意味する「right」が複数形になっているという点です。このことから、「人権」とは「人間が持っているいくつもの権利の総称」であることがわかります。

とある。


ここで、1948年に採択された「世界人権宣言」をおさらいすることは無駄にはならない。。

「世界人権宣言」

第一条
 すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。

第二条
1 すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。

2 さらに、個人の属する国又は地域が独立国であると、信託統治地域であると、非自治地域であると、又は他のなんらかの主権制限の下にあるとを問わず、その国又は地域の政治上、管轄上又は国際上の地位に基づくいかなる差別もしてはならない。

以下省略。


この宣言は,すべての人々が持っている市民的,政治的,経済的,社会的,文化的分野にわたる多くの権利を内容とし,前文と30の条文からなっており,世界各国の憲法や法律に取り入れられるとともに,様々な国際会議の決議にも用いられ,世界各国に強い影響を及ぼしている。


当然ながら、日本国憲法も例外ではない。


「人権の定義に法的根拠はない」という一文が、「法的根拠」などともっともらしい単語を並べてはいるものの、日本語にもなっていないことがお分かりだろう。

「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさん」「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」などの言動は、人権に対する理解が無い「無知」のせいというよりも、倫理観が欠如している「無恥」と考える方が納得がいくのではないか。

世界中が最も大切にしようとしている「人権」に対する侵害行為には、日本でも、より厳しい罰則を設けておくことが必要なのだろう。

さもなくば、杉田衆院議員のような輩は後を絶たない。

国民は、これが投票率の低さが生んだ自民党の国会議員だと思うと、忸怩たる思いに駆られ、最後は気分が悪くなる。・・・かも。


嗚呼、「頭がクラクラする。」








http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/303.html
記事 [政治・選挙・NHK292] 日中韓環境相会合で中国は処理水を「核汚染水」と表現、伊藤環境相「科学的根拠に基づいた対応を」(読売新聞オンライン)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231104-OYT1T50144/


日中韓3か国の環境大臣会合の記事。

「・・・環境汚染の対策強化を盛り込んだ共同声明を採択・・・」

どういう訳か、韓国の発言が報じられていない。
これも、「報道しない自由」とでも言わん。


以下に短い記事の全文を転載する。


日中韓3か国の環境大臣会合が4日、名古屋市で開かれた。伊藤環境相は、東京電力福島第一原子力発電所の処理水放出を巡り、日本産水産物の輸入を停止している中国側に対し、科学的根拠に基づいた対応を取るよう求めた。

 伊藤環境相は、周辺海域の海水や魚類などのモニタリング(監視)結果を踏まえ、「人や環境への影響がないことを確認している」と強調。中国の 黄潤秋ホアンルンチウ ・生態環境相は処理水を「核汚染水」と表現し、「隣国などと協議して責任ある形で処理すべきだ」と述べた。

 また、会合では気候変動、生物多様性の損失、環境汚染の対策強化を盛り込んだ共同声明を採択し、閉幕した。


記事の転載はここまで。


記事によれば、

「・・・中国の 黄潤秋 ・生態環境相は処理水を「核汚染水」と表現し・・・」

と強調。

一方、韓国の環境大臣の発言は記事にはない。


25日の聯合ニュースによれば、

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20231025004300882?section=politics/index

与党は汚染水の放出に政府は賛成する立場ではないとし・・・

 ・・・与党「国民の力」の鄭熙溶(チョン・ヒヨン)議員は「わが政府は日本の汚染水放出を原則的に賛成せず、国民の健康を守るために努力している」と強調した。また「われわれがするなと言っても日本が(放出)した場合、国民の安全を守るための最善の措置を取るしかないのではないか」と述べた。・・・

と報じられている。

韓国も中国とは方法は違えども、「・・・国民の健康を守るために努力している」のは同じだ。
日本は、中国の「国民の健康を守るための努力」を、科学的根拠もなく「科学的根拠に基づいた対応を取るよう求める」ことは出来ない。


韓国では、「・・・日本の汚染水放出・・・」と聯合ニュースの記事にあるように、政府を含めて正式呼称は「汚染水」だ。


読売新聞が、韓国の環境大臣の発言を報じられない理由はこれだな・・・きっと。


そして「報道しない自由」もあると嘯くのか・・・な?

