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2023年10月28日01時20分 〜
記事 [政治・選挙・NHK292] 支離滅裂とトンチンカンに国民の悲鳴 この首相に外交と経済をやらせてはダメだ(日刊ゲンダイ)

※2023年10月27日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大


※紙面抜粋


※2023年10月27日 日刊ゲンダイ2面

※文字起こし


実質賃金下がり続けGDPは4位転落、支離滅裂の愚策ばかり(岸田首相)(C)日刊ゲンダイ

 我々の税金を弄ぶのはやめて欲しい──。「物価高対策」の名の下に、連日のドタバタを見せつけられ、国民は悲鳴を上げている。

 岸田首相は26日、首相官邸で開いた政府与党政策懇談会で、定額減税の方針を表明、「1人当たり4万円」と金額を明示した。併せて、低所得者世帯には7万円を給付する。岸田は「4万円」という数字を出すことに、ことさらこだわったという。自身の指導力のアピールらしいが、ちゃんちゃらおかしい。

 この1カ月、減税をめぐる動きは、朝令暮改でクルクル変わった。岸田は「税収増の一部を国民に還元する」と繰り返したが、そもそも「還元」とは何なのか、から始まり、「即効性のある給付だ」「いや、所得税減税だ」「消費税を減税すべきだ」などと議論百出。定額減税の方向になった後も、「2万円じゃ少ない」「扶養家族も対象」「所得税3万円、住民税1万円」と毎日のように新たな数字が飛び出し、制度設計のないツギハギだらけの場当たり減税なのが丸わかりだった。

 防衛費や少子化対策費など、いずれ増税が行われるのである。今度の定額減税は、しょせん、支持率対策や選挙対策の類いのもの。来月2日に閣議決定する予定の総合経済対策に盛り込まれるが、減税の実施時期は来年6月。既に自民党内から「物価高対策として意味があるのか」という疑問の声が出るほどなのだから、国民がシラケムードになるのは当然だ。

没落していく衰退途上国

 消費者物価指数は今年9月までで25カ月連続上昇している。岸田は23日の所信表明演説で「経済、経済、経済」と三唱していたが、何を今さら、だ。首相に就いてからの2年間、一体、何をやっていたのか。

 今春闘で30年ぶりの高水準の賃上げが実現したと息巻くが、実質賃金は17カ月連続で下落している。急激な物価高が原因ではあるが、実は、過去30年で比べてみても特に岸田政権時の急落は際立っている。それは、「労働時間当たりの実質賃金指数を見るとよく分かる」と、インフィニティ・チーフエコノミストの田代秀敏氏がこう続ける。

「短時間やパートで働く高齢者や女性が多くなると平均賃金は下がります。男性正社員の名目賃金は増えているからと、岸田政権は実質賃金が下落してもあまり問題視していないようです。しかし、時給換算するように、労働時間当たりの実質賃金指数を算出すると、深刻さは明確。2020年を100として、23年上半期は92.95です。この数値は2010年以降で最低であるだけでなく、バブル崩壊後の31年前の1991年(90.80)と92年(93.42)との間の水準です。今のインフレが急激であるのに対し、賃金の伸びがいかに鈍いのかが分かります」

 国際通貨基金(IMF)が公表した経済見通しによると、23年の日本の名目GDP(国内総生産)はドルベースで世界3位から4位に転落し、人口が日本の約3分の2のドイツに逆転される。150円前後と大幅に進行した円安の影響で、ドル換算で目減りしてしまうからだ。

 超がつく円安が、国民生活を苦しめる諸悪の根源なのに、輸出大企業を優遇する岸田政権は動かない。そのくせ庶民には、効果の期待できない焼け石に水のバラマキ。支離滅裂なトンチンカン首相に任せていたら、日本経済はドン底のままだ。

「岸田首相は所信表明で、世界第3位の経済大国から第4位へ転落するというIMF予測に言及しない一方で、『30年ぶりに新たな経済ステージに移行できる大きなチャンスが巡ってきました』と吠えたのには唖然としました。岸田首相に日本経済の成長力を回復しようという意欲は見えません。とりあえず、何万円かを“ボーナス”として『還元』すればいいだろう、という程度でしかない。これでは日本は先進国から没落していく衰退途上国です。日本経済を抜本的に体質改善することが急務なのに、結局、岸田首相は次の選挙しか見ていないのでしょう」(田代秀敏氏=前出)

経済オンチ、外交オンチが「俺は正しい」の高揚感

「外交の岸田」もからっきしだ。

「今年はG7議長国」だと肩で風を切って歩いていたのは、いつのことだったか。それほど最近は存在感ゼロ。パレスチナのイスラム組織ハマスとイスラエルの衝突では、日本政府の対応の迷走ぶりばかりが目立つ。