「報道の自由」は、「その報道が、国民の知る権利に奉仕するものである」という前提に立って保障されていることを忘れてはいけない。

すなわち、「報道をしない自由」は、保障されてはいないということだ。

ということで、

やっぱり韓国は「汚染水」と言ったの?・・・かな?


「汚染水」で海洋を汚染しまくっている日本の環境大臣が、「環境汚染の対策強化を盛り込んだ共同声明を採択した。」

厚顔無恥の極みとは、このことでないかい?。











http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/304.html
記事 [政治・選挙・NHK292] 「物価高で家計は火の車」 給料上がらず食費削って生活防衛 増税メガネよ、これが庶民の現実だ(長周新聞)
「物価高で家計は火の車」 給料上がらず食費削って生活防衛 増税メガネよ、これが庶民の現実だ
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/28061
2023年11月3日 長周新聞


 食品の値上げラッシュが続いてきたこの2 年。最低賃金が数十円アップしたり、大手企業でわずかながらのベースアップがあったところで物価高騰に庶民の財布は追いつかない。どの家庭も日々の食費や日用品、電気代、ガス代などが上がっていくので節約に節約を重ねる日々だ。岸田首相が今月になってスーパーを視察し「確かに上がっている」とコメントしたが、庶民はもう2年、この状況のなかで預金をとり崩したり、生活を切り詰めながらやりくりし続けており、物が売れなくなっているスーパーも四苦八苦しているところだ。1回きりの「所得税減税」を表明して、国民の支持を得られると思っている政府のピントボケぶりはますます際立っている。

値上がりで食品買い控え、売上減も

 円安やウクライナ戦争の影響を皮切りに、これまで「値上げ」など口に出せずに耐えてきたメーカーがこぞって値上げを発表した。その数は昨年1年間で2万5768点にのぼったが、今年はそれを上回る3万点をこえる規模になっている。同じ商品が二度、三度と値上げになるケースも多々ある。当初は「値上げも致し方ない」という空気も強かったが、ここまですべての物が値上がりすると限られた家計からの支出を控えるほかない。


 調査会社インテージが全国約6000店舗のスーパーマーケットやドラッグストアの販売情報から、多くの食品に値上がりが波及する前の2年前(2021年9月)と今年9月を比較したところ、価格が上がった商品の多くで販売数量が大幅に落ちていた。2年前といえば、コロナ禍が始まり巣ごもり需要などもあってスーパーの売上が上昇していた時期なので、単純比較はできないものの、値上げ商品の販売不振は顕著だ【表1参照】。

 ダントツなのがキャノーラ油(菜種油)だ。今年に入り2020年の平均価格の190%前後に高止まりするなかで販売数量は2年前と比べると41%も減少した。その分の一部はサラダ油に切り替えたとみられ、こちらは97%増になっていた。小麦粉は30%減、マーガリンが23%減、砂糖が23%減など多くの調味料で2桁の減少となっている。主食では小麦粉が30%減、カップラーメンが20%減など大きく減少したほか、今や高級食材になったサバ缶や魚肉ソーセージも20%以上減少した。嗜好品でもレギュラーコーヒーが22%減など、幅広い商品での購入減が起きているという。

 一方、同じく高止まりしている日用雑貨について見ると、洗濯用洗剤が12%増、歯磨き粉が12%増、トイレットペーパーも5%増など、日用品は底堅い数字となり、どちらかというと食費を削って生活を防衛している様子が垣間見える結果となっている。