 邦人を退避させるために政府が手配したチャーター機を利用するのに「1人3万円」を徴収して猛批判を買ったのは序の口。イスラエルとパレスチナ双方に配慮する「バランス外交」と言えば聞こえはいいが、実態は、イスラエルを支援する欧米とパレスチナへの連帯を示すアラブ諸国の両方の顔色をうかがいながらの右往左往である。

 ハマスによる攻撃の発生当初、岸田はX(旧ツイッター)で、ハマスを「強く非難する」としつつも、「全ての当事者に最大限の自制を求めます」と投稿した。欧米諸国がすぐさま「テロ」と非難したのに対し、原油の輸入の9割を中東に依存する日本の特殊な事情があるゆえ、中立的な立場を強調していた。

 ところがその後、ハマスの攻撃を欧米同様に「テロ」と言及するようになる。一方で、上川外相をエジプトで開かれた国際会議「カイロ平和サミット」に急きょ、派遣。上川は来月2〜5日の日程で、今度はイスラエルとヨルダンを訪問する方向だという。

 岸田は26日まで行われた衆参の代表質問で「日本はこれまで独自の取り組みを通じて中東各国と良好な関係を築いてきた」と答弁していた。しかし、ロシアのウクライナ侵攻以降、対米追従をますます強め、常にバイデン政権に同調する一本足外交でやってきた。それが今や完全に裏目に出ている。

70〜80年代の宏池会外交に学べ

 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。

「日本は防衛費を5年で43兆円に増額する。安倍政権ではやれなかったものを、バイデン米大統領のプッシュがあって岸田政権が実現させたわけで、米国にすれば、安倍・菅時代より岸田首相はさらにくみしやすいと思っている。そして、岸田首相も政権維持のためにも米国と波風を立てないようにしている。しかし、ハマスとイスラエルの戦闘が周辺国も巻き込んで激化し、ホルムズ海峡が封鎖されたり、第5次中東戦争に発展してしまったら、日本は原油をどこから手に入れるのか。米国が助けてくれるわけありません。G7メンバーのうち日本を除く6カ国が、イスラエルの自衛権を支持する共同声明を出した一件では、日本が取り残されたような捉え方もありますが、日本は堂々と、『私たちはアジアの一員。アラブ諸国の痛みが分かる』と主張すればいい。日本の立ち位置を計算に入れた賢い外交ができていない現状を懸念しています」

 経済オンチ、外交オンチの首相が、国民の不満や不安をよそに「俺は正しいことをやっている」という高揚感の中にいるのが日本の今の姿だ。

「岸田首相は1970〜80年代の宏池会の外交をあらためて見直してみたらどうでしょう。いかに中東を大切に扱ってきたか。米国一辺倒ではない国づくりをしてきたか。国家の安全保障は軍事力のみでは達成できず、外交や経済など非軍事も総動員して国の平和と安定を図ろうという『総合安全保障』の考え方から、一定の解答を得られるはずです」(五野井郁夫氏=前出)

「聞く耳」すら持ちえない岸田に、先達の教えに学ぶ謙虚さがあるのかどうか。このままなら、日本経済も日本外交も絶望的なのは間違いない。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/250.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 木原事件告訴状を警視庁受理(植草一秀の『知られざる真実』)
木原事件告訴状を警視庁受理
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2023/10/post-d6e6f7.html
2023年10月25日 植草一秀の『知られざる真実』

殺人が疑われる重大事件に重要な進展があった。

2006年4月10日、木原誠二・前官房副長官の妻X子さんの元夫である安田種雄さんが死亡した。

警察への通報時刻は4月10日の午前3時59分。

通報したのは種雄さんの実父。

種雄さんに貸していたハイエースを返してもらおうと深夜に種雄さん宅を訪れて死亡している種雄さんを発見した。

父親が種雄さん宅に到着したとき、玄関のドアは開いたままになっていた。

電気の消えた居間に種雄さんが横たわっており、種雄さんが寝ていると思った実父が照明をつけると部屋は血の海で、タンクトップを赤く染めた種雄さんの遺体があった。

所管の警視庁大塚署は覚醒剤乱用による自殺として種雄さん死亡を処理した。

しかし、自殺とは考えられない状況が存在した。

本年7月20日に記者会見した種雄さんの実父は2006年4月10日の未明に安田種雄さん宅で死亡している種雄さんを発見したときの状況を次のように語った。

「まさかそこで変わり果てた息子を見つけることになるとは思ってもいなかった。

息子は血まみれで、目を見開いたまま倒れていた。

血は天井まで飛び散っており、右太ももの2〜30センチ先には細長いナイフがきちんと置かれていた。

種雄の傷は、のど元から肺にまで達していた。

自分をそんなふうに刺して、足元にナイフをきちんと置いてから死ぬなどということがありうるだろうか。」

週刊文春(本年7月5日発売号)は捜査関係者のコメントとして、

「ナイフを頭上から喉元に向かって刺したと見られ、その傷は肺近くにまで達していた。死因は失血死。」

と伝えている。

自分自身で実行するには無理がある死亡の態様。

種雄さんの実父ならびに実姉は種雄さん死亡の真相を解明することを願い続けてきた。

2018年に捜査が実施されたが不自然に捜査が打ち切られた。

2023年になって週刊文春が問題を取り上げて、再度、重大疑惑が存在することが白日の下に晒された。

新たな動きが生じるなか、種雄さんの実父などの遺族が本年10月18日、真相解明を求めて、被疑者不詳の殺人事件として警視庁大塚署に告訴状を提出した。

これに対して警視庁大塚署が遺族提出の告訴状を受理する方針を遺族に伝えたと報じられている。

告訴状は本日10月25日にも正式に受理される見通し。

このことについて元大阪地検特捜部主任検事の前田恒彦氏は

「告訴の受理は重要な意味を持つ。

これまで、警察限りの判断で「事件性も他殺の可能性もなし」とされる一方、元捜査員が異を唱え、捜査終結に関して木原誠二氏の圧力があったことをうかがわせる主張を繰り広げるという異例の展開となっていた。

しかし、警察が告訴状を受理した場合には、刑事訴訟法の規定により、速やかにこれに関する書類や証拠物を検察官に送付しなければならない。

「警察だけ」で捜査を終わらせることができず、必ず検察の判断を経なければならない決まりとなっている。

今後の展開が注目される。」

と指摘している。

安田種雄さんが変死したのは2006年4月9日午後10時頃と見られている。

当時、種雄さんと妻のX子さんは夫婦仲が悪くX子さんは子供を連れて家出。

種雄さんは当時X子さんと親密だったY氏の地元にX子さんと子供がいることを突きとめ、父親から借りた車でX子さんと子供たちを連れ戻したが、その直後に謎の死を遂げた。

車を貸した種雄さんの実父は4月9日に何度も電話をかけたが応答がなく種雄さんを訪問して種雄さんの変わり果てた姿を発見した。

そもそもの不審点は、この事件を警視庁大塚署が自殺として処理したこと。

種雄さんが死亡した当日、現場の種雄さん宅にいたのは種雄さんの妻であるX子さんと夫妻の子供2人。

X子さんと子供2人は2階奥の寝室で寝ていたという。

X子さんは「私が寝ている間に、隣の部屋で夫が死んでいました」と供述したとのこと。

さらに現場には2名の人物が存在したと見られる。

X子さんの愛人だったY氏ともう1人の人物Z氏である。

Z氏はX子さんの実父と見られている。

2018年に実施された捜査を担当した警視庁元警部補佐藤誠氏が実名会見を実施したことで事態が大きく変化しようとしている。

警視庁は事件を封印する姿勢を示してきたが告訴状を受理したことにより何らかの対応を示す必要に迫られる。

殺人に時効はない。

殺人が強く疑われる事案を自殺として処理し、捜査を封印することは許されない。

主権者である国民が捜査当局の真相解明を迫らなければならない。

関連記事
<「木原事件」遂に刑事告訴!>《速報》「木原事件」をめぐり警視庁大塚署が安田種雄さん遺族を呼び出し〈被疑者不詳の殺人〉告訴状を受理し、再捜査へ(文春オンライン)
http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/245.html

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/251.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 吉村大阪府知事どの口が? 京都市長選「自公&立憲」相乗りにショボすぎイチャモンで物議(日刊ゲンダイ)

吉村大阪府知事どの口が? 京都市長選「自公&立憲」相乗りにショボすぎイチャモンで物議
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/331194
2023/10/27 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし


立憲民主党を叩くことで…(大阪の吉村洋文府知事)/(C)共同通信社

 さすが大阪府の首長だけあって、大ボケをかましたのか。来年2月の京都市長選に、吉村洋文知事がつけたイチャモンが物議を醸している。

 京都市長選は、自民、立憲民主、公明の3党が元民主党参院議員で内閣官房副長官を務めた松井孝治氏を相乗りで支援する方針を固めている。一方、吉村知事が共同代表を務める日本維新の会は公認候補の擁立を模索中だ。

 吉村知事は25日、自身のX(旧ツイッター)に〈立憲が自民党と組むようです。残念ですが、これが野党第一党。自民党と戦わない。ほんとショボいよね〉と投稿。〈このままだと京都は古い政治がこれからも続く。京都に新しい風を吹かせないといけない〉と、いらんおせっかいも見せた。

 自民党と組むのが〈ほんとショボい〉のであれば、それは維新も同じだ。

 2021年の兵庫県知事選や昨年の長崎県知事選で、維新は自民と共闘。今年4月の統一地方選でも、東京・世田谷区と北区の区長選で自民が擁立した新人を推薦した。ジャーナリストの横田一氏がこう言う。