子育て世帯 食べ盛りの子ども抱えて

 小学生の子ども2人を育てる母親は、「高学年になると食べ盛りで、晩ごはんを食べたあと寝る前になって“うどんが食べたい”“肉が食べたい”といって四食目を食べている。たくさん食べてくれることはうれしいが、昨年からはとくに食費の膨らみ方が尋常ではない。考えた結果、晩ごはん時間を少し遅らせて、お風呂に入ってすぐに寝るようにした」と話す。

 お菓子は極力買わないようになり、4つ入りのヨーグルトを買って凍らせてアイスクリームのようにして食べている。日持ちもするしコスパもいいのでおススメだ。近所のスーパーが土曜日に新鮮野菜の安売りをしているのでまとめて買って1週間もたせている。肉は夕方の安くなるときを狙って買いに行き、小分けにして冷凍する。これまではスーパーに行けない日は牛乳や卵、パンなどをコンビニで買うときもあったが、コンビニにはまったく行かなくなった。

 習い事で週末には子どもたちの弁当をつくっているが、品数を減らし、唐揚げの肉はモモ肉からムネ肉に変わった。油の値段も倍ほどに上がっているので、揚げ物の回数も減らしているところだ。子どもの食費と衣類にかかるお金は削れない。なので自分にかけるお金を減らし、衣類などはほとんど買わなくなったという。値上がり幅の大きな日用品はドラッグストアで20%オフの日に買いに行く。これほど節約しても出費を維持することは難しい。いざというときのために手を付けないでいた児童手当も少しずつとり崩すようになっている。「出ていくばかりで、貯金がなくなっていく」と話していた。

 ゼロ歳児を育てる20代の夫婦は、「今までは“要るもの”を買っていたが、今ではスマホを片手に1週間の予算をこえないように計算しながら買い物をして、それからはみ出すものは週をこえるまで我慢する。成長とともにミルク代は減ってきているけど、離乳食の進行とともにお米代がかかるようになっており、一生懸命やりくりをしている。野菜が高く、ほうれん草は手が出ないので、かわりに小松菜を愛用するようになった」と話す。食材の買い物とは別に、飲み物はドラッグストアのほうが安いのでそちらで買いに行く。食器洗い洗剤は水で薄めて増量をして使い、本当は使いたいが芳香剤ビーズを買うのをやめた。赤ちゃん用の無添加洗剤も高いのでやめようと考えているところだという。

 小さな子どもを育てる家庭では紙オムツなども必需品であるほか、成長期であれば1年前に着た服は小さくなって更新も必要だ。通学のための交通費もかかる。そうした子どもの成長段階に応じて必要なものは削ることはできないから、結局、食費を削るようになっている。

 40代の単身男性は、この物価高のなかで朝食を食べることをやめた。日用品類は少しでも長く使えるようにとの工夫で、シャンプー・ボディソープは水で薄めて使っている。衣類もほとんど買わずに、とくに春・秋の合い物は買わなくなった。食事をコンビニで済まそうと思っても、以前はおにぎりは100円程度だったものが今では170円ほど、弁当を買えば500円以上になっているうえ弁当箱の「底上げ」がひどく、お腹を満たそうと思えば1000円近くかかる。とても毎回は買えない。

 70代の単身男性は、近所のスーパーに買い物に行き、安売りの鮮魚を買って帰り、冷凍庫に保存して必要なときに使うという。弁当・惣菜類も買っていたが、最近は商品の数が減り、夕方の安くなる時間に買いに行っても棚にないこともしばしば。値引きになってもせいぜい2割で、「安い」と感じられない。これから寒い季節がやってくる。暖房を使えば光熱費がさらにのしかかってくる。「今年の冬はパチンコ屋で過ごそうかな」と一言。結局お金を使ってしまうとはわかっているが――。