「吉村さんの主張は支離滅裂と言う他ありません。これまで維新は、自民と選挙で協力してきただけでなく、自民と蜜月関係を築いて万博やカジノを推し進めてきたからです。確かに自公と立憲の相乗りは、国政で高まる立憲と共産の連携機運に水を差す動きではありますが、それを吉村さんは批判できる立場ではないはずです」

 吉村知事肝いりの大阪万博の会場建設費は上振れし、それこそスケールダウンした「ショボい万博」になりかねない。オワコン感が漂う万博に固執する吉村知事こそ「古い政治」の権化であり、京都の心配をしている場合ではないのだ。

政党支持率でも立憲民主党に抜かれる


今年も日本維新の会は自民党と共闘。自分のことは棚に上げて?(応援に駆けつけた馬場伸幸「日本維新の会」代表=2023年東京・世田谷区長選)/(C)日刊ゲンダイ

 統一地方選で“躍進”と騒がれた維新も、今や人気に陰りが見える。NHKの世論調査によれば、政党支持率は今年5月以降、維新が立憲を上回っていたが、今月に入って逆転。維新の支持率は5月の6.7%から、4.9%(10月)まで落ち込んだ。立憲は5.3%だった。

「立憲を批判することで浮上しようという魂胆がミエミエです。不祥事続きで支持率を落としている焦りがあるのではないか」(横田一氏)

 最近では、ネット上で頻繁に自説を開陳している維新の音喜多駿政調会長が、自身の局部が写りこんだ写真をXに投稿してしまう“開チン”騒動があった。吉村知事が憂うべきは、万博の行方と所属議員の不祥事ではないか。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/252.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 自民内は岸田首相の“逆ギレ解散”に戦々恐々…世耕参院幹事長の批判発言に「余計なことを…」(日刊ゲンダイ)


自民内は岸田首相の“逆ギレ解散”に戦々恐々…世耕参院幹事長の批判発言に「余計なことを…」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/331210
2023/10/28 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし


本気で怒った?(手前の代表質問する世耕弘成参院議長を見る岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ

「支持率が向上しない最大の原因は、国民が期待するリーダーとしての姿が示せていないということに尽きるのではないでしょうか」

「残念ながら、現状において岸田総理の決断と言葉については、いくばくかの弱さを感じざるを得ません」

「世の中に対しても、総理が何をやろうとしているのか全く伝わらなかった」

 25日の参院本会議で行われた代表質問で、岸田首相に対して痛烈な批判を繰り広げた自民党の世耕参院幹事長。与党議員がここまで首相をコキ下ろすことは異例で、野党席から「そうだ、そうだ」と合いの手が上がったほどだ。

 自民党内にも「みんなが思っていることを言ってくれた」と評価する声があり、存在感を示した形の世耕氏はまんざらではなかったはずなのだが、一夜明けて26日、朝イチで岸田サイドに代表質問での発言を謝罪したという。

 世耕氏にしては珍しくマトモな質問で、事実を指摘しただけなのに、なぜ謝罪することになったのか。すぐ謝るくらいなら、ドヤ顔でダメ出しなんてやめておけばよかったのだが、世耕氏は26日の参院議員総会でも「首相をしっかり支えていくつもりで質問した」とか釈明していた。

「事前にある程度のすり合わせはしたと思いますが、あそこまでケチョンケチョンに言われて、岸田総理が本気で怒ってしまったという話が駆けめぐり、ガス抜きでは済まなくなった。それに、民主党政権の末期のように党内でゴタゴタしている姿を見せれば、ますます国民から呆れられるだけです。岸田内閣だけでなく、自民党が支持されなくなってしまうという危機感が急速に広がった。見かねた党重鎮が世耕さんをたしなめ、謝罪に至ったのでしょう」(自民党関係者)

保守系月刊誌で相次ぎ改憲に前のめり姿勢


すぐ謝るならドヤ顔でダメ出しなんて止めておけばよかったのに(世耕参院幹事長)/(C)日刊ゲンダイ

 26日発売の保守系月刊誌「Hanada」12月号と「WiLL」12月号の両方に岸田のインタビューが掲載されたことも党内に臆測を広げた。岸田首相は憲法改正や皇位継承策について「もう1段階、いや2段階ギアをアップして進めたい」「責任ある政権与党として自民党が問題解決の姿勢を示す」などと決意を語っているのだが、これが安倍元首相を強烈に支持してきた保守層向けのアピールとみられているのだ。

「総理がこのタイミングであらためて改憲に前向きな姿勢を示したのは、解散・総選挙を見据えて保守層をつなぎとめるためでしょう。いつでも解散に踏み切れる環境を整備しているように見える。参院議員の世耕さんは解散と関係ないから、総理を批判して自分の評判を上げればそれでいいかもしれないが、われわれにとっては死活問題です。下手に総理を追い詰めて、逆ギレ解散なんてことになったら困る。余計なことをしないでいただきたい」(自民党の若手衆院議員)

 野党を牽制するはずの解散権行使に身内の自民党衆院議員の方がビビっている。もはや末期的だ。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/253.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 政策修正に追い込まれる日本銀行(植草一秀の『知られざる真実』)
政策修正に追い込まれる日本銀行
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2023/10/post-310fe0.html
2023年10月28日 植草一秀の『知られざる真実』

0月30、31日に日銀が金融政策決定会合を開く。

同時に「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」が発表される。

日銀は政策修正に追い込まれる見通しだ。

9月の政策決定会合後の記者会見で植田和男日銀総裁は「ねばり強く金融緩和を続ける」と述べたが、日銀の政策運営はすでに「金融緩和の修正」に転じている。

しかし、日銀は表向き、インフレ推進の姿勢を崩していない。

足下のインフレ率は日銀目標の2%をはるかに超えている。

2023年9月の全国消費者物価指数(生鮮食品とエネルギーを除く総合)上昇率は前年同月比+4.2%。

同じ9月の米国消費者物価指数(食品とエネルギーを除く)上昇率は前年同月比+4.1%。

日本のインフレ率が米国のインフレ率を上回っている。

その米国ではパウエルFRB議長が

「インフレを長期的に2%に引き下げるため、十分に制約的な政策を達成し、維持することを約束する」

「適切ならさらに金利を引き上げる用意がある」(いずれも9月FOMC後会見)

と述べている。

ところが日銀は、2%インフレが「持続的かつ安定的に達成される見通しが得られていない」ことを根拠に、インフレを推進する政策を続けるとしている。

国民生活が苦しめられている最大の原因はインフレの進行である。

「賃上げ」が叫ばれているが、労働者の生活に直結するのは実質賃金の変化。

名目賃金が上昇してもそれをインフレ率が上回るなら実質的な所得は減少する。

実質賃金の変化が重要だが、実質賃金は減り続けている。

本年7月の実質賃金指数伸び率(現金給与総額)は前年同月比2.5%の減少だ。

実質賃金は大幅に減り続けている。

インフレ進行下で名目賃金上昇率がインフレ率を上回ることはない。

また、現在の経済状況下で賃上げを実施できるのは体力の大きな大企業に限られる。

中小零細企業の多くで賃上げが実行されていない。

大企業だけが賃上げを実行すると労働者の賃金格差は一段と拡大する。

日銀は、いまなおインフレ推進の旗を振っている理由として、

「2%インフレが持続的かつ安定的に達成される見通しが得られていない」

ことを上げられているが、その「見通し」は日銀自身の見通しである。

本年7月の展望レポートにおける日銀のインフレ率見通しは、

2024年度 1.7%
2025年度 1.8%
(いずれも生鮮食品とエネルギーを除く総合)


で、この見通しに基づいて2%インフレが持続的安定的に達成される見通しが得られていないとしている。

実は日銀のインフレ率見通しが甘い。

2023年度のインフレ率を日銀はどのように見通してきたか。

2023年度の「生鮮食品とエネルギーを除く総合」の消費者物価上昇率見通しとして、日銀は本年1月の「展望レポート」で以下の数値を提示した。

2023年度物価上昇率 +1.8%

ところが、本年7月の展望レポートで次の数値に書き換えられた。

2023年度物価上昇率 +3.2%


そして、2023年9月の実績値が+4.2%である。

今年度のインフレ率見通しについて、日銀は本年1月に+1.8%という見通しを提示した。

それを、わずか半年後の7月に+3.2%に修正した。

日銀のインフレ見通しがいかに甘いものであったのかが鮮明に示されている。

10月31日の展望レポートで日銀は2024年度ならびに2025年度インフレ率見通しを上方改定するのではないか。

甘すぎるインフレ見通しを提示してインフレの旗を振ることは百害あって一利なしだ。

2%を超えるインフレ率見通しを提示すると政策路線を修正せざるを得なくなる。

この状況に追い込まれる可能性が高い。

インフレに対する対応が遅い日本銀行。

この政策の遅さが金融市場の大きな波乱要因になってきた。

インフレ推進の旗を振ってきた日銀の責任は重い。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/254.html

記事 [政治・選挙・NHK292] パパ活疑惑で“更迭1号”山田文科政務官の後任 本田顕子氏と旧統一教会とのグレーな関係(日刊ゲンダイ)

パパ活疑惑で“更迭1号”山田文科政務官の後任 本田顕子氏と旧統一教会とのグレーな関係
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/331195
2023/10/27 日刊ゲンダイ


後援会幹部が旧統一協会関連団体のトップ(自民党の本田顕子参院議員)/(C)共同通信社

「増税メガネ」は万事休すだ。政権浮揚を狙った内閣改造から6週間。衆参ダブル補選はほぼ敗北、恩着せがましく「税収増の国民還元」をうたう所得税減税をめぐって迷走する中、改造後の辞任第1号が早くも出た。