 男性も女性も、若者世帯も高齢世帯も、生活を維持していくためにみなが生活をきりつめており、「楽しみだったお菓子を買わなくなった」「外食するのをやめた」「ポイント10倍デーにまとめて買い物をして次回以降にポイントを使って買う」「美容院(床屋)に行く頻度を減らした」「美容院に行くときに自分でシャンプーしていけば700円浮く」などといった節約話で巷はもちきりだ。子育て世帯にいたっては、「子どもを空腹状態にするわけにはいかない」「支払い関係は滞らせられないから、食費をどうにかするしかない」と親たちが身を削って一日一日を乗り切っている。家庭でのさまざまな節約術に加え、何曜日が安いか、なんの品目が安いかといったスーパーごとの特徴を調べて走り回っている主婦も少なくない。「走り回るガソリン代を考えるとどっこいどっこいかもしれない…」といいながらも、量を減らすことなく食事を準備するのに精一杯だ。そうしたなかでは外国産か国産かなどにもこだわっておれない。材量を買って自宅で「手作り」するよりも安いからと、値引きとなった弁当を求める母親たちの姿がスーパーに増えている状況に心を痛めている人もいる。一方で、生活のために日々忙しく働いている人ほど時間に追われ「節約をする間もない」という皮肉な実情もある。

 みなが食費を削っている様子は、10月12日に帝国データバンクが発表した特別企画「『食品主要195社』価格改定動向調査―23年度家計負担額推計」でも顕著にあらわれている。今年4〜9月の食品値上げ分を計算して試算したところ、1世帯当りの月の家計負担額(生鮮食品を除く)は22年度より平均で4058円増える計算になった。ところが、総務省の「家計調査」(2人以上世帯の消費支出データ)では、1カ月の増加額は平均373円とごくわずかな額にとどまった。値上げされた分、家計で月当り約3700円の節約をしているということだ。それでもこれまでの生活を維持できないほど、お金が飛んで行く。

高齢者 医者に行くのも控える


 さらに厳しいのが年金暮らしの高齢者世帯だ。2カ月に1回の年金だけでは食べて行けず、この物価高のなかで行政機関や支援団体への駆け込みも少なくない。

 支援団体の関係者は、「コロナになって生活保護を担当する生活支援課からの支援要請の数が急激に増えた。生活保護の申請・決定から支給までに2週間かかるそうだが、その間のお金がないからと食料援助の要請がある。コロナ以降もその状況が続いている」と話す。ケースワーカーから要請があれば、本人の状況に合わせて物資を選ぶが、電気・ガス・水道を止められている人もおり、煮炊きができない人にはパンや乾パンを支給し、お湯が沸かせるのであればカップ麺やフリーズドライの味噌汁などを提供する。お湯が沸かせずに近所の人からお湯をもらったという人もあった。「コロナで生活福祉資金の貸付を受けた人のなかでは、返済にあてるお金がないため食料を支援してほしいといわれて、定期的に支援をしている」と肌身に感じる生活困窮の実態を話していた。

 子ども食堂の関係者は、「地域の高齢者にお弁当を1食200円で配っているが、食材の物価高騰で価格の維持が大変になっている。弁当箱も値上がりしていて50円ほど値上げをしたいが、それすら難しい。この辺りは生活に困窮している高齢者ではないのにその状況なので、生活が厳しい高齢者はもっと大変なのではないだろうか」と話した。乳製品なども大幅に値上がりしており、スーパーでの買い物で1万円があっという間になくなる。子ども食堂の運営も厳しくなっていると話した。また、「知り合いの子持ちのお母さんが、最低賃金が40円上がったが、扶養に入っているからその範囲内で抑えなければならないので、勤務時間が減っただけでうれしいことはなにもないと話していて、若い人も高齢者もみんな大変になっていると感じている」と話していた。

 さらに高齢者のなかでは医療機関にかかることを控える動きも出ている。ある高齢女性は病気が見つかり、手術をすすめられている。高額医療費の限度額は2万4600円だが、入院すれば食費、ベッド代などは保険適用外だ。今手元にある使えるお金は3万円で、それらの支払いが足りるのか、使ってしまえばその後の生活はどうなるのか、不安は尽きないなかで治療そのものをやめようと考えているという。