 発売中の「週刊文春」にパパ活疑惑を報じられた自民党参院議員の山田太郎文科政務官(56=比例代表)が26日、辞表を提出。事実上の更迭と相成った。

 蝶ネクタイがトレードマークの山田氏は、組織に頼らないネット選挙を展開し、当選2回。「SNSなどに詳しく、子ども政策に熱心で、党内で頼りにされてきた」(自民関係者)という。文春によると、臨時国会召集前夜の19日、東京・大塚のラブホで20代女性と密会。数年来の付き合いだとする女性は山田氏からの支払いを認めており、買春の疑いを持たれている。

 26日、ぶら下がり取材に応じた山田氏は不倫関係は認めたものの、「報道には性行為の対価として現金を払ったというような内容がございましたが、一切ございません」などと疑惑を否定。議員辞職はしないという。

辞任ドミノ再燃の予兆


質問は3問で打ち切り(関係を認め、謝罪する山田太郎参院議員)/(C)共同通信社

 山田氏の後任は自民の本田顕子参院議員(52=比例代表)。2004年まで参院議員を1期務めた本田良一氏(熊本選挙区)の長女で、父娘でみんなの党から自民入り。19年に初当選したフレッシュな女性議員ではあるが、クリーンかどうかは怪しい。後援会幹部が旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の関連団体のトップだったからだ。

 その人物は、今月上旬まで崇城大(熊本市)の学長を20年にわたって務めてきた中山峰男理事長。「日韓トンネル推進熊本県民会議」が発足した11年から議長に就いていると昨年8月に報じられ、本田氏は当時の取材に「大変尊敬している先生なので(後援会の)筆頭最高顧問を引き受けていただいた」と答えていた。問題発覚後、中山氏は議長の辞任届を提出したとし、「旧統一教会と関連があるとの認識はなかった」と釈明していた。

 文科省は東京地裁に教団の解散命令を請求している。本田氏と中山氏の関係はどうなっているのか。

「後援会のご判断で、(中山氏は)今は後援会にはおられません。本田と統一教会の関係? 党で公表している通りです」(本田事務所)

 自民のゆるい「点検」では、本田氏は該当せず。報道各社のアンケートでも無関係を貫いている。ちなみに、中山氏は岸田首相の後援会「熊本岸田会」の会長でもある。岸田首相は本田氏の登用について「政務官経験者でもあり、適材適所という判断に基づいた」と言っていたが、1年前の辞任ドミノ再燃の予兆になりそうだ。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/255.html

記事 [政治・選挙・NHK292] いいたくなるよなぁ、「増税メガネ」くらい。 室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」(日刊ゲンダイ)

いいたくなるよなぁ、「増税メガネ」くらい。 室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/331170
2023/10/27 日刊ゲンダイ


岸田首相(C)日刊ゲンダイ

『「増税メガネ」は既に東京維新の会代表、幹事長から謝罪があった表現です。使うのやめてもらえませんか。組織としての信頼も失い続けます。』(松本ときひろ 品川区議会議員・日本維新の会)

  ◇  ◇  ◇

 これは10月23日の松本区議会議員の言葉。岸田首相を揶揄する言葉『増税メガネ』という言葉を使ってチラシを作った維新の衆院選候補者をめぐって、党内で一悶着あったようだ。

 音喜多参議院議員も、その言葉を気軽に使ったことをXで謝っていたっけ。なんでも、維新は容姿を揶揄したのは不適切だったと反省したのだとか。

 この件について、

「え〜、そこかよ!」

 とツッコミを入れたのは、私だけじゃないはずだ。

 維新が反省するのは、万博やカジノの強行だろう。ま、反省したいのなら、勝手に反省すればいい。てか、万博やカジノには反対しつづけるし。

 それにしても『増税メガネ』ってあだ名、そこまで悪いものなのか?

 小学生が同級生の容姿を揶揄し、虐めたのではない。一国の総理が『増税メガネ』とあだ名されただけである。

 実際に、困窮している人は増え、税金を負担だと感じる人は増えた。岸田首相が所信表明でいった『新しい資本主義』とやらも、さっぱりわからん。

 いいたくなるよなぁ、「増税メガネ」くらい。

 容姿を揶揄って、メガネという部分が悪かった? でも、わし、メガネかけている人、賢そうで好きだぞ。そこは悪口にもならない、個人の好みの範囲だろ。

 あ、そうか! 電通が作ったようなキャッチフレーズじゃなかったから、ダメなのか?

 だったら、岸田さん、さっさとパンケーキを食べて御用メディアに広報してもらうだす。
『第2パンケーキおじさん』

 どじゃ! パンケーキ好きだから、少しそれも胸糞悪いが。


室井佑月 作家

1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/256.html

記事 [政治・選挙・NHK292] 処理水放出「技術的な懸念なし」 IAEA検証で(東京新聞 TOKYO Web)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/286543?rct=national


IAEAの調査団は今月24〜27日、日本を訪問し、福島第1原発の処理水海洋放出後では初めて「検証」作業を行った。・・・そうだ

その間に、ALPS周辺の作業中に配管が外れて、作業者が被ばくするという事故が起こっている。
しかも、検証作業をしている調査団の目と鼻の先で・・・。

報道されている事故の状況を見れば、「技術的」には、極めてお粗末というしかない。

IAEAは4日間で何を検証したのだろうか。

検証期間が終わった翌日、IAEAはそのホームページで「・・・技術的な懸念はない」とする見解を示した。・・・と報じられている。


IAEAを弁護するわけではないが、これなどは、被ばく事故など想定していない、事前に作られた「見解の原稿」をそのままアップしてしまったといったところではないか。



以下に記事の全文を転載する。


国際原子力機関(IAEA)は28日までに、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出後では初めて日本で行った検証作業に関し「放出は計画通りに進んでおり、技術的な懸念はない」とする見解を示した。来日した調査団には放出に反発する中国の専門家も参加しており、年内に正式な検証結果をまとめる。

 見解はIAEAのホームページに掲載した。IAEAの調査団は今月24〜27日、東電と技術的な協議を行い、放出データや設備の運用実績を確認。経済産業省や原子力規制庁の関係者とも会談した。福島第1原発では、処理水タンクや異常時の緊急遮断弁のほか、設備の制御室、放射線監視装置などを視察した。


記事の転載はここまで。


IAEAは4日間で何を検証したのだろうか。

記事によれば、

「・・・東電と技術的な協議を行い、放出データや設備の運用実績を確認。経済産業省や原子力規制庁の関係者とも会談した。福島第1原発では、処理水タンクや異常時の緊急遮断弁のほか、設備の制御室、放射線監視装置などを視察した。」

とある。

「技術的な要」と位置付けられている「ALPS」に対しては、今回も、検証は勿論、視察すらもしていないようだ。

そのALPS周辺で被ばく事故は起きた。

処理水タンクの視察の様子を映した写真によれば、調査団の人たちは、東電の担当者の説明にメモを取る風でもなく、中庭で遊ぶ幼稚園児を眺めている園長先生の様に手を後ろに組んで、巨大なタンクを見上げているだけの様に見える。


ただ、担当者の説明を聞くだけで、設備を外から見学するだけで、「技術的な懸念の有無」を判断など出来ようか。

少なくとも、「検証」と言うならば、科学的手続きに基づいたものでなければならない。

国際社会を代表して「汚染水」の最後の一滴まで「安全を監視」すると豪語する以上は、その監視行動と報告は、科学的批判に耐えられるものでなければ意味がない。

国際社会が懸念しているものは、「テクノロジー」ではなく「サイエンス」なのだから。


IAEAの調査団が、目の前で起きた被ばく事故に対してコメントを残したのか、残さなかったのか、記事では触れていない。









http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/257.html
記事 [政治・選挙・NHK292] 野党にも「知恵なし」の情けなさ 一時的なバラマキで何が変わるものか(日刊ゲンダイ)

※2023年10月28日 日刊ゲンダイ2面 紙面クリック拡大


※紙面抜粋

※文字起こし


減税策がいかにデタラメか国民は見抜いている(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ

 ここまで批判される減税も珍しいのではないか。

「成長の成果である税収増を国民に還元する」──と所信表明で演説した岸田首相は、27日も衆院予算委で「この2年間で3兆円を超える税収増があり、物価高の中で国民に頑張ってもらうために、分かりやすく所得税と住民税でお返しする」と“減税の岸田”を猛烈にアピールしていた。

 1人当たり年4万円の「定額減税」を実施し、住民税の非課税世帯には7万円の現金を給付する方針だ。

 しかし、制度がはじまる前から国民から批判が噴出。旧ツイッターでは<減税ウソメガネ>がトレンド入りするありさまである。この減税策が、いかにデタラメか、国民はとっくに見抜いているということだ。

 そもそも、岸田本人は「成長の成果を還元」などと胸を張っているが、日本経済はほとんど成長していない。もし、還元するほど成長しているなら、とっくに国民は潤い、減税など必要ないはずである。

 さらに所信表明では、国民への還元について支離滅裂なことを口にしている。片方で「物価高を乗り越える国民への還元」としながら、もう片方では「デフレ完全脱却のため」としているのだ。これは矛盾もいいところだろう。物価高なら、デフレではないはずだ。それに物価高なのに減税したら、さらに物価高が進んでしまうのではないか。「岸田減税」は、目的が意味不明なのだ。

 しかも、まだ生煮えのためか、中身もヒドイ。子だくさんの非課税世帯は7万円しか支給されないのに、夫婦2人と子ども5人の裕福な世帯は28万円ももらえる。支援が必要な人ほど、恩恵が薄い制度となっているのだ。いくらなんでも、これはおかしいのではないか。