 別の70代女性は、けがをして整形外科にかかったが、治療のための補装具については金銭的負担感から断った。気力といえばそれまでだが、まずは食べていくことが最優先だと自己処置をして我慢して過ごしている。

消費者と接する商店 値上がり分は自己負担

 こうした消費者と日々接する業者側もぎりぎりの経営だ。あるパン屋では、小麦粉はもとより、その後のバターなどの乳製品の高騰で原料価格が高くなった。添加物の入っていないこだわりのパンをつくっているが、そこで必要なバターが急騰し、かといって国産のバターも手に入らない。昨年からの酪農危機の影響だ。メーカーは代用品をすすめてくるが、それでは品質がかわってくる。高いなら安い物にすればいいという問題ではないし、値上げしてお客さんに押しつけることもしたくない。「値上げをしたくてもドーナツ1個を200円、300円もすると買う側になるとやはり高い。日常的に買ってもらえる値段でなければ商売にはならない」。値上がり分は負担をしながらやっていくしかない状況だ。

 こうしたなかで政府がまったく無策であることへの怒りも強い。経営者の女性は、「とにかく消費税を今減税するべきだ。みんなの生活が厳しいのだから差別なくみんなを救うには消費税減税しかない。非課税世帯、子育て世帯という線引きなく、みんなが平等に恩恵を受けられる仕組みにせずになにをしているのか」と語気を強めていた。

スーパーの実情 値上げで販売数量減る

 あるスーパーでは、揚げ物に使う油の価格が倍加しているため、節約のために油かすをとり除くさいに徹底的にかすと油を分離させ、とり除いた油を再利用して大事に使うようになった。価格転嫁はすでにしていて、唐揚げは1個100円ほど、弁当も以前は一番安いもので398円だったが、今は428円に上がっている。単価が上がっているから売上は前年ごえしているが、買い上げ点数は下がっており、電気代なども含めて経費が増大しているので、利益が上がっているとはいい難い状況だ。

 高額商品が売れないのも特徴で、ウナギがとにかく高すぎて、今年は大量に売れ残ってしまった。クリスマスやおせちの時期が近づいているが、とくにおせちは1万円をこえるので、需要がなくなるのではないかと心配されている。おせち文化もなくなるのではないか? という情勢だ。スーパーの顔である野菜が高いので、かわりに漬け物を売り出そうという方針をうち出しているスーパーもあるとか。

 本社からは「人件費を抑えるために残業をしてはいけない」というお達しが来ているが、人を増やさずに残業を減らすのは無理な話だ。結局、正社員の手取りがどんどん減少していくようになっている。

 食品スーパーは、比較的価格転嫁できているといわれているが、消費者の買い控えに直面して、「特売」など値下げ戦略をとらざるを得なかった中小のスーパーが苦境に立たされている。消費者と直接対面する店舗での値上げは限界に来ており、コスト削減によってみなの給料がまた下がる。そして、資金力の弱い地方の中小スーパーの閉店があいついでいる。

 この状況のなかで、即家計の足しになるのは消費税の減税と食べていくための現金給付だ。しかし岸田政府が出してきた「減税」案は、所得にかかわらず一定額を差し引く定額減税というもの。21年度と22年度の2年間で増えた所得税と個人住民税3・5兆円を「国民に税の形で直接還元する」として、24年度分の所得税3万円、住民税1万円の計4万円の減税が1回ぽっきりということで収まろうとしている。しかも大変なのは今なのに、来年6月以降になりそうな呑気さだ。児童手当の増額も当初予定の2025年2月を2024年12月に前倒しするといっているが、それも1年以上先の話。岸田の財布でもないのに、ちびちびとけちくさい対策しか出てこない。非課税世帯のみへの現金給付ばかりがクローズアップされ、支援を受けられない人との分断を煽ることにもなっている。

 国民の窮状を理解する術も気もないパフォーマンスは、むしろ国民の怒りに油を注いでいる。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/305.html

   

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