 そのうえ減税は1回限りである。だから経済効果も薄く、GDPの押し上げ効果は、わずか0.12%だそうだ。これでは、国民が批判するのも当然である。

 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。

「歓迎されるはずの減税が批判されるのは、岸田首相の邪な考えがバレているからです。国民のための減税ではなく、自分のための減税ということがミエミエですからね。人気取り、選挙目当てがあからさまです。しかも、1年限りの減税の後には防衛費増税が待っている。これでは歓迎するはずがない。岸田首相は、庶民の暮らしが分かっていないのだと思う。2年もつづく物価高に庶民は悲鳴をあげている。なにしろ1世帯、年間12万円の負担増です。たった1年間、4万円を減税されたからといって喜ぶはずがありません」

自民と五十歩百歩の最悪

 人気取りの「減税ウソメガネ」の経済対策は話にならないが、野党もどうかしている。同じ土俵に乗っかって「給付だ」「手当だ」と訴えているのだからどうしようもない。

 野党第1党の立憲民主党は、全世帯の6割を対象に3万円の「インフレ給付金」の配布を主張。泉代表は24日の代表質問で「給付、給付、給付」と岸田が所信表明でやった“経済三唱”をあてこすってみせたが、発想は岸田政権と全く同じだ。国民からすれば「定額減税」も「インフレ給付金」も、一時的なバラマキとしか映っていないのではないか。

 しかも、立憲は「消費税の半分を還付」するという複雑な法案まで提出。中・低所得世帯を対象に、年間の消費税負担額の2分の1を、所得税の税額控除と給付によって還付されるようにするという。しかし、どうせ消費税を対象にするなら、「減税」や「廃止」を求めるべきだろう。国民に分かりづらい「還付」を打ち出すとは、あまりにセンスがないというものだ。

 いまこそ、野党は岸田政権のデタラメなバラマキを追及すべきなのに、「野党は批判ばかり」「対案を出せ」という声にビビっているのか、自民党と一緒になってバラマキ合戦をしているのだから話にならない。

 対案を出すにしても、自民党とはまったく違う発想のモノを出すべきなのではないか。自民党と同じ発想では意味がないだろう。この国の政治家には、バラマキしか知恵がないのか。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

「政治の大きな役割は、国民から預かった税金をどう分配すれば、国民生活にとって一番いいのか、熟慮することです。教育なのか、経済なのか、社会保障なのか。それも、目先だけでなく、5年先、10年先、数十年先を見据えて分配を考えなければいけない。なのに、恒久減税ならまだしも、たった1年間の定額減税や給付金を訴えるなど、あまりにも情けない。野党は岸田政権のバラマキを追及すべきなのに『給付だ』『還付だ』と、同じレベルで議論を展開している。浅はかだと言わざるを得ません」

新自由主義からの大転換が必要

 一時的なバラマキをやっても日本経済は回復しないし、国民が豊かになることも決してない。いま必要なのは、日本経済の停滞を打ち破るような抜本的な改革に手をつけることだ。

「失われた30年」を招いた最大の原因は、日本が新自由主義に突っ走ったことだ。とくにこの10年間のアベノミクスによって日本社会は本当に貧しくなってしまった。一握りの大企業と富裕層が潤う一方、非正規労働者が全体の4割にまで上り、格差が拡大。少子化だって、経済的な余裕がなく、結婚して子どもを持ちたくても持てない若年層が増えていたのが原因である。

 ある意味、日本は、アメリカよりも新自由主義が進んでしまっている。たとえば、株の配当課税である。アメリカ(ニューヨーク市)の税率は約35%、英国は約40%だ。なのに日本は、消費税導入前の約35%から現在は約20%にまで下げられている。国際的に見ても日本の配当課税は低すぎる。

 いまや、資本主義の権化であるアメリカでさえ、行き過ぎた新自由主義を見直すべきだ、という動きが出始めているくらいである。日本も、新自由主義を見直すべきではないのか。前出の五十嵐仁氏が言う。

「壮大な“社会実験”だったアベノミクスは、この10年間で失敗だったことは明らかになったはずです。2023年の日本の名目GDPはドイツに逆転される見通しで、平均年収も韓国に抜かれてしまった。円の実力は53年ぶりの低水準です。これからは、稼げない日本で働く外国人が減る一方、海外へ出稼ぎする日本人が増えていくでしょう。もともと、岸田首相は看板政策に『新しい資本主義』を掲げ、『分配』を重視したのに、結局、富を一極に集中させるアベノミクスを継続している。安倍シンパに気を使っているのでしょうが、このままでは日本は停滞から抜け出せないと思います」

 野党はバラマキ合戦に付き合っている場合ではない。この国は、一時的なバラマキでは変わらない。アベノミクスとは、まったく違う政策が求められている。停滞を招いたA級戦犯の自民党を降ろさなければ、国民は絶望するしかない。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/258.html

   

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